はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第18話「あらざらむ」

 そうだね、実際は約束を破ってしまった事を自覚するところから始まるよね。こういった段階を踏ませるのは、長く続いている作品ならではだと思うし、今期のアニメが話の切りが良いところまで行かないのを差し引いても、大事に表現していって欲しいな。

 

今週の内容

京都市役所では、府議会議員である詩暢の祖母が、一室でテレビのチャンネルを回して名人・クイーン戦の中継している番組を探していた。今年からテレビ中継が無くなったことを知らなかった彼女は、まだ中継が始まっていないのかと、一人つぶやくのだった。

二試合目でも、解説はクイーン戦が中心に行われていた。

解説は渡会さんから詩暢の師に当たる伊勢大二郎になり、魚住アナは天然な渡会とのやり取りから解放されたと喜んでいた。

10歳でB級の大会で優勝した詩暢は、その時に祖母から褒められたことを思い出す。その言葉や表情には温かさはなく、先ほど母親から、府議会議員である祖母から看板として扱われているのだと聞かされた事も、気にしていないと自分の中で終わらせる。客席に視線を送れば千早の姿が捕らえられ、次のクイーン戦で戦おうと言う約束よりも、修学旅行を優先させた千早にも、特に怒ったような考えを抱かず、自分は彼女たちに対して失望も何もないと、気持ちをより一層鎮めていった。

そういった思考が影響しているのか、猪熊に5枚差を付けられた詩暢。しかし猪熊も、これが最後のクイーン戦だと決めており、決心と集中力を伴った勢いに乗っている。

詩暢が劣勢にある中、千早は自分が修学旅行を優先してクイーン戦予選大会に出なかった事を知った時の詩暢の様子を思い出し、自分が彼女との約束を破ってしまった事を自覚し始めていた。

詩暢が敗北し、自分の事を一人でいる事で強くなると評価した伊勢の言葉に、謝りがあると指摘しつつ、あれだけ大事にしていた各札との繋がりが切れていることに気付いて動揺する。この間に、試合後に行われる札が50枚あるかどうかの確認が滞り、詩暢が札を取り落としたのを見た猪熊は、詩暢の分の札も数えて箱に仕舞い、引き上げるのだった。

名人戦は原田が勝利し、挑戦者が2勝を収める形になった。これを喜ぶ間もなく、千早は観客席を飛び出し、階下のテレビ観戦場にいる奏に助けを求めに行く。この時に、名人とクイーンの陥落をどこか期待する囁きを感じ取った千早は、何もかもが雑音だと、この雰囲気を良く無いものだと考えるのだった。

控室に入った詩暢はドアの鍵をかけ、室内で乱暴に着物を脱ぎ棄てていた。一方猪熊の控室では、第三子を身籠り、つわりで気分が悪くなっていた猪熊を、桜沢が横にさせていた。長男の暉は母親といると騒ぎ、これを次男の迅をおんぶしつつ、退室しようとする夫の智の攻防が、ドア付近では行われていた。

猪熊を休ませた後、彼女を心配する理音に対し、桜沢は猪熊自身の身体だけでなく、心と気持ちも誰よりも強いと明言する。

人のいない場所で、またもどこかへ電話を掛ける周防。相手は周防正であり、家には複数人が集まり騒いでいる様子が受話器越しにうかがえた。60インチのテレビを買ったと言う正だが、ゆきこと言う女性は、真ん中の30㎝四方くらいしか見えないと言っていると、騒がしい周囲に合わせて声を大きくして言ってきた。これを聞いた周防は、中継を見せると言う目的を果たせていないのだと悟り、それを相手には伝えることはしなかったのだった。

第三試合は、挑戦者である原田が連勝している名人戦のみが行われ、挑戦者と現役が一勝ずつ勝ち星を経ているクイーン戦は、この回は休みとなった。

解説は全日本かるた協会会長の間下に変わり、魚住アナは安心感を感じていた。観戦会場の整理券が取れなかった千早と太一も、1階のテレビ観戦席に座り、原田が勝てば名人位決定という試合を観戦する。

五十嵐専任読手の読みが始まり、一枚目は原田が取るが、その時に周防が見せた囲い手に、間下会長は初めて見ると驚きで声を上げてしまう。その後はやる気を出した周防が連取し、千早は原田を応援するが、ドアが開く音を聞きつけ、洋服に着替えた詩暢が外に出ていくのを見て、追いかけることにする。

近江神宮にお参りをする詩暢を見つめる千早。周りの参拝客が入れ替わっても祈り続ける詩暢は、自分の手の中に残るものが札との繋がりではなく、一人ぼっちの象徴である干し柿であるイメージを払拭しようと、祖母への想いなどを整理しようと、両手を握り締めて必死な様子を見せていた。隣で、柏手を打った千早に気付いた詩暢は、千早がまだ祈っている最中に神前から移動し始める。神社の社まで続く道の中央・神道を歩く詩暢を見た千早は、彼女の持つ雰囲気は、神様の専用通路を使っても良い存在なのだと思わせるものを感じ、改めて詩暢がクイーンだと認識していたのだった。上着も防寒具も無く出てきた千早に、詩暢は自分のマフラーを戻ってきてまで無言で手渡し、千早はそれを巻いて会場まで二人で引き返す。

詩暢が着物を着るために、控室に入るのを見た千早は、周防が原田に大差をつけて勝利した名人戦の観戦を行わずに、振袖を着つけた詩暢に自分で作った襷を手渡す。襷を付けてもらっている間、その様子を意外そうに見る詩暢の母・詩穂を他所に、詩暢は千早に参拝の理由を尋ね、相変わらず原田の応援がメインなことを隠しもしない千早に少し笑う。詩暢は札一つ一つに対して、迎えに行くと言っていたのだと、千早に背中を押して送り出してもらいながら、すっきりとして表情で試合に臨むのだった。

係員の声掛けに応じて、起き上がった原田は、妻から綿の入ったズボンを出してもらい、これを袴の下に穿いて、膝を労わりながらも戦う意思を燃やしていた。

体力の温存のために、名人戦第3試合は本気で挑んでいなかった原田。そのため、白波会の応援チームにも力が入るが、その中で原田の妻だけが、状況を分かっていないのだった。

名人戦は第4試合、クイーン戦は第3試合が始まり、解説は山城今日子に変わり、魚住アナはお美しいとお顔をほころばせていた。しかし読手をしている山城が試合で読んでくれないことに、周防は子供の様に頬を膨らませて駄々をこね、それでも山城読手をキョコたんと呼んで慕っている周防は、読んでくれなくても好きと思いを込め、その思念を感じ取ったのか、山城は悪寒を感じるのだった。

試合が始まり、お互いに礼、審判に礼、読手と立ち合いに礼を済ませる詩暢と猪熊。

読手は小峰に戻り、最初から空札が連続して読まれ、原田はまだ取れる札が読まれる前にもかかわらず、札を移動し始める。これにはネット中継のコメントでも、もう移動したのかと反応を示し、新は彼ら視聴者が慣れてきている事をこれで感じるのだった。

もう一度札を移動した原田は、最初の一枚目を取り、払った札をゆっくりと取りにいく。いつもは原田のマナー違反をすぐにやり玉に挙げる北野も、原田の思考を読んで、流れを掴んだと応援していた。

原田の気迫を感じた周防は、同時に札を取った時も、審判は揉めれば名人の取りと判断した者に対しても、自分の取りだと主張する事なく原田に渡す。その姿に少しざわつく会場だったが、周防がも揉めるところを見たことが無かったと、落ち着くのだった。

それよりも原田の試合運びに絶句し始める大会関係者や北野、筑波と菫。原田は敵陣にも執着し、送り札で敵陣にも変化をもたらし、さらに自陣も良く動かすと言う手法を使い、彼が弟子たちに口を酸っぱくして言ってきた暗記の大切さを、自分自身のかるたで証明しているのだった。

中継はずっとクイーン戦ばかりを移し、詩暢が持ち直したことが分かった新は、名人戦が見たいと不満を感じ始める。そんな詩暢は、札との繋がりを取り戻しているように、送り札も絵札の人物と会話をするように決定し、この事に桜沢は気づいて唖然とする。詩暢の音のしない正確な札さばきに、桜沢は札ガールとしての仕事を、結川に声を掛けられるまで気づかない程見とれてしまい、クイーンになる人物との差を感じてしまう。

新は従兄の基からおかゆを運んでもらい、布団の上でこれを食べながら観戦を続けていた。画面が名人戦へと移り、原田の試合運びを見て、原田がすさまじい集中力を見せていることに気付く。

周防に対抗するために、ずっと考えてきた原田は、千早から周防は陣の橋にある札が見えていないのではないかと言う印象を伝えられ、臨床眼科や神経眼科の本を読み、全ての特徴を利用したうえで、嫌なかるたを展開してさらに攻める作戦を実行していた。原田は札を取りに行く間に妻を見て、陣に戻っても彼女から貰った座布団を手でなぞり、喜ばせたい相手がいるのだと、さらに気合を入れる。そんな原田を見た周防は、珍しく一筋汗をかいていた。

テーブルに持ち寄られたお土産と、空になった湯飲みをそのままに、周防兼子は名人・クイーン戦の中継を行っているチャンネルを探しているのだった。

 

ここから感想

ああ、周防自信が陣の端が見えていないのと、電話で言われていたゆきこちゃんが60インチのテレビの真ん中30㎝四方しか見えていないのって、ゆきこちゃんが画面に近づき過ぎていると言うギャグで無ければ、視野の欠損があるのね。なるほど、だから周防が日頃から耳を大事にして、目の事があるから引退を考えるのか。なんか引退の件は納得できたな。

で、詩暢も落ち着きを取り戻した上に、千早との繋がりも確認できた様でなにより。たぶん作ってきた襷って、千早が限定品だと言っていたダディベアの手ぬぐい?を割いて作ったのではと考えると、試合後に二人で話す時間が有れば良いなと思ってしまう。あまり見せ場が多いと胡散臭く薄っぺらくなってしまうが、やっぱり詩暢の交友関係として、ここは表現してほしいな。

そして、詩暢の祖母と周防の祖母。二人してテレビ中継が無くなった事を知らずにいる事は結構悲劇だと思う。詩暢の豪華な着物も、テレビ放送が無いなら来年からはお値段が下がるかしら?周防一家の方も、頼っていた正君が結局役に立たないと言う有様なのは、親戚との意思疎通が難しいと言う点で妙にリアルだったのが、ちょっと面白かった。

さて、来週には決着がつくだろうか。というか、第2試合の段階で、名人戦が原田連勝、クイーン戦が詩暢1勝ち猪熊1勝なのに、挑戦者が後1勝で現役が陥落って…何勝すれば勝利なのか、勝利条件が分かっていないことに気付いた。これ、どういうことだったっけ?

 

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