はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第24話「かぜをいたみ」

 あっという間に新入部員が入ってきて、新生かるた部が始まっているのに最終回。原作はどこまでできているのか分からないけど、アニメの続きを数年間待つと思うと、撮っ散らかったまま終わった感じがして仕方がない。

 

今週の内容

太一からの告白を断り、自分とかるたから去っていってしまった姿と、その時の言葉を何度も思い出していた千早。3年の担任である幸田美男との面談にも集中できず、幸田がペンでプリントの一点を指し示す音で現実に戻ってくる。

教員志望の千早に、幸田は生身の人間を相手にする難しさを考えるようにと指導を始め、その様子を千早の元担任である深作と宮内も眺めている中、千早は幸田の厳しい意見には返事もできずにいた。

結局、幸田の指導の内容は、途中から趣旨がズレていき、宮内はその内容に呆れ、深作は思わず咳込んでしまった。

郵送されてきた学力考査成績表をみた真島麗子は、ちょうど帰ってきた太一に、さっそく弛んでいるのではないかと大声を上げ、かつ、何事もため込みがちな息子に、息を吐く事を意識するようにと付け加える。帰って早々にまくしたてる母親に対し、太一はかるた部を辞めたから、成績の面で今後はもう大丈夫だと告げ、興奮していた母親を置いて自室へと上がっていってしまう。息子が退部したと聞いた麗子は、今までかるた部との関係を切ってほしいと考えていたにもかかわらず、あっけに取られてしまうのだった。

かるた部顧問でもある宮内は、太一の退部でかるた部員達が動揺していることを想像しつつ、部室を覗きに来ていた。

しかし宮内の想像とは異なり、入部希望の4人を前に、菫が指導係として挨拶をしていたため、しっかりしてきた生徒たちに、思わず宮内は涙ぐむのだった。

自分たちの出る幕が無いと、太一からこの後の部の事を頼まれていた西田と駒野は思い、奏もまた、菫が部を支えてくれていることに感心していた。

原実紅D級、橋立蒼太D級、波田橙吾初心者、田丸翠A級と、今年の新入生は期待できると浮き立つ西田と駒野。しかしその中に、嫌なかるたをすることで有名な、埼玉咲良会の田丸兄妹の妹の方がいたことに、思わず二人して焦り、顔を見合わせるのだった。

千早は相変わらず集中することができず、心ここにあらずの状態で新入生との練習を行い、かるたの札に色見を感じなくなってしまっていた。

練習の合間に廊下を歩き、こらえきれずに泣き始めた千早は、深作と出くわして「かぜをはやみ」の歌のように、自分が太一の心を削っていたのだと気づいた事や、自分はかるたが取れないと泣きながらに相談する。深作は大量に持っていた国語のテキストを、支えきれずに落としてしまい、これを拾おうと千早と二人でしゃがみながら、それならば勉強しなさいと、千早にかるた以外で没頭すべきものを指し示す。

塾に行き始めた太一は、その容姿からさっそく女子から声を掛けられていた。かるたの話をしない人たちに、今の自分は囲まれているのだと感じていた太一は、塾の講師として現れた周防名人を見て驚き、周防もまた太一を見て彼に話しかけるのだった。

福井県あわら市にある藤岡東高校では、新が松林兄弟を連れて部活立ち上げの申請をしようと職員室の菅野先生を訪ねていた。かるた部の創設には後二人足りないと言う菅野に、松林兄弟は文句を垂れるが、部費が出ないだけで大会への参加はできると、菅野は新たちの活動を制限することはしないのだった。

松林兄弟は舜が4月生まれで兄、滉は3月生まれの弟であり、二人ともB級選手であった。福井大会の参加校が、昨年は4校だったことから、自分たち三人でも高校選手権大会は大丈夫だろうと言う松林兄弟。新も名人戦が大事だろうと考えている二人に、新はその場では言葉を返すことはなかった。

その後の南雲会の練習で、選手と運営をこなす大人たちを見て、兄弟子である村尾からも、背中を押された新は、チームを作りたいのだと思い返して、袴を着込み、昼休みに各教室でかるた部の勧誘を始める。

3年の教室も回った新は、恥ずかしさのあまり廊下の壁にもたれかかっていた。そこへ幼馴染の由宇が声を掛け、受験生なのに部活の創設なんて何を考えているのかと小言を言い始める。しかし自分はチームを作りたい、祖父の日常介護を手伝ってくれていた時の由宇も、自分にとってはチームだったと語る新に、彼女も素直ではないながらも入っても良いと言いかける。結局、由宇が入部しても良いと言う前に、入部希望の生徒が新の周りに集まってしまい、彼女はまたも言いそびれてしまうのだった。

人数が揃い、無事にかるた部を作ることができた新は、その熱意に喜んだ南雲会の栗山のツテで、富士崎高校の合同練習に参加することになる。顧問となった菅野が4時間の運転疲れで立ったまま眠る中、上がりながらも挨拶をこなした新を見て、富士崎高校の部員たちは名人戦の配信や、挑戦者の西日本代表となった事を知っているため、少々ざわついていた。

眠気で顧問としての活動ができないと判断された菅野が、松林兄弟に運ばれる中、桜沢と挨拶を交わしていた新は、北央のヒョロ伝いに、千早と太一が瑞沢高校のかるた部から去っていったことを知らされる。

千早と太一の事を考え、理音から札を並べるように指摘されてしまった新は、その後の練習試合の中でも、日向の掛け声に集中を切らされ、藤岡東高校のかるた部の部員たちは、思うようなかるたが取れずにいた。昼休みにこのままではいけないから、と滉は新に相談を持ち掛けるが、新は千早と太一の事を考え、部を作ったと作成したメールを眺めるだけで、返事をしないのだった。

午後に入り、新の相手は日向となった。かるたの実力がはるかに上である新を相手に、日向は他の部員への声掛けが行えず、代わりに理音が慣れない様子でその役を担っていた。

2試合目も新以外の部員が負けている結果に、新は疑問を持ち始め、富士崎高校の部員たちが他の部員の弱点もメモに取り、自分に負けた日向でさえ、部としては勝てると笑みを浮かべたのを見てしまう。

3回戦に入り、チームとして他の部員の様子を気にしながら集中することができるかと考え始めた新。自分が3年生としてやらなければと意気込んでいると、彼よりも先に滉が恥ずかしそうに声を上げ、これに勇気づけられた新は、思い切って練習を始める。

藤岡東高校のかるた部をチームとして強くするために、富士崎高校のストレッチを取り入れてみようと考え始めた新。そんな姿を見た桜沢は、名人を目指す彼に対し、なぜ団体戦をしようとするのかと疑問を持っていた。

帰りの車の中、新はチームのために考えなければならないことを洗い出し、これは全員で話し合わなければと振り返るが、他の部員たちは疲れからか全員眠ってしまっていた。

チームを強くするという事の大変さを感じた新は、これを成し遂げて全国優勝を果たした千早と太一に思いをはせ、自分はいつも二人の傍にいないと痛感する。

起き出して早々、富士山がいい角度で見れると騒ぎ出した後輩たちに、思わず笑った新は、周回遅れではあるが、千早と太一の二人が見せてくれたものを追って、自分も二人に追いつこうと決める。

図書館で勉強に明け暮れていた千早は、身体を動かしていないエネルギーを、普段の動作で発散する勢いで動き、心配する幸田と宮内、深作を驚かせた。紙パックの飲み物を豪快に一気飲みしてむせていたところに、新からメールが届き、いつか自分が、部を作った事を報告した時のように、近江神宮で合おうという本文と、部員全員で何とか入った写真が添付されているのを見て、千早は1年の時、かるたから離れていた新に会いに行った帰りの新幹線の中で、太一が言った言葉を思い出したのだった。

太一も、同じく新からのメールを見ていたが、周防に呼ばれてかるたの練習へと足を向ける。そのことを知らない千早は、新のメールを見て、今度は太一が戻ってくるのを、強くなって待っていようと言われているように感じるのだった。

 

ここから感想

あれだな、新から言われた事や送られたメールの内容を、千早が脳内解釈しているのって今後の展開にも関係してこないかな。「一緒に生きていこう」とは言われてはいないし、「太一は戻ってくるから待って居よう」という思いは、送った本人はメールに込めていないわけで、辛いときに、すぐ近くに居ない新の言葉に頼ってしまう千早の脆さは、いつか指摘されるべきでは無いかなと思うんだよね。

そして、おそらく誰もがかるたから離れたと思っている太一が、塾で周防と出会って練習しているのって、太一の母親にも、何とか新のメールに頼ってつなぎとめている千早にも、新入生を迎えて部を支えている菫に対しても、筋を通せていないと感じるのは、潔癖すぎるだろうか。

以上の二点が露呈した状態で今期が終わってしまったので、気持ちよくとは言えない最終回だった。やはり作品が、千早がクイーンになるまでを描くとして考えれば、作成期間が長いのと、その間に変わる現実世界の考え方との擦り合わせが、難しくなっているのではと思うな。

とはいえ、この状態でアニメが終わってしまうのは、もったいないので最後まで作ってもらいたい。せかっく部活ものなのに作中で学年が上がって行き、人生を考えるように問題定義している作品、出来れば筋の通し方も表現してくれればなと思う。

 

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