はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第14話「あひみての」

新の、かるたしよっさが聞けたので、周防の真似をしていた千早に気圧された形で、新のかるたを頭に入れていた太一が、思わず同じことを口走ったのも、あながち間違いでは無かったな。

 

今週の内容

永よ名人で祖父でもあった綿谷始を思わせる新のかるたに、歳の事も忘れてがむしゃらにかるたを取っていた若かりし頃の様に身体を動かしていた原田は、ここにきて膝の痛みを感じて現実に引き戻される。さらに窓の外には現名人の周防が、こちらをあくびをしながら見ていたこともあり、原田は闘志を呼び覚まして、定位置に戻ろうと立ち上がる。

立ち上がった状態で改めて新を見た原田は、若者の思うように試合運びを委ねてしまっていたことに危機感を感じ、怖いと評価しながら、その場の空気を集めてぱくっと飲み込む動作をする。

周防と公園で話をしていたため、窓の外から試合会場を見ていた千早。原田が立ち上がり、新に向かい合う様を凝視する勢いで見ていた彼女に、一目ぼれしたのか、公園からの道すがらで、彼氏がいないことを確認していた周防は、嫁だとばかりに自分のマフラーを巻いてやるのだった。

我に返った原田は、新を始の物まねをしているだけだと思い込んで、試合を再開しようと試みるが、膝の痛みで集中できず、さらに新に自分の陣の右側の札をとられてしまう。それでも何か勝つ方法は無いかと考える原田の姿に、太一はそこまでしてかるたに掛けられる物なのかと、以前、原田から言われた言葉を思い出していた。

翠北会の北野も、原田のかるたに対する熱意を見てきた1人として、これまでの経緯を思い出していた。原田が名人に初めて挑戦したのは26歳、実力も感じの良さも兼ね備えた時であったが、医大での研修期間のためにかるたの練習ができずあえなく敗退。その後は赴任先に恵まれず、かるたの練習ができない環境に身を置き、37歳で東京に開業して戻ってきた時には、耳の良さは陰りを失い、全盛期にはあった素早い動きも、若者にはかなわないものとなっていた。

原田は第一試合にも増して、上体を前に出して新をけん制しつつ、空札でも腕を伸ばして新の右側の陣を狙う姿勢を見せる。そんな相手に、新も狙われている陣の札を動かすかどうかを思案するが、今は祖父の始の試合運びを意識している事や、陣にある決まり字「ちは」と「ふ」の得意札が二枚もある事から、そのまま動かさない事にする。

原田の攻め姿勢はとうとう原田自身が転ぶほどになり、そこに札の攻防が加わると、新に身体が当たるほど盛大に転ぶことになる。膝の痛みから、中々起き上がれない原田を見た新は、自ら札を取りに立ち上がり、原田の分をまとめて差し出すのだった。

そんな新の行動を見た原田は、先生の顔に戻って新に礼を言い、新も照れ臭そうに口を引き結んでいた。

原田自身は、全盛期に思う存分戦えなかったことに愕然としつつも、才能だけでかるたを取るわけではないと考え直し、耳の良さに頼らないかるたの取り方を模索し始め、白波会の方針を決定していた。

試合を見ていた千早は、周防の問いかけにも気づかない様子で、ふらりと窓から離れて歩き出していた。

空札へのお手付きを疑われても平然としているなど、原田らしい強気な態度も戻ってきて、彼に四連取された新は、完全に原田のペースに飲まれてしまっていることを自覚する。そんな試合の状況の中、千早は原田が札を取りに行く間に会場に戻り、太一と菫の後方に座る。

原田は、教え子たちが今年こそはと必死に応援する中、究極的に最後は読手と二人なのだと、読まれた札に反応する。

読まれた札は空札で、これを新が払ってしまった事で勝負は原田の勝利だと宣言される。喜ぶ白波会の弟子たちの中で、千早は太一も泣いているのに気付き、自分も思う存分喜んで泣くのだった。

試合の読手をしていた牧野は、試合が始まるまで原田に因縁を感じていたが、努力の成果を原田に認められていると言う事を知り、試合後は原田に、率先して手を貸していた。

表彰式のアナウンスが行われ、粗方泣き止んだ太一は、隣で水溜まりを作るほどまだ泣いている千早を見て、一瞬引き、さらに彼女がマフラーをしていることを指摘すると、現名人の周防から借りたと言うので、すぐに返そうと、千早からマフラーを取って会場の外へと蘇芳を探しに行くのだった。

太一と話した事で、だいぶ泣く勢いが収まった千早は、一人心の内で敗因を考えていた新に話しかける。

千早に「ふ」と「ちは」を教えた時のことを思い出し、その札は自分が取るのだと自陣の右下段に留めておいた新だが、その執着が敗因だと考えていたところへ千早本人から声を掛けられたため、寝転んでいた姿勢から瞬時に姿勢を正す。

千早に、自分だったらどうするのかと問いかけた新は、手に入れたいものほど手放すという千早の答えに、出会った頃からどこまでも真っ直ぐな彼女を自分は好きだったのだと思い出し、思わず手で顔を覆ってしまう。彼の顔が自分の角度から見えなくなってしまったため、千早は自分の意見はどうだったかと言った様子で、新の顔を覗き込むように上体を大きく傾けていた。そんな彼女へ、新は顔を覆っていた手を外し、笑顔で好きだと伝えたのだった。

丁寧に頭を下げつつ、大学は東京の大学を受けるつもりだから一緒にかるたをしようと伝えた新は、ようやくここで赤面し始め、逃げるようにその場から去って行ってしまう。新の突然の告白に、千早は反応することもできず畳に倒れ込み、その様子を一部始終見ていた奏と菫は、立ったまま外へと逃げる新を見送るのだった。

一方、千早が周防から借りたマフラーを返すために走っていた太一は、公園の近くで周防を発見する。

子ども用のボールが頭に当たってしまった周防は、ボールで遊んでいた猪熊暉が謝り、ボールを取りに来ても特に何も言わずに対応していたが、気に入っていた千早に渡したマフラーが、太一の手によって自分の手元に戻ってきたことについては質問を投げかける。

強くなれないと嘆くのは青春の全てを掛けから、という原田の言葉を思い出した太一は、青春どころか人生をかるたに掛けている自分の師に習い、周防に千早の彼氏だと名乗り、ちょっかいを出すなとくぎを刺すのだった。

失恋した離婚したと泣きながら走り去る周防を見送り、少し恥ずかしそうにする太一に、今度は公園で子どもたちを遊ばせていた猪熊遥が、表彰式はそろそろかと声を掛け、先ほどのやり取りはカッコ良かったと、コメントもつけて寄こす。聞かれていたのかとさらに恥ずかしくなった太一は、口元に手の甲を当て、秋風にしばらく当たるのだった。

表彰式が終わり、それぞれ知り合い同士で固まって談笑する会場内で、村尾は新に試合で得たものは有ったかと尋ねる。素直に自分には無いものを列挙する新に、村尾は彼の背を叩き、次は負けるなと励ます。

開場に千早がいないと、西田が大声をあげて彼女を探していたが、新に告白された事を処理する為か、千早は会場の外に出て呆けた顔をして座り込んでいたのだった。

自宅で練習をしていた若宮詩暢は、家の電話が鳴ったためすぐに対応していた。しかし電話の相手が周防だと知ると容赦なく受話器を置き、通話を切る。そう言った事が後二度続き、4度目になって、詩暢の方から価値がある事なら聞くと折れるのだった。

講師をしている塾の前の歩道で、いつも通りの詩暢の態度に泣きながら電話をしていた周防は、挑戦者決定戦の勝者について、新が負けた事を話す。驚く詩暢に、果物の甘さに例えて挑戦者はお互いに年上のベテランだと説明し、詩暢も気を付けるようにと注意を促す周防。しかし詩暢は周防の言葉が途切れると同時に、不快なものを聞いたと表現するように通話を切る。

詩暢に電話を切られた周防は、特に反応を示すことなく電話を見つめ、塾に通う女子生徒達に挨拶されてから立ち上がり、すぐ右隣りに駐輪されていた自転車に足をぶつける。挨拶をしていた女子生徒二人組は、歩き去りながら周防がサングラスをしていないことを話題にしていた。その他の塾の生徒も、周防がセンター試験間近の講座は休むことや、授業は分かることなどを口々に話し、講師としての周防がとる異色な行動を噂しているのだった。

そんな周囲の声には何も反応を示さず、千早に課したマフラーを鼻元に持っていき失恋を噛みしめた周防は、詩暢に対して、次の年には千早もクイーン挑戦者の決定戦に出ると言っていたことを思い出し、そのまま何事かを考えていた。

周防からの電話を切った詩暢は、また練習を再開していたが、全日本高校選手権で新に負けた時の、一人で練習して強くなった自分と、名人を祖父に持ち、周りに人がいる中で頭角を現し始めた新とを比べる周囲の声と、周防の注意を促す声を思い返し、気持ちは確実に沈んでいた。

そんな詩暢の練習を、祖母府議会議員をしている祖母が、おそらく仕事から帰ってきたばかりであろう服装で見ていた。祖母は何も言わずに、家政婦によって呉服屋を待たせている部屋に行く様に促されその場を去っていき、祖母に気付いてから詩暢もその様子を見てはいたが、彼女からも特に何か話しかけることはしなかったのだった。祖母と入れ替えに母の詩穂が詩暢に応接間で練習するなと注意し、さらに小言は彼女の髪型にまで及んだため、詩暢は耳を両手で軽く塞いでしまうのだった。

 

ここから感想

ようやく新が告白に至ったかと思えば、太一は別のところで頑張って終わり…しかも新の告白に千早は何も言えないままというこの状況は、この後どう影響してくるんだろうか。太一へは奏ちゃんから情報がいけばいいが、いくら太一を応援している彼女でも、ここまでの事を当人からではなく自分が話す事にはモラルに反すると考えるだろうから、出遅れたという情報がない事は、太一の不利に働きそうだな。

そして、白波会の悲願達成に手を掛けた形になったが、それでもベテランを軽んじることなく、詩暢にまで注意喚起した周防は、崩れてくれそうにないよな。来年も原田先生がここまで来れるとは限らないし、その辺の後の無さをどうやって表現していくのか、決定戦が楽しみ。

 

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