はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

風が強く吹いていてる 第二十二話「寂しさを抱きしめろ」 感想

アニメ「風が強く吹いている」 Vol.1 Blu-ray 初回生産限定版

やっぱりジョータは走っている時も、サポートしている時も、言い逃げ去れる運命なんだな。 今週の内容 第8区で東体大よりも早くタスキを渡した貫政大学。しかし8区走者のキングは東体大の榊に抜かれてしまい、悔しさから自分のペースを見失ってしまう。 グラウンド練習で、同学年での就職の話をするキングとハイジ。就活で苦戦しているキングは、就活をしていないように見えるハイジに、実業団に入るのか留年するつもりなのかと、自分の就活から逃げ出したい気持ちから、ハイジの回答に期待する。しかし、回答は「実は就職先は決まっている」とか「留年してもう一度箱根に出る」とかではなく、先のことは考えていないというもの。就職先が決まっていない事への少しの安堵と、いま掲げている目標達成に全力で挑んでいることの表れでもあるハイジの回答を得て、キングはすこし茶化して話題を終わらせる。 キングの担当する8区について、ハイジは辛い区間だから抜かれても気にせず、遊行寺の坂までスタミナを温存することがポイントだとアドバイスをする。 キングのペースが速いため、ハイジが田崎に電話をかけ伝言を渡す。田崎の呼びかけに応じて、走りながらの深呼吸と軽く肩の運動をしたキングは、前かがみになっていた姿勢を直し、ハイジからの伝言「箱根に付いたら、遊行寺の来歴を教えてほしい」を受け取り、笑顔をつくる気持ちの余裕も生まれるのだった。 ハイジとの出会いから思い出すキング。大学生になり、なにかドラマの様な事が起こるかもしれないと青竹荘に入ったキング。しかしなにも起こることはなく、人に弱みを見せない気質から孤独感を感じ、気遣ってはほしくても誰かに依存してしまう事も恐れるという矛盾を抱え、それでも寂しいと認められない、自分を今更変えられないと割り切ったふりを続けていたキング。そこへ、ハイジの一声で始まった箱根駅伝への挑戦が始まり、誰一人欠けても成立しない貫政大学のメンバーの中で、プライドも遠慮もなく支え合う関係を手に入れるキング。それでも走っている時は、手に入れたメンバーとの関係も、普段の矛盾を抱えたまま演じる自分からも解放されて、自分自身と向き合いながら走っていると気づいたキング。 すがすがしい顔になり、自分のペースを維持しているキングは、再びハイジからの伝言を田崎監督から伝えられる。「解答ボタンの準備は良いか」という伝言内容に、ハイジが抱いた箱根の夢は、もはやみんなの夢として叶えられ、ずっと覚めてほしくないものだと思うキングだった。 トップと58秒差でタスキを藤岡に渡した六道大。その様子をみながら、ハイジからの電話を受け取るカケル。藤岡は近年の大学長距離陸上界で、藤岡ほどの選手はいないと評価するハイジ。その藤岡と戦って、今の自分では勝てないのかと聞くカケルに、ハイジは一年間一緒に走って、最高のランナーだと確信するカケルは、この戦いを経てさらに成長し、強くなるのだと、カケルの気持ちを押し上げるのだった。 後半はペースを落とした榊がタスキを渡し、選手の控え場所まで来たところ、9区で走る準備をしていたカケルと出くわす。完走後の息の上がった状態でも、貫政に未来はないとカケルに言い張る榊に対し、カケルは穏やかにタスキを待っている皆に届けたいだけだと語り、榊は拍子抜けしたのか、それ以上言葉を続けることができなかった。そこへ東体大の一年生と思われる仲間が榊を区間5位の成績だと喜びながら知らせに来たのと、貫政大のゴールが近いとカケルを呼びに来た係員によって、榊とカケルは分れたのだった。 中継ラインに立ち、バックアップのジョージに好きになるってどういう感じかと尋ねるカケル。状況に合わない質問をされてあきれるジョージに、さらにカケルは、好きになることは良いと、自分も好きだと重ねて言ったため、ジョージは誰を好きなのかとカケルに問い詰めようとするが、キングに合図を送るカケルは、答えることなく走り出してしまうのだった。 第9区は最初の1キロの成績が伝えられ、六道大の藤岡(4年)2分49秒、房総大の沢地(3年)は2分46秒と飛ばしており、後続の北関東大の日暮(3年)も2分45秒と、前を走る大学に追いつこうと猛スタートをきめる。 走り始めたカケルは、周りの景色に目を向けながら、何も感じないと思い、早いのか遅いのか分からなくなっていた。応援する人を見ていたところ、報道カメラがこちらに向けられていることに気付いたカケルは、撮られているなら早いのだろうという考えに行きつき、そう思うことで視界が鮮やかに色づき、地面があることを確かめるのだった。 1年生ランナーのカケルのペースが、1キロ2分42秒とものすごいスピードだと報道され、下りだから勢いがつくのだとコメントされるのを見ていたハイジと王子。カケルの走りがきれいだと感想を述べるハイジに、自分の努力が空しいと王子は素直に気持ちを述べる。走っている誰もが、それぞれの想いを持って自分のゴールへと進むのだとまとめるハイジに、だと良いのだがと少々の不安を覚える王子。田崎はカケルのペースが速いため、何か言ってやったほうが良いのではと、ハイジに電話を掛けるが、ハイジは、今のカケルは走ることで違う次元にたどり着こうとしていると考え、だれもカケルに触れてはいけないのだと、特に伝言は送らないのだった。 カケルの勢いは収まらず、権太坂を2分50秒で走ったいう報道を電車内で受けるニコちゃんとムサ。往路で権田坂を走ったムサも、このままの勢いではカケルがもたないと心配するのだった。神童とユキ、ジョータも同じく電車内で心配するが、神童はハイジが行かせているのだと想像するのだった。 見た目の順位を10位にまで上げたカケル。残りの距離を計算し、このまま走り続けたら全員抜けるのにと考えたカケルは、このまま1人で走り続けるのかと思い至り、気持ちが沈みかける。しかし、貫政大のメンバーの存在と、藤岡の挑戦のセリフを思い出し、カケルは1人のランナーであることから、貫政大のユニフォームとタスキを繋ぐものへと変わっていることを自覚する。 六道大の藤岡が、14.5キロ地点で房総大の沢地を抜き去り、優勝を義務付られているという六道大学としての勝負に勝利することとなる。その様子を携帯で確認していた王子とハイジは、藤岡の選手としての力量の高さと、六道大学のランナー全体の意志の強さを痛感するのだった。しかしハイジは、大学の設けた勝利だけでなく、自分自身の掲げた区間新記録の目標にも挑戦する藤岡の強さに、紛れもなく現時点での王者だと評価するのだった。王子は、現時点という言葉を聞き逃さず、その意味を理解してハイジにツッコミを入れ、ハイジも笑ってみせる。 西東大と喜大を抜き去ったカケルに、貫政大の短距離陸上部が給水を行い、藤岡の区間新記録の可能性の情報を伝える。その情報に思っていた通りだとカケルが考え、見た目の順位よりもタイムに気を配り始める。 視界が広く、目がかすんでいると気付いたカケル。また遅くなった気がしたため、体の状態を意識し、まだ走れること、自分が思い描く自分にはまだたどり着けていないことを確認するカケル。もう一段階上への挑戦をするカケルは、自分の中に渦巻く何かと、求める自分の姿と、自分自身が重なるようにイメージするのだった。 ここから感想 キングは描くと暗くなるのが難点だ。でもま、性質的にな理解ができたので、今までの彼の行動や、目立たない理由はよくわかった。 就活や、自分の特性から逃げたいっていう衝動が常にあるから、爆発すると一時期の練習ボイコット事件につながるわけで、周囲からしたら「何でそこで投げやりになるの?」ってキャラだったんだな。ここにきてようやく納得できた。 で、驚くほど勝負の熱量とはかけ離れた雰囲気で走るカケル。スタート直前の「俺も好きだよ」の対象は、走ることで良いと考えているけど、ユキがついていけないと感じた次元の、さらに先に到達したのは、ハイジの目論見通りでなにより。でも、皆が心配している体力の限界は、どう表面化するのか、ちょっと不安。 そして、最終ランナーのハイジの足の件について、触れる人が今現在走っているために表ざたにならないが、あれって走り始めると痛くなる流れは必須だよな…。やっぱりカケルで順番とタイムを稼いで、ハイジでギリギリシード権に食い込む形なのだろうか。 にほんブログ村 アニメブログへ
にほんブログ村