はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ブギーポップは笑わない 第18話「オーバードライブ 歪曲王 5」 感想

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ブギーポップは笑わない Amazonプライム・ビデオ まさかの田中君が歪曲王とは…。しかもブギーさんは世界への影響がないとして放置されてしまうし、これは羽原君に面倒を見ていってもらうしかなさそうだ。まぁ、寺月が言う通り羽原が統和機構に狙われる存在なら、横に歪曲王が居た方が安全なのかな? 今週の内容 寺月の残した映像のなかで、歪曲王の起こした現象について触れられなかったと焦る羽原。そうしているうちにまた音楽が聞こえ始め、歪曲王によって寺月の映像はきっかけを話しているに過ぎないこと、今起きている現象は寺月と歪曲王の合作であること、そして、歪曲王の本体が田中であることを明かされるのだった。 早乙女正美の姿をした歪曲王と対峙する新刻敬。しかし、新刻はなぜ、自分の歪曲王が早乙女の姿をしているのかが分かったと言い、マンティコアの事件の時に早乙女に言われた言葉が原因だという。その内容は、新刻が竹田に対して抱いた感情を指摘されたことであり、必ずしも自分が抱いた好意を、相手が肯定的に受け入れてくれるとは限らないという事に気付いた新刻が押し隠したものだった。 しかしそれが真実だと言い切る新刻に、歪曲王は新刻と竹田の事を言っているのかとわざわざ確認するが、それにはまだわからないと答え、まだ認めるには苦しいと素直に返す新刻。しかし、恥じることは無いのだと、頂上を目指して歩き出す彼女に、歪曲王はさすがだとつぶやくのだった。 新刻はそのまま頂上までたどり着き、そこにいたブギーポップに考えがあるわけでもなく来たのだなと理解される。そしてもう一人、こちらに向かって歩いてくる田中に、幻覚とかではないかと警戒する。 歪曲王の本体が田中であることで、自分を知っていることに合点がいったブギーポップ。それに対し、自分は人を傷つけることはしないと話しだす歪曲王。どうしたら人の心の歪みを癒すことができるのかと考え、心に残る歪みを指さして見せたのだという。その言葉に、ブギーポップは、歪曲王の能力は人の精神に共振して、その一部を拡大させるものだと言い換える。 おそらく今朝、ムーンテンプルの前で誕生したのだとされる歪曲王に、生まれたばかりにしてはやるじゃないかと評価するブギーポップ。 なぜ君が生れたのか自覚はしているかというブギーポップに、紙木城の気持ちに応えるべきだったのではという罪悪感から作られたと語る歪曲王。だからこそ、どんなに道が長くともここを引くわけにはいかないと話し、ブギーポップに戦うのかという意味でどうするかを問いかける歪曲王。 しかしそんな歪曲王の話を聞いていた新刻は、田中の苦しんでいる気持ちはどうなるのかと指摘し、すべての苦しみを金に変えなければならないと言ったのは歪曲王自身だと言い放つ。その言葉に顔をゆがめる歪曲王に、ブギーポップは早乙女正美と水乃星透子の話を始める。どちらの世界の敵も、自分が考えたそれ以外には道が無く、言い方を変えれば、「可能性が形を成した主体性の無い存在」であったと語るブギーポップ。そこで先ほどの歪曲王のどんなに長い道があっても成し遂げなければならないという言葉に戻り、歪曲王には柔軟性があることを指摘するのだった。 その言葉を聞いて、上空に移動した様に見せる歪曲王。自分の無そうとしていることについて、迷いがあるとでも言いたげなブギーポップに脅しをかけた歪曲王だが、もし、世界に絶望して迷わないような存在であれば、それ以上行かない様に道を遮断する方法を取ると告げるブギーポップ。しかし歪曲王は世界に絶望しておらず、さらになぜ、自分を悪だと思うのかとブギーポップに問いかけられてしまう。誰も傷つけておらず、ビルに人を閉じ込めたのも歪曲王ではない。それにもかかわらず歪曲王が自分を悪だと思い、敵がいると思い込んだ原因は、自分自身を責めた田中の心が抱え込んだ歪みではないのかと指摘するブギーポップ。 とうとう新刻に紙木城が思っていたことを尋ねてしまう歪曲王。新刻は、紙木城の気持ちはわからないとしながらも、好きな人ができたと楽しそうに言っていたことや、好意を寄せられた田中は実は恋をしていなかったのではないか、自分の気持ちが分からないまま、マンティコアの事件で紙木城が居なくなり、歪曲王を作り上げるほど自分を責めることになったのではないかと、考えを話す新刻。 そしてそれは、田中も紙木城の事を好きだったのではないかと、新刻は言葉にこそしなかったが、ブギーポップによって自覚できなかった気持ちとの歪みが歪曲王を作ったのだと結論を突きつけられる歪曲王もとい田中。しかし新刻は、そんな田中へ紙木城なら、人の事よりも自分の事をどうにかしなさいよと言うのではないかと言われ、思わず彼女の笑った輪郭を思い出した田中は、一瞬力を失ったように幻の中で落下するのだった。 現実に戻ってきた新刻と田中。田中にパスワードを入れる様に言われた新刻は、羽原が残した手帳を見つつ、ムーンテンプルの解除コード「STAIRWAY TO HEAVN(天国への階段)」を打ち込むのだった。すると、好きな音楽を選ぶように表示が出たため、ニュルンベルクのマイスターシンガーを入力し、やっぱりこれなんでしょとブギーポップに捧げるのだった。 音楽と共に、締まっていたシャッターが開き、黒に染まっていたムーンテンプルもてっぺんから白へ戻っていく。そんな中で、寺月の姿をした歪曲王と対峙していた橋坂静香は、ゆがみが元の場所へ戻る、つまりは会えなくなると告げる歪曲王に、本物とはこうは話せなかったとこぼし、あなたのことは忘れないと言うのだった。しかし歪曲王は、ゆがみが解消された後は、それが何だったのか覚えていないものだと否定する。その後起きた静香は、隣で寝ていた息子を起こし、ゾウラギとブギーポップの話をする真に合わせて返事をするのだった。 歪曲王に誘われてムーンテンプルに入り込んだ竹田は、ブギーポップの話をする真の言葉をしばらく聞いていたが、上を目指して進んでいく。 ブギーポップを探していた様子の道元咲子は、降りてくるブギーポップに終わったのかと話し掛け、また会えないかと話を続ける。しかしブギーポップは二度と会わない方が良いという、表面的な返事しか返さないため、敵になったらどうなるかと尋ねた咲子。そこへ、喧嘩をして別れてしまった彼女を心配して、探し回っていた丸が声を掛けたために気が逸れ、ブギーポップの姿を見失ってしまう咲子。しかし、敵になったその時は容赦しないと約束しよう返事をもらい、咲子は少し笑うのだった。 竹田はムーンテンプルの上部から降りてくる新刻と出会い、こんなところで何をしているのかと問いかけ合う。新刻は気になる人を追いかけてきたらこんな事になったと話し、その人とはおかげで会うことができたと話す新刻に、視線をそらして「そうか」とだけ答える竹田。その様子に、自分の事だと思ったのなら自意識過剰だと茶化し、追いかけていた人は竹田ではないとはっきりと言う新時。そして、竹田の方はどうしてここにいるのかと問いかけ、曲を掛けた奴はどこにいるのかという竹田の問いに、自分が曲を掛けた本人だと話し、竹田が探しているのは宮下だろうと自分から切り出す新刻。宮下の元へ早く行く様にと促す新刻に、一度走り去り戻ってきた竹田は、新刻に自分への好意に答えられなくて「すまない」と言い、新刻は追いかけたのおは先輩ではないと切り返しつつも、握手を求め、気遣う竹田に「どうも、それじゃ先輩」と別れの言葉を述べ、竹田も「それじゃ」と返し宮下の元へ走っていくのだった。そんな竹田に、新刻は「さようなら」と自分の心に踏ん切りをつけるのだった。 夕方になり、解放された人の中で、羽原は寺月の孤独が生んだ狂気の犯罪ということにされて、真実は明かされないのだろうと考え、なんかすっきりしないと言い、その言葉に歪曲王は「そういうものさ」と答える。田中のいつもと違う口調に、歪曲王がまだ田中の中に存在していることを知った羽原は、すこし緊張しながらも「そうだな」と答えるのだった。 帰りの電車の中で、自分に寄りかかる宮下が一度目を開けたところを見ていた竹田。それがブギーポップだと分かった竹田に、どうしてわかったのかと尋ねるブギーポップ。しかし友達の顔位わかるさと答えられ、ブギーポップは少し笑った後、危機は去ったよと竹田に告げるのだった。 ここから感想 新刻の失恋をあれだけ描くのなら、竹田も藤花を想う描写とかがうちょと欲しかったなと思ったのは自分だけですかね?他の人は、先週の藤花の姿の歪曲王に「私を捕まえて」と言わせた竹田だけで満足したんですかね。疑問です。 ふざけた話はここまでにして、最終回に来て、来生ドクターの前に現れたブギーさんが、自ら語っていた世界の敵になる条件が、本当にブギーさんの存在の根底なんだなと改めて思い出したよ。一般人がちょっと踏み外して世界に影響を与える行為が「世界の敵」であって、単なる殺人とかでは動かないんだったね。で、だからこそ元々人の中にあるものに干渉して増大させる歪曲王は、世界への影響力もさほどない様に思える。元からあった人を食らう消費行為とか、元からあった人の心をいじる改変行為とか、死を取り出して集める収集行為とかに比べたら、たしかに歪みの解消なら影響が小さそうだ。さらに歪曲王自身に柔軟性があるからこそ、見逃されたという事か。 にしてもこの作品、最初から最後まで愛を持ってくるか。紙木城の周囲への愛情や、正樹と綺の恋愛、霧間誠一やスケアクロウが凪に見せた親愛、そして田中が紙木城に、新刻が竹田にみせた感情。存在がどうのとか、作られた人間とか言っていてまどろっこしかったが、各ストーリーのテーマは愛で良いのでは?と括ってしまいたくなるほど描かれている感情が愛によるものだった。 しかし、あからさまに愛だのなんだのと語らないところ等、なかなかに計算された作りで楽しく見させてもらった。たぶん感想書いていなかったらここまで考えなかっただろうけど、気付いてしまったので、お気に入りとして覚えておこうと思う。作り手さん達の、原作に対する誠意が伝わる良い作品でした。 にほんブログ村 アニメブログへ
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