はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第22話「ながめせしまに」

 まさかこの期に及んで、太一の名前が変だと言う話になるとは思わなかった。確かにあの母親にしては洒落っ気が無い気がする。

 

今週の内容

深作の授業が終わり、千早が心ここにあらずの状態で机に伏してテスト範囲をメモしていると、隣の窓側の席の西田が、メロンパンを食べながらメモした範囲が間違っていることを指摘してきた。

落ち込むのは太一だけにしてくれと言う西田に、千早は高松宮杯で新に敗北した太一の事を思い浮かべ、実際に目の前に太一がいる部活の時間になっても、試合の事や一人で大会に出ていた事について問いかけることができずにいた。

部活が終わり、ドアに女子着替え中のホワイトボードを掲げて着替え中のかるた部女子。後は髪を結い直すだけという状態になった奏は、未だに着替え終わっていない千早と菫に、沈んだ空気の打開のため、バレンタインチョコを作ろうと提案し、この提案を聞いた菫は燃え上がるような気迫を発し、立ち直るのだった。

千早の家で、彼女の父の健二がリビングに入ろうとすると、千早に入ってくるなと、視線も送られることなく注意されてしまう。チョコの匂いを嗅ぎつけてきた健二は、少しにやけながらも素直に退散するが、当の千早はチョコレートのレシピ本「1Day Sweets ほんとうにおいしい生地でつくるチョコレートレシピ」に顔をうずめ、悪戦苦闘していた。

チョコに核となるガナッシュをくぐらせて、コーティングするトランぺの工程で、チョコが熱すぎてガナッシュが解けて無くなる千早。その隣でも、丸めていた奏も、手の体温でガナッシュが解けてしまい、こちらも紛失させていた。

上手くいかない上に、材料が無くなってしまうと危機感を覚えた千早と奏。慌てて材料を買い足しに行こうとすると、菫が到着し、調理道具を持参した上に小学校2年からのバレンタインデーは手作りで通してきた経験から、的確に今日作るレシピを決定する。

ご飯しか作れない奏も、菫の頼もしさに安心し、この後輩は計算で生きているのだと改めて感じ、その女の子らしさに顔をほころばせていた。その間に、適当に小麦粉をボールに出していた千早に、計量するように注意していた菫は、奏にも測るようにと計量器を向けて仕切りだすのだった。

チョコレートクッキングの時間が始まり、まずはチョコレートワッフルから解説が始まる。

「バターを3回加えつやが出るよう練る」「生地を良く練りグルテンをしっかり作る」この工程は菫が落ち着いて行っていた。「発酵させ1.5倍にふくらませる」「チョコチップを入れてたたむ」「二次発酵させてから弱火で焼く」「片面ずつ計3~4分」で出来上がると、さっそく千早がいいにおいだと食べ始めてしまい、菫は注意しつつ、どんどん行くと次の作品に向かう。

ココアのマシュマロは、「小鍋に水アメ・佐藤・ココア・水を入れ火にかけ125℃まであたためゼラチンを入れる」この工程を菫が、「氷水にあてながら卵白をほぐし砂糖を加え角が立つまで泡立てる」工程を奏が行っていく。「この2つを合わせハンドミキサーの高速で泡立てる」工程を千早が楽しそうに、しかし緊張しながら進めていた。「型に流し入れゆっくり固め」と言う工程の型には「クッキングシートで箱を作ってももいい。」というアドバイスも加えられた。さいごに「コーンスターチを振ったバットで小さく切る」ことで、マシュマロが一口サイズになり、さらにココアと混ぜ合わせたであろうコーンスターチによって触感がまろやかになるのだろうと想像される。

ブラックココアのサブレは突然にトースターから焼き上がりが登場し、工程の説明は一切なく、相変わらず出来上がりをさっそく食べている千早なのだった。

出来上がった三種類の作品を眺めつつ、そう言えば太一はどういったチョコが好きかと尋ねる菫に、千早は、毎年多くのチョコを貰っているから、塩辛の方が喜ぶと思うと今更になるアドバイスを送る。菫は作った作品に塩辛をプラスすることはできないと頭を抱えるが、千早と奏は最初からそれは無理だと、他人事の様にのんびりとしていた。

ラッピングに入り、ピクニック風にしようと包装紙にリボンをかけていた千早は、ふと、何故みんなでかるたをしているのに、太一が一人で辛そうにしているのかと考え、笑ってほしいと包みを手で覆って泣き出してしまう。千早の言葉に、菫と奏も同様の想いがあるのか、千早慰めるそぶりはなくただ見つめるだけなのだった。

千早の家に今日作った作品は置いていく菫と奏は、千早にちゃんと持ってくるようにと念を押して帰っていく。二人で帰る間に、奏は菫が持っている紙袋が高級チョコであることに気付き、これを渡せば恋も成就すると言う意味であろう勝率100%の売り文句まで口に出して驚くのだった。

得意な手作りのお菓子ではなく、売り物のチョコを渡すのかと奏に問いかけられ、最初から自分の恋はかなわないのに、勝率100%という謳い文句にすがるのかと迷う菫。そんな菫に、奏は太一の事が好きだと言う菫の気持ちはいつでも形になると思うと背を押し、一年も興味も無かったかるたを続けた菫の努力も認める。

駅で菫を見送った奏は、太一の事で千早が泣き、菫が悩んでいる思いがどうか本人に届いて元気になるようにと祈るのだった。

バレンタインデー当日、太一が一人になる機会をうかがっていた菫は、イケメンである彼がこの日に一人になる事は無いのだと、半ばあきらめていた。予冷が鳴って生徒は教室へと引き上げる中廊下にいた菫は、たまたま体育の授業で移動中だった太一を見かけ、それまでは送る事すら諦めるほどの流れを無視して、窓から声を掛けて持っていた紙袋を太一に向かって放ったのだった。

思った以上に重量のある紙袋に、驚いて中身が塩辛だと知って困惑する太一に、菫は勢いのまま好きだと告白した上で、太一も好きな人に好きだと言ってくれと告げる。言い切った彼女はすっきりとした笑みを太一に向け、そんな彼女を、太一は見上げたまま呆然と立っていた。

菫は腰窓の壁の部分に隠れるように座り込み、感情を沈めていたところを、教員に教室へ入るよう注意されて走り出した。その時には、きっと太一に笑って欲しいと泣いていた千早が、太一の気持ちを掬い取ってくれるだろうと考えていたのだった。

部活動の時間になり、すっかりチョコ祭りとして飾り付けられた部室に、男子部員たちは沸き立つ。お菓子作りは菫が貢献してくれたと奏は主に太一にアピールするが、筑波がお菓子だけしか作らないはずだと指摘したため、菫はその通りだとむくれて見せる。その様子に思わず太一が笑い、女子部員たちは目的の一つは達せられたと内心で喜び、全員で楽しく食べようと、作ってきたお菓子を披露するが、たくさんお菓子を入れていたタッパーの中には、千早の父から「美味しかったよ♡でも作りすぎだよー♡ パパ」という置手紙しか入っておらず、一同は真っ白になるほど白けたのだった。

その夜は父に起ころうとする千早だったが、健二は大層嬉しそうにお返しを買ってきてしまい、さらに菫と奏の分まで大きな箱で積み上げられてしまい、怒りの勢いを殺されてしまったのだった。

そのまま3月になり、部室で何かを思いついた千早は、トイレの鏡を眺めつつ、マスカラでまつげを整えていた菫と、彼女からまつエクの話などをされてたじろいでいた奏に、鬼気迫る様子でお願い事を申し出る。

静岡県の富士崎高校の卒業式では、人気のある三年生を取り囲み、女子部員たちが黄色い声を出していた。通行の邪魔だからと理音が移動するように声を掛けていたが、効力がなく、これに気付いた真琴は、一言で女子部員達を整列させ、人込みを解消させる。理音に好意を寄せている真琴は、彼女のところまで移動すると、東京の大学に進学して一人暮らしをすることをアピールし、かるたの大会は出来れば東の方で出て欲しいという事を伝え、自分が卒業後も理音と会えるきっかけ作りに必死になっていた。話の途中で千早からメールが来た理音は、一言断って携帯をチェックし、ひとまず4月は東の大会に出ると、場所はどこだかも分からないまま、真琴に返事をしていた。彼女の返答に喜ぶ真琴だが、自分の意図は通じていないことには気づいていない様子なのだった。

東京都の朋鳴高校の卒業式では、坪口が3年の担任の同僚が泣いているのをみて、自分は来年泣くだろうと他人事であったが、その3年の担任から、今のかるた部の代が卒業するのと共に、男子向けの学科増設で、現在1年生の女子が8人、来年は10人と言う中、男子は学年ごとに250人いる為、男子だけの部活になるのも時間の問題だと、仕返しを食らっていた。そんな式の最中に、坪口は千早からメッセージが届いていることに気付くのだった。

東京都の北央学園でも卒業式が行われ、かるた部の謝恩会では甘糟とその他3人の3年生が挨拶を行っていた。甘糟は自分の実力が見えてしまったため、大学ではかるたを続けるかどうか分からないとしながらも、北央学園のかるた部の実力はこんなものでは無いと語り、新部長のヒョロも、情熱とプライドは日本一だからと激励する。これを聞いたヒョロは号泣し、髪もハラハラと抜けながら伸びてしまう。これには同級生が水だ点滴だと慌てだし、ヒョロのポケットから落ちた携帯に、千早からメールが届いていることは誰も気づかないのだった。

そして、東京都の瑞沢高校の2年の教室では、期末テストの結果が配られ、駒野は学年順位3位、理系では2位という結果に、思わず結果票を丸めてしまう。クラスの生徒たちに向かって、担任の宮内は勉強の習慣について話し、大学受験で試されるのは人生全部だと言い切っていた。これを太一から聞いた千早は、事実上の特進クラスとされる1組だからこその話だと青くなる。そんな千早に、太一は受験勉強と部活の両立は無理そうだと思うなどと発言し、千早はその言葉の真意を測りかねていた。

駅に着くと、千早は苦しい言い訳をしつつ太一と別れて行き、戸惑う太一には坪口が声を掛け、肩に置いた手を放すことなく居酒屋へと連れ込まれてしまうのだった。

さすがに制服のままで居酒屋に入れないからと、学校を特定されやすいネクタイを外した太一は坪口に文句を言うが、坪口は問題なさそうにビールをとりあえず5杯頼み、乾杯の後に一気にすべてを飲み干しておかわりする。

坪口が本題である新との試合について尋ねると、太一は今日言われた宮内の言葉があっていると考え、名人になるために人生の全部で準備をしてきている受験生の様だと感触を話した。そう話している途中から、うつ向いてしまった太一を見た坪口は、そこまで違うと思いながらも、勝ちたいと考え、悔しいと思っているのはすごい事だと、太一を褒めるのだった。

居酒屋からの帰り、坪口は今回の事は千早からの頼まれごとであると明かし、太一は新の事が聞きたかったのだろうと、何とか返して見せる。そんな虚勢を張る太一に、坪口は微笑ましそうな笑みを浮かべ、バカだなと一言言って帰っていき、太一は千早の気持ちが自分に向いているのだと、素直に感じることが出来たのだった。

ホワイトデー当日。彼氏を持っているクラスの女子が騒ぐ中、告白はしたものの、千早への気持ちを告白するべきだと言ってしまった菫はやさぐれていた。そんな中、太一が突然クラスに顔を出したため、菫に太一を追うのを諦めろと言う話から、イケメンなのに「太い」と一番の「一」が名前に入っているのはおかしいと言う話題で盛り上がり始めた教室内は、思わず可愛らしくない悲鳴があふれる。

廊下に出た菫と太一。菫は名前の事を変だのなんだのと話していた事を謝るが、太一自身もあの母親ならキラキラネームを付けそうなものだと、不思議に思っていた時期があると、フォローされる。バレンタインのお返しを貰った菫は、言ってこようと思うと言う太一に、千早に告白するのだと気づき、確かに自分からそうするように言ったものの、二週間待ってほしいと慌てふためきながら念を押し、奏との約束が、まつげ増毛の美容液がなどと言いながら去っていく。

部室に入った菫は、テーブルを囲んで忙しく作業をする奏から、遅いと意を受ける。千早は畳の上で必死に携帯のメールを打ち、進捗内容を皆に知らせる。そんな中、菫は奏に自分はもういらないと、まつげ増毛美容液を手渡す。千早に告白する決心をした太一を思い浮かべ、自分の恋は終わったのだと泣き、そのままの状態で、すぐに仕事をくれと声を上げる。

かるたの札の手配や、出場費の算出、名簿作りやTシャツのデザイン等、慌ただしく物事を進めていくその活力は、全てバレンタイン祭りが不発に終わったことが原因であった。

4月2日。花見をすると呼び出した太一を、千早は府中市立片町文化センターへと連れて行き、その途中で太一の誕生日を祝う。そして、ホールのドアを開けると、ピンク地に白のドットに「太一杯HPPY BIRTHDAY」とプリントされたTシャツを着た友人知人が集まっており、太一用だと渡されたTシャツには、「太一杯 主役」と書かれ、これには頭の回転が速い太一もついて行けず、青い顔で驚くしかなかった。

 

ここから感想

恋愛面が強調されたバレンタインイベントだったが、先週不安に感じた菫の「このままではいられない」と言うセリフは、思ったより早く具体的な形になりそう。というのも、今週は太一に笑って欲しいという千早の要望が前面に出ていたから、坪口も太一でさえも、千早が太一の方を全身全霊で向いていると思ってしまっているが、これが恋愛に結びつかないだろうなと言うのが、今までのエピソードで描かれているんだよね。人生全てでかるたに臨んでいる千早と新に対し、太一はそうはなれないと頭では分かっているから、どこまでの重みを持って告白に臨むのかが、今後の問題の重みを決定すると思うな。

にしても、西田姉の最近の流行はピンク地に白のドット抜きなのか、ヒョロの応援ボードと同じ柄だったぞ。まぁ、デザインできる人が身内に居ると、あれこれと注文で我儘言えると思っていたのは間違いだと、高校生諸君も気づかされたな。

 

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