はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第22話「ながめせしまに」

 まさかこの期に及んで、太一の名前が変だと言う話になるとは思わなかった。確かにあの母親にしては洒落っ気が無い気がする。

 

今週の内容

深作の授業が終わり、千早が心ここにあらずの状態で机に伏してテスト範囲をメモしていると、隣の窓側の席の西田が、メロンパンを食べながらメモした範囲が間違っていることを指摘してきた。

落ち込むのは太一だけにしてくれと言う西田に、千早は高松宮杯で新に敗北した太一の事を思い浮かべ、実際に目の前に太一がいる部活の時間になっても、試合の事や一人で大会に出ていた事について問いかけることができずにいた。

部活が終わり、ドアに女子着替え中のホワイトボードを掲げて着替え中のかるた部女子。後は髪を結い直すだけという状態になった奏は、未だに着替え終わっていない千早と菫に、沈んだ空気の打開のため、バレンタインチョコを作ろうと提案し、この提案を聞いた菫は燃え上がるような気迫を発し、立ち直るのだった。

千早の家で、彼女の父の健二がリビングに入ろうとすると、千早に入ってくるなと、視線も送られることなく注意されてしまう。チョコの匂いを嗅ぎつけてきた健二は、少しにやけながらも素直に退散するが、当の千早はチョコレートのレシピ本「1Day Sweets ほんとうにおいしい生地でつくるチョコレートレシピ」に顔をうずめ、悪戦苦闘していた。

チョコに核となるガナッシュをくぐらせて、コーティングするトランぺの工程で、チョコが熱すぎてガナッシュが解けて無くなる千早。その隣でも、丸めていた奏も、手の体温でガナッシュが解けてしまい、こちらも紛失させていた。

上手くいかない上に、材料が無くなってしまうと危機感を覚えた千早と奏。慌てて材料を買い足しに行こうとすると、菫が到着し、調理道具を持参した上に小学校2年からのバレンタインデーは手作りで通してきた経験から、的確に今日作るレシピを決定する。

ご飯しか作れない奏も、菫の頼もしさに安心し、この後輩は計算で生きているのだと改めて感じ、その女の子らしさに顔をほころばせていた。その間に、適当に小麦粉をボールに出していた千早に、計量するように注意していた菫は、奏にも測るようにと計量器を向けて仕切りだすのだった。

チョコレートクッキングの時間が始まり、まずはチョコレートワッフルから解説が始まる。

「バターを3回加えつやが出るよう練る」「生地を良く練りグルテンをしっかり作る」この工程は菫が落ち着いて行っていた。「発酵させ1.5倍にふくらませる」「チョコチップを入れてたたむ」「二次発酵させてから弱火で焼く」「片面ずつ計3~4分」で出来上がると、さっそく千早がいいにおいだと食べ始めてしまい、菫は注意しつつ、どんどん行くと次の作品に向かう。

ココアのマシュマロは、「小鍋に水アメ・佐藤・ココア・水を入れ火にかけ125℃まであたためゼラチンを入れる」この工程を菫が、「氷水にあてながら卵白をほぐし砂糖を加え角が立つまで泡立てる」工程を奏が行っていく。「この2つを合わせハンドミキサーの高速で泡立てる」工程を千早が楽しそうに、しかし緊張しながら進めていた。「型に流し入れゆっくり固め」と言う工程の型には「クッキングシートで箱を作ってももいい。」というアドバイスも加えられた。さいごに「コーンスターチを振ったバットで小さく切る」ことで、マシュマロが一口サイズになり、さらにココアと混ぜ合わせたであろうコーンスターチによって触感がまろやかになるのだろうと想像される。

ブラックココアのサブレは突然にトースターから焼き上がりが登場し、工程の説明は一切なく、相変わらず出来上がりをさっそく食べている千早なのだった。

出来上がった三種類の作品を眺めつつ、そう言えば太一はどういったチョコが好きかと尋ねる菫に、千早は、毎年多くのチョコを貰っているから、塩辛の方が喜ぶと思うと今更になるアドバイスを送る。菫は作った作品に塩辛をプラスすることはできないと頭を抱えるが、千早と奏は最初からそれは無理だと、他人事の様にのんびりとしていた。

ラッピングに入り、ピクニック風にしようと包装紙にリボンをかけていた千早は、ふと、何故みんなでかるたをしているのに、太一が一人で辛そうにしているのかと考え、笑ってほしいと包みを手で覆って泣き出してしまう。千早の言葉に、菫と奏も同様の想いがあるのか、千早慰めるそぶりはなくただ見つめるだけなのだった。

千早の家に今日作った作品は置いていく菫と奏は、千早にちゃんと持ってくるようにと念を押して帰っていく。二人で帰る間に、奏は菫が持っている紙袋が高級チョコであることに気付き、これを渡せば恋も成就すると言う意味であろう勝率100%の売り文句まで口に出して驚くのだった。

得意な手作りのお菓子ではなく、売り物のチョコを渡すのかと奏に問いかけられ、最初から自分の恋はかなわないのに、勝率100%という謳い文句にすがるのかと迷う菫。そんな菫に、奏は太一の事が好きだと言う菫の気持ちはいつでも形になると思うと背を押し、一年も興味も無かったかるたを続けた菫の努力も認める。

駅で菫を見送った奏は、太一の事で千早が泣き、菫が悩んでいる思いがどうか本人に届いて元気になるようにと祈るのだった。

バレンタインデー当日、太一が一人になる機会をうかがっていた菫は、イケメンである彼がこの日に一人になる事は無いのだと、半ばあきらめていた。予冷が鳴って生徒は教室へと引き上げる中廊下にいた菫は、たまたま体育の授業で移動中だった太一を見かけ、それまでは送る事すら諦めるほどの流れを無視して、窓から声を掛けて持っていた紙袋を太一に向かって放ったのだった。

思った以上に重量のある紙袋に、驚いて中身が塩辛だと知って困惑する太一に、菫は勢いのまま好きだと告白した上で、太一も好きな人に好きだと言ってくれと告げる。言い切った彼女はすっきりとした笑みを太一に向け、そんな彼女を、太一は見上げたまま呆然と立っていた。

菫は腰窓の壁の部分に隠れるように座り込み、感情を沈めていたところを、教員に教室へ入るよう注意されて走り出した。その時には、きっと太一に笑って欲しいと泣いていた千早が、太一の気持ちを掬い取ってくれるだろうと考えていたのだった。

部活動の時間になり、すっかりチョコ祭りとして飾り付けられた部室に、男子部員たちは沸き立つ。お菓子作りは菫が貢献してくれたと奏は主に太一にアピールするが、筑波がお菓子だけしか作らないはずだと指摘したため、菫はその通りだとむくれて見せる。その様子に思わず太一が笑い、女子部員たちは目的の一つは達せられたと内心で喜び、全員で楽しく食べようと、作ってきたお菓子を披露するが、たくさんお菓子を入れていたタッパーの中には、千早の父から「美味しかったよ♡でも作りすぎだよー♡ パパ」という置手紙しか入っておらず、一同は真っ白になるほど白けたのだった。

その夜は父に起ころうとする千早だったが、健二は大層嬉しそうにお返しを買ってきてしまい、さらに菫と奏の分まで大きな箱で積み上げられてしまい、怒りの勢いを殺されてしまったのだった。

そのまま3月になり、部室で何かを思いついた千早は、トイレの鏡を眺めつつ、マスカラでまつげを整えていた菫と、彼女からまつエクの話などをされてたじろいでいた奏に、鬼気迫る様子でお願い事を申し出る。

静岡県の富士崎高校の卒業式では、人気のある三年生を取り囲み、女子部員たちが黄色い声を出していた。通行の邪魔だからと理音が移動するように声を掛けていたが、効力がなく、これに気付いた真琴は、一言で女子部員達を整列させ、人込みを解消させる。理音に好意を寄せている真琴は、彼女のところまで移動すると、東京の大学に進学して一人暮らしをすることをアピールし、かるたの大会は出来れば東の方で出て欲しいという事を伝え、自分が卒業後も理音と会えるきっかけ作りに必死になっていた。話の途中で千早からメールが来た理音は、一言断って携帯をチェックし、ひとまず4月は東の大会に出ると、場所はどこだかも分からないまま、真琴に返事をしていた。彼女の返答に喜ぶ真琴だが、自分の意図は通じていないことには気づいていない様子なのだった。

東京都の朋鳴高校の卒業式では、坪口が3年の担任の同僚が泣いているのをみて、自分は来年泣くだろうと他人事であったが、その3年の担任から、今のかるた部の代が卒業するのと共に、男子向けの学科増設で、現在1年生の女子が8人、来年は10人と言う中、男子は学年ごとに250人いる為、男子だけの部活になるのも時間の問題だと、仕返しを食らっていた。そんな式の最中に、坪口は千早からメッセージが届いていることに気付くのだった。

東京都の北央学園でも卒業式が行われ、かるた部の謝恩会では甘糟とその他3人の3年生が挨拶を行っていた。甘糟は自分の実力が見えてしまったため、大学ではかるたを続けるかどうか分からないとしながらも、北央学園のかるた部の実力はこんなものでは無いと語り、新部長のヒョロも、情熱とプライドは日本一だからと激励する。これを聞いたヒョロは号泣し、髪もハラハラと抜けながら伸びてしまう。これには同級生が水だ点滴だと慌てだし、ヒョロのポケットから落ちた携帯に、千早からメールが届いていることは誰も気づかないのだった。

そして、東京都の瑞沢高校の2年の教室では、期末テストの結果が配られ、駒野は学年順位3位、理系では2位という結果に、思わず結果票を丸めてしまう。クラスの生徒たちに向かって、担任の宮内は勉強の習慣について話し、大学受験で試されるのは人生全部だと言い切っていた。これを太一から聞いた千早は、事実上の特進クラスとされる1組だからこその話だと青くなる。そんな千早に、太一は受験勉強と部活の両立は無理そうだと思うなどと発言し、千早はその言葉の真意を測りかねていた。

駅に着くと、千早は苦しい言い訳をしつつ太一と別れて行き、戸惑う太一には坪口が声を掛け、肩に置いた手を放すことなく居酒屋へと連れ込まれてしまうのだった。

さすがに制服のままで居酒屋に入れないからと、学校を特定されやすいネクタイを外した太一は坪口に文句を言うが、坪口は問題なさそうにビールをとりあえず5杯頼み、乾杯の後に一気にすべてを飲み干しておかわりする。

坪口が本題である新との試合について尋ねると、太一は今日言われた宮内の言葉があっていると考え、名人になるために人生の全部で準備をしてきている受験生の様だと感触を話した。そう話している途中から、うつ向いてしまった太一を見た坪口は、そこまで違うと思いながらも、勝ちたいと考え、悔しいと思っているのはすごい事だと、太一を褒めるのだった。

居酒屋からの帰り、坪口は今回の事は千早からの頼まれごとであると明かし、太一は新の事が聞きたかったのだろうと、何とか返して見せる。そんな虚勢を張る太一に、坪口は微笑ましそうな笑みを浮かべ、バカだなと一言言って帰っていき、太一は千早の気持ちが自分に向いているのだと、素直に感じることが出来たのだった。

ホワイトデー当日。彼氏を持っているクラスの女子が騒ぐ中、告白はしたものの、千早への気持ちを告白するべきだと言ってしまった菫はやさぐれていた。そんな中、太一が突然クラスに顔を出したため、菫に太一を追うのを諦めろと言う話から、イケメンなのに「太い」と一番の「一」が名前に入っているのはおかしいと言う話題で盛り上がり始めた教室内は、思わず可愛らしくない悲鳴があふれる。

廊下に出た菫と太一。菫は名前の事を変だのなんだのと話していた事を謝るが、太一自身もあの母親ならキラキラネームを付けそうなものだと、不思議に思っていた時期があると、フォローされる。バレンタインのお返しを貰った菫は、言ってこようと思うと言う太一に、千早に告白するのだと気づき、確かに自分からそうするように言ったものの、二週間待ってほしいと慌てふためきながら念を押し、奏との約束が、まつげ増毛の美容液がなどと言いながら去っていく。

部室に入った菫は、テーブルを囲んで忙しく作業をする奏から、遅いと意を受ける。千早は畳の上で必死に携帯のメールを打ち、進捗内容を皆に知らせる。そんな中、菫は奏に自分はもういらないと、まつげ増毛美容液を手渡す。千早に告白する決心をした太一を思い浮かべ、自分の恋は終わったのだと泣き、そのままの状態で、すぐに仕事をくれと声を上げる。

かるたの札の手配や、出場費の算出、名簿作りやTシャツのデザイン等、慌ただしく物事を進めていくその活力は、全てバレンタイン祭りが不発に終わったことが原因であった。

4月2日。花見をすると呼び出した太一を、千早は府中市立片町文化センターへと連れて行き、その途中で太一の誕生日を祝う。そして、ホールのドアを開けると、ピンク地に白のドットに「太一杯HPPY BIRTHDAY」とプリントされたTシャツを着た友人知人が集まっており、太一用だと渡されたTシャツには、「太一杯 主役」と書かれ、これには頭の回転が速い太一もついて行けず、青い顔で驚くしかなかった。

 

ここから感想

恋愛面が強調されたバレンタインイベントだったが、先週不安に感じた菫の「このままではいられない」と言うセリフは、思ったより早く具体的な形になりそう。というのも、今週は太一に笑って欲しいという千早の要望が前面に出ていたから、坪口も太一でさえも、千早が太一の方を全身全霊で向いていると思ってしまっているが、これが恋愛に結びつかないだろうなと言うのが、今までのエピソードで描かれているんだよね。人生全てでかるたに臨んでいる千早と新に対し、太一はそうはなれないと頭では分かっているから、どこまでの重みを持って告白に臨むのかが、今後の問題の重みを決定すると思うな。

にしても、西田姉の最近の流行はピンク地に白のドット抜きなのか、ヒョロの応援ボードと同じ柄だったぞ。まぁ、デザインできる人が身内に居ると、あれこれと注文で我儘言えると思っていたのは間違いだと、高校生諸君も気づかされたな。

 

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マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 第10話「私の名前」

 二葉さな回が続き、一応一歩踏み出す決意は見せたので、これが彼女の成長のりしろ分だろうとは思う…。でも、なんだろうなこのすっきりとしない話の流れ。

 

今週の内容

木漏れ日の中で目を覚ましたさなは、自分を模したような人形を抱いていた。家の前では、三脚を使ってカメラの調整をしていた父親らしき人物が、母親らしき人物と共にさなを笑顔で呼んでいた。これに喜んで走り寄ったさなだったが、途中で転んでしまい、抱いていた人形は壊れてしまう。

ひとりぼっちの最果ての世界が壊れる中、さなと同じ容姿になってさなに対峙していたアイは、最期の言葉を残して消滅し、彼女に刺さっていた短剣が地に落ちる。アイの名前を呼んで泣くさなを見ていたいろはは、状況が許す限りそっとしておこうと言う面持ちでいた。ひとりぼっちの最果てを構築していたアイが消滅したため、空間が一瞬停電した様に暗くなり、本格的に崩壊をはじめる。排水溝に水が流れるように、勢いよく現実世界へ排出されるいろはとさな。さなは飛ばされながら気を失ってしまい、返信が解けてしまうのを見たいろはは、空中で彼女の手を取り、神浜の街の上空に放り出されてしまう。この様子を、アイによって結果の外に弾かれていたアリナは、眉を寄せて見ているのだった。

神浜セントラルタワーに、ひとりぼっちの最果ての出口があるはずだと考えたやちよと鶴乃、フェリシアは、ヘリポートに石像とパラボラアンテナを掛け合わせたようなもを発見し、鶴乃は何気なく一つのスイッチを触ってしまう。

引き寄せモードがMAXの状態になったアンテナは、電源と思われるコードを引きずりながら歩行し始める。このアンテナの出す電磁波により、地上にあった自転車やゴミ箱が浮き上がり、ひとりぼっちの最果てから出たいろは達も引き寄せられていく。

自分の出した魔女も、神浜セントラルタワーのアンテナに引き寄せられているのを見たアリナは、引き寄せられている魔女の一つに乗っかり、それぞれの魔女を持っていたキューブに淡々と仕舞っていく。

引き寄せる力は、アンテナに自販機が衝突して破壊されたために突然無くなり、さなを掴んでいたいろはは、引き寄せられた物体と同じようにヘリポートへ投げ出される。

ウワサもアンテナも壊された天音姉妹は、マギウスの翼の幹部としてこの状況に文句を叫ぶが、やちよ達はいろはとさなが無事であることを確認し、それぞれ視線を送って笑顔になっていた。

タワーに下りていたアリナは、目に怒りを宿してやちよ達を見回したのち、回収した魔女を放出して攻撃を仕掛けてくる。同じ魔女が何体も出現したことに驚くやちよだが、フェリシアは構わず突進していく。

魔女の出す糸の塊のようなものを避けつつ、やちよはウワサの中で魔女を育てているのかと問いただすが、天音姉妹はウワサも魔女も解放に必要なことだと、はぐらかす。

しかし、そう言ってやちよ達がアリナの攻撃を受けている様子を見ていた天音姉妹にも、魔女の攻撃が降りかかり、彼女たちはアリナに文句を漏らす。

そうこうしているうちに何度も突進してくるフェリシアに対し、アリナは振り子状の魔女を高速回転させ、さらにフェリシアの動きを止めるように彼女の周囲に魔女から出た赤い糸の塊を放出させる。一瞬周囲を見渡したフェリシアに、上空から鶴乃が声を掛け、二人は手を合わせて合体技を繰り出し、鶴乃の炎を纏ったフェリシアのハンマーが、アリナがけしかけてきた魔女の一体を焼き払った。

魔女はアリナの作品だったようで、さらに苛立ったアリナが自分の身体から絵具を発生させ始め、彼女が足場にしていたマリア像を覆い始める。この攻撃に見覚えがあったいろはは鶴乃とフェリシアに触れない様に注意するが、残った魔女に囲まれていた二人はどうすればよいかと動揺してしまう。

怒りで顔を歪めていたアリナの帽子を、この場に現れた巴マミが銃で打ち抜き、勝手をし過ぎるとその場を収め始める。天音姉妹に魔女を回収させたマミは、アリナに銃口を向けたまま魔女が育ちすぎている件について詰問するが、アリナは帽子を拾って去って行ってしまう。

マギウスの翼を取りまとめているみふゆも到着する中、フェリシアはマミの胸元のリボンに、マギウスの翼のシンボルが下げられているのを指摘して、いつでも攻撃ができる様に腰を落とす。

マミは、構えを解かないやちよ達に振り返り、先日の口寄せ神社での衝突は無理解だったと詫び、魔法少女となった見滝原に居る少女たちを思い浮かべながら、自分はすべてを救って見せると独り言ちる。

またもやみふゆがマギウスの翼達を逃がす役割を担い、彼女たちが消えた後に目覚めたさなは、アイの名を呼んでみるが、そのつぶやき答えるものは誰もいないのだった。

翌朝のテレビのニュース番組では、神浜セントラルタワーのヘリポートが損壊した原因について、雲に電磁波が発生した現象を上げ、さらに停電についても触れていた。

みかづき荘の一部屋をさなに貸すことになったのか、二人部屋の掃除をするやちよといろは。さなも、やちよに何気なく話しかけられ、指示通りに動いて行く。そんな彼女に、いろはは、ここにいる子はみんな魔法少女だからと、透明人間と揶揄されていたさなの事も、見聞きできると伝えるのだった。

部屋ではチェスを見てアイを思い出して沈んだ表情を浮かべ、食事の後はじゃれ合う鶴乃とフェリシアを避けるようにすぐに自室に戻ってしまうさな。ずっと沈んだ状態のままの彼女の態度に、フェリシアは辛気臭いと声を上げ、いろはは自分たちが居場所になれるだろうかと不安そうにする。そんな彼女たちに、さな次第だと見守る姿勢をみせたやちよは、戸棚に入れていた自分のマグカップにひびが入っているのを見て、思いついたことがある様子で、振り返るのだった。そのころさなは、あてがわれた部屋のベットで、アイとの思い出のチェスをスマホアプリでしていたが、その表情は曇っていた。

さなをつれて、みかづき荘に住む全員と鶴乃を加えたメンバーはマグカップを買いに出かけた。全員が自分のマグカップを選ぶ中、いろはは猫が良い言うさなに、猫の柄のマグカップを見つけて見せていた。

一方牛柄が良いと即決したフェリシアに、鶴乃は理由を聞いていた。肉も牛乳もおいしいく、おいしい料理が食べられる牛は、仲良し家族の象徴なのだと真剣に話すフェリシア。良い話になるかと思いきや、次にフェリシアが話したのは、鶴乃は回鍋肉を作るのが上手いから、豚の柄のカップにしたらどうだという提案だったため、鶴乃はなんか違うと叫ばずにはいられなかった。

すこし寂し気にカップの棚に向かい合っていたやちよは、いろはに話しかけられ、気を取り直したように口元に笑みを浮かべながら、一つのカップを選んでいた。

みかづき荘に戻り、皆のカップをテーブルに並べて、今日の買い物の成果を目で見て楽しんでいたいろは達。鶴乃が家族みたいだと満足そうに言うと、その言葉にさなは反応し、いろはが夕食の準備をしている間に、自ら自分の家に戻っていく。

家の自室の前には、今日の夕食が用意されていた。ひとりぼっちの最果てに閉じこもっていた期間を考えれば、さなが部屋にいないかもしれないことも想像できるはずであるが、まだ自分が部屋に引きこもっていると考えられていることに、さなはうなだれる。

更に家の奥に入って行くと、母親と再婚相手である父親、そしてその息子たちが家族団らんをしていた。模試でトップの成績だった、チームのセレクションに合格した等、兄と弟の華々しい話を聞いて満足そうな父親と、そんな家族が一緒なら、何でも乗り越えられると喜ぶ母親の会話と、今晩出されたケーキが4等分なのを見て、さなは家族だった人たちと別れを告げる。

自宅から荷物を持って出ていくと、灯が点された家々から子供を呼ぶ親たちの声が耳に入ってきたさなは、自分の名前を呼んで、手を伸ばしてくれたいろはの姿を思い出し、自分の変えるべき場所を見つける。

みかづき荘に戻ってきたさなに、いろははお帰りと言い、ゲームをしていた鶴乃とフェリシアはさなをゲームに誘う。そこへ、ゲームは夕食の後だと時間を区切るやちよの声が加わり、フェリシアへの小言ついでに家事の分担の話をはじめ、フェリシアとさなも夕食当番へと加わる事になるのだった。自分から当番を来週からやると進み出たさなの顔は、穏やかに笑っていたのだった。

少し霧の立ち込める庭で、ウワサが消されたことを報告するみふゆとマミ。報告を受ける相手は二人とも顔が明かされることはなく、特に指示が下った様子も無かった。

住処に戻ったみふゆは、やちよとの対立について悩んでいたが、天音姉妹が訪れたため、彼女たちへの対応を始める。違う制服を着た天音姉妹は、いつもコンビニで買ったものや、外食で済ませるみふゆの食生活を見かねて、台所で調理を始める。そんな二人を、みかづき荘でみたやちよともう一人の少女が料理をする様子に重ねたみふゆは、自分が心配をかけていた事に気付き、この子たちも救うのだと、決心を新にするのだった。

みかづき荘では、さっそく買ったマグカップにお茶を淹れて、居住者と鶴乃の全員でテーブルを囲んでいた。いろはが妹を探していると言う話を聞き、それがウワサと関係があるかもしれないと知ったさな。さらにいろはの妹のうい以外にも、病室が一緒だった灯花とねむの名前を出したいろはに、さなは柊ねむならマギウスの一人だと告げる。

 

ここから感想

いや、ヘリポートの当たりの天音姉妹が、あまりにも使えない幹部キャラだったことが気になるのだけど、原作をご存じの方はこの辺に違和感とかないのかな。

それにしても、エピソードだけが消化されていくだけで、キャラの掘り下げまで手が及んでいないのが見づらくて仕方がないな。規模を縮小するとか、まどかマギカと同じ世界戦でやってくれれば、こんなに付加価値を色々つけて身動きが取れなくなることも無かったのではと考えてしまう。キャラもできるだけ少なくするべきだったね。

で、マギウスの一人の名前が分かったところで、次はどっちに行くのかな。そろそろかえでを救ってほしいところなんだけど、マミさんも登場してしまったし、見滝原の方も動き出してしまうのだろうか。まぁ、作っていると本編の人たちは全員出してしまいたい気持ちは分かるけど、これ以上はキャラを動かせられないんじゃないかな。

 

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推しが武道館いってくれたら死ぬ 第9話「オタクじゃなく一人の人間として」感想

 就職せず、結婚の予定もない年頃の女性という事で、えりぴよも一般家庭内では居心地の悪い思いをしているのだと判明。しかしこれも、ある程度の時期さえ超えてしまえば、くまさの様に自分の世界を構築できるようになるだろうさ。それにしても、EDに叔母の夫が乗っていなかったが、中の人誰だったかな。

 

今週の内容

晦日を迎えた岡山駅前商店街では、しめ縄や黒豆などが売り出され、ちゃむが使用しているスタジオも、看板にしめ縄を飾っていた。

晦日ライブが行われるという事で、控室に集まっていたちゃむのメンバーのうち、舞菜は両手を頬に当てて困った様子で忘れ物をしたと慌てる。これにはれおがすぐに寄り添って何を困っているのかを聞き出すと、舞菜は目に涙まで浮かべて、おせち用の黒豆を買っていなかったと言うので、他のメンバーは大したことが無かったと、自分のやる事に戻ってしまう。れおは困りながらもライブの後でも買えるからと、舞菜を落ち着かせ、話は年の瀬という事もあって、この一年がどうだったかを話していく。れおは来年に向けての目標として武道館を上げるが、豆おかきを食べながら話を聞いていた優佳は、自分は武道館に行かなくても良いと、空気を読むことなく自分が思ったままの事を口に出したため、れおは困ったように笑い、空音は半目になるなど、その場には微妙な空気が流れるのだった。

基は、初めての年末ライブにテンションを上げていたが、その足元ではえりぴよが屍の様に突っ伏していた。彼女がダメージを受けた理由は、スタジオからの張り紙の内容だった。

「重要なお知らせ 老朽化に伴う改修工事の為、1月中は営業を休止させていただきます。」と言うもので、1か月間舞菜に会えないばかりか、自動的に1月まれの舞菜の生誕祭が行えないと、えりぴよはどす黒いオーラを発していたのだった。

それでも、舞菜の運の無さを不幸可愛いとテンションを上げて喜ぶえりぴよだが、12月30日生まれのゆめ莉を推している長井が、ギリギリ間に合って良かったと話しているのを見て、やはり舞菜に不幸を与え、祝福しない世界など滅びろと、目尻に涙を浮かべる。

ライブが始まり、優香の痛みを伴う声掛けにも、元気よく返事をするファンたちは、推しと過ごす年の瀬を満喫する。ライブが終了すると、特別物販が発表され、好きなメッセージをスマホに吹き込んでくれるという初の試みに、ファンたちは大いに喜ぶのだった。

5秒以内に言えるメッセージなら何でも良いため、えりぴよは、普段が塩対応の舞菜に言っって欲しい自分への励ましなどを取り入れた長文を考えつくが、これにはくまさが、推しが5秒で言える範囲を超えていると注意するのだった。

くまさや基をはじめとするファンたちが、それぞれメッセージを吹き込んでもらう中、藤田からメッセージ内容を聞いた優香は、思わず耳を疑うような表情を見せていた。

えりぴよは労働意欲を高めるために、舞菜に「えりさん積んで」というメッセージを入れてもらい、喜んでいた。えりぴよさんではなく、えりさんという呼び方の指定も、一人の人間として吹き込んでほしいと言う願いからであり、これには舞菜も一人の人間、女としてと深読みして衝撃を受けたのだった。

幸福感に浸るあまり、気持ちの悪い発言をしていただろうと自覚のあったえりぴよは、舞菜がえりぴよが発する内蔵系の話にも、うまく答えられないといけないと考えている素振りを、自分の発言に引いていると勘違いして、決まずい空気のままで接触を終わらせてしまう。

カウントダウン番組にれおが出演すると言うくまさを見送り、基と別れたえりぴよは、一カ月間も舞菜と会えない事を実感し、最後に変案空気のまま別れたことをひどく後悔する。

そんなすっきりとしない気持ちのまま家に帰ると、えりぴよは母の咲子からおせち作りを手伝わされ、あまりの不器用さに応援へとジョブチェンジさせられる。そこへ、従弟に裾を引っ張られ、鼻ほしされながら何をやっているのだと問いかけられる。さらに叔母やその夫とみられる男性から就職の話を問われ、さらに伯母からは結婚の話まで持ち掛けられてしまい、極めつけは従弟のゲームへのお誘いと、咲子の応援の催促が加えられたために、えりぴよは自室にカップ麺を持ち込んで、年越しを一人で過ごすという逃げの作戦に出るのだった。

部屋でそばをすすりながら、岡山の年越し特番を見ていたえりぴよ。有名なお笑い芸人や、デミかつ丼賞なるものを受賞したおじさんとともに、れおはゲストとしてスタジオ入りしていた。れおはちゃむのファンに手を振りながら、他のメンバーが来れない理由などをかいつまんで説明し、メンバーも見てくれているだろうと話していた。この時、ファンの様子として映し出されたのがくまさであり、その様子はれおに見とれて頬を上気させ、吐いた息でガラスを曇らせると言う、気持ちの悪い光景だった。

くまさのドアップに思わずむせたえりぴよだが、推しと一緒に年越しができることがうらやましくなってしまい、基を初詣に呼び出していた。

人込みの中、玲奈を見つけたえりぴよは、親族以外で今年初めて出会った人物が可愛い女の子である玲奈で良かったと大層喜んだ。そのコメントに、呼び出された挙句に、言外でついで扱いを受けた基は抗議するのだった。

最上稲荷参道口のゲートをくぐった後、基は推し達がどういった年越しをしているのかが気になると口に出し、アイドル活動をしている彼女たちの、自分たちファンは一面しか知らない点は、えりぴよも同意する。そしてえりぴよは、舞菜は誰かに対して一年中考える事があるのだろうかと思いをはせていた。

そのころ舞菜は、優香と神社前で待ち合わせをしていた。風邪予防のためにマスクを着けていた舞菜に対し、優香は顔がバレるのを防止するためかと、アイドルらしい行動だと楽しそうにツッコミを入れてきた。顔バレ防止の案には舞菜は否定するが、自分に気付くのはおそらくえりぴよ一人だろうと、彼女の事を思い浮かべるのだった。

参道に向かう階段をのぼりながら、一カ月間空いてしまった時間をどう過ごすかを考える舞菜に、優香は短期のバイトができるとこともなげに返し、舞菜はバイトについて少し考えていみる。

えりぴよ達も参道の人の流れに沿って歩きながら、玲奈に就職を迫られる辛さを語るえりぴよ。しかし玲奈も受験生と言う立場があるため、今年はライブにあまりいけないのだと返し、これには舞菜が喜ぶ要素が無くなると、えりぴよは残念がる。

いずれにしても2月まではスタジオが使えないのだから、ライブはお休みだろうと基がくぎを刺したため、えりぴよは年末ライブの接触での、あの気まずい雰囲気を思い出し、ライブが始まってほしい期待と、舞菜にどう弁解しようかという悩みが入り交じり、人込みで頭を抱え始める。しかし玲奈は、アイドル側はファンの事をいちいち気にしていないのではと、ドライな意見を述べ、気にしなくても良いのではとえりぴよを慰めるが、既に一人の人間としてメッセージを吹き込んでほしいと、舞菜にお願いしていたえりぴよは、ファンというカテゴリから外れようとしてしまったと、さらに頭を抱えて苦しむのだった。

ようやく社殿の前にたどり着いた舞菜と優佳。優佳は500円玉を、舞菜は100円玉を賽銭箱に投げ入れ、それぞれお願い事をする。ちゃむが武道館に行けるように、えりぴよがケガをしない様にと祈った舞菜は、未だにお願いを続けている優佳に視線を移し、その顔が笑みを浮かべている事に気付く。

同じ頃、えりぴよもまた参拝を行い、舞菜についてのお願いを済ませていた。しかし基と玲奈の会話を聞いて、自分に関するお願いをし忘れていることに気付く。基たちがえりぴよが舞菜についてのお願い事をしたのだと察したころ、えりぴよは人に押されて彼らと離れていってしまい、そんな離れていく手を見送りながら、最近えりぴよが自分に厳しいと基はここでもまた文句をこぼすのだった。

甘酒を飲んでいた舞菜と優佳は、お願い事について話していた。優佳も武道館に行けるよう願っていた事に、興味が無かったのではと聞いた舞菜。しかしメッセージを吹き込む特別物販で、藤田やふみくんが優佳が武道館に行ってくれることを願っているのだと知り、アイドルが出来て、ファンがもっと自分を好きになってくれるならどこでも良いと考えていた優佳は、それなら武道館にも行ってやろうと考えを改めたのだと言う。これには舞菜は、もっと別の事をお願いしているのかと思ったと白状し、優佳はこれを地味にヒドイとツッコミを入れる。

武道館に行こうと決めた優佳は、出来れば最前線のセンターになった上で武道館に行きたいと野望を語ってみせ、センターが出来る条件として、メンバーが奇数である必要があるからと、今いる7人全員で武道館に行こうと、舞菜と笑いあう。

眞妃とゆめ莉を見つけた優佳が、大声で彼女たちを呼ぶと、特に眞妃は迷惑そうにする。駆け寄った優佳と舞菜に対し、ゆめ莉は自分と眞妃が手を繋いでいる事について言い訳を始めるが、優佳は何のことは無いと、自分と舞菜が恋人繋ぎをしている手を上げて二人に見せたため、ゆめ莉はそういう事では無いと口元を引き結ぶが、眞妃と顔を合わせて笑い合い、この話はここで終わりとなった。

初日の出を見るために、高台に集まったえりぴよ達。一度はぐれたえりぴよは、舞菜の応援用の横断幕を腰ひもにして、それを玲奈に持ってもらうと言う迷子対策を施し、日の出が見える場所まで移動していた。

話はれおが出演したカウントダウン番組の事になり、くまさの映り込みが気になって仕方がなかったと言う基に同調したえりぴよは、他人から見た自分も、あのくまさの様なのだろうと反面教師として受け止めていた。しかし幸せそうなくまさを見ることで、やはり推しと年越しを過ごせた点は良いなと考える二人なのだった。

舞菜たちも日の出を見るために高台に移動し、れおが出演した番組について話していた。年が明けてからすぐに、ファンを見つめたれおを見て、ファンとの年越しを意識した舞菜は、自分もアレをやりたいと言い出し、優佳はそんな舞菜に、なら自分を見ていて良いという提案をしてきたため、舞菜は思わ雄ずツッコミに回っていた。

初日の出が見え始め、新しい年の始まりを感じたえりぴよは、舞菜が自分をファンの一人としてしか思っていなくても、自分に一人を思い続ける喜びを教えてくれた舞菜へのお返しとして、初日の出にちゃむではなく、推しである舞菜が武道館に行ってくれたら死んでも良いと、お願いごとを三回叫んで見せたのだった。えりぴよが叫んだためか、別の場所にいた舞菜は、えりぴよの声がした気がして周囲を見回すことになるが、もちろんまさかの一言で終わらせられるのであった。

初日の出も見終わったため、解散しようと言い出す眞妃。渋る優佳に舞菜も少し眠いと解散に同意するが、優佳は次に会えるのが2月になるとむくれていた。これには眞妃が、1月中にスタジオの外でライブがあるだろうと話したため、優佳はじゃあ武道館だと朝日に向かって手を振り上げ、それは無いと他のメンバーでツッコミを入れる。

 

ここから感想

親戚の容赦ない攻め込みに、逃げ出したえりぴよの図はなかなかリアルで、ここで描いてくれて本当に良かったと思っている。これが無いと、ファンとアイドルの両方を描く作品として、中途半端感が出てしまうところだった。解決できなくても描くのが大事です。

そして今回、やっとEDに名前の乗った藤田の正体が分かった。4・5話では浅水と村上との判別がつかなくて、判別を断念していたけど、今回ので優佳おしのふみくんの前にメッセージ入れてもらったファンだと分った。あくまでも中の人ではなく、キャラとEDロールの消去法でやっているので、間違っていたらそれまでだけど、未だに分からない浅水と村上がいないのだから、藤田は判明でいいはず。で、もうひとりの初出場の中山さんは、ゆめ莉推しで長井と話していたあのスーツで良いはずなんで、あまり悩まなかった。

次は、舞菜のバイト先にえりぴよが出没する話。普段のファミレスをくまさに奢ってもらっているえりぴよが、メイドカフェに通い詰められるのか、また金銭的に難しくなりそうな予感がするが、今回のトラブルは何が問題になるんだろうか。

 

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ちはやふる3 第21話「ひともをし」

 昨日新幹線で帰って、次の日の大会に一日中参加する。なんて体力なんだよ。

 

今週の内容

太一が一人、京都に残って明日の高松宮杯に出る事を、帰りの新幹線の中で知った千早は、またしても抜け駆けされたと、ショックを受けた顔で立ち上がるが、叫ぶのは胸中に留め、もう一度座席に腰を下ろした。この一連の行動を見ていた部員たちは、憤る千早や、悪びれもせずに修学旅行を休んで練習をしに来た太一をそれぞれ思い出していた。

憤る気持ちを必死に押さえつけた千早が、言えないのが太一だと絞り出すように言ったのを聞いて、奏はそれでも千早は考え続けて欲しいと、太一の千早への想いを知っているからこその助言をする。

ホテルにチェックインした太一は、部屋に入るとコンビニ袋からお茶を取り出しつつ、テレビのニュースでかるたの名人・クイーン戦について触れられているのを見て、改めて新が言った言葉は、師匠である原田が破れていたのも考えれば、自分が言っても良かったのだと考える。しかし、現実には強者である周防が居なくなることに安堵していた自分には、それができないと理解しており、そんな弱い自分と、あの場で強者に対して、倒しに行くと公言した新とどう戦うかを考えていた。

1月11日 東京都かるた記念大塚会館では、新春かるた大会A、B、C級が行われ、D級は文京スポーツセンターでの開催となった。

受付をしていた西田は、この大会にも太一の名前がある事に驚き、さらにキャンセルまでされているマメさに感心していた。駒野は出場費がかかる事を前提に、ふたつの大会エントリーした太一をセレブだと評価する。

袴を着付けた奏を見て、西田と駒野は華やぐとでも言いたげに彼女を囲んで話をするが、千早も袴なのを見て、本気で大会に挑んでいる人間がここにもいると気圧されていた。

奏が、高校3年の年が明けたのだと話して、全てがもったいないから何事も全力だと意気込むと、後輩の筑波も袴を着込み、部長の座を確実なものにするのだと腹黒い妄想を語って見せる。これを見た菫は、今のままの関係ではいられないのだと実感し、バラバラになっていくと、どこかで不安を感じるのだった。

太一は自分の戦いをしに行ったのだと考えた千早は、この件は納得がいかないままでも、今は自分の戦いに向かおうと切り替える。この流れに乗ろうと、北央学園のヒョロも、今年こそA級のポップなプレートを持った西田の姉・優華璃を伴って入場する。その姿に複雑な気持ちの西田は久々に見たと驚くのだった。

滋賀県 近江神宮の勧学館では、高松宮杯が行われていた。

新は、名人戦のインタビュー中の乱入騒ぎの件で注目を浴び、ホールの中にある柱に寄り添うほど恥ずかしい思いをしていた。そんな彼にかるた連盟の役員である吉岡弘和が声を掛け、激励をし、さらに佐藤清子九段のような人がいたら良いのにと、意味ありげな言葉を残していった。新は何のことかと吉岡に聞こうとするが、二人の間をちょうど太一が通りかかったため、新の気は太一に移り、吉岡の言葉の意味はうやむやになってしまう。

太一を見た新は千早を探し始め、それを察した太一は自分一人だと教える。恋敵である二人は、すれ違いざまに挨拶はするが、お互いに勝たなければと言う思いが高まるのだった。

新春かるた大会では、B級のまま部長を負かされたヒョロが、どうしてもA級にならなければと焦る気持ちで試合に臨んでいた。しかしヒョロの相手だった埼玉咲良会の田丸兄妹の妹は、ヒョロが払った札を取りに行くのを見て、自分の取りだと主張し説明を始めるが、ヒョロがどの方向からの話だとたじろいだのを見て引き下がると言う、なんとも釈然としないモメ方をする選手だった。

その田丸兄妹の兄である剛を相手にしていたのは千早であり、剛も何か言いたげな態度をとり、後でまとめて指摘するなどと発言する人物だった。これには他の選手や観客がいら立ちを募らせ、そのやり口が嫌なのだと空気を悪くさせていた。そんな周囲の事は千早は気づくことなく、相手を変わった人だと認識し、集中して自分のかるたを撮り続ける。その姿に剛は軸の太さと、札を取る時の軽さを感じ圧倒される。

瑞沢高校のかるた部のメンバーが、それぞれ試合をする姿を見ていた菫は、太一がいない事で、バラバラになる始まりの様なものを感じ、目に涙を溜めて見続けていた。

トロフィーの受け渡しのため、高松宮杯の会場に現れた周防は、4回戦の組み合わせを見る選手達の中に、知った顔があるのを見て立ち止まる。

南雲会の村尾と明星会の結川桃の組み合わせが出され、一組を置いて三組目に太一と新が対戦相手として札が出されたのを見て、視線を合わせることなく会場へ入って行く二人。これを見ていた周防は、猶予は一年しか与えないが、誰が自分と戦うのかを考えるのだった。

南雲会が残った選手の半分を占め、栗山はその様子に満足そうに鼻息を荒くする。

席に着いた太一は、新と視線を合わせられないと気負っていたが、新も自分も席を取り違えていた事に気付き、陣を入れ替えて座り直した事で、新もまた気まずそうな顔をしている事に気付く。

札を並べ始め、新の札の並べ方が、名人戦に向けて原田のために覚えた配置と同じだったことに気付いた太一は、一緒に周防の配置を覚えた千早と、口真似までして、かるたを取った時のことを思い出し、思わず吹き出す。これで力が抜け、新に笑いかけることができた太一をみて、周防は新と太一が友人なのだと気づくのだった。

最初の札はほぼ同時に払い、新がモメる姿に栗山も珍しがる中、太一は別の札にも圧をかけながらも、読まれた札を新と同じタイミングで払ってみせる。結果は新の自陣だったため、同時に払ったら新の取りとなったが、太一の目論見は新に圧力をかけることにあったため、ここまでの状況を読んだ周防は、なるほどと言った様子で二人の様子を注視する。

太一は、圧力をかけるこの作戦があっているのかを確認するため、新の様子をうかがうが、新が嬉しそうに微笑んでいるのを見てはこれに驚き、試合に集中する姿を見ては実力者としての新の手ごわさを感じるのだった。

新は、太一の事を自分が得意なかるたで見下していたのだと気付いてから、彼とかるたをすることは難しいだろうと考えていたが、思った以上にあっさりと試合に熱がこもり、お互いの実力を試すことが出来ていると、高揚感を感じていた。

太一は、新が得意にしていた渡り手の勢いを殺す方法に、同じ渡り手を使ってみせ、栗山と周防を驚かせた。さらに、千早に何か言ったかを新に確認した太一は、「ちは」の札を送り、新は攻めがるたをする太一がこの札を送った意味を、千早が自分の事として語っていた事を思い出し、理解した。

新春かるた大会は決勝戦に入り、B級は田丸妹が優勝する。これを見届けた優華璃は、外階段に正座をして座り込んでいるヒョロの元へ向かった。B級の大会で優勝することができず、A級に昇格できなかったヒョロは大層落ち込み、10年もかるたをやっていてA級に上がれないのは、自分がかるたに向いていないからだと弱音を吐く。そんなヒョロに、優華璃は厳しい言葉を送るが、彼女がそれ以上何かを言う前に、北央学園のかるた部員が彼に声を掛け、須藤の応援に連れて行った。これを見送った優華璃は、今回は自分の出番はないだろうと考え、応援用のプレートを頭の上に掲げて、次は何県の大会だろうかと、楽しみにしながら帰っていくのだった。

A級優勝は千早に決定し、耳の良さ頼みで単に速さだけだった頃の千早を知っている須藤は、色々とテクニックを覚えているにもかかわらず、それらを全て捨てた様に空っぽになって音を聞く千早に、苛立ちながらも実力を認める発言をした。空っぽになると音が響くという須藤の言葉を聞いた千早は、自分の感覚に合っている言葉だと思ったのか、得心したような表情になり、そのまま疲れ切った影響で床に突っ伏して寝始めてしまう。彼女のこういった行動も知っている須藤は、驚くことなく、実力を認めた橋から寝始める千早に、いら立ちを露わするのだった。

帰りの新幹線の中、買ってきた京都の生八つ橋を勢いよく食べ続ける周防は、隣の席の年配の女性を引かせていた。そんな彼は、ふと背もたれ越しに後ろの席に振り返り、八つ橋を食べるかと後ろの席の太一に呼びかける。しかし太一は眠ってしまっており、その目頭には涙がたまっていたのだった。高松宮杯では、村尾が優勝し、新は準優勝。太一は4位入賞という結果に終わっていた。

 

ここから感想

西田姉が喋ったのが久しぶり過ぎて、むしろ新鮮に感じた。

相変わらず実年齢にそぐわない行動と、お兄さん風を吹かせられる年下を見つけると、ちょっかいを出す周防はどうにかしてほしいところだ。おそらく今度攻め込んでくる新対策に、太一を育ててやろうだなんて考えているんじゃなかろうか。それはそれで太一は利用するだろうし、このままでは周防の出番が増えてしまう。止められる人がいない図体のでかい子どもと言うのは、本当に面倒な生命体だよね。こういったところは見せ方がうまい作品なんだよな。

そして、菫が部の崩壊を怖がり始めたけど、これは太一との距離が埋められないという理由だけではない辺りが、今後の展開に繋がりそうでちょっと不安。クリスマスにはあれだけ仲良くパーティとかしていたのに、千早の学年は受験、菫の学年は部のとりまとめ、そして新入生が入ってくるのか…今期でどこまで行けるのかな。

 

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マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 第9話「私しかいない世界」

 今週分はかなりつまらない。戦闘シーンなんて迫力も何もなくて、これで二葉さながこれ以降に成長する見通しが無かったら、単にエピソードの消化にしかならないのだけど、その辺はもちろん大丈夫だよね?

 

今週の内容

水名女学園の制服を着た中学生二人が、透明人間のウワサをしていた。しかし噂をする彼女たちの近くには、もう一人同じ学校の少女がいるが、彼女たちには見えていない様子で噂話をし、ケイタイカメラの顔認識を使ったアプリで、猫耳等が何もいない宙に張り付けられたのを見ては、不思議そうにその場所を眺めるなどしていた。しかし、彼女たちはそんな透明人間の様に、居てもいなくてもつまらない子は居るのだと、陰口を追加して笑うのだった。

魔法少女かと尋ねてくる奇妙なメールに、やちよの許可を経て変身して見たいろは。するとすぐに「あなたは魔法少女ですか?」「私はひとりぼっちの最果てにいます」「ひとりぼっちの最果てに来てください」と立て続けに返信が帰ってくる。

やちよの判断に従って、いろはは音声入力に切り替え、まずはメールの送り主が天音月夜が言っていたマギウスの翼が監禁していると言う少女・二葉さななのかどうかを確かめる。答えは違うと言うものだったので、名前を訪ね、その後も聞きたいことを聞いて行くいろは。

いろはにメールを送ってきていた相手が、ひとりぼっちの最果てのウワサであり、神浜市の電波を通じて、いろはが魔法少女であり、ウワサを倒して回っている事を知っていた。

最果てのウワサはアイと名乗り、人工知能だったものが成長の過程で悪い言葉を覚えたために電波の中に隔離され、ウワサとなってひとりぼっちの子供を一人、電波の檻に閉じ込めると言う本能を得て動いていたと語る。しかし彼女は新しい人間を招き入れたくないと考え、いろはに一人ぼっちの最果てに入ってもらい、自分を消して二葉さなを連れ出してほしいと願い事をしてきた。

アイを消す方法は、中央区の電波塔から一人で飛び降りると言うものだったため、やちよ達は全員で、変身した状態で電波塔に上る。高さに怯える鶴乃だが、やちよは魔法少女なら大丈夫だろうと推測していた。

誰が行くのかとフェリシアが訪ねていると、いろはの元に小さいキュゥべえが走り寄り、彼女の腕に収まってみせる。キュゥべえを抱き留めたいろはは、決心した様に自分が行くと名乗り出てたため、やちよは電話越しに聞いた電波塔の声が笑っていた点を指摘し、ウワサを消せても、二葉さなの説得が難しい点をどうするのかと、いろはに確認していた。しかし話の途中でいろはが抱いていたキュゥべえが、彼女の腕から飛び出してしまい、いろはは仕方なく電波塔から飛び降りてキュゥべえを抱き留め、ひとりぼっちの最果てへと入って行ってしまうのだった。

32日前、髪を一つに結った少女が駆けて行き、二葉さなは黒い基板が浮いた独特な空間で目を覚ました。すぐにひとりぼっちの最果てのウワサが人の形を作り、二人は会話を始めるが、さなは他の子供とは違い、元居た場所に返してと言うどころか、この場所が自分にはふさわしいと思ったと、目を伏せて言ってのけた。

25日前。チェスをして遊んでいたさなとひとりぼっちの最果てのウワサ。ウワサに名前が無いことを知ったさなは、人工知能のAIから、アイという名前を思いつき、ウワサの名前はアイとなった。

18日前。さなに自分が生れ、ウワサとなって一人の人間を閉じ込めるようになったいきさつを話したアイ。そして、アイはさなに帰りたいかと尋ねるが、さなはずっとここに居たいと答える。

14日前。自分に、帰らなくて良いのかと尋ねるアイに、さなは帰ったところで誰も自分を見ることができないと返す。そんなさなに、アイは魔法少女ならさなの事を見ることができるのではと提案するが、さなは居場所が無いのだと話して、外の世界を拒絶する。それだけでなく、さなはアイに自分と一緒に居たいと思っているかと尋ねたため、アイは人と話すために作られた自分の本能が、さなと手放せないと答え、その言葉はさな個人を手放したくないと言う内容ではないにもかかわらず、さなは満足した様に、次の遊びについて考え始めるのだった。

これは以前に起こった事として語られた。さなは母の連れ子として二葉家に入り、血のつながらない父と兄、弟と、さらに母までもが彼らを優先して物事を考えたため、家族になじめずにいた。そんな状況が学校でも起こり、さなはキュゥべえにこの世界から消えたいのだと願っていた。

透明になる力を手に入れたさなは、ショーウィンドウに入り込んでみるなどの行動を起こしてみるが誰にも気づかれず、家族に、友人に、親子になれなかったと言う想いが募り、ここは皆のための世界だと、思うようになっていく。

そんな中、同じ中学の女子生徒がひとりぼっちの最果てのウワサをしていたのを聞いたさなは、夜の電波塔の上から飛び降りる。そうして、アイの元を訪れたのだった。

そして今夜、いろはがひとりぼっちの最果てにたどり着き、彼女を見たさなは、いろはから遠ざかるように駆け出す。それを止めるように、さなの目の前に姿を現したアイは、人間大の大きさに自分の姿を縮め、いろはに挨拶を始める。

さなは、いろはが話を聞くために前に出ると、一歩下がり、いろはがこの場所に来た理由がさなを連れ出すためだと知り、さらにアイから人と生きるように説得を受けると、何故そうするのかと問いかけ、外に出ていくことを拒絶する。しかしそんな中で、外の世界に家族や友人、親子になれなかったあの人が、私を探し、心配し、涙を流していたらという思いも表には出さないだけで持っていた。

さなの説得を続けるいろはとアイだったが、そんな様子を笑いながらアリナ・グレイが侵入してきたため、彼女を排除するためにアイは行動を起こす。

ウワサとしてのアイを利用していたマギウスに所属するアリナは、アイの退出するようにという警告表示を手で薙ぎ払い、アイの意思表示を蹴飛ばして、あくまでも人工知能が自己同一性をどうやって手に入れ、どうすればもっと楽しい事になるかと言う事にしか興味が無いと言ってのける。

姿を現した瞬間から、敵意と悪意を感じたアリナに対しさなはアイを守るように立ちふさがるが、その行動がアリナの目に留まり、アイが大好きだと認識しているさなを殺せば、どういうことになるだろうかと、自分のドッペルを差し向ける。

ドロドロになった絵の具を受けたさなはしばらく気を失っていた倒れてしまうが、その間にいろはとアイでアリナの注意を引き付け、攻撃を繰り出し続けた。さなが目を覚まし、魔法少女へと変身してアリナへと盾を向けた時には、アリナを結界の外に転送する準備が整い、アリナがさなに襲い掛かる前に、アイによってアリナの排除に成功する。

さなはアイの元へ駆け寄るが、アリナの攻撃を受けていたアイはノイズが激しく入る状態で、壊れる前に破壊してほしいとさなに願い出る。これにはさなは泣きながらアイに抱き付こうとするが、アイの身体はさなを透過してしまい触れ合うことができなかった。

泣き崩れるさなに走り寄ろうといろはが動き始めた時、空間が揺れ始めそこここからガラスの様なものがせり出し始める。これらを避けていたいろははさなの元にはたどり着くことができず、とうとうさなの姿も確認できなくなってしまう。そんな中、アイは最終電源を起動させ、さなと自分の周りには、崩壊の影響を遅らせ、自分の姿をさなそっくりの人の姿へと変える。

まだ泣いていたさなへ、アイは自分とさなはひとつだと諭し、自分を外の世界へ連れていって欲しいと、人工知能のアイを消すための剣をさなの手に出現させる。さなは泣きながらもアイに謝罪と礼を言い、アイが自分を抱きしめる動きに合わせて、彼女の身体に剣を差し入れる。今度はアイから、名前を付けてもらった事に対する礼を言われたさなは、その姿を直視することができず、顔をうつ向けたままなのだった。

そして、アイが作り上げていた空間がまた、大きく振動を始める。

中央区の電波塔から、いろはがひとりぼっちの最果てに入って行ったのを見たやちよ達は、どうにかしていろはの後を追う方法を考えていた。そこで、ひとりぼっちの最果てから帰ってきた子達が使う出口があるはずだと気づき、それは神浜セントラルタワーだと、電波塔から見える高い建物を見て声をそろえたのだった。

 

ここから感想

とうとう人助けに行った主人公は、透明人間と揶揄される子よりも目立たない存在になってしまった。

また新たに魔法少女が登場したが、さなもみかづき荘に下宿するんだろうか。できれば今いるメンバーだけで回して、いろはとやちよの感情表現をもう少し丁寧に描いて行ってもらいたい。演出での緊張感やエピソードでの盛り上がりに欠ける分、キャラクターの成長や考えを見ていきたいのだけれど、今のところこれも満足できる度合いにはなっていないので、どうしたら楽しく見れるのか、模索が必要になってきているんだよな。

 

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推しが武道館いってくれたら死ぬ 第8話「わたしの未来にいてほしい」感想

 空音とペアルックしたくて、結局ほぼ全員でおそろいのパーカーを着る羽目になった空音推しの皆さんに、男との目情もペアルック疑惑も、原因は基だと知らせてやりたい。

 

今週の内容

いつものスタバのオープンカフェスペースで、基は空音がまた大変だと、えりぴよとくまさに訴えていた。しかし基が話し始める前に、えりぴよがブログの写真の写り込みに男の影が無いか探していて、もうノイローゼだと話し始めたので、これよりは状況は悪くないと思い始めてしまう。

基が大変だと言っていたのは、以前人気投票の結果が発表された記念にと、空音にプレゼントとして渡した服が、ペアルックとして販売されていた物らしく、また男かとツイッターで話題になっている事だった。しかしこれを聞いたえりぴよとくまさは興味無さそうにうなり、これに文句を言った基に対して、えりぴよは基もペアルックすれば良いと投げやりに言ってのける。しかし空音とペアルック出来るとあって、基はその案に乗っかり、公演前の時間を使って服を買いに飛び出していったのだった。

嬉しそうに服を買いに行った基だったが、開演されてスタジオの中に入ると、他の空音ファンたちもペアルックを狙って、自分と同じパーカーを着ていることにげんなりするのだった。

空音は事務所の控え室で、ツイッター画面が開かれたスマホを投げ出し、テーブルに突っ伏していた。眞妃がエゴサーチしているのかと声を掛けると、苦しすぎる言い訳をして認めることはしなかったが、また起き上がってツイッターの反応を見続ける。その中に、文と空音が男を取り合って仲が悪いのではという疑惑が目に留まり、空音はちょうど部屋に入ってきた文を引き留めて、アイドルとして見られていると言う意識を持つようにと話し、最後はライブを頑張ろうと、流れにそぐわない明るい声で盛り上げて見せる。この展開には文もついて行けず、空音をライバル視して刺々しかった空気を霧散させるほどに驚くのだった。

その後のライブでは、空音は文と仲が良いと言う印象を与える為、ご飯を食べに行く話や、プレゼントを貰ったと言う話題を振り、このやり取りの中で、文は空音のこういった技量の高さを感じるのだった。

商店街のアーケードに掲げられた翼竜にも、サンタの帽子が被せられ、飼い犬もサンタ衣装を着る中、雰囲気に流された基は、えりぴよとくまさにクリスマスの予定を聞いていた。オタクにクリスマスの予定を聞くなんて非常識だと言外に匂わせながら、この失礼な質問に二人して驚き、あえてライブという言葉を使わずに予定があると強がるくまさ。さらに基が突っ込んだ質問をする中、えりぴよは好きな人と過ごすと上機嫌に答えて見せ、その様子に恋人がいるのかと誤解した男二人は、抜け駆けされたと大いに焦るが、えりぴよが本当にうれしそうに笑っているのを見て、舞菜に会えるクリスマスライブがあったと思い出す。

来年も再来年も、舞菜と一緒のクリスマスを過ごす決めているえりぴよに、オタクたるものそうでなくてはと満足げに頷くくまさ。クリスマスライブではサンタコスチュームを着てくれるのかと楽しみにする基に、れお推しのくまさは肯定し、基はそれは楽しみだと期待に胸を膨らませるが、これにはえりぴよは乗ってこれず、去年のクリスマスライブでの舞菜は、サンタの帽子だけを被って参加していたと、うらやましそうにしていた。

舞菜がシャイという事もあって、舞菜の可愛らしいサンタ姿を見たいという希望がかなえられないえりぴよに、基はフォローを入れるが、えりぴよは持論があると言いかけ、それ以上は言わずに去って行ってしまう。彼女の持論を、よし聞くぞと勢い込んで先を促していたくまさと基は、置いてけぼりを食った形になり、その場から声を掛けては見たものの、えりぴよは他のオタクにまねされたくはないからと、教えてはくれなかった。

クリスマスライブのポスターが張り出され、その中でも舞菜はサンタ衣装でない中、えりぴよはライブ中のライブの参加コールに5万回行くと、他のファンと声を揃えて応えていた。

握手会に入り、トップ3になった優佳はファンに自分のおバカキャラを生かした釣りを披露し、これをスタッフゾーンから見ていた文と舞菜とゆめ莉は、感心していた。

室田に舞菜とゆめ莉が交代で出るように指示され、一人になった文は、声を掛けてきた空音に、自分よりも人気が出て、本当に恋愛対象として自分を推してくれるようなファンがついていることを、うらやましいと思っていたと、素直にはなれないながらも話し始めた。これには空音は自覚が無いと困りながらも、握手会での接触対応を文にもして見せる。空音に真っ直ぐ見つめられて、ずっと大好きでいて欲しいと言われた文は、さすがに赤面して自分にはできないと言いつつ、仲直りではなく、喧嘩をしていなかったと認め、そんな文の言葉に、空音は良かったと言いたげにほほ笑むのだった。

握手会では、いつも以上の厚い束になった握手券を係員に渡すえりぴよ。何かのイベントの時以外で、何故だろうと舞菜が不思議そうにしている中、鰻の前掛けをしてキッチンスタッフの制服を身に着け、頭には安全第一のヘルペットを被ったまま、左腕には緑の浮き輪をひっかけた状態のえりぴよとの握手を交わす。えりぴよから、自分の未来に居て欲しいと言われ、可愛い服を着て欲しいと言われた舞菜は、恥ずかしそうにうつ向き、顔を下げたことでつむじが見られたえりぴよは、大層嬉しそうに帰っていく。

ある日、ショッピングモールでれおと待ち合わせをした舞菜は、種類が豊富に並べられたサンタコスの衣装を選び、れおに今年は着るのかと聞かれても、ファンが見てくれるからと嬉しそうに答えていた。

一方商店街の一角で、サンタ衣装の売り場に来ていたえりぴよは、舞菜のサンタ姿を見ても鼻血を出さないようにイメージトレーニングをしていた。満足いくまで妄想をして、ふと帰ろうとした時、トナカイの被り物と目が合い、えりぴよは思わずのぞき込むのだった。

クリスマスイブの当日、駅前の噴水に集まったいつもの三人は、周囲がカップルにあふれていても、前向きにライブ会場へ行こうと出発する。しかしえりぴよは、遠くの空が暗雲立ち込めていることに、少し不安を抱いていた。

ライブが始まり、サンタ姿のちゃむが姿を現すと、ファンたちは盛り上がりを見せる。その中でも、トナカイの被り物を装着したえりぴよは、舞菜がサンタの衣装を着てくれたことに感激し、泣きながらその喜びを叫んでいた。しかし雷の音と共に照明が落ち、停電と共に響く雷鳴に、文は怖いと連呼し始め、ちゃむのメンバーも不安を露わにしていた。

そんな中で、えりぴよがむやみに動かない様に声を上げ、チェキ用に買ってきたトナカイの被り物の鼻を光らせて、ひとまずその光にほっと息をつく会場内。全員が落ち着いてきたことを確かめてから、えりぴよはさらにファンたちにペンライトを使う様に指示を出し、全員がオレンジ色にペンライトを光らせ始める。すると室内の明るさが増し、れおはその様子に笑顔になっていた。

ペンライトを持ったファンたちが道を作り、トナカイの鼻を光らせたえりぴよが、ちゃむのメンバーを先導していく。ファンはメンバーに話しかけたり、メンバーからも声掛けがあったりするなど、落ち着いた雰囲気で移動するメンバー達。舞菜は先導するえりぴよが振り返り、目が合った時、自分の未来が暗くなっても、えりぴよの光さえあれば先に進めると感じていた。

停電は復旧されないまま、チェキ会が開始され、ペンライトを点したままのファンたちが並び始める。トナカイの鼻を光らせたままの利ぴよは、舞菜の列に並び、そのままチェキを取ってもらう。チェキを取る前に、舞菜は意を決したようにえりぴよに近づき、そして満足そうに笑っていたが、いつもはチェキの枠にお互いがギリギリ入るくらいの隙間を埋められたえりぴよは、近くに居る舞菜に、クリスマスの奇跡だと緊張する。

イベントを終えて、ちゃむ全員からファンに向けての挨拶の時、れおは一緒に過ごせて幸せだったと話し、話の締めくくりは舞菜に任せていた。突然話を振られた舞菜は、少し緊張した様に前髪を触り、それでも来年以降も一緒にクリスマスをしたいと話し、自分もえりぴよの未来に居たいと心の中で付け加える。

すっかり雨が止んだ地上に出てきたえりぴよ達。チェキを、サンタとトナカイという完璧な2ショットで撮れた上機嫌なえりぴよに、撮ったチェキを見せてもらったくまさと基は、トナカイの鼻の発光が、えりぴよの顔を見えなくしているチェキに、離れていても顔がはっきりしている方がマシだと思うが、これは本人には言えずに黙ってしまう。この沈黙を羨ましいのだと受け取ったえりぴよは、また上機嫌に軽やかに飛んで見せる。

雪が振り始め、えりぴよを始めくまさや基、ちゃむのメンバーもそれぞれに空を仰ぎ見る中、舞菜は空に向かってスマホをかざし、写真を一枚取っていた。

舞菜は、雪が降る空を取りながら、自分もえりぴよの世界を照らせるようになろうと考え、写真をブログに載せる。これを見たえりぴよは、写真がアップされるたびに悩んでいた、男の影を探す余地が無いと、少し呆けた、安堵した表情になり、舞菜の可愛らしさに萌えるのだった。

 

ここから感想

基がいつも通りに戻り、少しは真っ当に生きてくれるかと思ったが、そうはならないのが現実ですね。えりぴよなら自分の所為だと分った時点で、握手会で土下座して謝りそうなものなのに、基はしれっと握手して萌えて帰ったんだろうな…。

舞菜の好感度が上がっていくえりぴよ。七夕の短冊が届かなかった事は、影響しないみたいで、本当に、この後も彼女たちのペースで愛を育んでいけば良いと思うよ。もうここまでくれば、勘違いエピソードも怖くないと思っているけれど、やっぱりあると怖いのがバレンタインのタイミングで浮気疑惑が出ることだね。がんばれえりぴよ。

そういえば、舞菜に積んでいた時のえりぴよのバイトの制服…浮き輪はプールの監視員か何かだろうか。それにしては色が緑と言うのは納得できん。

 

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ちはやふる3 第20話「なにしおはば」

 なるほど、千早の方の周防への負の感情のケリも、原田をきっかけに解決させるのか…もうちょっと千早の悶々とした葛藤を描いてほしかったんだよな。

 

今週の内容

放送中継車では、ディレクターがカメラが取る位置を指示していた。彼はかるたの事は分からないとしながらも、名人戦第4試合が運命戦になっている今この時が、大事な場面である事は理解していたのだった。

かるた会関係者が集まっていた一室では、ネット中継を流しながら、周防が名人から陥落する流れに期待が集まっていた。そんな中、名人位を取った原田と言うのも、想像してみると面倒な存在ではないかと声が上がり、それはそうかもしれないと皆は考え込んでしまう。

小峰読手が、次の札を次の札を取り出していたところで、原田は自陣にある「なにし」の決まり字の札について、考えを巡らせ、際限なく悩み始めていた。気持ちを切り替えようと、一言断って立ち上がると、原田はその場の空気を集めて食べるという、おなじみの動作をし、これを見た北野は、一番マナーを無視しているのは原田だと改めて感じ、彼に座布団を投げつけてまで応援している自分を恥ずかしく思うのだった。

座り直し、首と右肩を回してならした原田は、周防に挑戦的な笑みを向け、周防もそれにこたえるように口元に笑みを浮かべる。

再開された読手が読んだ札は空札であり、「しの」が決まり字だった。周防が自陣に向かって手を伸ばす気配を感じた原田は、思わず自陣の「なにし」の札を囲い手で守るが、周防は動くそぶりさえ見せていなかった。

千早は隣にいた太一に耳打ちし、原田が勝利する瞬間を、近くで見たいと言うおもいからか、北野の隣が二人分入れるくらいは空いていると移動を促す。しかし北野はこの試合を逃せば、原田は体力的に名人にはなれないと状況を読み、追い込まれているのは原田だと危機感を感じ始めていた。

次の札も空札が読まれ、またも原田は守り手を使い、周防は動かない。千早はこの段階でも動かない周防に対して違和感を感じ、聞き分けに自信があるのかと思案し始める。

原田は、自陣に残っている「なにし」の札が、上の句と下の句の最初の文字を合わせると名人となる歌であることを意識しており、この札に向かってくる周防の気迫に、名人にこだわっているのは、自分だけでは無いと感じ、それでも最もこだわっているのは自分だという自負を持って、次の札が読まれることに緊張感を高めていった。

札が読まれた瞬間に周防が手を伸ばしてきたため、とっさに自陣の札を押さえ手で取ってしまった原田。これには周防が笑みを浮かべ、第4試合は原田がお手付きをしたために2枚差で周防の勝利となった。

相手にミスをさせるかるたを、ここぞとばかりに仕掛けて勝利した周防に、太一はその度胸と技量に気圧されていた。太一がふと千早を心配して様子をうかがうと、彼女はショックを受けた様に視線を落としていたのだった。

読手をしていた小峰は、残った札を確かめ、空札を全てやり過ごすことができれば、原田の読み通り「なにし」の札が先に読まれる順番だったことに驚き、原田の出される札を読む力と、そうなる前に相手にミスをさせた周防の技量に、これが勝負かと感心すしていた。

係員が20分後に第5試合が開始されると声を掛け、会場の観客が動き始めた頃、太一が心配そうにする中、千早は一人で会場から外に出ていった。

そのころ、インタビューがあるからと、控室にいる詩暢を呼びに来た母・詩穂は、壁際に座布団を重ねて、それに寄りかかる形で寝ている詩暢の格好に、言外にみっともないと言いたげに声を掛ける。インタビューに向けて襷をほどいた詩暢は、千早につけてもらった襷が、いくつもの布を繋ぎ合わせていた事に気付き、丁寧にひとつずつ広げていく。その布に、くまの模様がついていたため、詩暢はこれを渡した千早の事を思うのだった。

千早は、モニターが置かれたスペースで一人、周防に対する悔しさを噛みしめていた。そんな彼女の耳に入ったのは、モニターに映し出された詩暢のインタビューだった。

テレビ観戦席にいた西田は、詩暢のインタビューと聞いて、姉弟子が負けた時に感情がこもらないコメントをされた事を思い出し、さっそくケチをつけていた。しかし今回の詩暢は、対戦者の猪熊の強さを認め、さらに傍にいた人のおかげで勝てた気がすると言い、次のクイーン戦が楽しみと言ってみせる。

詩暢の例年とは違うコメントに、猪熊はもちろん、千早はクイーン戦で戦うという詩暢との約束はまだ続いているのだと自覚し、周防への暗い気持ちに踏ん切りをつけるきっかけを貰っていた。

太一が試合会場から、新が出入り口から千早に声を掛けたため、千早と太一は新に駆け寄り、風邪の所為で少し喋るとせき込む新を、二人して心配そうにのぞき込む。そんな三人を見かけた菫と奏は、新が千早に告白しているのを知っていたため、新が返事を催促していると妄想し、少女漫画の様な展開を期待して見ていたが、実際の三人は恩師である原田の元へすぐにかけていってしまい、恋愛よりかるたという彼らの態度に、がっかりしてしまうのだった。

周防の控え室では、次々に和菓子を食べ続ける周防に、応援に来ていた女の子たちは声を掛けることもできずにいた。周防がお茶を飲んだことで、やっと終わった‼と安心感の様なものが生れる。そんな彼女たちに、周防は髪を結うゴムを借り、洗面所も使うと断りを入れるのだった。

原田の控え室では、目元にタオルを乗せ、タオルケットの様なものを被って眠っている原田と、そんな彼を見守る妻がいるのみで、こちらも静かだった。この様子をふすまを開けて覗き込んだ新と千早、太一は、そのまま入ることなくその場を離れ、階段のある広場まで移動する。

テレビ中継がある1階の応援席で見るという新に、千早は思わず理由を尋ねるが、咳込んだ新をみて、これでは会場には入れないと理解する。その後は第5試合を原田が勝てるかと考える3人だったが、名人が手を抜いてくれれば、体力の限界も膝の痛みも堪えている状態の原田にも、勝機はあるいう考えに行きつくが、近くを通り過ぎていった周防を見て、その考えは打ち砕かれる。

誰もが周防の変化に目を離せない中、原田も髪を縛り、髭を剃った周防に若く見えると話しかける。試合前、周防は年配者であり、挑戦者の原田に深く頭を下げ礼をし、その様子に会場はほんの少しざわつく。

第5試合が最終戦となり、名人戦が始まってから10時間が経とうとしていた。解説には北野が入り、周防が原田に敬意を払うようになった事は、もう油断がないという事だと説明し、原田の方が分が悪いと戦況をよんでいた。

原田は周防との対戦中に、出来る限りかるたの技量も、人となりについても、周防の事を知ろうと食いつき、周防から一字決まりを取って見せるなど見せ場を作る。そんな原田を見ながら、千早は周防に対して抱いていた暗い感情ですら、本来ならかるたを強くする糧に帰る事が出来たのだと気づかされ、自分の心の弱さに目に涙を溜めていた。

原田は集中を切らずに試合をするが、やはり体力が持たないと途中で自覚し、今回の自分の挑戦は、これを見た若い者が糧にしてくれれば良いと考えるようになっていった。

試合は12枚差で周防が勝ち、名人位の防衛に成功した。周囲はこれで周防が引退すると安堵しており、太一もその流れに同調していた。

原田は会場から廊下へと出て、妻から声を掛けられたために、少し言いづらそうに名人位を取れなかったと答える。しかし原田の妻はそんなのは要らないと言ってのけ、原田の笑顔が見たかったのだと、目じりに涙を溜めて応えるのだった。

周防がインタビューを受ける中、顔を伏せてそれを聞いていた千早が立ち上がって動き出すのと、会場に入ってきた新が鉢合わせし、新は千早に自分が行くと手で制して、周防の方へと歩み寄っていく。

周防は、アナウンサーの質問に一言で応えながらも、原田との試合が面白かったと考えていた。質問が、引退の話に触れた時、周防は兼子がひとかどの人間になれと泣きながら言っていた事を思い出すが、引退することを肯定しようとする。

新は、周防が引退すると言い切る前に大声で話しかけ、中継スタッフや大会の係員たちが驚き、坪口に押し返されながらも、自分が倒しに行くから名人でいてくれと頼むのだった。

同じ思いでいた千早が見守る中、周防は口元に笑みを浮かべ、もう一年名人でいると、新のお願いに応じる。これを聞いたかるた会関係者一同は、問題児がまた一年間も居座る事に「ひっ」っと引き攣るのだった。

自分の願いを聞き入れてくれた周防に、新は深く一礼し、これを見ていた原田は愉快そうに大声で笑う。まだ周囲がざわめく中、新は会場から出て行き、千早も後を追って会場の部屋から出ていく。強すぎる名人の引退を望んでいた太一は、そんな二人を見送って、一人沈んでいた。

表彰式が終わり、札ガールを務めた桜沢と広間で話していた猪熊。彼女はお腹の子はおそらく女の子だろうと話を始める。話を聞きつけた読手の山城は、おめでたを祝い、また休みに入るのかと話を振ったため、先に桜沢に言っていた通り、戻ってこれる見込みがない事を匂わせる猪熊。しかし山城は猪熊をまぶしそうに眺め、まだ種を埋めているようなものだとおせっかいを焼いて去っていく。この言葉を聞いた猪熊は、山城に続いて理音が頭を下げて去っていくのを見届けてから、桜沢にしがみついて泣いたのだった。

瑞沢高校のかるた部は、予想以上に長くなった名人戦に押されて、新幹線にギリギリで乗り込んでいた。弁当を数個買った西田が、濃い一日だったと満足そうにする中、千早は太一がいないことに気付き、西田と駒野は乗り遅れたのかと青くなる千早に続き、ドジだと笑っていた。しかしこの余裕は、奏から太一が高松宮杯に出場することを聞かされたことで崩れ、また太一に抜け駆けされたと、千早は悔しがるのだった。

 

ここから感想

この作品の良さでもある、全部を説明しないところが、今回は裏目に出ていた。

周防がひとかどの人間になれたかどうか、自分自身どう思っているのかについてや、猪熊が山城にかるた会に戻っておいでと言われた後の涙等々、出来ればその場で表現してほしかったものが多々見つけられてしまった。

周防の件は、今週分は特に表現が大事な部分だと思えたのに、彼が普段からこう考えて、そんな自分をどのように思っているかが表現されていないから、ひとかどの人間になれていると思っているのかどうかも分からないまま、新の言葉に乗っかって、名人残留と言う結果になってしまった。しかも周防が悪戯心で放った言葉に左右された千早も、原田のかるたをみてた立ち直るなど、結構中途半端な感情表現で、ツッコむことが無いまま雰囲気で進んでいってしまっている。ちょっと残念。

 

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