はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第19話「みをつくしてや」

 今回は周防の話がメイン。祖母だと思っていたゆきこちゃんは、叔母の兼子ちゃんでした。間違えて感想書いていたよ。

 

今週の内容

原田が試合を優位に運ぶ中、周防の弱点が目にある事を気付き、原田に教えた千早もまた、原田の応援をしていた。

ネットでの中継の見方が分かったと、ノートパソコンを持って帰宅した周防正は、叔母の兼子がテレビの裏側を覗き込み、彼女の身体でテレビが傾いて台から倒れそうになっているのを見て慌てた。何とか倒れる前にテレビを支え、BSの衛星が落ちたなどと言う兼子をテーブルに座らせて中継を見せる。甥っ子であり、名人として原田と対戦していたの久志の姿が画面に映っているのを見ると、兼子は笑みをこぼし、彼の好きな和菓子がたくさんあると、直接そうするように話しかけ始めた。

中継の中では、周防久志が名人になる前のエピソードが、解説者の山城今日子によって語られていた。読手をしている山城に、彼女が読む声を録音させてほしいと言ってきた久志。しかし久志から、かるたへの熱意が感じられなかったのか、山城は土産物の大福を自ら完食してしまった久志に対し、食いっぷりは親しみが持てるとしつつも、録音する理由を訪ねていた。これに、かるたでならひとかどの人間になれると思って、と答えたと言うエピソードに、兼子は思い当たることがある様子だった。

20年前、まだ幼かった周防は両親から本家へと引き取られていた。本家では従妹や叔父叔母などが居たために賑やかに過ごし、その中で一人身の叔母の兼子とのやり取りの中で、様々な躾を受け、彼女に懐いていく。

兼子の視力は次第に衰えて行き、久志が制服を着る頃には、彼女はサングラスをかけるようになっていた。しかし大事な人という自覚はあっても、目の病気の事に関しては何処か他人事だった久志。

場面は名人戦に戻り、原田と周防は二人して空振りし、慌てて出札を取ると言う場面があった。この事に、原田については北野が良く空振りをすると、応援する者としてしっかりしろと言う怒りを覚え、千早は周防の空振りについて、自分との試合の時も何度かあったと思い起こしていた。視力に難があれば、当然ミスも増える。しかしこのミスのフォローについては努力で補っている様子が無いと、原田は周防を観察し、ますます負けられないと食いついて行く。そんな気迫のある対戦相手に、周防はそんなに名人になりたいのかと口元に笑みを浮かべるのだった。

話は周防久志の過去に戻り、本家に預けられてから、女の先生や先輩に憧れて習い事や部活動をしていった久志。しかしどれも長続きはせず、どれも器用さである程度できるようになったと言う結果に終わっていた。勉強は出来たため東大に入学し、見送られる際に、兼子が泣きながらひとかどの人間になりなさいと言う言葉を聞いて、一人東京に出た久志は、東大でまたもや好みの先輩に出会い、かるた部へ入部する。しかしここでも、上手くなり始めた頃に憧れの先輩に彼氏ができ、ショックを受けた久志。さらに彼氏を紹介する先輩の姿を捕える時、視野の外側が見づらい事に気付き、医者にかかった事で叔母と同じ病気である事を知る。

失明することもあるという病気が発覚し、この先をどう生きていくのかと不安を覚えながら考えた久志は、さらに兼子の言ったひとかどの人間になると言う事も考え、そして答えにたどり着いた。

場面は名人戦に戻り、音になる前の呼気を聞いて出札を払って見せた周防。その速さに挑戦者の原田は間に合わず、魚住アナは周防が巻き返しを図っていると伝える。解説の山城は札が減ってくれば、札を払うタイミングの決まり字も短くなることを挙げ、テクニックで周防を引き離していた原田に対し、若く、音を聞き分ける感じの良い周防にとっては後半の方が有利だろうと告げる。

周防にとって競技かるたは、目の病気が判明してからというもの、音を聞き分けて勝負ができると言う点で、ひとかどの人間になれる場所となった。しかしもともとかるたへの情熱の無い彼は、名人位を取り周囲から強すぎると疎まれ始めると、より少ない札数で勝つ方法や、相手のミスを誘う方法を模索し始め、自分がかるたを続けるために、他人のかるたに対する情熱を食べると言う表現を使うほどに、かるたを退屈だと感じ始めていた。

後半に入り周防に札を取られ続けていた原田だったが、ガードのテクニックを使って札を取り、速さや感じだけでかるたをしている周防に引導を渡すと意気込むのだった。

名人戦は、前半は原田が大きくリードを伸ばしていたが、後半に入ると周防が巻き返し、一枚差でリードし始める。読まれた札の数が増える度に決まり字が短くなり、原田には不利に働くが、原田は周防のかるたは単純だと分析し、自陣で呼ばれた札はすべて守って取っていく。

周防は原田の気力に驚きつつも、相手が狙っていた自陣の札を取ってみせる。しかしそんな周防が変化を見せている事に原田は気づいていた。

いつもは名人戦とクイーン戦の札数を合わせていた周防が、彼女たちの試合運びを気にしなくなった事や、ミスを誘う動きよりも札を取りに行く動きが中心になった事、押さえ手でなく払い手を多用し始めた事を心の内で列挙する原田。さらに周防が名人戦初の4戦目に突入して、疲れてきていることを見て取った原田は、自分も膝の痛みを堪えつつではあるが、出来る限り実戦で連戦してきたことを思い返し、自分のやり方は正しかったのだと改めて考え直していた。

敵陣の札を取った原田から、決まり字が「なにわ」を送られた周防は、原田が得意とする読まれない札の可能性に気付き、この札の存在感に嫌なものを感じる。この札に気を取られ、原田に札を取られ、ここでようやく周防は自分が負けるかもしれないという危機感を覚え始める。

札を取り、自陣へと戻った原田だったが、膝の痛みが増し、集中が切れて札の文字が上滑りし始めていた。集中したいと焦り始めた原田に、突然と座布団が投げられ、会場一同が驚くなか、投げた本人の北野は何事も無かったかのようにいつもの顎に手を当てたポーズを取って座り続け、原田はどちらが先に名人になるかと言い争っていた北野から、名人になれと言う無言の応援を受け取り、座布団を二重に敷いてその上に座るのだった。

この座布団のやり取りをネット中継で見ていた新は、見ていたタブレットを持って外出する。咳をしながらタブレットを借りていくとだけ言って外出した新を見送った基は、よくわからないと言った様子なのであった。

クイーン戦は、詩暢が3枚差でリードしていた。試合を見ていた桜沢は、詩暢の様に絵札の陣粒と友人になったと仮定して札を見ると、中盤から札が猪熊に呼ばれたのかと見て取っていた。実際に詩暢もこれを感じており、札の気まぐれさに息をついていた。しかしそれでも2試合目より楽しいと口元を緩め、敵陣の、利き手から一番遠い札への最短距離を想像していた。

猪熊も、クイーンの座が手の届くところにあると、つわりの吐き気を押さえるように口元にハンカチを当てて荒い呼吸を整えていた。今が一番強い自分でいたいと言う想いが高まり、読まれた札を払った瞬間、お手付きをしてしまった事に気付いて小さく息をのんだ。

猪熊は自陣の札が読まれたにもかかわらず、詩暢の陣の札を払ってしまい、札を取った詩暢から2枚の札が送られるダブのミスを犯していた。既に詩暢札は2枚だったため、詩暢0枚、猪熊4枚という結果で、詩暢がクイーン防衛を成功させた。

この様子をタブレットを見ながら電車に乗っていた新は、思わず座席から立ち上がり、周囲の乗客は何事かと驚かせていた。

最後の取りは素晴らしかったと山城が解説し、詩暢も祖母が示してくれた戦を思い出していた。やがて札を数え始め、ショックのあまり札を数えられずにいた猪熊に、札に選ばれたのだから数えてあげて欲しいと告げ、彼女を現実に引き戻す。

クイーン戦は決着がつき、名人戦にカメラが向けられるようになったのを見ていた新は、その中継がトンネルに入るたびに泊まってしまう現象に顔を青ざめさせる。

原田の送った札が、読まれない札だという可能性に踊らされ、周防は原田の陣の札を取ろうとするが、元々周防自信が苦手としていた札を原田に送っていた事もあり、上手く取ることができないまま、試合は運命戦へと突入していった。

 

ここから感想

かるたへの情熱がない周防と、札への思い入れがある詩暢の対比にもなった今回。

詩暢以上に周防は病気を筆頭に、将来への不安を感じていると言う内容だったが、それを知っても原田の怒りと言うか、「単純」と言う批判は免れられないだろうな。何と言っても原田は、病気と闘う術を考え、患者に選択と対処の実行させる医者だからね、病気と閉塞感をくっつけて閉じこもりがちな周防は、かるただけでなく、病気に対する気概まで怒られかねない。努力の人と言うのは、時に厄介な相手になるね。

で、原田が勝てばこれで名人戦も終わるだろうけど、終わらなければもう一戦。でもクイーン戦は終わっているから、来週あたり千早と詩暢のやり取りが見られるだろうか。それなら、防衛を果たした詩暢が、千早がクイーン戦まで上がってくるのを、また待ってくれると言う感じで、千早との再度約束をしてくれることになると思うのだけど、こういう感動的なシーンは、名人戦も決着が着いてからかな。

 

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