はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

フルーツバスケット 第15話「そうでもないさ」感想

今週の分は、繭子の部分と、自分を自分で諦めるなというはとり宛ての励まし以外、取るべきところの無いエピソードなだけに、それだけに捧げる30分がツライ。

 

今週の内容

突然、ゴールデンウィークを利用して旅行に行こうと言い出した紫呉に連れられ、草摩が所有する湖の傍の別荘に来た透達。しかし、昨日の今日子の命日に合わせた墓参りの後、夕食時から由希と夾の二人があまり話さないことに、透は何かあったのかと心配していたのだった。実際のところは、由希は透が持っていた男の子用のツバ付き帽子の事が気になっており、夾は墓参りの際に咲に聞かれた通り、悔いた気持ちを引きずっている状態だった。

夾に、旅行に行くと言い出した理由を聞かれた紫呉は、透を連れて湖にでも行きなさいとはぐらかすが、それでも反応の薄い高校男子二人に、空気が暗いからと必殺の綾女召喚を試みようとして由希と夾に殺意を込めて止められるのだった。

結局自分が言った通りに、透を連れて湖を見に行く若者たちを見送った紫呉は、はとりに旅行の目的は編集担当をいじめるためかと尋ねられ、実際に紫呉の家の玄関に張られた「旅に出ます。探さないで下さい。草摩紫呉。」と言う紙を見て、担当のみっちゃんは今にも自殺する勢いでうなだれており、心配した同僚か上司から、ひとまず戻ってくるようにと電話で指示を受けているのだった。はとりに言い当てられた紫呉は、いじめではなく、からかっているだけだと楽しそうに答えるのだった。

一方湖に向かう途中でも、無言に耐えられなくなった透は、自分が失礼なことを由希と夾にしたのだと解釈し、急に謝りだす。しかし急に謝られた二人は訳が分からないと言う反応を返し、ひとまず謝られた理由を聞くために透に歩み寄ろうとした今日は、熊の足跡で滑り、尻餅をついてしまうのだった。熊の足跡に、紫呉が言っていた新種の熊・ジェイソンかと慌てふためく透と夾。そうする中で、今度は透が歩道から外れ、高低差のある歩道脇へと落ちてしまうのだった。

はとりに怒られて、担当のみっちゃんに原稿はできているから安心するようにと連絡をした紫呉は、自分の思惑通りにいかなくてつまんないと駄々をこねる。しかし社会人としての常識からすれば、仕事は済んでいると連絡することは能えり前だとはとりに言われてしまうのだった。

別荘への足として来たはとりは、やることが無くてつまらないのは俺の方だとこぼすと、紫呉は読書好きのはとりのために、何冊もの本を用意していた。それを見たはとりは、元恋人で、自分との記憶を消す必要があるほどに、はとりの目の怪我について思い詰めてしまった佳菜が、最近別の男性と結婚式を挙げたことが、紫呉が自分に気を遣う原因かと考えつき、彼の気持ちを汲んで本を読み始めるのだった。

透が歩道から落ちたことで、助けようとした由希と夾だったが、十二支の呪いのために透を抱いて助けることができず、全員段差下に落ちたばかりか、由希はネズミに、夾は猫に変身してしまっていた。自分の不注意で全員が落ちてしまった事に、謝り続ける透。しかし夾が足元を見ろと透に注意した言葉をきっかけに、由希と夾は喧嘩し始め、元の調子に戻った二人に、安心して笑いだす透。そんな彼女を見て、透に怒っているのではなく、ただ調子が悪かったのだと安心させようと努める由希。夾も由希の言葉に乗っかり、ひとまず良かったと思う間もなく二人の喧嘩が再発することとなるが、元気になった二人に、心底嬉しそうにする透に喧嘩の勢いを殺され、ひとまず湖に行かずに帰る三人なのだった。

そのころ、別荘で本を読んでいたはとりは紫呉が書いたラブストーリー小説「夏色の吐息」を読み、気色悪いとだけ、作者に感想を述べるのだった。

翌日、今度こそ湖に行こうと準備を終えた若者三人。しかしはとりが人前にもかかわらずソファーで眠っていたため、透は毛布をはとりに掛け、夾もその珍しさに驚いていた。そこへいつの間にか別荘に入り込んでいた綾女が、はとりを気遣った透を褒め、頭なでなでを開始する。

来てほしくない人物だった綾女の登場に、由希は透に近づかない様にガードし、夾は用がないなら帰れと迷惑そうに言い放つ。しかしそれでも止まらない綾女の脈絡のない会話に振り回されていると、寝ていたはとりも起きてしまうのだった。

今までは誰の協力でここにいるのかもはっきりと明言しなかった綾女だが、はとりの一言で、すんなりと本家のはとりに会いに行ったら、湖に行ったとお手伝いさんから聞いてくるまで来たと答え、昨日紫呉が冗談で綾女を呼ぼうとした流れとは違った理由で来たのだと、由希と夾も納得するのだった。

はとりが透を湖に連れていくのではなかったかと、話を由希達に振ったため、綾女も若者たちを追い出しにかかり、やっと別荘から出発する透達。湖も綺麗な空気も、綾女が来たことでうつうつとする由希と夾が漂わす空気で台無しとなり、透はどうしたものかと二人の言い争いを見ていたが、湖なんて見たくも無いと言いあっていた二人は、透の所為では無いことを必死にアピールし始めたため、喧嘩は止み、透は二人に湖を一周してみようと誘うのだった。

別荘では、綾女が佳菜の結婚式の写真をはとりに渡していた。しかし綾女が佳菜の結婚式に出席したわけではなく、佳菜の大学時代の友人で、紫呉とは一か月だけ付き合っていた繭子からもらったのだと出所を明らかにする綾女。繭子の名が出たとたん、紫呉は頭を抱えてあの時は自分も若かったのだと言い逃れをする。

話はやがて、はとりが佳菜の幸せを願う様に、紫呉や綾女と言ったはとりの周りの人間もまた、はとりには幸せになってほしいと言う話になるが、はとりは十二支の物の怪憑きという自分たちの中で、秘密を知ってもなお一緒に居ようとしてくれた佳菜がいた自分は、ひと時であったとしても十分幸せだったのだと、新しくパートナを探そうとは考えないのだった。

はとりの幸せを願うと言う会話の中で、佳菜の二千倍ははとりには幸せになってもらうと断言した綾女は、その強気さを由希の前でも見せられれば良いというはとりの言葉を真に受け、由希に弟として兄に服従せよと妙な宣言を行い、由希の怒りを買ってしまい、まだ兄弟の溝を埋める道のりは長いものだと、はとりは分かっていないなとつぶやくのだった。

そんなゴールデンウィーク真っ最中の学校では、白木繭子が休日出勤をしており、その傍らにはウェディングドレスの佳菜と映る繭子の写真があり、佳菜と大学時代の友人で、紫呉と一カ月だけ付き合っていた繭子は、透の担任であることが判明するのであった。

 

ここから感想

最近、この作品の作り方が苦痛でならない。原作を今風に解釈しろとか。補てんしろ、これは要らないとか言ってきたが、やはり作り直さなければ良かったと思う。前作アニメとは違って、動く原作を並べられてもただ不快だと気づかされるとは…いつも原作未読でアニメを視聴している分、自分はまだ枷がなかったのだと思い知らされた。前作アニメが描いていない部分まで、視聴を断念すれば、毎週苦情めいたことを書かずに済むのだろうが、何分原作を見て育っただけに、見捨てきれないと思う自分も随分と面倒だ。

今回の、はとりの自分にはもう恋は要らないだろうと言う考えと、周囲の友人たちが幸せになってほしいと願うこのズレを、こうもつまらなく描いたのはさすがだと思う。別作品の「この音とまれ!」で、恋愛事ではないにしろ自分の事を諦めるという表現で描いていたのを考えると、やはりはとりと紫呉たちの気持ちのズレを、原作で受け取った時の重みと、アニメ二回目のあっさり感があるのは、作っている側の表現に対する熱量なのではとも思えてくる。

とにかく、基本的にこのまま透に癒されていく十二支をしばらく見ることになるのだが、今後の本家と透自身の問題を描く時も、このままの表現で行くのかと思うと、いくら元々作品の内容が時代に合わないとはいえ、表現でもカバーしないことになり、途中で放送休止なんてことにはならないだろうか。そうすると、作り直した意味すら消えるのだが…コレ、大丈夫だろうか。

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