はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

盾の勇者の成り上がり 第14話「消せない記憶」感想

そう言えば、尚文がラフタリアを買うときに、以前の主の扱いが酷くて。精神疾患だっていう話を奴隷商がしていたな。それってイドルの事か。

今週の内容
火矢と炎の魔法で森に火をつけたマインは、騎士団長にメルロマロク全土の諸侯に何事かを伝える様に言い渡し、騎士団長が口元に笑みを浮かべて、その命令を受けると、マインもまた満足そうに笑うのだった。
山の向こう側が燃えていることを察知したラフタリアによって、状況を確認するために火の様子を確認する尚文。単なる山火事では無いとラフタリアの意見に、尚文もマインが自分たちを炙り出すためにやったのだろうと考え、すぐにその場を離れるのだった。
火事のあった山からいくらか離れた村で、買い物をする尚文。店を出していた商売人にシルトベルトとの国境について聞いたらしく、関所は封鎖され、国境は緊急配備が掛けられたことを話す商人。その理由が、盾の悪魔がメルティ王女を誘拐してこのあたりに潜伏しているらしいという事まで話してくれ、商人の話の途中で、近くで兵士が聞き込みを行っている姿を見た尚文は、釣銭も受け取らずに、静かにその場から離れる。
村の外れまで移動し、ラフタリア達と合流した尚文は、シルトベルト行きを断念し、仕方なく、女王に合いに行くことを決めた。
また移動した先で、畑を耕す亜人種達を木の陰から観察する尚文たち。ここは亜人種が多いとラフタリアが指摘し、メルティは知り合いの貴族がこの近くにいることを思い出し、その人に助力をお願いしようと提案する。いぶかしげな尚文に、亜人と人との架け橋になろうとした人たちのとりまとめをしていたセーアエット領主の話をするメルティだが、ラフタリアが住んでいたところもセーアエットの保護区だったと告白され、第一の波の時に領主が死亡し、暴徒と化した国の兵士によって襲撃を受けたことを知ったメルティは、王族は何かを出来たはずなのに何もしなかったと裾を握りしめ、事が済んだらその兵士たちは自分が罰すると、ラフタリアに誓うのだった。
ひとまず亜人差別の話が切り良く収まったところで、メルティの知り合いの貴族の話に戻す尚文。しかし、その貴族当人が現れ、いきなり声を掛けられた尚文たちは警戒することになった。
立ち話もなんだからと、尚文たちを屋敷に案内するメルティの知り合いの貴族・ヴァン。騎士団から、盾の勇者たちが逃げるために山々に火を放ったという話と、尚文たちの話す現状の食い違いがあることを伝え、メルティの気質を理解したうえで、彼女の身を案じて見回りをしていたと話すヴァン。ひとまず食事を用意して、身を休める様に支度を整えるヴァンだが、尚文はまだ信用できたわけでは無いと、フィーロが食事に手を付ける事を止めてしまう。するとヴァン自ら、毒見の意味で尚文のパンをひとかけらつまんで見せ、尚文はその行動に唖然とする。
もう食べて良いものだとフィーロは喜び、ラフタリアも食事をしようと尚文に声を掛ける。メルティも人の好意を受け取らないのは失礼だと畳みかけられた尚文は、食事をしながらも、明日の朝には出発しなければ、嗅ぎつけられかねないと予定を決める。
思ったよりも早い出発に、もう少しゆっくりしたかったとつぶやくメルティ。その様子を見ていたヴァンは、メルティは大人びた態度をとっていた時よりも、良い方向へと変わられたと嬉しそうに話し、これは盾の勇者と旅をした影響なのかと言われたメルティは、一瞬手恥ずかしがっていたが、尚文の余計な一言で二人のいつもの言い合いが始まり、やはりヴァンは嬉しそうに笑ったのだった。
夕方になり、一つの部屋に尚文たち全員のベットが用意され、さっそくベットに飛び込むフィーロ。尚文は窓から外の様子を見張り、休めと言うメルティには、いつ襲撃されるかわからないから、こういう時ほど休まないようにしているのだと理屈で退ける。しかし、ラフタリアが見かねて見張りを変わるから休めと切り出し、尚文はやっとベットに横になり、メルティはなぜラフタリアの言うことは聞くのかという突っかかりに、「別に」とだけ返して理由は話さないのだった。
むくれたメルティは、フィーロの探検したいという発言に乗っかって部屋を出ていき、尚文はラフタリアに、もう少し優しくしてあげたらどうかと言われてしまい、無言で体制を変えて、答える気は無いのだと意思表示するのだった。
一方屋敷の庭で、フィーロと二人で話していたメルティは、尚文と会ってからの自分の変化に戸惑っているとフィーロに話し、フィーロは尚文と話しているメルティはとても楽しそうだと言い、最終的には一緒に尚文に可愛がってもらえば良いと、提案するが、メルティはそんなんじゃないと、恥ずかしさのあまり否定してしまうのだった。
メルティを誘拐した盾の勇者一行が、まだ見つからないことに苛立つメルロマルクの王。マインは、じぶんが必ずメルティを救って見せると恭しく発言し、頼むとだけ言葉を掛けるオルトレイク王。彼は、以前にも盾の勇者が絡む事件で家族を失った様子であり、またも盾によって家族を失うことになるのかと、怒りと恐怖を覚えているのだった。
夜になり、見張りをしていたメルティと交代するために起きた尚文。メルティは、王族の自分が逃げているだけで良いのかという不安を尚文に話し、尚文は逃げた後で考えれば良いと返し、メルティにしかできない事があるとがんが得ていることも伝えたのだった。その言葉に、小さくありがとうと言ったメルティだが、尚文は聞こえなかったらしく聞き返され、何でもないとごまかして布団に入るメルティ。
尚文が見張りをしていると、ラフタリアがうなされ始め、その手を取り安心させてやる尚文。であった頃の、夜泣きが酷かった状態を思い出した尚文は、その時と同じうわごとを話すラフタリアに、またあの時と同じ夢でうなされているのかと心配する。
ラフタリアは、奴隷時代に見たのだと思われる、貴族と思われる人物によって、首に繋がれた鎖で引っ張られていく同年代の亜人の子どもの姿を夢に見る。その亜人種の名前・リファナに呼びながら飛び起きたラフタリアに、尚文は声を掛けるが、ラフタリアは大丈夫だと答えるのだった。
見張りのため、窓際に立っていた尚文は、ヴァンが兵士に捕えられ、連れていかれる様子を身ながら、まずい事になったと告げる。そこへ、屋敷のメイドが部屋に駆け込んできたため、状況を聞いたところ、隣町の貴族が盾の悪魔を匿っているのではないかと、今朝がた乗り込んできたと言う。
勝手口から屋敷を出る様にメイドに案内される尚文とラフタリアだが、メルティとフィーロが居ないと気づいた二人。それと同時に、屋敷にまで兵士が入り込み尚文たちを探していることが判明し、メイドは厨房の棚の中へ、尚文とラフタリアを隠し、厨房に乗り込んできた兵士に自分は料理の支度をしようとしていたところだと、あくまでも尚文たちを守る態度をとる。しかし、兵士はメイドの腕をつかみ上げ、別の場所に移動するようなことを言い、そこへやってきたメルティは、自分が王女であることを名乗り、それ以上の無礼は許さないと毅然とした態度で兵士に命令する。
兵士たちはメルティの姿を見て、名乗られても王女本人だと分から無い様子だったが、そこへ隣町の領主・イドルが現れる。その声を聞いたラフタリアは、激しい感情からか尻尾を逆立て、思わず腰の剣に手を伸ばす。それを手で制し、少し様子を見ようと尚文は声を掛けるのだった。
イドルはメルティの前に出て、身を案じてここまで来たのだと恩着せがましい挨拶をする。まだ名乗っていない相手に、メルティはフルネームで呼びかけ、父であるオルトクレイ王と昔、戦場で共に戦ったと聞いていると、相手が得ている王族との関係を、自分も理解しているという意味でわざと言葉に出す。
メルティは王族の立場を使い、イドルに私兵をヴァンの屋敷から下がらせるよう命令する。しかしイドルは盾の悪魔がどこにいるのかと言葉を返され、この屋敷にはおらず、自分から置いて逃げる様にとお願いしたと、言外に盾の勇者は自分を攫っていないと言うメルティ。さらに彼女は父である王に、盾の勇者の罪は濡れ衣であることを進言すると宣言し、王都へ自分を連れていく様にイドルへ再度命令する。その命令を受け取り、自分の屋敷で出発の準備をしようと提案し、メルティを連れていくイドル。ラフタリアは、今度は剣を抜きかけるが、メルティの意志を無駄にするなと尚文に止められる。
夕方になり、イドルの私兵が引き揚げた屋敷内でフィーロを探す尚文たち。時間が惜しいため、奴隷紋の呪いを使ってフィーロの居場所を突き止めた尚文たちは、屋根裏の物置となっている部分で、奴隷紋の影響で倒れているフィーロを発見する。フィーロは、メルティとのかくれんぼ中で、何があっても隠れていなければいけないと言われたと話し、かくれんぼの提案も、メルティの作戦だったことを知り、その間にメルティが自分たちを庇って、イドルに連れていかれた事を知ったフィーロは助けに行こうと急かす。尚文も、マインたちに囲まれたときにも自分を信じてくれたメルティを、裏切りたくないと話し、イドルの屋敷へメルティを救いに向かうことが決定したのだった。
夜、イドルの街についた尚文たち。ラフタリアは奴隷商人の元に行く前にいた街並みに、リファナを思い出し表情が硬くなる。そんなラフタリアに、イドルの事を知っているのなら、ここに残っても良いと提案する尚文だが、過去と向き合いたいと話し、作戦に参加する意志を見せたラフタリアに、尚文は了承するのだった。。
城に続く門には、捕えられたヴァンを慕う亜人たちが押しかけていたため騒ぎになっていた。これに乗じて、崖の部分からフィーロの脚力で城内に潜入する尚文たち。
城内では、門前に集まった亜人達が起こす騒ぎについて、イドルに質問するメルティ。しかしイドルは亜人たちを虫どもと呼び、心配には及ばないと取り合わず、そのものの言い方に、さすがのメルティも表情をを曇らせる。
盾の悪魔の居場所を教えてくれと、話を蒸し返すイドルに、毅然と知らないと言い張るメルティ。だが、イドルは捕えていたヴァンを連れてこさせ、同じく盾の悪魔の居所を教える様に質問するが、ヴァンは盾の悪魔と言うものは知らない、盾の勇者様なら知っていると屁理屈を述べ、一向に話そうとしないと、殴って見せる。
ヴァンが暴行を加えられている事を見せつけた上で、メルティにも同じような事になる前に話してほしいと脅すイドル。彼は三勇教のシンボルをメルティに見せ、神に仕える者として、悪魔に与する者どもに断罪を下すのは我々の使命だと、迫るのだった。
城内に入り、フィーロには囮役を頼み、ラフタリアと二人でメルティを探す作戦を実行する尚文たち、しかしいたるところに、辛かった奴隷時代に見た光景を思い出してしまうラフタリアの様子に、尚文は兵士を盾で作った蛇の毒で脅し、案内させる作戦に切り替える。
イドルの性癖全開の脅しに気圧され、部屋の隅にまで追いやられるメルティ。しかしフィーロが廊下側の壁を破壊して侵入し、ラフタリアも一緒に到着したことで、メルティは思わず駆け寄ろうとする。
メルティに剣先を向けて人質に撮ったイドルは、侵入してきたフィーロ達に一歩も動くなと警告するが、尚文がメルティとイドルの間にエアストシールド張り、フィーロがすかさず蹴りを加えたため、イドルは部屋の隅の壁に激突することになる。メルティはその隙にフィーロの近くまで移動し、思わず笑顔で尚文の名前を呼ぶが、自分がしたことが無駄になったと、一応小言は言わせてほしいと、ふてくされた顔を作って見せる。その様子に相変わらずで何よりだと言った風な尚文だが、メルティはまたも小声で「ありがとう」と伝えるのだった。
自分が不利になっても、上から物を言いつつ鞭を取り出すイドルに、尻尾を逆立て、無言のまま近づくラフタリア。イドルの鞭が体や頬に当たってもなお進み続け、剣の一振りでイドルの鞭を弾き飛ばしたラフタリアに、武器を失ったためか、座り込んで命乞いを始めるイドル。ラフタリアはイドルの首に剣先を突きつけ、「そうやって命乞いをした可哀そうな亜人たちにあなたは」と叫び、その先は声にならずに涙を流したのだった。

ここから感想
なんというか、会話の流れ方を中心に、非常に違和感がある回だったな。
まずはヴァンが登場する前。町はずれの屋台の横で集合して、地図を開いたのが森の中。移動する素振りすらなかったから、間はどうしたんだよ。OVAなのか?NGシーン特集に入っているのか?と思った。
で、ヴァンの事を知り合いの貴族が近くいると話し始めたメルティに対して、貴族という単語でいぶかしんでいる尚文に、あの流れで、何の接続詞無しで、メルティがセーアエット領主の話をするのって変だよね?「貴族って言っても考え方や領土の亜人の扱いは様々」とか、一文でも加えれば良いのに、この部分は特に引っかかったな。
で、ヴァンがが登場してから。ヴァンのキャラとしての見た目が食えなさそうなのに対して、普通に同じ領主のイドルに捕らえられた挙句に拷問三昧されるなんて。さすがぽっと出で造られたキャラだけあって、掴みづらい。
ヴァンの行動にも疑問があって、私兵を集めるのは時間がかかるとはいえ、メルティを保護するつもりだったのなら、屋敷にはいつもより多めに護衛とか付けておくべきだったよね。あとはイドルに因縁付けられる時に、メルティと同じく、盾の勇者一行はいないの一点張りで対応した様子と、この場の頭である自分を差し出せば、相手は引き下がると判断したとか、捕らえられる下りのシーンすらないのは、いささか飛ばし過ぎだよ。捕えられるシーンを飛ばすなら、イドルにメルティの目の前で殴られるシーンも、いいとこ見せなくて良いから、ボロボロの状態でメルティの前に引き出されるとか、キャラとしてももっと出なくて良い部分は削って、もっと表現しなくちゃいけないメルティの心の揺れとかを丁寧に時間を割くべきじゃないかなと思うな。
イドルとラフタリアの過去の件と、メルティの子どもっぽさと立場をわきまえた考えの両方を描くのが難しいなら、一話にまとめなくても良いから、丁寧に描いてほしかったな。これも、会社側と作り手個人の想いを尊重させた結果なのかな。せっかく、のほほんとシリアスの対比は良い感じにコントロールされている作品なのに、もったいないね。