はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第15.5話「いまひとたびの(総集編)」

 たしかに…本編に入れるまでもないコマも入れたかったんだろうけど、アイキャッチ風にしてまで使うほどでもないようなネタだったな…。自分たちで言っている通り、オマケとしてはちょっと中途半端だったね。総集編としてはきれいにまとまっているのにね。

 

作品の内容

まずは、選手層の薄さが問題、と画面上で問題定義される。そんな文字の左側には、フリルのスカートと、赤いリボンがあしらわれたワンピース。さらにワンピースの持つ要素を合わせるように、赤い色のリボンを頭に、赤色で足の甲にリボンがあしらわれた靴を履いた西田優征の姉・優華璃が、ヒョロ君との恋で忙しいんだけど 出てあげないこともないんだからねと、素直ではない様子を匂わせながら、いわゆるぺちゃんこ座りをしていた。

吉野会大会での、元・クイーンで高砂会所属の猪熊と千早、北央学園の城山と太一。そして名人予選で対戦した、京都明星会の小石川と原田の試合がそれぞれ一瞬ずつ映し出され、そんなテレビの電源を消す菫。試合ばかりで色気が無いと、のけぞって両手で頭を抱える彼女に、筑波はこちらのフリップをごらん下さいと、ちはやふるのラブ成分と書かれ、70%と黒塗りされた円グラフを指し示す。この70%は、この作品に占める菫の恋愛脳、つまりは恋愛第一で考える菫こそが、この作品の恋愛要素をほぼ担っていると話した筑波。しかしその菫本人も、最近ではかるたばかりなため、恋愛要素が無くなっているのだと、筑波に指摘されて初めて、菫はたしかにと顔を青くして気付いたのだった。

さらに筑波は他の恋愛要素の配分を、2割をヒョロと西田姉のカップルだとして、そこに期待するしかないと、鬼気迫る状況を淡々と説明する。そして、筑波は語らなかったが、残りの1割がギリギリ主人公…と紹介され、照れたような、イマイチ状況が分かっていないような表情の千早が、頭をかきながら笑っている様子が、画面に小さく映し出される。

総集編部分が始まり、顧問の宮内から名人予選の日程が、修学旅行と被っていることを知らされて驚くかるた部の二年生たち。そのまま、名人戦予選の前にある吉野会大会が始まり、ベルト8に残った白波会の千早、太一、坪口と円陣を組む原田。個人戦こそ団体戦だと言う原田の言葉を受けて臨んだ試合で、勝っても負けても力をくれる先輩たちの存在を感じる千早と太一。その中で千早は今までにない速さで音を捉え、太一は自分のかるたを変質させて勝利していった。

今度は選手層の厚さが問題と、問題定義が成される。そんな文字の右側には、着物を着こなして綺麗に正座をする大江奏の母・利恵子が、私としては 畳の上では足袋・くつ下をはいてほしいのですが…ダメ?と、競技かるたの選手が裸足で試合に臨んでいることに、和服店からのお願いとして意見していた。

かるた合宿から吉野会大会と、どこから感染したものかと、汗を拭きながら困った様子の大江母娘の言葉に、まずは出番を増やせと異議申し立てる北央学園の須藤、顧問の持田、ヒョロ。そこへ神妙な面持ちで、自分の試合作りをより細かく書けば、視聴者の勉強にもなると訴える原田。そんな名人位挑戦者の後ろから、名人予選であっさり負けたと描写された、富士崎高校の山井も、あっさり負けたわけではないと、描写には抗議し始める。そう言って騒いでいる若者を押しのけ、原田は自分の試合の方が優先順位が高いと主張する。しかし場が温まってきたのか、南雲会の栗山が同会の村尾と新の試合も見ごたえがあると割込み、翠北会の北野はゆーみんこと山田由美前クイーンの試合だとねじ込んでくる。三人のかるた会会長が言い合いを始める姿をみていた奏は、お腹いっぱいだと心の内でどの試合の観戦も遠慮したい気分なのだった。

突然、プロヂューサー智と番組のタイトル風な画面が出て、サブタイには仕事道とかるた道と銘打っていた。猪熊遥の夫・智は、朝の帯番組のプロデューサーであると言うナレーターに合わせるように、スタッフとの打ち合わせを行う智の姿が出され、次の画面で彼のおおよその一日の動きが表示され、その文字の並びの右側では、猪熊遥が迅をあやし、長男の暉はそんな母の傍で、ダディベアのぬいぐるみで遊んでいた。

3時起床、6時から8時番組本番、8時から10時反省会、10時から12時打ち合わせ、12時から13時お昼休み、13時から15時取材、15時から18時企画会議など、18時以降に出演者と打ち合わせ(飲み)というスケジュールの中で、遥は特に飲み会という点に注目し、返り咲いたら夫の飲み会返上のおかげで、母となってもクイーンになれたと公表すると約束して、練習に向かっていくのだった。そんな妻に、智は飲みも大事な字事なのに…と、迅をおんぶ、暉と手をつないだまま、何か言いたげな表情で見送っていた。

吉野会大会の決勝戦に残った千早と太一。太一のかるたの取り方が変わり、調子を崩す千早。だが、最も知っている相手とのかるたの中で、二人は全力を出した試合をし、それを見ていた新に疎外感と太一への嫉妬心を覚えさせたのだった。そしてそのことが、千早を巡る太一との関係を明確化させ、新は言葉に出して太一へ宣戦布告して見せたのだった。

一方千早は、クイーンになりたいと言う夢と、将来何になりたいかと言う夢を考え続け、大会に遅れて到着した母に、高校の先生になってかるた部の顧問になりたいと言う将来の夢を明かし、クイーンになりたいと言う夢よりも、将来の夢の方を選択して、今回は修学旅行に行きたいと、名人予選と修学旅行の問題の答えを泣きながらに告げるのだった。

おれ道、と、今までのアイキャッチ風な画面とは雰囲気の違った言葉が載り、その左隣では自作単語帳を見る宮内顧問が立っていた。彼女は塩素配列は覚えられるのに 百人一首はまだまだ…、と以前古典の深作に言っていたとおり、かるたが覚えられていない様子であった。

部室で、千早の進路が決まっていたことに驚いたとぼやく西田。しかし奏と駒野は高校二年ともなれば当然だと返し、奏はある大学の先生の授業を受けたいと頬に手を当てて幸せそうにし、駒野も実家の商売から職業を絞っているが、大学に残るというのも良いなと、大学よりも先の話までして見せる。そんな二人の様子に焦りを覚えた西田は、二人からの質問にどもりながら、抽象的に海外だと答える。そんな彼の第4回進路希望調査には、ミシュランの調査員になるにはどうしたらいいですか?と書かれており、進路よりも食い気な彼は、まだ進路を決めていないと言う証拠でもあった。

現名人がこの名人戦に勝て引退すると宣言し、太一が自分になりたいと参加した名人位予選。太一は小石川に運命戦に敗れ、その結果を知った新はほっと息をつく。西日本代表を決める決勝戦に臨む前だった新は、太一が負けて安心している自分の内面を考え、太一を友達として以上に、かるたをする上で見下していた事に気付き、試合に集中できずにいた。そんな新を現実に引き戻したのは、対戦相手でもあり、新の兄弟子でもある村尾だった。調子を崩していた分を、攻めがるたで取り戻す新を見て、観戦していた栗山は、攻めがるたの名手である原田との戦いに向けて、良い流れを呼び込んでいると評価し、試合の結果も、栗山が予感した通り新が村尾を下して、西日本代表に決定する。

勝義書店営業中という文字の左側では、少女漫画らしい雑誌の束を運びながら、新がメガネはずしたらモテるんですか?と恥ずかしそうに働いている姿と、彼の後ろで、店内の掃除をしていたのか、ハタキを持った書店の店長が外してみたら?と返していた。

勝義書店のレジに入っていた店長は、かるたに忙しく、新がバイトに入れないと起こる問題について、泣き顔で語る。まずは新目当てで来る近所の主婦が、新くん今日もえん(いない)のか~?と深いため息をつかれること。そして本の配置を覚えられないため、スーツを着た客の要件事実論30講どこにありますか?という質問にも答えられないことがあげられる。それでも新が活躍することによって、全国放送のアニメで福井弁が流れると言う理由から、応援すると語る店長。地元愛溢れる店長の言葉に、新はそんな期待が!?と驚いているが、店長の手には、新の反応を楽しむための、次に会った時に彼に見せるべく用意されたエロ本「爆エロ美子ちゃん」が握られているのだった。

ひそかなナンバーワンの文字の右隣では、ようこそ!あわらへ♨ ちはやふるweek in

 あわらと書かれた紙を右肩上がりに広げつつ、恥ずかしいからか顔を赤くして目と口を結んだ新の姿と、はずかしがったらダメッ‼と声を掛ける店長の姿があった。

栗山のナレーターで、あわら市役所に努める村尾の紹介がされる。仕事をする彼には、ひそかにムコにしたい№1!の文字が並び、年の離れた弟二人を相手にする村尾には、ひそかに弟想い№1!という文字が。そして、村尾の唯一の不幸として取り上げられたのは、ダメ巨壁と腕組みをする、和装に似つかわしくない髪型にサングラス無精ひげと言うダメな出で立ちの周防と、同じ年であったことだった。

言動行動共にダメな周防に比べて、真面目で弟想いで大学、成績共に優秀な村尾が名人になってくれた方が、かるた会としてプラスに働くと嘆く関係者二人の頭上では、ひそかに名人期待№1!という文字が浮かんでいた。

話は総集編に戻り、名人位挑戦者決定戦で対戦する新と原田。経験から、大きく体を前に出したり、声を出したりする原田に対し、純粋な速さで勝負をする新。歳の差からくるお互いの対戦相手に対する思いが異なる中、第一試合は原田の勝利となる。第二試合は原田が棄権することで新の勝ちとなり、勝者が挑戦者となれる第三試合。新は祖父の始のイメージを使って、祖父と同じ試合運びをする。これに応じた原田だが、札を取りに行く際に現名人の周防が視界に入り、現実の経験を生かしたかるたへと試合運びを戻していく。祖父のイメージを借りていた新だが、原田には勝てずに試合は終わる。

名人位挑戦権を得た師に対して、白波会の会員たちは声を上げて喜び、その興奮が去った後、新に声を掛けた千早。取りたい札について、どうするかと言う新の質問に、自分は攻めがるただからと一言おいてから、絶対に取りに行くから手放すと答えた千早に、新は納得した様に微笑み、そのまま千早へ告白する。

新が千早へ告白したことについて、当人たち以外にも動揺していた人物がいた。太一が好きな菫と、太一の千早への想いを応援していた奏は、後日校内で話し合い、奏も太一には言わないという方針を話した菫に、押し切られてしまう。しかし奏が心配した以上に別のベクトルで、千早は恋愛とかるたの事柄を同一に取り扱う、残念な女の子なのであった。

周防からの誘いで、太一と共に練習に向かった千早は、周防の試合運びに乗せられ、思うようにかるたが取れなかった。そんな千早に、周防はクイーンにはなれないよときっぱり言ってのけ、千早に不安感を与えたのだった。

小心と傷心という文字の左側で、ちはやふるのボードをちとせふるに書き換えた千早の姉・千歳が、オマケなのに私の出番ないですってぇと怒っていた。

そんな画面を押しのけて、中途半端だと叫ぶ菫の後ろで、オマケ…まだしゃべってない…と自分を指して主張する主人公の千早。しかし話は西田と駒野、奏を交えて進み、天の采配でオマケコーナーを総集編につけることになったと話をまとめる。話はまとまったので、また来週!と手を振る栗山と、その後方で今期は出番あったなぁ…と喜びをかみしめている新。それに対し、結局おまけしゃべらなかった…と落ち込む千早と太一なのだった。

 

ここから感想

総集編なのに内容が長くなった…。これも画面に文字だけで描かれるネタのおかげですな。こういうのを前後と背景を交えて追うのは結構大変なんだよね。

で、総集編としてはとてもきれいにまとめられていたので、恋愛部分も進路部分も分り易かったのではと思う。それと共に、結局本編では表現されなかったと思い出したのが、修学旅行を親に嘘までついて休んだ太一の、家庭内での落としどころについて。この点は、後々一コマでも出てくるのかと思っていたのに描かれず、あの教育熱心な太一の母親が、菫の言葉をどう受け取ったのかも含めて、知りたかったなと残念な気持ちを思い出してしまった。

勝義書店について思い出す良い機会にはなったので、中途半端とはいえネタ部分も全部要らないとは言わせない、このバランス感覚は素晴らしいです。しかも本編一話をプラスして時間的に二話分を放送するのは、視聴者としてはとても嬉しい事だったりする。ただ…満足感を得られる代わりに、遅れがちな感想ブログとしては時間が無くなる点が辛い。

 

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