はちよりうえ

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ちはやふる3 第11話「きりたちのぼる あきのゆふぐれ」

 そう言えば、部活内でも白波会と翠北会で分かれてるんだったね。そこら辺を忘れてたから、見返しても筑波と菫が怒っている理由を理解するのに時間かかかった。

 

作品の内容

教員志望を表明した事で、職員室で担任の深作と面談する千早。しかし何の教科の教員を目指すのか、と言う点から決まっていない千早に、深作は気を取り直してゆっくり決めていこうと、手に持っていたノートを閉じて面談を終わらせたのだった。

部活の時間中。不調の太一に対して、全力でかるたを取る千早に対し、他の部員はやり過ぎだと青くなりながら二人の試合を観察していた。太一を元気付ける方法が分からないからと、かるたで全力を出して勝負することにしていた千早は、そうしなければ太一がかるたを辞めてしまいそうだと感じており、その不安を払拭するように首を振り、立ち上がって次の練習に向けた声掛けを行うのだった。

そんな千早に、西田は新へ連絡したのかと確認し、男子での西日本代表を最年少で勝ち取った記録もあるのだから、連絡しておけと気を回す。千早は携帯を取り出しはしたものの、少し考えて今はしないと西田の提案を断るのだった。

そんな時、千早が携帯を持っていたタイミングでメールの着信があり、予期せぬバイブレーションの振動に、持っていた本人も思わず声をあげる。西田は噂をすれば何とやらだと笑って見せるが、白波会に所属する全員にメールが送信され、その内容は緊急ミーティングがあるという呼び出しであった。

白波会へと向かう千早は、会長の原田と会うのが辛いと言って消極的な太一を連れてこそ来たが、その後ろ姿に不安を感じていた。

集まった白波会の面々に向かって、原田が言い放ったのは、自分がこのチャンスを生かして名人になるために、練習により尽力するようにと言う内容であった。自分のためにやってくれと言う原田に、会員たちはとうとう表立って言ってきたと、その熱量としつこさを知っているからこそのげんなりとした表情を浮かべるのだった。

仮想敵として、新が得意とする配置で原田の練習相手になるように頼まれた太一は、渡された配置表からすぐに目を離し、新みたいにかるたは取れないと断ろうとする。しかし原田は、東日本代表になれたのも、必要以上に膝を痛めなくて済んだのも、太一のおかげなのだた、彼の肩を掴んで説得に掛る。

原田の白波会のみんなの力を借りて強くなると言う言葉に、周りを巻き込んで前へ進む原田の姿に、太一は仮想新としての役を引き受け、千早も仮想周防の役を請け負うと申し出る。不器用な千早に、他人の配置でかるたをさせることに難色を示した原田も、名人戦に向けた練習ができると想像して、千早の申し出を受けるのだった。

西日本代表戦で調子を取り戻した新は、そのままの勢いを保っていた。南雲会の練習でもその勢いは発揮され、練習相手を圧倒していた新は、休憩時間に着信があったためにいつもの調子で電話に出ていた。電話を耳に当てて出た新に対し、相手方の千早が大声で代表決定のお祝いを言ったため、あまりの音量に驚きのあまり倒れた新。何とか持ち直して通話を再開すると、原田の勢いに乗せられた千早による、白波会が勝つという宣言タイムが続き、雑踏の中で大声で通話する千早の姿に集まる視線に対し、恥ずかしそうに立っていた太一からも、新へ応援の一言が送られる。これを聞いた新も微笑みこそしなかったが、嬉しそうにするのだった。

家に戻った千早は、周防名人のビデオを見ながら配置の確認を行い、テレビを独占する妹に対して、姉の千歳が文句を言っても気づかない程に集中して見せるのだった。

富士崎高校の練習に加わっていた猪熊は、かるた部の顧問をしている桜沢と、休憩時間を使って話をしていた。

ベテランとしてのかるたの取り方について、桜沢の意見を聞いた猪熊は何かを思い当たるかのような反応を見せ、桜沢もかつて挑戦していた猪熊との練習は本番の試合の様なものだと捉え、両者共に充実しているように感じられた。

猪熊の練習相手に指名された理音は、東日本予選での惨敗の経験からか苦手意識丸出しの表情をしていたため、猪熊は詠み手に左右される理音に対し、挑発してやる気を引き出させていた。猪熊の挑発に乗った理音は、持ってきていたおにぎり弁当からおにぎりを一つ取り出し、3口で食べ終えると気合五十分と言った様子で、猪熊との試合に臨むのだった。

日向の下手くそな読み方に苦戦する部員達を見ながら、猪熊の様子を見ていた桜沢は、全盛期から衰えを見せ始めている猪熊の耳の良さに気付くのだった。

また来週の練習に参加することを約束しながら、新幹線で帰る猪熊。胸が張る事による痛みを感じたため、トイレで処理をしようと移動したところで、彼女の携帯に下の子である迅が熱を出していると言う連絡が入り、トイレで母乳の処理をしながら、本当にかるたは大事かと自問自答し始めるのだった。

教員になるという具体的な目標ができた千早に、母の千恵子は従兄のシンジに家庭教師を依頼していた。仮想周防の役をこなしていた千早は、周防と同じく声は小さく、和菓子配りも再現したため、中学時よりも綺麗になった従妹に対し、ときめいてしまったシンジは、恋の予感を感じてしまうのだった。

原田の意向で、千早をめぐってライバル関係にある新のかるたを覚える太一。その所業にさせる方もする方もどうかしていると青ざめる翠北かるた会所属の西田と奏。そんな小声でのざわめきに対し、白波会に所属し、太一と同じく新の配列を覚えようとしている菫と筑波は、口を出すなと目を吊り上げて怒るのだった。

練習の組み合わせを決めた頃、周防になり切っていた千早が和菓子配りを始め、翠北会所属の三人はこれに驚かされる。普段の行動からなり切る千早を馬鹿だと認定する三人は、千早の圧力に押されて、福井弁を使った太一にも、バカの認定を与えたのだった。

それでも他人のかるたの取り方を覚え始めた千早と太一の練習では、お互いがなりきっている周防名人と新の特徴が現れ、千早は周防の持つ感覚の正体に気づき始め、太一は自分には無い新の考え方に気付き始める。

普段はどの部員も行わない渡り手を繰り出した太一に対し、耳の良い選手への対抗策として、掘り下げようとメモを取る駒野。さらに太一に渡り手をされて悔しく感じた千早も、周防の真似を辞めて本音が出てしまい、慌てて小声で五連覇して引退と口ずさんで見せるが、そのなりきりはどこかが違うと太一に思われる出来なのだった。

白波会の練習で、新の札の置き方についてまで細かく報告する太一。彼に対して千早は感覚的な事しか言えずにいたが、原田に周防について思うところを伝えようとする。しかし原田と太一が同時に千早に視線を向けたため言いよどみ、言葉に出すのを辞めてしまうのだった。

原田が白波会の練習場の空気を食べてみせ、皆の力を借りて強くなるという以前の言葉通りの心持ちと行動を実行する原田に、千早も心動かされて、直前の白波会の練習は終了となった。

名人位・クイーン位挑戦者決定戦は、11月24日にかるた記念大塚会館で行われ、選手たちは袴を着用しての試合となる。

明石会所属の逢坂の袴姿に、ファンクラブの三人はハチマキを揃えてカメラのシャッターを興奮気味に連写する。もう一方のクイーン挑戦者候補である猪熊も、袴の帯の調整を行っていた。いつもとは違う母の姿を見ていた上の子の暉は、母がまた一緒に遊びに行けないことを理解すると、泣きそうになるがこれを堪えて見せる。しかし、弟の迅が泣き出してしまい、抱っこしていた夫の智から、ミルクが必要だと言われた猪熊は、袴を着た状態で母乳をあげることはできないと焦ってしまう。

ミルクの支度をする猪熊だが、お湯の入った水筒を倒してお湯をこぼしてしまい、試合を控えている彼女に代わって、夫の智がお湯を貰いに部屋を出ていく。両親が慌てている様子を見た暉は、こぼれたお湯を吹き始め、その姿を見た猪熊は、迅を抱っこしながら罪悪感に苛まれる。

そんな猪熊に、母乳をあげればいいのにと声を掛けたのは、たまたま通りがかった奏の母・利恵子であった。着物の身八つ口での授乳を手ほどきし、着物の便利さを説いた利恵子に対し、迅の満足そうな顔を見て感動した猪熊に、自分の店のパンフレットを手渡した利恵子は、猪熊に着物のプロとして認識され、さらに奏との会話から、利恵子も母であることを知った猪熊は、クイーンになると言う決心を改めてするのだった。

会場では、選手として参加しなかった後悔を感じて、座布団の上で伸びをする猫の様な体勢になっていた千早。最初から持っていた夢はクイーンになることなのだと、改めて感じていた千早の頭に、選手としてい袴を着つけた新が指で少し触れ、お互いに名人・クイーンになる夢に向かっているのだと視線を合わせて確認し合う。

次々に選手たちが集まり、これから挑戦者を決める試合が、三本勝負で行われるのだった。

 

ここから感想

試合は始まらず、その前段階の盛り上げ回だった。

今まで描いていた新とは違い、恵夢について取り上げられなかった事が気になる。試合の間に回想でもあるのかな?

ティーンズとは違い、何かと体や時間的制約が多い大人たち側では、大人げなさを前面に押し出していた原田に対し、お母さん選手として苦悩していた猪熊の方が、印象に残ってしまうな…。原田の描き方も、白波会全体をチームとして考える事で、原田の我儘な部分を和らげるのは良いと思うけれど、それには太一の原田と会いたくないから、仮想新役を引き受け、新を応援するという、気持ちの流れと、原田との師弟関係をもう少し明確に表現してくれないかなと感じてしまった。表現に幅があるのは良い事だけど、太一の心の内が曖昧すぎると、原田の芯になる部分がより分かりづらい。できれば、キャラが努力する理由なんかは、雰囲気だけで分かった気になりたくないんだよな…。どこかの表現を拾い損ねてたかな。

 

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