はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

彼方のアストラ 第1話「PLANET CAMP」感想

遭難ものという事で、宇宙船内での殺し合いとかがあるのかと考えつつ視聴したが、方向は違った様で、これからも見ていきたいと思える作品だった。

 

今週の内容

宇宙空間で漂うアリエス・スプリングは、自分の宇宙服のスラスターが壊れていることに気付き、さらには周りに誰もいないことに恐怖を覚える。止めることができない回転を繰り返し、黄色と緑色と言う似たような色味のオッドアイで、離れた場所にある恒星と、それに照らされる近くの惑星と宇宙空間とを視界に入れながら、自分に向かってくる人物に気付き、彼女はその存在に目に涙を浮かべるのだった。

時はさかのぼり西暦2063年7月3日。アリエスはキャンプに行く準備をして上機嫌にマンションからの街並みを見ていた。母にパスポートを入れ忘れていると注意されつつも、マクパへのキャンプ5日を楽しんでおいでと言われ、元気よく頷くのだった。

2063年7月4日キャンプ出発の当日。ムーサニッシュ宇宙港に着き有頂天でいたアリエスは、思わず万歳をした反動でキャリーケースから手を放してしまい、通りすがりのマダムに当ててしまう。人にあたった反動でキャリーケースの中身も散乱してしまい、マダムもそそっかしいアリエスを見かねて一緒に片してくれる。マダムもアリエスと同じケアード高校の卒業生で、5日間の宇宙キャンプを青春の思い出として語ってくれ、アリエスはキャンプへの期待をさらに膨らませるのだった。

しかし、荷物をまとめ直してマダムと別れようと言う流れの中で、今度はひったくりに遭い、トートバックを盗られてしまったアリエスは、ひったくりを言い間違えながらも大声を上げる。すると少年が反重力シューズを使った大ジャンプ技・アルティメットダイブボムをかみながらも繰り出し、見事ひったくりを沈黙させる。少年は荷物をアリエスに返し、かみながら叫んだ技名を名前と認識したアリエスにツッコミを入れつつ、遅れて到着した警備ロボに、ひったくり犯を引き渡そうとする。しかしひったくり犯が気を失っている事と、近くにいた少年を暴行した危険人物だと誤認し、胴上げの要領で連行しようとする警備ロボに、少年本人も、助けてもらったアリエスも驚くのだった。

空港内を一人の小さな少女がうろうろしていた。彼女は、空港内でキャンプの参加者かという質問を聞きつけ、一つの集団へと近づいていく。すると集団のうちの一人が少女に気付き、目線を合わせるようにしゃがみながら、迷子かと声を掛けるが、少女は否定し、目的の人物を見つけた様子で駆け寄っていったので、彼女に声を掛けた少年も安心したように微笑んだのだった。

少女は、目的の人物の手を握ろうとしつつも相手の名前を呼ぶが、名前を呼ばれた姉と思われる少女は、同じタイミングで腕を組んでしまい、名前を呼んだ方の少女の手は途中で止まってしまうのだった。妹が近くに来たことに気付いた少女は、面倒そうに「うろうろするな」とまず注意し用件を聞くが、妹は何でもないとごまかすように笑って済ませるのだった。

集合時間が過ぎていると、生徒たちから文句が上がり始めた頃、アリエスが何とか到着し、確認を取るために教師がクラスと名前を言わせたところ、アリエスはそのまま自己紹介を始めてしまう。重役出勤の遅刻者が変わった奴だと皆が認識したところで、キャンプの説明が行われ、各班に設けられる特別ルールとして、十歳の子どもを同行させるというものに決まり、キトリー・ラファエリの妹、フニシア・ラファエリが班に加わることが紹介される。

フニシアを入れても8人で、人数が合わないとアリシアが教師に確認すると、もう一人まだ来ていないが時間に遅れたものは容赦なく置いて行くと、リミットを告げる教師。しかし、警備ロボに担がれてカナタ・ホシジマがギリギリに到着し、挨拶ついでにキャプテンへの李候補を元気よく宣言したのだった。一番遅れてきて態度がでかいと、キトリーは飲んでいたコップを投げつけて第一印象が最悪な奴に誰がキャプテンの投票に入れてやるかと文句を言い、周りの所為とも同じような視線をカナタに送るのだった。

宇宙船内で宇宙服に着替える女子達。会話がない中、アリエスはキトリーに宇宙服がフニシアと同じSMB製で、姉妹で色違いの物を使って仲良しなのは、兄弟のいない自分はうらやましいと感想を言うが、キトリーは冷たい態度のままさっさと更衣室を出て行ってしまう。それでもアリエスは、フニシアの宇宙服はスカートがついていて可愛いと話題を変えず、褒められたフニシアも素直に喜ぶのだった。アリエスはユンファにも声を掛け、宇宙服は自分と一緒のヒュペリオンだと言われた彼女は、声を掛けられた事に驚きながらも、頷いて返した。

準備を終えた生徒たちは、客席に着き出航の準備に備える。そんな中でキトリーの隣に座ったアリエスは、転校してきて一か月くらいだから、全員と友達になりたいのだと意気込みを語り、キトリーはその勢いに、人の話を聞かないと引くのだった。

ワープが軌道に乗ったため、思い思いに寛ぐ生徒たち。カナタは進路に迷っていた中学時代に、キャンプに同行していた先生に言われたことを思い出していた。

そこへ、アリエスが改めてひったくりから荷物を取り返した件で礼を言ってきたため、お礼の冷凍みかんを食べながら、将来は宇宙探検家になるのだと夢を語り、キャプテンへの立候補はその第一歩だと語るカナタ。将来を見据えているカナタに感動したアリエスは、今度は個売らせてきた麦茶をご馳走しようとし、その年寄り臭いチョイスにツッコミを入れて騒がしいカナタの声を煩わしいと言いたげに、ため息をつくウルガー・ツヴァイクなのだった。

船はマクパに到着し、生徒を下してすぐに飛び立つ船を見送るカナタ達。ヘルメットを解除して、マクパの風を感じつつ、拠点を作って探検しに行こうと仕切るカナタに、キャプテン面するなと文句を言うキトリー。

そんな冷たい反応も気にせずに、「付いてこい」と言いながら先を歩き始めたカナタの班重力シューズが煙を上げて故障したことで、少し騒ぎになっていた時、フニシアと、直腸的なしゃべり方をするルカ・エスポジトが、地面に浮かぶ球体に気付き、あれは何だと疑問を口にする。

自然公園でもあるマクパの演出だろうと、怖がりもせず球体に近づくルカだったが、指先が球体に触れた瞬間、中央に吸い込まれるように彼の形が伸びて見え、そのことに恐怖を感じ仲間を振り返る彼が球体に飲み込まれ、人一人の飲み込んだ球体が赤い発光をしたことに、恐怖しつつも、ヘルメットを着けて逃げるように指示を出すカナタ。しかし球体は動く速度を上げてカナタ達を一人ずつ飲み込んでいく。カナタは飲み込まれながらも何が起こったのかと思い、次には視界に宇宙空間が広がるのを見たのだった。

 

中学時代の山のキャンプで、足場から落ちそうになった生徒を引き上げた先生とカナタ。しかし今度は先生のいた足場が崩れ、彼は何とか出っ張った石を掴み、救助しようとするカナタに生き残ることを考えるように伝え、絶望的な時こそ強がれと言うと、微笑みながら手を離し、自ら崖から落ちることを選択したのだった。

そんな過去の事を、夢を見たかのように思い出したカナタは、なぜ自分が宇宙空間にいるのかと一瞬パニックになる。

自分が持っていた端末を視界に入れ、だんだんと周囲の状況が分かるようになってきた頃、ザック・ウォーカーが通信機で呼びかけたため、カナタはそう遠くない場所に同じ班のメンバーが漂っているのを確認できた。宇宙服のスラスターで皆に近づき、見つけた宇宙船に避難すると言う話になり、カナタは行きがけにウルガー・ツヴァイクの荷物を回収し、本人に渡すと、宇宙船を目指すのだった。

宇宙船に入り、ロッカールームでことの状況に混乱しつつも人数確認をしたザックは、一人足りないと告げる。ほぼ初対面で構成された班員は、誰が居ないのかすぐには分からず、ウルガーがまだ外で漂っているアリエスを見つけ、通信機で船に集まれと話したにもかかわらず、あそこにいるという事は、通信機もスラスターも壊れているのだと推測できた。

キトリーは助けに行かなければと声を上げるが、ザックはスラスターが底を尽きれば戻ってこれなくなると、その危険性を話し、ルカは絶望的ではないかと頭を抱える。ルカの言葉に、先生の最後の言葉を思い出したカナタは、見つけたワイヤーを持ち上げ、自分が行くと申し出るのだった。

行きは宇宙服のスラスターで、帰りは繋いだワイヤーを引っ張って回収すると言う作戦で動く班員達。ザックが推進剤の節約のために、アリエスに届くように角度を指示し、彼方に気付いたアリエスも手を伸ばすが、カナタとアリエスが手を取る前に、ワイヤーの長さが足りず、反動で後方に流れていってしまうカナタ。そんな様子に宇宙船内の班員達もここまで来て助けられないのかと諦めかけるが、カナタは先生の最期に助けられなかったことを悔やんでおり、今度は助けるのだとワイヤーを外して、自分の宇宙服のスラスターでアリエスの元にたどり着くのだった。

泣きながら何かを言っているアリエスの通信機はやはり壊れており、カナタは笑い掛けながらも残り少ない推進剤でも帰れるだろうかと内心不安に思っていた。宇宙船内でも、ザックによればうまくいけば慣性の力で帰ってこられると考えたが、カナタの推進剤が切れ、進行方向の変更が効かなくなったところで計算したウルガーは、進入角度が深すぎて、宇宙船に届くよりも前に下にズレていくと知らせる。それではどうしようもないと、キトリーは言い放つが、友達になりたいと手を握ってきたアリエスの事を思い出し、泣き出してしまう。そんな中、ザックは思いついたように手を貸してくれと何かを提案するのだった。

宇宙船が近づき、カナタはその手前でズレてしまうことに気付いて、また届かないのかと後悔するが、アリエスが前方の少し上を見るようにと、壊れた無線機ではなくヘルメットをくっつけてなんとか振動で伝えると、そこには宇宙船からでたウルガーが、二人の前にスラスターを使って飛び出し、カナタとアリエスを受け止める方法で、二人が前方へ向かう力を殺す役をこなす。

これで荷物を取り戻してくれたことでの貸し借りは無しだというウルガーに続き、カナタを呼んだシャルス・ラクロワに続き、ルカ、ユンファ、キトリー、の順で手を繋いで宇宙船から人の鎖を作り、カナタがシャルスと手をつないだことを確認してから、引き上げ役のザックとフニシアによって、一人ずつ宇宙船内へと引き上げていくのだった。引き上げられる間、アリエスは一人で怖かった宇宙も、手をつなぐと綺麗に見えると、カナタには通じなかったが、そう話すのだった。

宇宙船に戻り、宇宙服を脱いで改めて礼を言うアリエス。命の恩人だと言う言葉に、カナタほど無茶をしたわけでは無いと、謙遜するルカに、助かったから良いじゃないかと楽観的なカナタ。しかし宇宙船の機材を操作していたザックは、目の前にある惑星はマクパではなく、現在位置は地球から5012光年離れていると伝え、学校の捜索網も届かないだろうと、救助が来るのは絶望的であることが判明する。

戻る方法を考えるうちに、最初に謎の球体に吸い込まれたルカは、学校が危機的状況でも冷静に判断できるか判断するヤラセでは無いかと提案するが、球体出現時に、カナタがとっさに行った「ヘルメットを被れ」という指示が無ければ、何人かは即死していたとアリエスが指摘し、学校が仕掛けるヤラセにしては危険だとこの案は否定される。

ますます遭難という現実から目をそらせなくなってきた班員達に、重い空気が立ち込め始める。そこでフニシアが思っていることをアニメ風にしゃべってくれるパペット・ビーゴを使って、せかっ見つけた宇宙船なのだから動かせないのかと話した事で、ザックが宇宙船の操縦免許を持っている事に思い当たるキトリー。

船の推進剤の事も宇宙空間から補充できるタイプであったため、航行可能だと分り、あとは食糧が3日分しかない事と、移動距離が長い事が問題となる。

ザックの説明に業を煮やしたウルガーは、絶望的で打開案も浮かばないから一緒に死んでくれと何故言わないのかと、身も蓋も無いことを言ったため、ザックも感情的にウルガーに殴り掛かりに行くが、それをカナタが止め、「慌て者ほど狼狽える」とサバイバルの心得を披露し、その場の話の腰を折るのだった。

カナタはそのまま自分が中学一年の時に山で生徒5人で遭難し、7日間救助を待ち続けたことを話し始める。その内容に、スルギ中の遭難事故を知っていたシャルスは驚き、カナタはあの時も何度も駄目だと思い、バラバラにならない様にしなくてはいけないのだと経験から語る。

カナタの話に、つい先ほど全員が手を繋いで助けてくれたと同意するアリエスは、それでも今はバラバラだからもう一度自己紹介をしようと手を差し伸べる。それにまず答えたのがキトリーで、ザックが続き、ルカは物作りが得意だと話し、シャルスは得意分野は生物学だとカナタの手を取る。流れが切れたため、キトリーはユンファに自己紹介を促し、彼女は得意分野とかが無いと、恥ずかしそうに絞り出し、口癖なのか御免なさいと謝ったため、シャルスは何も謝ることは無いと、きれいな笑みを浮かべて彼女に手を差し伸べる。班員が輪を作るように手をつなぎ始めたのを、離れてみていたウルガーは、自己紹介せずにその場を去ろうとしたが、フニシアがその手を掴み、自分の自己紹介を行いパペットのビーゴを差し出してウルガーに自己紹介を促す。観念したウルガーは名前を名乗り、ビーゴの手をつまむと、ビーゴはよろしくと返事をしたため、ウルガーは大きく驚く。

そんな様子を朗らかに眺めていた他の班員だったが、カナタはいっぺんにではなく星を渡って帰れば良い事を思いつき、さっそくザックは自分の持っている惑星リストでルートを示し、船に積める食料の限界20日ずつ惑星を渡り、少しずつでも地球に帰れる方法があると突き止めるのだった。

帰れると喜ぶ班員達だったが、ウルガーは上手くいくかと訝しげであった。しかしカナタは前に進まなければ死ぬだけだと、サバイバルの心得その①「前に進めば前進する」を披露し、さっそく船を発進させることになる。全員がシートに付き、シートベルトを締めるように注意するカナタは、残った席がキャプテンシートしかなく、カナタでいいのではという班員達の態度に、一度は照れるが、腰を下ろすのだった。

アリエスの疑問から、船の名前を操縦席にあるプレートから取ってアストラ号と命名したカナタは、第一の惑星への出発の号令を掛けるのだった。

 

ここから感想

話題になっているかは分からないが、人は死なないだろうと言う地味さと、このまま道徳的な部分を描いて行くのかと考えると、何とも言えない不安定感はあるものの、当たり前の道徳をいちいち宣言していくスタイルは応援していきたい。どうか、話を進めるためだけに、作る側に都合の良い設定やセリフで片づける事態が発生しないことを祈る。

1話と2話の一挙放送かと思いきや、1話が60分。この間にアリエスの捕えづらいキャラの補てんを出発前に行い、似たようなボケをかますカナタとの違いを明確にしておく作業と、謎の球体による遭難、人命救助を全員でさせて、帰る方法の決定と、確かに2話に分けるよりは一気に見せておきたいと言うのも分かる気がする。これを踏まえて作っているのだから、作り手が力を入れているのだろうなと想像できるので、期待してみていきたい。

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