はちよりうえ

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この音とまれ! 第14話「一歩前へ」 感想

 

1クールが中途半端と言うか、演奏と一緒に終わらせられたため、2クールの始まりから最終回みたいな盛り上がり。待った甲斐がある作品と言うのも久しぶりな気がする。

 

作品の内容

邦楽祭で初めての大会に参加した愛たち一年生と今年入部した妃呂。緊張のあまり注意散漫になった妃呂が、荷ほどき場所で琴を倒してしまったために、琴を守ろうとするさとわを庇い、愛が右手を負傷してしまう。

本番を前に、最後の練習時間が迫る中、負傷に気付いた顧問・滝浪が、愛を呼び出して出場停止を告げるも、愛は自分だけ外で見ているのは嫌だと、手の負傷は問題ないという事を見せつけるために、ワザと右手で滝浪の進路を塞ぐように壁を殴りつけて見せた。愛の意志は確認した滝浪は、たまたま聞いていた部長・武蔵に愛の出場の判断を委ね。武蔵は愛の身体の事を思えば、ここは出場を辞めさせるべきだと悩んでしまう。

そんな、武蔵が苦悩する中、愛は負傷を隠し、お腹を壊したと言い張って本番に集中するために、直前練習に現れなかった。とうとうステージに琴を運び込む段になり、愛が現れないことに動揺し始めた部員達をみて、武蔵は潮時かと皆に話をしようとしたところ、愛が合流し、一人が欠けても嫌だという全員の想いを選んだ武蔵は、ケガの事には触れず、時瀬高校筝曲部全員で、本番に挑むことにするのだった。

演奏は、愛がケガの痛みでバランスを崩し、他の部員にも動揺が及び曲全体がバラバラになっていってしまう。しかし裏箔を取る事が苦手だった光太が、このままの状態で終わるのは嫌だと執念を見せ、今度は次第に持ち直していく部員達。その中には、実力者として他の部員を導かなければならないという考えに陥っていたさとわも、全力で演奏する事が自分には求められていたのだと気づき、他校の実力者も目を見張るほどの音色を奏でたのだった。

演奏が終わり、前半との差に驚かされて静まり返る聴者たちだったが、自然と拍手が沸き起こり、次に演奏する珀音高校の部員達に動揺が走るのだった。そんな中でも、良い演奏が聞けた喜びからか、珀音高校の男子生徒・澪は大笑いし、注意した部長には今までで一番良い演奏ができると、高揚したように話す。

明陵高校の桜介は、愛の音が想像と違った事や、音色の深さなどを危険視しつつも、その表情は高揚で笑みを浮かべている。演奏前に愛に中学生と間違われ、ひと悶着起こした永大附属高校の千太郎も、相棒の晴が時瀬高校の演奏を素直にすごいと褒める言葉に思わず同意していた。審査員も、良く持ち直したと満足そうなコメントを口々に言い合い、ようやく喧嘩から足を洗い、琴に打ち込み始めた愛の演奏を見に来た、友人の哲生と愛の叔母・衣咲も喜ぶ中、一人良い演奏を聞けた高揚感とは別の感情を持っていたのは、さとわを勧誘していた、姫坂高校のかずさなのだった。

ステージから琴を運び終えた愛達。そこで、ケガをさせて迷惑をかけた愛と、ケガを知っていながらもそれを黙秘し、出場させた部長の武蔵、さらに自分を庇った所為で愛がケガをしたのだと演奏中に気付いたさとわの三人が、同時に謝罪の言葉を発した。

その三人が何を謝っているのかと妃呂が聞いてきたため、愛のケガの原因は、妃呂が緊張のあまり琴の扱いを誤って倒したことが原因だったことを思い出し、これを知ると彼女はひどく気にするだろうと言葉を選ぶ武蔵とさとわ。しかし愛は、そもそもケガがバレているとは考えず、全員に対して言っていた「お腹を壊した」という言い訳を使ったため、武蔵とさとわも彼の話に乗っかる。

しかしその微妙な空気を壊して、顧問の滝浪は愛の手の怪我を指摘する。全てを話すつもりかと焦る武蔵を他所に、滝浪は愛のお腹を壊した言い訳を繋げ、トイレで出場停止を言い渡した事と、そのことに反発した愛が手を壁にぶつけた件だけを皆の前で話し、愛の怪我は駄々をこねて自分でぶつけたことになる。

サネ、光太、みっつの三バカにバカにされ、無事な左手で鉄拳を食らわせる愛が治療に向かい、さとわも自分の琴の片づけを終わらせて席を離れる中、愛の怪我は自分が琴を倒した所為ではないのかと武蔵に確認する妃呂。しかし武蔵は言葉には出さず、愛のケガの完治と、また全員で合奏しようと笑うのだった。その態度に妃呂も感づき、思わず口元を引き締めて頷いて見せる。

救護所で全治一か月を言い渡された愛。そして、荷ほどき場所を離れたさとわは、愛のケガは自分を庇った事にあると感じ、謝るために愛の好きなイチゴ味の飲み物やお菓子を買い求める。しかし、目的の愛を見つけるも、自分が話しかける前に姫坂女学院のかずさが愛を呼び止め、演奏のひどさや、さとわの音が変わってしまった事についての文句を言い始めたため、思わず柱の陰に隠れてしまう。

かずさの言葉から、自分の音が変化している事、下手になったと言われたことに、思わず滝浪から以前指摘された「下手な奴と弾くと、お前も下手になる」という言葉を思い出すさとわ。しかしかずさが褒めていた時の自分の音は、母に認められない孤独から生まれたものだと自覚していたさとわは、母に言われた「音が凶器の様だ」という拒絶の言葉も思い出し、孤高の様な、そういうつもりで自分は弾いていないというもどかしさに駆られる。

そんな、暗い感情を抱いていたさとわや、さとわの音を変えた事に怒りを露わにした上総に対し、愛はさとわの音は優しくなったのだと否定し、自分は今の音の方が好きだと言ってのけたため、かずさは音の好みを聞いていないと吐き捨てて立ち去ってしまうのだった。

愛に怒りをぶつけたかずさだったが、彼女自身も、さとわが下手になったとは感じておらず、愛に怒鳴ったのは、さとわを変えたのが自分では無かったという嫉妬心からであり、その感情は自分自身で理解していたのだった。

愛とかずさのやり取りを見ていたさとわは、愛によって見つけられたため、顔は見ながらでは無かったが、最初の目的であった「倒れた琴から庇ってくれた事への感謝」以上に、「自分の音を好きだと言ってくれた事への感謝」を述べる。

さとわの言葉を受け取った愛は、自然とさとわの頭を撫でようと手を伸ばすが、そこへ三バカが来たため、さとわは菓子袋を渡して慌てて立ち去り、残された愛は大事そうに菓子を独り占めするのだった。

審査員が迷いながら順位を決定し、いよいよ結果発表が近づく中、愛の後ろに陣取って愛に視線を送る他校の男子生徒にたじろぐ武蔵。あまりにも得体の知れない存在に、愛も自分の知り合いでは無いと視線を合わせようともしなかったが、他校の男子生徒・珀音高校の澪は、愛の名前や連絡先などを聞き出そうと話しかけてくる。

発言に異常な執着を感じ、気味悪がる愛に対し、澪は琴の音の話をし出し、さとわの音は長い年月を琴の鍛錬に励んだ結果だと評価し、逆に愛の音はつたない中に気になるものを見つけている澪。しかし話の途中で、澪を連れ戻しに来た詩が声を掛けたため、澪と詩はそのまま愛たちの後ろの席で結果発表を聞くことになるのだった。

各都県の優秀校の発表が始まり、東京都は明陵高校が選ばれ、泉朝乃は幼馴染の桜介に喜んでピースを送る。しかし選ばれて良かったと安堵する桜介は、微笑み返しはするものの、彼自身はどこか喜びの感情とは異なったものを抱えている印象であった。

茨城県の優秀校は永大附属高校となり、千太郎は思わず後ろに陣取る時瀬高校に向けて、どうだと大声をあげて喜ぶ。

その後も各県の優秀校が発表され、神奈川県の順番を待つ時瀬高校、姫坂女学院と珀音高校の面々。最終的に選ばれたのは珀音高校であり、当該校の生徒たちは大いに喜び合う。

選ばれなかったショックと、先ほどまで愛に絡んでいた澪がその珀音高校の生徒であった事を会話から察した武蔵と愛は、思わず振り返り、澪はこれで名前を教えてもらえるかと、微笑みながらまた同じ問いかけをする。一方神奈川代表を誇りにして、全国制覇を目標に掲げていた姫坂女学院でも、かずさは無名の高校に負けたという事実を呆然としながらも認識していた。

さらに珀音高校の快進撃は続き、邦楽祭の最優秀校に明瞭高校と名前を並べることとなり、明陵高校の桜介は同等の扱いを受ける珀音高校の存在に危機感を覚えるのだった。

邦楽祭が終わり、それぞれに帰路に就く面々。哲生と衣咲は愛たちに声を掛けずに帰り、永大附属高校の晴は時瀬高校と友人になりたいと探していたところを、千太郎に止められる。琴をやっていればまた会えると言い切った千太郎は、関東トップにもなれなかったと悔しがりながら、晴と共に帰っていく。

負けた事でまた強くなれると前を向いた姫坂女学院のかずさと、いまだに愛を追いかけていきそうな珀音高校の澪。そして会場を出ようと歩いて行く時瀬高校のメンバーを見て、明陵高校の桜介はこれから面白くなると、同年代のライバルの誕生に微笑むのだった。

会場を出たところで、武蔵が部長としてねぎらいの挨拶をしようと声を掛けると、サネやみっつから、やはり無理だったという後ろ向きの言葉があふれ出る。それを否定しようと、ベストを尽くした、自分たちまで否定することは無いと強い言葉を発する武蔵だが、共に演奏した彼にはここまでしか言うことができず、これ以上の言葉を望んでいた時、顧問の滝浪から声がかかる。

最初こそ、「ミスをしたのだから結果はしょうがない」と言うものに始まった滝浪の話は、そんな中でも光太が持ち直すきっかけを作り、全員で持ち直すことができたことを評価し、ベスト以上の演奏をしたのだと、部員達全員を褒めるだった。

思った事しか言わない滝浪の言葉を得て、悔しさとさらなる上達を泣きながら訴える部員達。

全国に行こうと改めて目標を掲げ、滝浪に認められたという自身も持った時瀬高校の筝曲部は、邦楽祭の会場から、全員で帰り始めるのだった。

 

ここから感想

相変わらず、大会の結果発表に加えて、かずさのあこがれの人を変えられた嫉妬心や、彼女に引きずられたさとわが感じた「自分が選んだ環境」によぎる一瞬の不安感。さらには妃呂の、口には出さないけど察してしまった自分の失敗の代償等々、各キャラがそれぞれ出てきては、1クールからの積み重ねで乗り越えていく様子は見ものだった。

これだけでもすごいのに、千太郎の調子こいてしまった感じや、澪の存在感などをギャグを交えて表現していくのだから、時間配分の正確さはさすが。

今回の話で、顧問の滝浪も部活の一員になれた時瀬の筝曲部は、今後の練習はさらにハードになっていきそうだが、確か大会が冬にあるとか仁科楽器の婆さんが言っていなかったか?それに合わせて練習していくのだろうか…?それよりも前に、EDに出ていたボブカットの知らない女の子の話をお願いします。あれは誰ですかい?

 

 

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