はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

風が強く吹いている 第ニ十三話「それは風の中に」 感想

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後日談まで用意してくれるとは、すがすがしい番組になったなと思いつつ、田崎はとうとう大家業も退職なのだろうかとちょいと心配になった。まあでも、部員が増えているし、酒も飲めるみたいだからおじいちゃん監督は元気なんだろうな。 今週の内容 鶴見中継所で、六道大の1年生アンカーが藤岡を待っている間、観客は藤岡が区間新記録を出すであろうと期待する。実際に1時間9分の区間新記録を出す藤岡だが、ハイジが自分自身なら追いつけないと評価する一方、カケルなら到達できる域だと考えていることを見抜き、どこまで行ってもゴールが無いとハイジにこぼす。それでも走ることをやめられないのだろうと返すハイジに、藤岡は笑顔になり、ハイジにも楽しんでこいと言葉を送るのだった。 藤岡の言葉を受け取り、藤岡とカケルがお互いに刺激し合い成長していく関係を見ながら、膝を気にしつつ、自分はどうするのかと自問するハイジだった。 東京駅で再開するジョータ、ユキ、ニコチャン、神童、ムサ。そして、商店街の人が運転する車でゴールへと向かうキングとジョージ。 一方中継所で準備をするように呼ばれる寛政大。防寒着を脱いだハイジに、王子は楽しかったと告げ、あとは無事に帰って来さえすればと言いかけるが、好きなだけお走りなさいとハイジの背中を押す。王子の気遣いに、ハイジもそうすると答えるのだった。 中継所に近づいているカケルは、ランナーズハイとは違った感覚に心地よさを感じていた。そんな感覚の中で走るカケルを見ながら、ハイジは出会った時のことを思い出す。あの時走っていたカケルが、自分がなりたくてなることができなかった姿であり、まるで隆盛のようだとハイジはカケルの走りを表現したのだった。 カケルがハイジにタスキを渡し、止まって息を整えるカケルに、名前を呼んで「やった」とはしゃぐ王子。藤岡の記録を1秒抜いて、カケルが新たな区間新記録を達成したことが報道され、喜ぶ寛政大のメンバーと講演会の人々。そして、藤岡のハッピーエンドにルーキーが待ったをかけたという言葉に、ハッピーエンドではなく、終わるわけがないとどこかすがすがしい表情の藤岡。 記録を出した本人へのインタビューを行おうとカメラとアナウンサーが近づくが、当の本人はハイジのゴールに間に合わせるため、全力疾走は嫌だと嘆く王子を置いていく勢いで移動を開始してしまう。 シード権を取るためには、現在のタイムの順位12位から、現在10位の東体大との1分2秒の差を埋めるしかない。しかし見た目ではハイジの後ろに東体大がいるため、数字のみで走るしかないと、ハイジに伝える田崎監督。 ハイジは、当日の朝に認められている痛み止めを使用して駅伝に臨んでいた。しかしそれでも膝は悲鳴を上げ始める。 ハナコもムサ達と合流し、ジョータがニラとじゃれているため、ハナコに例のことを聞くようにユキとニコちゃんにけし掛けられるムサ。そんな中、神童が東体大のペースが落ちているかもしれないと言ったため、ユキは確認を取るのだった。 田崎監督から、東体大のペースが落ちていると情報を聞くハイジ。相変わらず膝は悲鳴を上げ、曇り空を見て膝を壊した時のことを思い出すのだった。膝を壊し、父親でもある監督から焦るなという言葉を聞いて苛立ち、大学生になっても走りたいという思いは無くならず、高校時代に一緒に走っていた藤岡が大学駅伝で活躍する様子を見て、心が望むことはやり通したいと田崎へ指導のお願いをしたこと、そして、10人そろえられたらという田崎に必ず最高のチームを作ると宣言したことを思い出すハイジ。 そして今、走ることは前よりも美しい形で返って来たと自覚し、たとえもう走ることができなくても、自分は幸せ者で、走ることが大好きだとハイジは思うのだった。 ゴールの大手町は風が強く、六道大がアンカーの選手を迎えようとしている中、ハイジが痛み止めを打って走っていることをメンバー全員に話すカケルとハイジ。ジョータとユキは携帯でハイジの様子をもう一度確かめ、汗の量が尋常でないこと、表情も硬い事を指摘する。無理をするなと言っても聞かない性格のハイジには皆どうしようもないとは言いつつも、さらに競っている東体大もペースを落とし続けるという事は無いため、ハイジへの負担とシード権の獲得は絶望的だという空気が流れ始める。しかしカケルは、ハイジが自分たちの目指す最高のゴールを見せてくれると信じようと声を上げるのだった。 六道大がゴールし、大手町の会場は盛り上がる中、情報を収集し続ける寛政大。そして、ユキが試算した結果、あと3キロという段階で、東体大に6秒及ばない事が分かったとハイジに伝える田崎監督。すべてがハイジに託され、さらにスピードを上げて保ち続けるハイジ。ゴールと、カケルが手を振っているのが見えてきた時、膝が限界を迎える。それを察したカケルは手を振るのをやめ、ハイジの姿を涙をこらえながら見つめる。 何故走るのか、走ることは何なのかと、いつかハイジが言っていた言葉に、それはハイジそのものだと答えを出すカケル。 寛政大は、5時間34分32秒でシード権を獲得し、東体大はシード権を逃すのだった。 3年が経ち、老朽化で取り壊しが決定した竹青荘に再び集まる10人。桜舞う中お酒につまみを用意し、近況などを報告し合うあ面々。膝を痛めた右足を少し引くハイジも、実業団のコーチとしての道を進んでいる様子。そして、当時ハナちゃんが好きなのは誰だったのかを知っているムサに、時効だろうと開示を迫る面々だが、ムサは二人だけの秘密だと、楽しそうに顔を緩ませる。その様子が気にくわんと絡むユキとキング、ニコチャン、神童、そして彼らをけし掛ける王子。当の双子は何で盛り上がっているのか分からず、置いてけぼりの状態だったため、ハイジは今のチームについて尋ねると、以前よりも強いと素直に帰ってくる答え。カケルは、今集まっている10人との時間が過ぎ、記録も塗り替えられていくが、冬が楽しみだというハイジの言葉と同じ思いなのだった。 休憩時間の終了を知らせるハナちゃんも、寛政大のジャージを纏い、4年生として先頭に立ち再び練習に入るカケルとジョータ、ジョージ、そしてその後に続く新たに入部してきた大勢のメンバー。答えは風の中に、今日もどこまでも走る。そんなカケルに、走るの好きかとハイジとの出会いの言葉がよみがえるのだった。 ここから感想 結局、榊は悔しがる姿までしか出されず、3年後の後日談時点でも陸上を続けているのかは不明。まあ、アオタケメンバーだけでも10とハナちゃんいるからね。描き切れないと言われればそれまでなんだけど、榊が事件を起こさなかったカケルが行きつく先の姿だと思うと、彼にもう少しスポットライトを当ててやっても良かったんじゃないかなと、最終回を迎えて思った。 最初の万引きに始まり、落ちるところまで行く、カケルの閉塞感が描かれていた作品から一転、成績重視という肩の荷が下りたカケルが、周りに目を向けた辺りから、前向きな表現が多くなって見やすくなった。この精神的な表現の変化があるから、スポーツものは基本お気に入りに入るんだよな。この作品も、もう少し欲しい表現があったけど、最終的には安心して見ていられたし、満足です。 にほんブログ村 アニメブログへ
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