はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

推しが武道館いってくれたら死ぬ 第12話「推しが武道館いってくれたら」感想

 最終回まで見て改めて思い出すんだけど、マンガのCMを見た時は、アニメ化しても見続けられないだろうと思っていたんだよ。タイトルからして、登場人物がめんどくさそうなやつだったし。だが、面白く見れてしまった。

 

今週の内容

早朝からダンスの練習をするれお。曲が終わったタイミングで声を掛けた舞菜に、れおは努力しても届かない存在がいるのだと、前に所属していたグループのセンターを思い出しながら話し、努力が必ず報われるとは限らないと理解していても、自分は努力する事しかできないのだと、自分を卑下し始める。そんなれおに舞菜が何かを言いかけた時、残りのメンバーが入ってきたため、舞菜はそれ以上話を進めることができず、れおを気にしつつも円陣に加わるのだった。

せとうちアイドルフェスの参加者列に並んでいたえりぴよ達。配られたタイムテーブルを見つつ、玲奈に一番人気のあるグループがトリを飾る事を説明していたくまさは、なら真ん中より少し前に出場するちゃむは、人気が無いのかとツッコまれ、自信を持って違うと言えない事にえりぴよと基も巻き込んでいじけてしまうのだった。

始めてのフェスに、入り口からテンションを上げていく優佳と文。れおは舞い上がる二人にもにこやかにサービス名を教え、空音と眞妃ははしゃぐ二人を諫めていた。そんなちゃむを、特にれおを見ていた少女は、そのまま階段から立ち去っていく。

ちゃむの控え室に到着し、テーブルと丸椅子だけと言う狭い空間に、一気にテンションがさがった優佳。狭い部屋に、少しメンバー全体の空気も硬直する中、なぜかゆめ莉は鍋を持ってきているから大丈夫だと励まし、今日はうどんを食べることはないと優佳にツッコみを受けるのだった。

座って落ち着いたところで、歯磨きに出ると言う舞菜とそれに同行する眞妃。そんな二人にれおは洗面台の場所を案内したため、文からこの会場が初めてではないことと、前のグループとして参加した時は、トリだったことを言われてしまう。文はこの発言はれおを侮辱する意味で言ったのではないと付け加えるが、れおは当時のグループメンバーだったメイからも、このぐらいの規模のフェスで緊張しないで欲しいと冷たく言われた事を思い出し、自分の実力の無さを思い出してしまう。

物販でCDを大量買いしたえりぴよは、これからの舞菜が行う初めての出来事は、堪能するのだと興奮し、買いそろえたCDを両手と頭に置いてスクワットを始める。えりぴよにあてられたのか、基もCDを買い足しに行こうと列に並び直しに行き、この流れに迷った玲奈は、くまさはどうするのかと思わず聞いてみる。するとくまさはあえてⅠ枚だけ買い、この特別な日を凝縮したいという考えなのだと答えたため、玲奈もその想いに共感して、自分もⅠ枚にすると決めるのだった。

11時に開演したせとうちアイドルフェスは、1グループ15分と言うスケジュールで順調に進んでいき、ちゃむの出番まであと2グループと言うところまで迫っていた。空きスペースで円陣を組み、れおが掛け声をかけようとしていた時、メイがれおに声を掛けたため、れおは思わず重ね合わせていた手を引っ込めてしまう。

れおの緊張した様子に他のメンバーが違和感を覚える中、メイに相対するれお。メイの社交辞令に笑顔で答えていたれおだったが、自分のグループは武道館公演が決定したのだと話したメイの目に、見下すような意味合いを感じたれおは、途端に硬直し、その場にうなだれてしまう。

メイが去った後、れおを囲んで彼女の手を取り、れおの存在が支えになっていることを伝えるメンバー達。普段はあまり発言ができない舞菜も、努力が全部報われなくとも、全部が無駄にならないと力強く言い切って、自然と全員の手が重ね合っていく。れおもこのメンバーでフェスに参加できてうれしいと笑い、目に涙を浮かべていた。これを近くの階段から聞いていたスタッフの吉川、三崎、室田の三人も、陰ながらもらい泣きをしたり、嬉しそうに笑ったりしていたのだった。

れおは今度こそ大丈夫だと笑い、必ず武道館に行こうと胸を張ってステージ前の掛け声を行う。

ステージに上がって観客をみた舞菜は、いつもとは違う人数に若干パニックになってしまう。しかし声援の中にえりぴよの声を聞き取り、前列に彼女の姿を見つけた舞菜は落ち着きを取り戻して、曲がスタートする。

ステージの最中に、れおと舞菜は自分はここにいる、アイドルで良かったと感じることができ、出番を無事に終え、ステージから降りたれおは、その興奮からか思わず泣き出してしまい、メンバーで彼女を取り囲んで彼女を支えていた。

ちゃむのステージを見終えたえりぴよ達は、出店のうどんをすすりつつ、良いステージだったと興奮冷めやらぬ面持ちで、感想を述べ合っていた。そんな彼女たちも驚くほどの声援がステージから沸き起こり、くまさはめいぷる♡どーるの出番なのだとステージに目を向ける。

れおたちもステージの様子を眺め、自分たちも同じステージに上がったのだと強がって見せる。れおは自分たちのステージの時に、ファンがどこまでいたのか分かったかと確認し、その言葉に、強がっていた文と優佳はあからさまにギクリと反応を見せた。本当に前列の部分の人しか、真剣にステージを見てくれていなかったと、再認識させられて沈むメンバーに、れおは自分たちはまだまだだとしつつも、確実に前に進んだと断言してみせ、その笑顔に引っ張られるように暗雲とした空気も晴れていく。見計らったようにチラシを持った三崎が声を掛け、吉川も、一人でも多くちゃむを知ってもらうのだと意気込んだ指示を出す。

物販の宣伝も兼ねてチラシ配りをする舞菜は、偶然ステージを見ているえりぴよを発見し、推し変なのかと不安に駆られてしまい、挙動不審になってしまう。そんな舞菜に声を掛けた空音は、チラシを渡した男性が、空音の事を可愛いと言っていた事を聞いても動じることが無かったため、舞菜は思わず、ステージにいるアイドルの事を一番に好きだと思っている人は、一体どれくらいいるだろうかと尋ねてみる。そんな舞菜に、空音は実体験を交えて、言われたことを信じるしかないことや、常に可愛い自分を見せるしかない事を、しみじみと話して聞かせるのだった。

最高の盛り上がりをみせるめいぷる♡どーるのステージを見ていたえりぴよは、無感動の表情のままアイドルは大勢いるのだと認識していた。しかしそれでも思い出せるのは舞菜だけであり、自分の中ではアイドルは舞菜だけなのだと自覚する。

握手会が始まり、基は空音と、くまさはれおの列に並んで言葉を交わしていた。えりぴよは玲奈が舞菜と話している間に、特別なこの日にあった言葉を考えていたが、思ったよりも早く自分の番が来てしまい、定型文を読み上げながら考えると言うひっ迫した状態に追い込まれていた。

舞菜から話しかけられた事で、えりぴよは楽しくて幸せだったことを話しだし、これを聞いた舞菜も、不安げな顔を少し和らげ、武道館に行きたいと目標を口にする。いつもは塩対応の舞菜がここまで言ってくれたと喜んだえりぴよは、フェスという大舞台を乗り越えて、舞菜がさらに可愛く感じるのだと理由付けをし、武道館に行く頃にはどうなってしまうのかと妄想を爆発させる。そこへ、舞菜からえりぴいよのおかげで頑張れたと微笑まれたため、えりぴよは何も考えず一生好きと口走り、武道館行ってくれたら死ぬときっぱりと発言したため、舞菜は一瞬驚くが、すぐに笑って頷いて見せる。

その後に取ったであろうチェキは、いつもよりも接近することが出来た二人が、幸せそうに映っていた。

フェスの勢いを借りて武道館まで足を運んだえりぴよ達とちゃむのメンバー。

えりぴよとくまさ、基は、いずれちゃむがここに来るのかと感慨深く見上げて、満足していた。一方えりぴよ達とは関係なく、メンバー全員で武道館を見に来たれお達は、思っていたのと違うと戸惑いを見せていた。

実はれお達が来ていたのが足立区にある東京武道館で、いわゆる目標に挙げている武道館は、千代田区にある日本武道館なのであった。想像とは違ったが、ここに来れるように頑張ろうと言い始めた舞菜たちだったが、携帯をみていたゆめ莉は、やっぱりここじゃなかったと訂正し、メンバーは声を上げるのだった。

 

ここから感想

何とも本作らしいラストだった。やっぱり感動だけで終わらせない作風は好きだよ。にしてもゆめ莉の目立ち方がボケキャラとは…思いきったなぁ。

最終回に向けて、れおの不安感とちゃむのグループの団結力を繋げる辺りは、アイドルものだと良くある話なのかもしれないが、れおが感じている劣等感や、メイがれおを見つけた時ではなく、出番直前にちょっかいを出す意地悪さ等々、「うつ展開は嫌だ」、「アニメでくらい優しい世界に浸りたい」と言われる昨今で、前向きなところだけでなく、課題を受け止める心境に少しの緊張感を持たせたのは、本当にバランス感覚が良いなと思えた。

ライブシーンも、3Dを使わずにいわゆる手書きだったのが嬉しい作品だった。衣装や髪、表情が繊細に描かれて動く事の贅沢さを、改めて感じることができたので、またどこかの作品でもこういった試みがされないかなと、期待してしまうよ。

 

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