はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

フルーツバスケット 第18話「大切なのは……」感想

 

原作が少女漫画とは言え、どっかり食卓に座って、当たり前のように「腹減った」ってご飯を催促される透の事を、初見でこのアニメを見ている今の若者はどう感じているのだろう。特に夾なんかは、自炊経験があるのだから、催促せずに間食でもしておけよと自分は思っている。男女の古い役割分担を、わざわざリメイク作品でも表現することはない。こういうところから引っかかりを覚えるから、ますます本筋が間延びして見えてしまうんだよな。

 

今週の内容

買い物帰りに、海原駅で雨宿りする由希と透。この後の学校で行われるテストや生徒会役員選挙について話す二人だが、役員選挙の話題になるとげんなりした顔をする由希。現生徒会長の武井誠から、後任はぜひ由希にお願いしたいと直々に依頼があったこともあり、自分はそんなに凄い人間ではないのにと、周囲の人間が自分に抱く人物像との差に、応えきれないと引いてしまっている由希なのだった。

そんな話をしていたところ、たまたま目の前を通った潑春が二人に声を掛け、由希はずぶぬれの潑春に何をしているのだと質問する。潑春は上着に包んでいたものを二人に見せ、コイツを探していたのだと返事をする。

潑春に抱えられた小さな虎を、猫だと勘違いした透は笑顔になるが、すかさず由希と潑春で虎の物の怪憑きで杞紗という名前だと訂正する。目を空けて、ダルそうに頭を持ち上げた杞紗に、透は挨拶をし手を差し出したが、杞紗はその手に反応して噛み付き、透は突然の事に驚き、力が抜けてしまい倒れ込んでしまったのだった。

紫呉の家に帰り、潑春に手当をしてもらう透。由希は部屋の隅に顔を向けてうつぶせている杞紗に、謝るように厳しい口調で話しかけるが、紫呉は杞紗は喋らないと止める。

透の手当てが終わり、テーブルに肩ひじを乗せていた潑春は、そのままの体制で杞紗が中学に上がりいじめに遭い、しばらくして心が原因で喋れなくなり、不登校になり、ついには先日家出をしたから探していたのだと経緯を話した。由希も話を聞くうちに目を伏せるようになり、杞紗も潑春が自分がいじめに遭っていたことを話した時、テーブルに乗せていた上腕に噛み付き、話すなという意思表示をする。

潑春は杞紗行動の意図を汲み取りはしたが、周りに掛けた迷惑も考えろと叱り、親も探し回っているという言葉を聞いた杞紗は、噛むのをやめてその場からも逃げ去っていってしまう。透は慌てながら杞紗を追いかけていき、紫呉は潑春の傷の具合を確認するために、彼の近くまで移動する。

潑春が杞紗を良く気に掛けるので、仲が良かったかと思ったままを口にした由希だったが、潑春と紫呉はその発言をわざと曲げて受け取り、ヤキモチかとおちょくる。しかし、潑春が理由を話すと、昔の自分を守るために縮こまっていた由希に、今の杞紗が似ていると言われたことに、弱い自分を蒸し返された気分になった由希は怒り、紫呉が由希の隙をつつくように恥ずかしいのかと突っ込んだため、由希は部屋から出て行ってしまう。

透は、紫呉の家のガスボンベ置き場で杞紗を見つけ、噛まれながらも家に入ろうと話しかけていた。そこへ紫呉から連絡を受けた杞紗の母親が現れ、うつろな目を杞紗に向けながら、杞紗が何を考えているのか分からず、疲れたと途中から独り言のように話し出す。そんな母親に、透は自分の経験から、いじめられることで自分を情けないと思う気持ちや、大切に思っている人に隠したいと言う気持ちを話す。その話を聞いていた由希は、自分の中でさらにそんな虚勢を張る自分への自己嫌悪などを思い出し、冷えた気持ちで透達の事を見ていた。透は、それでも隠していた相手である母親に、大丈夫だよと受け入れてもらえた時は安心したのだと自分の経験談を締めくくり、おそらく杞紗も同じ気持ちなのかもしれないと続け、杞紗の母親が涙を流し、杞紗も変身が解けた姿で、噛んでいた透の手を握り泣いているのだった。

夕方になり、夾に杞紗が居候すると話す紫呉と潑春。しかし当の杞紗は二階の透部屋で、透の膝枕でぐっすり眠っており、由希は先ほどの透の話から、情けないと思う自分から、強くなりたいと思えるきっかけを得ており、その気持ちを充電するように、透の肩に頭を置いて甘えていたのだった。

その後、居候を始めた杞紗は透の後を付いて回るようになり、その様子を見た夾はウザくないのかと話していたが、透は自分を好いて付いてきてくれる杞紗に、萌えるものを感じ、可愛いと抱き付いているのだった。

杞紗が透に付いて回ることは、本人が喜んでいるのなら良いかと考えた夾だが、晩御飯のメニューの話になり、杞紗に食べたいものを聞いてみる透に、答えられずにいる杞紗に対して、食べたいものも言えないのかと、配慮のない言葉を投げかけてしまう。杞紗は透が問いかけた時にはうつ向いており、さらに夾の言葉でいじめに遭った時のことを思い出し、緊張感を醸し出していた。その様子に気付いた夾は、まずいと思った表情をしたが、紫呉が夾を肘置き替わりと言わんばかりに、彼の肩に体重をかけてきたため、弁解の言葉を言う暇は無く、「バカで間抜けで押しに弱い」という紹介文句を紫呉に言われてしまうのだった。

気にする必要は無いと言う紫呉の言葉を受けても、困ったような表情と手の動きをする杞紗に、透はあみだくじでメニューを決めようと提案し、楽しく晩御飯の内容は決定するのだった。

学校の屋上で、杞紗の話をする透と由希、紅葉に潑春。杞紗自身も母親も、これからの事は考えているだろうと言う話になり、母親と言う単語に透は、母親に拒絶され、彼女の記憶から消さなければならないほどの事態になった紅葉の事を考え、透は杞紗の母親が娘の事を心配して電話をかけてきたことを話す。杞紗と彼女の母親との関係は問題なさそうだと喜ぶ紅葉。

話は何故いじめられたかという話になり、理由を知らなかった潑春に代わり、紅葉がおばさんたちが話していた事を聞いて知っていると、経緯を話し始めた。

物の怪憑きの人間は、憑いた物の怪の特徴ある色を持って生まれるため、頭髪や目の色についてはしばしば問題になる事だと、潑春も経験していた。しかし杞紗の場合はそこから発展し、クラスメイトから無視され、言葉を発すると笑われるという陰湿ないじめを受けていた。

杞紗の立場に立ってどう感じるか、想像した紅葉は、それは悲しくなると泣きだし、透も一緒にハラハラと泣くのだった。

由希は杞紗がたどった経緯を、経験から想像し、笑われ続けることで自身が無くなり、臆病になり、周囲をイラつかせるという悪循環に陥り、だんだんと窒息するように言葉を失っていくのだと、杞紗を自分に重ね合わせたのだった。

休み時間が終わったため、授業に戻ろうとする透達。そんな中、潑春は杞紗の担任から手紙が来ていたからと、紫呉の家にお邪魔することを由希に伝えておくのだった。

担任からの手紙は、潑春が想像した通りの内容が書かれており、杞紗は読んだ後も何の反応も示さずにいた。潑春が手紙を杞紗から取り読み進めていき、内容に目星がついたため由希に渡す。由希も読み進め、手紙に書いてあった自分を好きになると言う点について、自分も杞紗と似た気持ちになり、話さなくなった時期があったと、自分の経験を話し出し、誰かに認めてもらえることで、自分を好きになれる、そんな気になるのではないかと杞紗に問いかける。

居候を始め、透に何度も大好きだと言われ、甘やかしてもらった杞紗は、由希の問いかけに共感し、「うん」と声を出して返事をした。思わず潑春が声を掛けようとするよりも先に、由希は杞紗にこのままでいいのかとさらに問いかけ、杞紗は自ら頑張ると話し、そんな杞紗に由希はまた辛くなったら、透のいるこの家へおいでと励ますのだった。

声を出して話せる状態になった杞紗は、さっそくバイトに出かけた透を迎えに行き、透はあまりにも感動したために何を言っているのか分からない言葉を発しながら、杞紗を抱きしめて大泣きするのだった。

杞紗が一歩を踏み出す様子を見ていた由希は、自分も進みださなければと決心し、生徒会役員選挙で、生徒会長に立候補すると、現任の武井誠に挨拶しに行く。

同じく中学に復帰する杞紗も、意を決してクラスのドアを開け、由希と杞紗の両名は自分を変えるために、弱さゆえの向上心を大切にしようと前進していくのだった。

 

ここから感想

「家族では無く、他人に認められることで、自分を肯定でき、困難や課題にも立ち向かっていける」というのは、この作品の表現している柱の一つだと、自分は捉えている。なので、今回の杞紗の話もこれだし、同時進行だった由希も同じことを表現している。そして、今までの話もこれからも、透によって認められ、成長を試みる者は多いため、この他人に認めてもらうというエピソードは、この作品内ではたくさんある。

そんな、たくさんあるエピソードのうちの一つの、杞紗の自信を失くした元凶が、紅葉の立ち聞き情報で全貌が明らかにされたのには違和感があるな。できればはとり情報にしてくれれば良かったと、リメイクされて気付いたよ。ほんと、透は十二支達の辛いと思った事を、良く想像したり経験したりしているよな。それを口頭だけで伝えて、相手が納得すると言うこの流れ、さすがにまだ続くと分かっていても、見ていて疲れてきた。

 

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