はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

プラネットウィズ 感想

プラネット・ウィズ Blu-ray BOX 特装限定版 第1巻

※いつもより長文のうえ、ネタバレあり。

作品の内容

燃えている街と、知り合いと思われる男性が竜に挑んでいく夢を見た黒井宗矢は、夢占いにも頼るほど、少し前の記憶がさっぱり無くなっていた。どうやら大きな事故にあって、家族はその事故で死亡したらしいことを、自分を引き取った緑髪のゴスロリ少女・黒井銀子と人間大の猫・先生から聞いていた宗矢は、実感が湧かないため、記憶が無いことを悲観せず、友達のいない転校生生活をそれなりにのんびりと送っていた。

ある日、小学生の時に転校した経験から、転校生の寂しさを知っていた、クラス委員長の高天原のぞみが、お昼休みに部活動などに入ってみないかと宗矢に声をかけ、宗矢が記憶喪失であることを知り、その後は、宗矢の様子をそれとなく気にするようになるのだった。

そんな会話があった日の午後、奇妙な物体が海上に現れ、宗矢たちの住む空見坂市に近づいているために、国民安全管理局の指示で避難することになった。

世界各地で同時に出現した、その物体のニュースを見た先生と銀子は、とうとうこの日が来たと、真面目な様子。すでに現場では、自衛隊の戦闘機が物体の排除を試みたが、パイロットは幻を見せられ、戦意喪失して物体から離れていってしまう。しかし、さらにその物体に挑んだのは、以外にも、海辺にいた謎の七人が変化した巨人だった。その変化の様子を、他人が見ていたニュース動画をのぞき見していた宗矢は、今朝見た夢の中にあった場景と、重なるものを感じた。

そんな、正義の味方らしい七人の登場に驚いていた宗矢だったが、「その七人をやっつけるよ」と、なぜか銀子に呼び出されるのだった。

海に浮かぶ奇妙な物体・ネビュラウェポンは、消滅させるために内部に入り込み、心地よい幻に打ち勝ち、コアを破壊する必要があった。その役を見事果たした虎居は、地球を救うためとはいえ、こんなことが続くのかと疲労感を感じていた。そこへ、虎居達が操る巨人・念動巨神装光の力の源を奪うために、先生と仮面をつけた宗矢が現れ、戦闘の末に虎居が持っていた力の源が入った小瓶を手に入れる。最初はわけも分からず先生と念力合体していた宗矢だったが、小瓶の中身の砂状の物を見たとたん、怒りを露わにして虎居の仲間を全員倒すと宣言するのだった。

第一話のうちに記憶を取り戻した宗矢は、夢で見た竜への復讐と、その力を使うグランドパラディンを倒すことに燃えていた。そして、先生や銀子に対しても、自分を兵士にするために育てていると勘違いし、周囲のなにもかもが敵であるかのように思ってしまっていた。

一方、虎居の力が奪われたことで、グランドパラディンも二人一組で行動する事が決まり、二体目のネビュラウェポンは因幡美羽によって排除に成功する。予想通り、虎居と同じく戦闘後の疲労した状態を狙った宗矢が現れ、グランドパラディンの作戦通り、念動巨神装光二体で念動合体した先生と戦い、仲間が集まる時間稼ぎに成功する。

不利な状況にもかかわらず、復讐心から戦いに向かってしまった宗矢は、美羽の力を奪うことに成功したものの、グランドパラディンのボスである所長・竜造寺隆と対峙することになる。引き際を失ったことにも気づかず、隆に挑む宗矢に対し、隆は絶対的な力を発揮し、放ったビームは山を溶かし、念動合体した先生も負傷してしまう。そんな隆にに、宗矢は自分の星を滅ぼした竜の気配を濃く感じるのだった。

何とか、先生を象った宇宙船に逃げ込んで、グランドパラディンの追跡を逃れた先生と宗矢だったが、謎の飛行物体に続き、ビームや山に置きっぱなしの巨大先生型の宇宙船が騒ぎとなり、街にも影響が出ていた。

三日間寝込んだ宗矢は、負傷して腕を吊っていながらも宗矢を心配する先生や、戦闘で不利になった状況でもフォローを欠かさなかった銀子に対し、復讐心に任せて戦闘を行ってしまったことを謝るのだった。

テレビのニュースに出ていたのぞみを見て、自分から学校に行くと言い出した宗矢。久しぶりにのぞみと話ができ、以前のぞみが宗矢に勧めた部活動として、オカルト研究会の部室に誘われ、入部することに。そこでグランドパラディンの一人、根津屋正義がOBとしてが、お互いに敵対していると気づかないまま、他愛もない話をして過ごすのだった。

その夜も、三体目のネビュラウェポンが発生し、根津屋と美羽の友人・熊代晴海の二人で対応に当たり、晴海がコアの破壊に成功するが、根津屋は心地よい幻に打ち勝つことができず、空へ投げ出されてしまうのだった。その様子を見ていた宗矢は、根津屋がグランドパラディンの一人であることを一方的に知り、彼の安否を心配する。

ネビュラウェポンの幻で、死ぬことは無いと銀子に教えてもらった宗矢は、気持ちを切り替えて、美羽が力を奪われたことに悔しさを覚え、宗矢に挑戦してきた晴海との一対一の戦いの望んだ。しかし、負けられない思いが強かった晴海の力が暴走し、念動装光が竜の形になって暴れだしてしまう。

町に被害を及ぼしかねない状態のため、晴海の戦いを見ていたグランドパラディンの鷹取紅華からの要望で、宗矢は彼らと手を組み、竜となった念動装光を破壊することになった。しかし、竜もどきには必殺技が通じず、キャットドーピングで空を飛べるようになった先生を使って、竜もどきの中にいる晴海に、友人である美羽がテレパスで呼びかける作戦を銀子が考え、少々強引ながらも、晴海の本心を引き出して念動装光の暴走を止めることに成功。さらにどさくさに紛れて、晴海の力も回収することができたのだった。

この力の暴走をみて、グランドパラディンの紅華は、竜造寺隆に今後の方針を確認し、サイキックと念動装光の力を使って、世界を統一すると言い切った隆に、紅華は力が自分の手に余ると判断し、グランドパラディンを抜けるのだった。

紅華がグランドパラディンを抜けた後、力をもったメンバーの羊谷葉介は、相談事を聞いてもらうためか、竜造寺岳蔵と食事をしていた。しかし、岳蔵は息子である隆が隕石のように空から降ってきた赤子だったと話し、葉介は思わずその話をうのみにした返事をしてしまうのだが、岳蔵は、こんな作り話を信じる葉介はおっちょこちょいだと茶化して、話を切り上げてしまうのだった。

だんだんと、学校に来る生徒が少なくなってきた中、宗矢はまたもオカルト研究会で、根津屋と出会った。しかし、以前の中二病発言と秒なテンションが消えうせ、少し大人びた様にも見える根津屋。その様子に宗矢は不安を覚えるのだった。

その日の帰り、根津屋の事を考えていた宗矢だったが、のぞみは、宗矢の記憶が戻っていることについて、自分の考えを話し始める。以前は奇妙な物体をUFOだと興奮気味に見ていた様子から、最近はうんざりしている態度に変わった等々、先生たちとの行動まで予測されかねない勢いののぞみの話に、宗矢は逃げ腰に話を打ち切ろうとするも、のぞみの本題は単に宗矢が居なくなる事への不安だった。それを聞いた宗矢は、自分がこの星の人間でないことから、山にゃんこ様は宇宙船であること等を、大雑把であるが本当のことをのぞみに明かし、のぞみも、突拍子もない宗矢の話を「壮大だね」の一言で受け入れてしまうのだった。

別れ際に、のぞみが言った「町を守ってくれてありがとう」という言葉で、自分がした行為が町を守っていたという見方に気が付いた宗矢に、やり取りを全て見ていた銀子は、嬉しそうに笑うのだった。

4体目の物体に挑むのは竜造寺隆の父である竜造寺岳蔵だった。強力な封印装置であるネビュラウェポンが見せる幻の中に、亡き妻をみた岳蔵は、グランドパラディンの崩壊と、親の視点から見た隆の人望の無さと、親であるからこそ自分は味方でいようという決心を語るのだった。

コアを破壊したかに見えたネビュラウェポンだったが、4体目の消滅と同時に、くっついていた5体目が町に向かって突進を開始した。これを宗矢が返り討ちにし、自他ともに町を守った形となった宗矢だが、ヒーローになった感触を得る間もなく、岳蔵が力を奪われまいと先制攻撃を宗矢に仕掛けるのだった。

それと同じころ、竜造寺隆に対し、隆の秘書だったネビュラ封印派の白石こがねとキグルミ族のカレルレンが決戦を挑んでいた。竜造寺隆とネビュラの封印派は、サイキックを管理する結果は同じでも、お互いに武力や正義に対する考えが異なり、戦闘は激化の一途をたどった。その中で、カレルレンは、隆の強さが竜そのものであることに気づき、葬ったはずの竜の力に違和感を覚えていた。

ところ変わって、宗矢と竜造寺岳蔵の渾身の一撃による一騎打ちは、宗矢の勝利に終わり、岳蔵と、岳蔵の救出用に備えていた羊谷葉介の分の力も回収し、あとは竜造寺隆の力を残すのみとなった宗矢。隆を倒しに行くという宗矢に対し、岳蔵は、息子である隆の正義を強制する力を奪い、優しかった昔の隆に戻ってほしいと願いを託し、「理不尽に耐え、それでも優し事が、正義より尊い」と隆宛ての伝言を頼むのだった。

竜造寺隆とカレルレンの戦闘は、隆の圧倒的な力と、「サイキックを備えた人類を導く」と豪語する竜造寺の勢いを殺すことができないまま、カレルレンが一方的にダメージを受ける状態が続いていた。カレルレンは、戦闘から離脱するために、超次元シールドの緊急離脱装置を使用し、先生と入れ替わる手段をとる。

ちょうど、最後の竜の力を持つ隆の元へ向かおうとしていた宗矢は、先生の提案で山にゃんこ様こと宇宙船に立ち寄り、銀子を乗せたところだったが、急に目の前に隆の念動装光が現れ、宗矢はとっさに相手に突進して、隆を追い詰めることに成功した。

一緒に先生に登場していた銀子は、状況が読み込めていなかったが、先生がカレルレンに敵を押し付けられたのだと説明が入る。しかし、先生はカレルレンの行動に怒りは感じていないようで、そういう奴だという一言終わらせてしまった。

先生と隆との一騎打ちに変わった戦闘は、隆は人類を導く正義のために、宗矢は兄と同じように町を守るために、お互いの全力の一撃を撃ち、宗矢はさらに続けてスーパーウルトラタイガースラッシュで、隆の念動装光を砕くことに成功する。念動装光を出た隆だが、まだ戦意は失われておらず、同じく先生から飛び出してしまった宗矢との殴り合いへと切り替わる。拳で殴り掛かる隆に対し、宗矢は鉄下駄パンチを繰り出し、倒れた隆に対し、隆の父・岳蔵からの伝言を大雑把だが伝えるのだった。

隆は、正義よりも優しくあれとの岳蔵の意図を理解し、少し笑った後、息を引き取り、彼の体は灰状になって風に散ってしまうのだった。

戦いは終わり、キャットドーピングの影響で二日酔いに苦しむ宗矢と先生。そんな中、宗矢はまた夢を見る。

時は、銀子がまだリエルの姫として故郷の星にいたころの話。

サイキックの力が強いシリウス人によって、リエルの星は侵略を受けていた。銀子は、民間人を兵士から守るために、シールドで対応していたところに、愛の進化種族による宇宙政府・ネビュラに属している先生が救援に到着。シリウス兵から民間人を守ることに成功するのだった。しかし、先生の存在とは別に、シリウス兵に動揺が走る。どうやらシリウスの本星がネビュラに属する竜の攻撃を受けているとの情報が入り、その対応のために帰還しなければならなくなったらしいのだ。

竜が民間人を襲っていることを知った先生は、今度はシリウス人を救うためにリエルを後にするが、銀子もまた、ネビュラに属した時のための勉強という目的で、先生に同行する。

シリウス本星に向かう先生に、カレルレンは、竜の力が宇宙最強であることと、現在竜自体が正義の怒りで我を忘れているため、そんな状態の竜に挑んでも、先生一人では竜を止められないことを理由に、シリウスと竜の運命だと考えて諦めるよう説得する。しかし先生は、竜がシリウスの民間人も殺してしまい、シリウス人を滅ぼしてしまう可能性と、そんな罪を負った場合、竜といえど、ネビュラによって処刑されることを考え、両者を救うべく、やるべきことを全てるべきだと言い返す。

そんな先生の決意も空しく、到着したシリウス本星は竜によって滅ぼされ、何とか息のあった宗矢を救出することが出来ただけであった。しかし竜は、そんな宗矢すらも消し去ろうと考えるほど、シリウス人を悪だと決めつけていた。竜の正義への執着に対して、先生は宗矢を育て、シリウス人も愛があり、悪に染まりきっていなかったと、宗矢の人格をもって証明すると宣言するのだった。そんな、先生と竜がやり取りをしている間に、カレルレンは専用部隊を率いて竜を囲み、先生の静止にも聞く耳を持たず、竜を封印してしまうのだった。

この情景を、宗矢は夢として見ることで、自分が先生たちといる理由を知るのだった。

その日、宗矢は騒ぎの影響で生徒が少なくなった学校に行き、屋上で戦いが終わったことを兄に報告し、達成感がないものだなと考えていたところに、サイキックで高校生に成りすました白石こがねの催眠にかかってしまう。危うく、転校生な設定のこがねに、学校の案内を始めるところだった宗矢だが、たまたま部活の呼び出しをしにきたのぞみに、こがねの催眠術が効かなかったことで事なきを得る。

部活が終わり、帰り道でのぞみと別れた宗矢は、楽園の民と名乗る兄の姿をした存在に出会い、まだ戦いは終わっていない事を明かされる。しかしその話よりも、他人が兄の姿をしていることに憎悪し、サイキックを発生させた宗矢の様子を見て、楽園の民はまたの機会に話すと言い残して消えてしまった。

消えてしまった楽園の民と入れ替わるようにして、こんどはこがねと紅華、葉介が宗矢の前に現れる。どうやら楽園の民の姿が見えなかったらしいことを悟った宗矢は、今までの会話を独り言だと言い訳するが、それなら用はないとばかりに、また宗矢に催眠をかけ始めるこがね。それを防いだ銀子は、こがねを先輩と呼び、学生の姿に突っ込みを入れるのだった。

銀子の介入により、本題の宣戦布告を行ったこがね。一緒にいた紅華を葉介は、地球人がサイキックに目覚めた場合、シリウス人の様に他の惑星の侵略を行うだろうという考えから、封印派に寝返ったという事だった。

カレルレンは、寝返った紅華に理由を問い、紅華は刑事時代に憧れていた先輩刑事が、改造銃をもった少年を取り押さえる際に撃たれて殉職した過去を語った。サイキックは人の心そのもので、安全装置などが無いため、どうしても暴走してしまうというのが、紅華の答えだった。

カレルレンは、その答えに納得し封印装置を紅華に渡す。すると、紅華はすぐに装置を使い、ネビュラソルジャーである宗矢を待つのだが、一向に来る気配がない。ならば、封印を開始しようとしたところ、なんと、まだサイキックに目覚めていなかったはずの虎居が、念動装光を纏って紅華に立ち向かうのだった。

虎居は、先日の戦いと、夢でみた故郷の星の行く末を思い出し、もう戦えないと言った宗矢に対し、役目を引き継ぐと決意して、町を守る立場で対峙しに来たのだ。

そんな虎居の本質が、紅華の憧れの先輩・葉介の兄に似ていたことから、葉介は紅華が勝てないと予想していた。実際、その通りになり、葉介は念動装光が破壊された紅華を回収し、カレルレンの宇宙船へ戻るのだた。

戦いは、封印されたくない地球人がどうにかすれば良いという考えに至った宗矢は、心配するのぞみや銀子たちと一緒に、今後の穏健派の在り方について話していた。しかしその様子を暇そうと判断した楽園の民は、宗矢に竜は月の裏側で生きていることを明かす。

自分の星を滅ぼした竜が、実は生きていたことを知った宗矢は、気持ちの整理が負いつがず、ますます塞ぎ込んでしまった。そんな宗矢のお見舞いに来たのぞみは、宗矢が復讐を選ぶ可能性があるにも関わらず、「宗矢の気持ちを応援する」「私は私が味方したい人の味方だから」とまで言ってのけるのだった。

そんな中、戦いに敗北し封印装置の影響を受けた紅華が目覚め、すっかり心の火が消えて穏やかになってしまった様子を見た陽介は、世界の封印を決め、カレルレンから最後の封印装置を受け取り装置を作動させる。紅華が居ることが全てだった葉介にとって、世界の方が小さく、封印を止める虎居や、サイキックを目覚めさせた美羽や晴海の力もものともせずに跳ね除け、一人で地球全体の封印を行ってしまうのだった。そのことに、地球人の攻撃性の高さを見たこがねは、葉介を通して地球人に恐れを抱くのだった。

封印された地球の中で、唯一宗矢だけが、楽園の民と意思疎通できる影響で、動くことが可能だった。自分を信じてくれた先生や銀子、地球で出会ったのぞみとの思い出もあり、自分もこのままではいけないと思っていた宗矢は、楽園の民のテレパスの力を間借りして、心地よい夢を見ている全地球人に呼びかけ、夢から覚めて前に進みたい人を引き上げる事に成功する。

封印が失敗したことを悟った葉介は、もう一度立ち向かってくる虎居達をまた倒して、封印を行おうとするが、立ち直った宗矢が戦闘に参加し、先ほどとは違い不利な状況に追い込まれた。宗矢はその戦闘中で、今までつけていた仮面を外し、黒井宗矢を名乗り、封印派の宣戦布告を受け取ると宣言する。

その勢いに飲まれまいと、葉介は自分の悲しみを叫ぶが、同じく兄を失った悲しみを知る宗矢は、過去を変えられない事、今だけが居場所であり、今いる人達に救われていることに気づいたと返し、葉介の念動装光を打ち破るのだった。

敗北した葉介は、例によって空中に投げ出されるが、封印からの解放の影響で元に戻った紅華によって回収され、紅華に、葉介の想いを汲み取れていなかった事などを謝罪されたのだった。

全ての封印装置を破壊され、あとは先生とカレルレンの一騎打ちという話になり、時間と場所を改めて、お互いに戦意を喪失させることを目的に戦闘が開始された。

戦いの間も、お互いに認め合っていることがうかがえる先生とカレルレンだが、リエルやシリウスのような悲劇を繰り返さないためにも、最後の小型封印装置を破壊されてもなお、好戦的な地球人の力を封印するという悪役を買って出るカレルレンに対し、地球人を信じ、見守ることを願い出でたのは、リエルの姫たる銀子だった。当事者に提案されたからにはと、さすがのカレルレンも負けを認めるのだった。

封印を逃れた地球だが、宗矢を通して楽園の民からの情報がもたらされる。月の裏で眠っている竜が4,5年後には目覚めるとのことで、サイキックに目覚めた地球人も巻き込んで、竜との決戦のための作戦と訓練が始まった。

竜は、元々宗矢に情報を与えた楽園の民と同じ種族にあたり、種族全体が肉体を捨てた時期に、自分の意志で種族の選択から外れ、念動装光を纏い続けた結果、元の人格を忘れた状態がネビュラに属していた竜だというのだ。

5年が経ち、決戦前の会議に参加した宗矢は、ネビュラから参加した一人に、復讐心で竜と戦うのかと尋ねられるが、竜の過ち赦すことができるのはシリウス人の自分だけだという事と、竜を楽園の民の元へ送りたいという気持ちを語る。

その夜、決戦前という事もあって緊張する宗矢に、銀子は5年前のネビュラソルジャーとしての戦いを振り返って、驚いたけれど楽しかったと話し、お互いの種族の気質について、茶化し合うのだった。話はそのままシリウス人がリエルを侵略したことになり、宗矢は銀子もシリウス人である自分に、復讐しても良いのだと話したが、銀子は「そんなことはしないと」言い切り、リエル人は愛の進化種族への加盟を目指していることを語った。そしてその愛の心は宗矢にもあり、自慢の弟だと、宗矢の頭をなでるのだった。

ついに、竜が目覚め、ネビュラによって封印されそうな地球を守るため、自分の念動装光の一部を与えて闘う地球人になった夢を見たと語る。

そんな竜に、楽園の民は竜の本当の名・アズラバラクラと呼ぶが、自分が楽園の民であった頃のことを覚えていない竜は、違和感を覚え暴れだす。こうして戦闘が開始された。

竜との戦いのために、ネビュラが用意した落とし穴に何とか竜を追いやることに成功したが、最後まで 竜を留める役を買って出た宗矢と銀子、先生も一緒に、時空の落とし穴に閉じ込められてしまう。それでも、竜を許すことが目的だった宗矢は、楽園の民も一緒に竜の中へ入り込み、竜の元になったアズラバラクラの本体に近づくことに成功した。

竜に、シリウスを滅ぼしたことを許した宗矢と、シリウスに侵略を受けていたリエルを、救う行動をとってくれた事に、感謝の意を伝えられた銀子。そして、そんな銀子を姉と呼ぶことができる宗矢からもまた、銀子を救ってくれたことへの感謝が述べられた。最後に先生の、宗矢の人格をもって、どんな物事にも愛があることの証明を受け止めた竜は、時空嵐の影響で力尽きる。その時、既に他界していた岳蔵とその妻が、竜造寺隆としての竜を迎えに来た情景を見た竜は、その中で夫婦の子供として、二人に駆け寄り、ともに旅立つのだった。

竜が力尽き体が崩壊していく中、楽園の民の手引きによって時空の落とし穴から抜け出した宗矢たち。通常の宇宙空間に出たその先は、宗矢の故郷の星・シリウスだった。三人が無事に脱出したことを見届けた楽園の民は、竜を種族のもとに受け入れることができたことを感謝し、また縁があったら合おうと言い残して消えていった。

シリウスに降り立ち、砂嵐吹き荒れる中、救助要請を試みる先生と銀子。帰ってきた故郷の変わりように愕然とする宗矢だったが、地上に花が咲いているのを発見し、まだシリウス本星が活きていることを実感するのだった。そうこうしているうちに、のぞみが宗矢のテレパスをキャッチしたため、カレルレンの宇宙船が三人の救出に到着する。宗矢は仲間たちに手を振る瞬間に、兄の「お帰り」という嬉しそうな声を聴いた気がしたのだった。

作品の感想

途中から、愛の進化種族とか言い出した時は、頭がついて行かない状況を久々に体感した。

全体的に疾走感があって、どんどん見進められる作品。内容も、愛に特化しているから「恥ずかしいな」と思う部分もあるが、結局は、見方を変えればどこにでも愛は存在したというもの。なので、見る人それぞれが、一番理解しやすい愛の形を追っていくと、この作品はより見やすくなるのかなと思う。なんといっても、この作品で扱っている愛というものの種類の多いこと。例えを出すなら、美羽と晴海の友人を想う心や、岳蔵や銀子の家族愛。根津屋の自分大好きな部分や竜(竜造寺隆)の正義に対する愛。カレルレンの組織の大儀を維持するために悪役を演じる心も、すべて愛で片付くのだから、理解できるところだけ掘り下げて見る視聴スタイルでも遜色ないと思う。

あと、この作品の第一話で、先生の存在がものすごくインパクト強かったのが、気づいたら見慣れているっていう不思議も、この作品の魅力の一つに数えたい。

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