はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

revisionsリヴィジョンズ Case12「revert」 感想

revisions リヴィジョンズ(1) (シリウスKC)

ごめん、確かに最悪大介が帰還するところまでで、できたら渋谷の住人が社会復帰するところを見たいとは言ったけれど、そこに至る手前で、無駄な戦闘と語りの時間が多くなかったか?やりたいことはそぎ落として表現しないと、見ごたえが無くなるっていう失敗の典型だったな。 この話でこの作品が掲げる時間軸一本説にした意味が分からなくなっちゃった。昔の自分に合ってもタイムパラドックスが起こらないなら、渋谷転送の日にメールを送った、26歳のミロも一緒に飛ばされても良かったんじゃないかな。その方がシチュエーションとして見ても泣けたり感動したりできると思ったんだけどな。 今週の内容 渋谷と未来との境界から喜び合うが光が立ち上り、上空で半円状に光が閉じた時、渋谷は現代に戻ることに成功する。現代に戻ったことを景色を見るなどして確認した泉海たちは、戻ってこれたことを喜び合うが、マリマリは作戦を成功させた大介は戻ってきていないのではと声を上げる。 大介が未来に取り残された可能性に気付いたマリマリと、剴と露。そんな三人のすぐそばで空間が発光し始め、慶作が現れる。慶作が戻ってきたことに喜び駆け寄るマリマリ達だが、大介が帰ってきていないことを話す剴に、大介は七年前の事件の時に死んでいる。それがこの時間の流れの真実だと、慶作の姿をしたニコラスは答えるのだった。 時空の狭間に入ってしまった大介は、慶作を取り戻さないといけないという思いで、一つの光へ向かう。気づくと七年前の事件があった場所に放り出されていた。警察が話している内容から、大介が経験した事件とは異なり、慶作が誘拐され、周囲では見知らぬ女がいたという目撃証言を聞く大介。慶作の姿をしたニコラスが言っていた、リヴィジョンズであるニコラスを形成する要素となった浅野慶作を、アーヴは始末するだろうという話が、現実になっていると考えた大介は、作戦を行っているであろうミロの事を想う。 小学生時代の大介達に特殊警察だと言って接触する大介。うまく経験通りの展開に持っていくことはできたが、ニコラス相手にパペットもない状態でどう戦うのかと考え、ここには一緒に戦ってくれるみんなが居ないことに不安を覚える。その様子に気付いた小さな露に、何故泣いているのかと声を掛けられ、しっかりしてくれと小学生に言われてしまう大介。話の流れから、これから先色々あっても小さいほうの大介を信じてやってくれと頼む大介に、小さな露は何故そんな当たり前のことを言うのかとい言いたげではあったが、笑顔で分かったと了承してくれたのだった。 小学生の慶作を殺すことに躊躇していたミロは、慶作が目を覚ましたとほぼ同時に現れた大介に大層驚く。慶作を殺すことで本当に人類を救えるのかと問われたミロは、言葉を濁し、自分には命令しかないと答える。そのやり取りに割って入ってきたのは、慶作の姿をしたニコラスだった。 ニコラスは小学生の大介を人質に、小学生の慶作を殺すことをやめる様に要求する。その行為に疑問を抱き、何故力で押し通らず、まどろっこしいやり方をするのかと問う大介に、どこにでも存在できるようになった反面、同時に違う場所に存在すると力が分散するようだと説明するニコラス。現時点でも2010年の大介の目の前、2017年の剴達の目の前、2338年のムキューの目の前に存在しており、自分の存在を声高に説明している。 分散して力がない今なら、ニコラスを倒せると考えた大介は、小学生の剴達を小屋に避難させ、ミロにもうアーヴの言いなりになるなと言い、「みんな」を守るのが自分の運命だと話す。その「みんな」のなかに自分も含まれているのだと通じたのか、ミロは泣きそうな顔をする。 アーヴの予測がそもそも間違っていたと発言したミロに、大介は自分がアーヴにとって重要人物では無かったのだろうと返し、ミロはそのことを肯定し、それでも大介は中心敵役割を果たして未来での戦闘を乗り切り、今は2010年のこの時代にいることは、大介が自分の運命に抗った結果だとミロは結論付け、大介の運命を信じると話す。 2017年では、大介が死んでいるのだという慶作の言葉に、そう言えばそうだったと言い始める剴達。そして、そのことに笑みを浮かべる慶作の姿をしたニコラス。2010年には、小学生の慶作を引き渡せと急かす。大介はニコラスが慶作を殺さないことを加味して、小学生の慶作の引き渡しに応じるが、人質の交換を行わず、小学生の慶作を捕獲、小学生の大介に銃を向けるニコラス。その時、あらかじめ引き渡す慶作にくくりつけていたワイヤーを巻き取り、小学生の大介と慶作の両方を取り戻すことに成功する。そのことに驚いたニコラスの隙をつき、大介はニコラスにとびかかり、拳銃を突きつけ発砲する。 再び2017年。露は大介は死んでいないと声を上げる。彼女が思い出したのは、2010年に飛んだ大介がお願いしたいろいろあっても大介を信じてくれという、2338年から飛ばされた大介の言葉だった。記憶がバラバラになっていると、慶作の話したことは関係あるのかと慶作に尋ねようとする三人だが、額から血を流して慶作の身体が倒れてしまうのだった。 友人の姿をした相手を撃った大介に、大丈夫かといたわるミロ。ひとまず子供たちも無事なため、良かったと胸をなでおろす大介とミロ。しかしニコラスは復活し、大介と自分は運命めいた繋がりがあるようだと語る。何故生きているのかと驚く大介達に、時間の外側の存在になり、どこにでも存在できるからだと話すニコラス。さらに、これまで何度も大介の抹殺を行い失敗してきたため、大介自身を時間の外に連れ出して、存在ごと消し去ろうとするニコラス。 パペットも用意して、万全の状態の大介を倒すことで、心残りさえも残さず消し去ろうとするニコラス。ミロは危険だと大介を止めようとするが、これまで信じてきた運命を嘘にするわけにはいかないと、ニコラスの誘いに乗ろうとする大介。最後にミロに礼を言って振り返る大介に、ミロは姉が良くやってくれたおまじないで、額にキスをし、大介なら必ずできる。2017年でまた会おうと笑顔で送るのだった。大介を見送った後、ミロは大介達に運命の言葉を贈るのだった。 時間の外での戦いは、慶作の一部でもあるゲシュペンストの能力を使えるニコラスの方が有利に進んでいったが、大介の奮闘と、ニコラス内部にいる慶作の助力によって、ゲシュペンストを倒すことに成功する。戦闘が終わり空間に漂う大介は、量子脳を持たない影響か存在が不安定になり始め、体が粒子状になり始める。慶作を救うために戦いに出たはずが、慶作の存在を救うことができなかったと悔いる大介。そんな大介の手を取ったのは、慶作だった。 やっと話ができると言う慶作に驚く大介だが、そこへニコラスが横やりを入れ、慶作の意識を完全消去して自分が置き換わろうとするが、同体化している慶作によって、ニコラスの意識も消され始める。 一方2017年では、慶作の声で力を合わせろと言われた剴が、発光し始めた空間に手を伸ばしていた。マリマリはきっと大介だと手を貸し、露も加勢する。 時間の外では、慶作がみんなによろしくと伝言を頼まれる大介。しかしニコラスは大介もこの空間で消滅する運命だと負け惜しみを言うが、慶作は大介はツイていると笑う。大介の手をつかんでいた慶作の手と入れ替わるように、剴達が大介の手を引き始める。元の時代に引き戻される大介に対して、ニコラスを抱えて空間に沈んでいく慶作。 2017年に戻った大介は、戻ってこれたことを喜ぶ剴達に、慶作に助けてもらったという大介。剴も慶作によって自分たちは繋がることができたと言い、慶作に感謝するのだった。 帰還してから3カ月、犠牲になった人たちのためにも、自分のできることを始めた被災者たち。渋谷副区長が区長選に立候補したり、パンデミックに備えて動き出す幹夫と町内会の面々。そんな中で、渋谷の街にできた慰霊碑の前で待ち合わせする大介達。転移される日に送られてきたメールを読み返し、やはり送り主はミロであると考える大介達は、ミロにも、慶作にもきっとまた会えると信じて、自分の運命は終わらないのだと大介は思うのだった。 渋谷と同じように、世界各地の都市の一部が忽然と姿を消す現象が起き始めるのだった。 ここから感想 正直この作品は、やりたい表現やシチュエーションが先に合って、そこにストーリーを組み込んでいるから、全編通して感情移入する場所が無く、キャラの性格や行動の理由に一貫性が無いから見ずらい。 なぜ大介がニコラスに「あんたも頑張ったよな」と言えるのか、確かに「今までの戦いを通して通じる部分ができた」という考えもできるだろうが、ニコラスも、大介もお互いを対等に見ていない相手に、主人公から敵をねぎらう言葉を聞いても、謎しか呼ばないと思う。その後の、粉になりながら空間を漂って友人との会話をするという絵も、その前のゲシュペンスト戦と意味合いが被るため、どちらかに絞るべきだったと思ってしまった。 記事の初っ端にも書いたが、そもそも過去の自分に合ってもタイムパラドックスが起こらない設定なら、ミロは2010年に大介をゲシュペンスト戦に送り出した時に、何故2017年にまた会おうと言ったのか。そのままその時代に居続けて年を取る覚悟を決めたのなら、大介達を近くで見守る存在になろうと何故思わないのだろう。ミロが運命に立ち向かう術を教えるなりすれば、慶作もいなくならずに済むのではと考えたが、アーヴの命令を抜きにしても、変えてはいけない事象が他にもあり、それを遂行すると、おのずと小学生の大介達とは密に関われない等の理由があったと思えば、まあ納得はできる。 しかし、ここまで考えても、おそらく持っていきたい結果に向かってしか設定が積み上げられていないのだろうなと思えてきたため、つくづく相性が悪い作品だった。 にほんブログ村 アニメブログへ
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