はちよりうえ

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ちはやふる3 第13話「ふりゆくものはわがみなりけり」

 千早と周防がどうやって公園まで移動したのか、その様子が気になる…。まさか千早が周防の持っているどらやきに、つられたわけじゃないよな?

 

作品の内容

名人戦決定戦の第一試合は、白波会の原田が勝利した。しかし第二試合を棄権すると言う原田に、翻弄される新。そんな新に耳打ちをして、頑張れと言った風にこぶしを胸のあたりで握って見せた千早。そんな二人のやり取りを見ていた太一は、同会であり師でもある原田が、新に勝つと言っていた千早が、敵に塩を送っている事に注意する。しかし千早は全力を出して戦ったうえで、名人に挑むものだと真面目な表情で返したので、太一は言葉を失くしてしまうのだった。

二試合目を棄権した原田の行動に、大会の係員たちは考え方によっては、作戦としても良いものかもしれないと囁きはじめ、原田の自分勝手な行動に怒りを覚えていた翠北会の北野は、根本的なマナーがなっていないのだと怒鳴って、原田を擁護する流れを断ち切ろうとする。

第二試合の読手である五十嵐は、原田が二試合目を棄権した事を気にも留めず、むしろクイーン位決定戦のみとなった第二試合を、女性陣の為だけに読めると喜んでツイッターに投降していた。

試合の合間の休憩時間という事で、恵夢はハチマキを一度とっていた。そこで、いつもは恥ずかしいからと見えない様にしていた文字のある面が、表に出ていた事を知り慌てふためき、その様子は恵夢のファンクラブの三人によって、カメラに収められていく。

若者がそんなことをしている横では、公園から戻ってきていた息子の暉から、窓越しに花を貰った猪熊。最初は、ままごとの様に、自分の事を女王様と呼んだ暉に戸惑っていた猪熊だが、我が子の気持ちを受け取り、こめかみに花を二輪指して見せるのだった。

子どもからの応援を受けっとっている猪熊を見た恵夢は、対抗心が芽生え、ファンクラブの三人がしているハチマキを津案ぎ合わせて襷にし、さらに文字の部分が見えるように使用すると言う、普段の彼女からは考えられない行動に出る。そんな相手を見た猪熊は、応援してくれる人がいる自分たちは幸せだと、思わず口に出していたのだった。

クイーン位挑戦者の二名が、応援者の気持ちを背負うと言う形に会場がざわつき、千早もああいった風に試合がしたいと、興奮気味に太一に話していたが、ふと、窓の外の見学者たちの中に、周防名人がいる事に気付くのだった。

原田が体力回復のために別室で寝て、新が会場の外を歩き始めた中、第二試合が始まる。札を取られても、元クイーンの猪熊の札数に離されることが無い恵夢に対し、猪熊は聞こえたから何となく、というタイミングではなく、決まり字を意識して札を取り始め、千早などに負けた経験を生かして強くなるのだと、負け知らずの現クイーンとは違った、自分の成長の伸びしろに気付いていたのだった。

第二試合は猪熊が勝利し、クイーンへの挑戦権を手に入れた猪熊に、会場内も沸き立つ。猪熊の試合に、集中していた太一は、この時やっと千早がいないことに気付く。

別室で寝ていた原田は、白波会の女性によって起こされ、思わず腹が減ったと口にするが、祝杯でどれくらいカロリーを取るか分からないから、今は何も食べないと強気の発言をする。一方、第二試合が始まる前に会場を出ていった新が戻らず、南雲会の村尾などが探していた。出てきた時とは違い、雪駄を擦って歩き、両腕を反対側の袖に差し入れた体制で戻ってきた新は、会場での座り方、顔の向きまでもが変わっていて、そのことに原田だけでなく太一も違和感を覚えるのだった。

第三試合の読手の牧野の読みを聞き、やはり好きだと思いながら気持ちよく試合を開始した原田は、最初の札を取る。しかし新も、流れる水の様だと千早たちに言わせた、素早い取り方で札を取り返して見せるのだった。新が札を取りに立ち上がる仕草は、どこか老人の様で、そのことに気付いた原田は、新に彼の祖父で永世名人だった始のイメージを重ね、今まさに対戦しているのだと感じさせるのだった。

そのころ、会場から姿を消していた千早は、挑戦者決定戦を見に来ていた名人の周防と、公園でスノーマンどら焼きを食べていた。

ゆるキャラのスノーマンが、自分が好きなダディベアよりも人気が出てる事実に青ざめながらも、おいしいどら焼きを二つも食べ始める千早。彼女に二つもどら焼きを渡しながら、周防は決定戦の会場から離れていることは大丈夫なのかと尋ねるのだった。

教師になると言う夢のため、毎年あるクイーン位決定戦に参加せず、一生に一度しかない修学旅行を選んだ千早だが、第二回のクイーン位決定戦を見て羨ましく思い、また、悔しさがぶり返してその場で足を踏み鳴らし始める。それでも気持ちを切り返し、涙を溜めながら来年出ると言い切った千早に、周防は視線を送るのをやめ、和菓子を入れていた袋をゴミ箱へと捨てに立ち上げる。

千早は、原田のために仮想周防としてかるたを取った期間で、感じた事を聞き出したいと質問を始める。しかし先を歩く周防の頭に、子どもの遊んでいたサッカーボールやバレーボールが当たってしまい、質問のタイミングを外してしまうのだった。

外れてしまった周防のサングラスを拾い上げ、かけてみる千早は、周防の耳の良さの理由に心当たりがあるものの、それを聞くことはせず、試合をしてほしいと申し出る。周防は千早からサングラスを受け取って掛けると、もっと聞きたいことがあるのではないかと、何度目かになる質問を投げかける。しかしその声は、三試合目の開始時刻を過ぎていたことに、気付き慌てた千早の大声でかき消され、手を引っ張られながら走る周防は、思わず千早の容姿に惹かれ、自分には彼女がいないのだと大声で公言してしまい、急いでいた千早は、そのことに自分もいないと返し、周防は嬉しさに舞い上がって思わずスキップしてしまうのだった。

場面は試合会場に戻り、新の配置を覚えてきた原田は、札を送っても新独特の位置に置かれない札に、違和感を覚える。また、見学していた原田の弟子たちは、膝を悪くしている原田のために、新が率先して札を取りに行っていた一試合目と違って、札を取りに行かない新にいら立ちを覚えていた。

新が札を取り、自分の近くに飛んだ札を拾い上げて新に渡した太一は、いつもと違う口調でその札を受け取った新に、確実にいつもと違うものを感じ取って目を見開く。新も定位置に戻る際には、相手が太一だったことに気付くが、振り返ることなく息をつき、祖父の事を考えるように努めるのだった。

祖父からすれば、孫の新だけでなく、50代の原田もまだ若いと言われるだろうと新は想像し、いつもよりいっそう祖父ににたかるたを取る新に、原田も影響されて若々しく素早い動きを見せる。さらに祖父・始らしい嫌みな配置を行った新に、原田は挑戦者の様な意地を見せ、その様子を見た新は励む若者を慈しむような笑みを浮かべる。

新のその表情を見た南雲会の栗山は、新が祖父の始をイメージしてかるたを取る事で、経験豊富な原田との試合に互角以上の力を発揮しているのだと気づき、始を見ているようだと驚かされるのだった。

札に差がつき始めたものの、原田は10代の頃に感じた楽しさを取り戻し、身も軽そうに動いていた。しかし立ち上がった時に膝に痛みが走り、思わずそのままの体制で止まってしまう。この様子を見た審査員は新に分があると戦況を見るが、会場外の窓から試合を見ていた周防は、自分を力強く見返した原田を見て、彼と戦いたいと意味深げなことを言うのだった。

 

 

ここから感想

恵夢のハチマキには作戦は無かったという事で…彼女の意地の悪い部分が見られるかと思いきや、我が子から葉菜を受け取った猪熊への対抗心で、ファンサービス過剰になる辺りがちょっと可愛いと感じてしまった。元からこういう子だったかな、ちょっと覚えているのと印象が違ってた。

そして、やはり原田を主体に書いている第三試合。イマイチ、祖父の行動をイメージした新が強くなると言う流れが、頭で理解できなかった。新自身のやり方を熟知した原田に対して、方法を変えた事が有利に働いていたってことで良いはずなんだけど、あこがれの人に再挑戦できる原田の気持ちと、先生である原田を負かすために祖父の行動をトレースする新の心理面、もう少し深堀したかっただけに、明確な表現がもっと欲しかった。

もう一面、周防の秘密に近づいた千早のエピソードの表現については、この作品の全部言わない点が良い味を出してくれていた。子どものボールを周防が避けられない事、色の濃いサングラスを千早に確認させることで、周防の視覚に問題がある事を察した点と、さらに千早がそれを周防に聞かない事と、練習中も原田達にもその可能性すらも伝えなかった事で、セリフにしなかった点。この二点はさすがに気づいたけれど、他にもセリフにしていない表現方法を多用している本作。この作り方は好感が持てるのだけど…たまに物足りなさを感じてしまうんだよな。

 

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