はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

つくもがみ貸します 感想

※ネタバレだらけ。

作品の内容

江戸・深川にある損料屋・出雲屋を営む清次は、同居している血のつながらない姉・お紅に恋心を抱いているが、その気持ちを打ち明けることができずにいた。

一方お紅は、4年前に直接お紅に思いを告げていながら、行方知れずとなっている大店「飯田屋」の若旦那・佐太郎の行方を捜すため、彼に繋がる手がかりの香炉・蘇芳を探し続けている。

この二人の他にも、道具貸しを生業にしている出雲屋には、つくもがみと化した古道具が数点存在し、彼らは借りられた先にいた、つくもがみや人の話を面白おかしく話し合うのが大好きであった。ただし、人とは直接会話をしないと決めているようで、出雲屋の姉弟が彼らに協力を依頼する時は、独り言か、道具に話しかけている形となる。

物語は蘇芳や佐太郎の捜索の他にも、お客様として道具を借りに訪れた人達の、失くした物や家族との関係について、相談を受ける清次とお紅。中には恋愛事もあり、つくもがみたちも興味をひかれた事件には、自ら行きたいと言い出したりと、出雲屋として道具貸し以上に濃い人脈を作り上げていく。

そんな中、4年前に飯田屋から消えた香炉・蘇芳が、以外な形で見つかることに。

自分たち以外にも蘇芳を探している人物がいることを知った清次たちは、その人物を探すことに。その過程で知り合った權平は、佐太郎の許嫁であったおかのの叔父から頼まれ、權平自身もおかのへの想いがあったため、佐太郎の行方を捜していたとのこと。ただし、お互いに佐太郎の情報を持っていると思っていたため、もう他に心当たりがなく。暗礁に乗り上げた感が否めない中、飯田屋に貸し出していたつくもがみたちから、蘇芳がなくなった日の人の出入りする様子を聞いた清次は、男の気を引くために、女はどのような事でもするという海苔問屋・半助の体験を思い出し、許嫁のおかのが持ち出したことを暴き出す。

蘇芳の在りかも判明した後、とうとう行方知れずになっていた佐太郎が江戸に帰ってきた。大店の実家に頼ることなく商いができる技量を得たので、再びお紅に縁談を申し込むと、偶然出くわした清次に語る佐太郎だったが、清次がけがをしたと連絡を受けて飛び込んできたお紅は、佐太郎などは視界に入らず、清次の無事を確認して涙する始末。この時点で、お紅の気持ちは清次にあることを悟った佐太郎だが、後日改めてお紅に縁談を申し込むも、玉砕。一連の騒動は佐太郎の独り相撲であったことが判明したのだった。

感想

色づかいとOPは派手だけど、内容が地味目な作品なので、好き嫌いは分かれるところだと思う。

蘇芳のトリックは「ああ、成程」と思う程度だったが、まさか佐太郎がお紅の気持ちを確認せずに修行に出ていたなんて、誰が想像するよ?

まぁ、お紅は佐太郎の母親の挑発に乗っかったところを見ていた清次は、お紅が佐太郎に気があると勘違いしてもおかしくは無いけれど。やはりお紅が男二人に苛立つのも無理はないかな。

こういった、「人の気持ちを確認したか」「その言葉を信じられるか」という点はこの作品のポイントになっていたので、他の人のエピソードも見やすい作品だったと思う。

つくもがみについても、人間と妖者の境を保ちつつ、良い関係を築けている状態をよく描いてくれたと思う。最後の最後で、根付のつくもがみ・野鉄がお紅に直接話しかけるシーンがあったが、あれはお互いに大切に思っている清次の危機だったとを考えれば、普段からの信頼関係がなせる業だよね。自分としては許容範囲内です。

登場する人物が多く、各話のバランスも良い作品、しかも話題が比較的明るい作品だったので、とても見易かった。

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