はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

この音とまれ! 第15話「きづき」 感想

しばらくは大会も無いから、恋愛の話なのね。そう言えば、このクール始まってから、琴を弾いているシーンがない…。

 

作品の内容

邦楽祭では何の賞も得られなかったと、朝練の無いにもかかわらず、筝曲部の部室に足を運ぶ愛。しかし顧問の滝浪がもっと上手くなれると発言した事もあり、気を取り直して部室に入ると、既に部長の武蔵が先に来ていたのだった。

夏休みは琴漬けだったため、何をしていいか分からないと、結局部員全員が集まってしまった筝曲部。そこへ滝浪が顔を出し、人前で演奏する事に慣れるため、まずは学園祭の演奏用にと、流行曲のメドレーの楽譜を渡していく。

顧問らしい滝浪に武蔵と妃呂が感激している中、楽譜を覗いたさとわは、流行曲で、しかもそれらをメドレーにした琴用の楽譜が、良く見つかったなとつぶやくいたため、滝浪は自分で作ったのだとこともなげに答える。楽譜の作成だけでなく糸譜まで滝浪が理解し、楽譜を作ってきたことに驚く武蔵と妃呂、そしてさとわ。一体何者なのかと武蔵が質問するが、滝浪は渡した楽譜でのパートについて、十七絃をリズム感とパワーを出せるサネにするよう指示を出し、さらに夏休みの課題を終わらせるよう忠告して去っていってしまう。

武蔵は、部に対して無関心だった滝浪が、楽譜作りまでして指示するようになったことに変化を感じていたが、それを噛みしめる暇もなく、愛達が課題の存在も認識していない事態にさらされ、その絶望的状態に青くなる。

愛達、もとい「基本おバカな一年生男子」達を連れて、最強の秘密兵器・哲生の家を訪れる武蔵。哲生のおかげで時瀬高校に入れた。入試トップ合格という哲生の勉強ができる面を聞いていた武蔵だったが、愛達が数学の教科書を一瞬で閉じる様や、三十分後には集中力のかけらもない状態を見て、哲生一人では手に負えないという状況を目の当たりにする。しかし哲生は、そんな状況でも愛達の単純な性格を利用した焚きつけ法を身に着けており、やる気を出して勉強を始めた愛達を見ながら、武蔵はこんなのも悪くは無いと思うのだった。

夕方になり、夕飯の支度を始める哲生。手伝おうと台所に向かった武蔵だが、愛が勉強を見てくれる相手がいないと進まないと武蔵を呼びに来てしまう。

愛の武蔵の呼び方が、相変わらず「メガネ」だったため、先輩に対する態度がなっていないと哲生が愛を注意するが、武蔵は入部したての愛が「先輩」と呼んでくれたことがあったとフォローを入れ、愛は照れからか悪態をつく。しかし愛も武蔵の事を部長らしいところがあると認め、さらにさとわが破門されていることを打ち明けた時、武蔵が「話してくれてありがとう」と言葉を発したことについては、すごいと思ったと素直に話すのだった。自分の事を認めてくれたと泣き出した武蔵に、愛は逃げ出すようにその場を離れていったため、今度は哲生が、愛が立ち直る場所を存続させた武蔵に対して感謝をし、武蔵は感極まって泣いてしまうのだった。そんな哲生と武蔵の会話を聞いていた愛は、自分の事を部員として受け入れて、仲間として認めてくれていた武蔵の言葉を思い出していた。

夕食に哲生が作ったカレーを食し、その中で明日もカレーを食べるから泊ることが決定する。

食後に、哲生から顧問の滝浪涼香が、世界的指揮者と天才ピアニストの子供だと聞かされた武蔵は大層驚き、愛達はその両親がどれだけ有名なのかもわからずにいた。育った環境からして、音楽に囲まれていただろうから、耳は肥えているだろうという哲生の言葉に、改めて自分達の演奏を滝浪が褒めてくれた言葉を噛みしめるみっつ。音楽を知る顧問にも、認めてもらえたことを自覚した愛達は、ますます課題を終わらせてしまおうとやる気を出すのだった。

9月1日になり、痛めた右手を休ませるため、段ボール琴での練習を耐えた愛は、完治したと包帯が取れた手をかざして喜んでいた。しかし哲生はケガをしてからまだ2週間だとツッコミ、登校したさとわも調子に乗るとぶり返すと注意するのだった。

夏休み中はずっとポニーテールをしていたさとわが、髪を下ろしているのを見た愛は、思わずそのことを指摘する。さとわも、まさか髪型の話を振られるとは思っていなかったらしく、動揺し、何か悪いのかと可愛げなく返してしまう。そんなさとわに、愛も特に気にするでもなく「どっちでも良い」と返したため、さとわは機嫌を損ね、女心を理解していない愛に対し、哲生は思わず視線を逸らすのだった。

2年の教室では、文化祭の出し物と係決めが行われていた。ここでも買い出し班として一緒になった武蔵と妃呂。同じ係になった男子の顔ぶれを見た佐伯深優は、さっそく地味だと不満を漏らし、注意した妃呂にも、以前は武蔵の事を「撫子ちゃん」と呼んで、バカにしていただろうと切り返す。そのことを当の武蔵の前で話され、申し訳なさそうな表情で謝る妃呂に、武蔵は妃呂が入部してから今までの中で言われた言葉を考え、思わず笑ってしまう。

他人の関係を壊すことを楽しんでいた妃呂と、今の妃呂は変わったことを知っているからと微笑む武蔵に、妃呂は思わず泣きそうになり、その反応を見ていた深優は武蔵の事を好きなのかと妃呂に話し掛けようとしたため、さすがに空気を読めと、地味メンと貶されていたもう一人の男子生徒に止められるのだった。

昼休みになり、屋上でお互いの学園祭の出し物について話す愛達。愛と哲生のクラスは和風カフェに決まり、愛がイチゴ大福をメニュー案として出したために、不良キャラの愛とのギャップにクラスがざわついたというエピソードも交えてサネ達に話す哲生。サネ達のクラスはお化け屋敷に決まり、哲生は3バカと愛が普通に学園祭に参加する日が来たのかと、感慨にふけるのだった。

クラスの出し物の他に、部活での演奏もある愛達。サネは、滝浪から渡された学祭用の曲がカッコ良いと話し、光太も幅広く音楽に触れて音楽性を養うために、CDを大量に持ち込んだ滝浪の話を出し、両親だけでなく滝浪自身も音楽に関して凄い先生だと認めるのだった。そんな話を聞き、哲生は愛達がまた部活で忙しくなるのかと返し、ご飯は食べに行くから寂しがるなとからかう愛に、その必要は無いときっぱり断るのだった。

ところ変わってクラスの女子達と昼食を取るさとわ。愛が学祭のメニュー決めの時に、イメージに合わないイチゴ大福を提案したことについて盛り上がり、意外と可愛いという評価に戸惑うさとわ。さらに筝曲部に好きな人がいないのかとか、自分は夏休み中に他校生の彼氏ができたという報告があがり、普通の女の子の会話について行けないと青くなるのだった。

部活の時間に入り、女子の会話について行けない自分は、ズレているのかと、妃呂に悩みを聞いてもらうさとわ。しかし妃呂は、そんなさとわが可愛いのだから、そのままで良いといつもの調子でさとわを愛でるのだった。それでもさとわが、妃呂にも好きな人がいるのかと質問したため、数泊の間をおいて何とか「いない」と答える妃呂。その間に何か違和感を覚えたさとわだったが、サネが十七弦の練習を早くしたいと入室してきたため、彼の指導に応えることになる。

さとわは、サネとのやり取りの中で自分が落ち着くことに気付き、やはり好きなものに打ち込むこのノリが、性に合っているのだと考えるのだった。

さとわに好きな人の話を振られた妃呂は、その後も武蔵の事が気になってしまい、文化祭の買い出し係で一緒に出掛けることになっても、少し間を開けて武蔵の後ろからついて行く程に、武蔵に近づけない状態になっていた。

考えれば、武蔵を鼓舞するために部屋に二人きりと言う状況もあったと、妃呂が思い直していた時、知り合いから声を掛けられる。

妃呂に声を掛けたのは、中学時代に妃呂が人間不信に陥った原因となった美波と、その当時妃呂の彼氏だった尚哉だった。いまだに妃呂の事を責める口調の尚哉に、彼と美波には何もしていないと否定する妃呂。しかしその言葉も尚哉は聞かずに話を続けるため、武蔵は急いでいるからと、妃呂を庇う様にして立ち、彼女の手を引いてその場から離れる。それでも尚哉が武蔵に、妃呂について注意するようにと言ってきたため、武蔵は怒りのこもった目で睨んでから、「あなたよりは人を見る目があるので大丈夫だ」と、微笑んで見せるのだった。

あっけにとられた美波と尚哉から離れ、買い出しに戻ろうと手を離した武蔵の後姿を見ながら、妃呂は彼に惹かれている自分を止めようと、高鳴る鼓動に鳴るなと言い聞かせるのだった。

一年の教室でも学際の準備が進められ、メニューを書いていたさとわに話しかける愛。さとわの書いたメニューの絵が、茶碗は台形、イチゴ大福はかまぼこ型の半円形と言った具合だったため、画伯だと笑う愛。その笑顔に思わずクラスの女子が意外だと言う声を上げ、さとわは思わず段ボールで愛の顔を隠してしまう。

自分の行為が、自分でも何故そうしたのか理解できないと動揺するさとわだったが、今度は愛がメニュー板の歪みを直そうと体制を変え、釘が出ている部分に膝を下ろそうとしたため、愛の動作を止めようと前に体を出した結果、さとわの瞼付近に愛の口が当たると言う事故につながってしまう。

動揺し、悪気はなかったと弁明する愛に、自分も急に前に出たからだと答えるさとわだったが、何故だか涙が出てしまい、逃げるように教室を出ていくのだった。しばらく廊下を走り、混乱した気持ちを抑えるようにうずくまるさとわ。その一方でさとわを泣かせたことに驚いた愛は青くなっていた。

武蔵を意識してしまう妃呂や、愛との接触で動揺するさとわ。しかしサネ達はそんなことはつゆ知らずにお化け屋敷の仮面づくりを楽しんでいた。

 

ここから感想

1クールで、妃呂が悪さして男女関係がこじれた人間には、ちゃんと謝罪したからこの問題は終了としないのは、この作品ならでは。まぁ愛も、こういった過去から来る罪の意識にはだいぶ追い詰められていたしね。妃呂の恋の話をする今期も、この話は出てきて当然だね。

それでも自分の過去の悪口や、人間不信になった原因の深優と対面させられても、謝るべきところは謝罪し、自分の非が無いところは主張していた妃呂は、本当に理想的な対応の仕方をしていた。これは武蔵も一緒で、妃呂が部活にちょっかいを出した時は怒り、それでも理由があるなら聞くと言う態度を、後輩達の前でも崩さなかったために、今の妃呂との関係が生まれるきっかけになったんだよな。

そして、女子高生らしく愛を意識して慌てふためくさとわ。これは彼女の音楽にも人間性にも奥行きを増す良いきっかけとなるエピソードなのだろうけど、彼女の場合は恋愛経験が無いのと、相談できるのが妃呂だけという非常に狭い関係の中で、今後も戸惑うことになりそう。もう少し、クラスメイトとのシーンが増えれば良いのだろうけど、それはそれで描くのが難しそう…どうやってこの子の恋愛の話を収めていくんだ?

 

 

にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ