はちよりうえ

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真夜中のオカルト公務員 第4話「歌舞伎町の定点観測」感想

 

完全に琥珀は新=清明という認識でいるんだね。名前が変わったのも、きっと「アカウント名変えました」くらいの感覚で受け取っているんだろうな。

 

今週の内容

5月23日午後5時30分。目覚ましが鳴り、中々起きて止めない新に迷惑そうにするユキ。しぶしぶ目覚ましに手を伸ばした新は、勢いよく目覚ましを止めた琥珀によって、手を叩かれてしまうのだった。

琥珀が現代の服を着ている事に気付いた新に、琥珀は雄好みの方が良かったかとふざけるが、起き抜けの新はどうでも良いとテンション低めで返す。

それよりも、自分の部屋に琥珀が居る事を問題視したかった新だが、ユキはいても良いのに、なぜ自分はだめなのかと言ってのける琥珀に、プライバシーとという概念を話しても分からないかと、説得を諦めてしまうのだった。

一通り出勤の準備を終えた新は、清明について教えてほしいと琥珀に尋ね、琥珀清明本人だと認識している新に、清明の話をするのはなんだかおかしいと言いつつ、忘れてしまったんなら仕方が無いと、出会った時に何を話したのかを新たに語り始める。

日本の裏側に位置する場所から来たと言う琥珀に、本当なのかと半信半疑の清明琥珀はシャボン玉で国の位置を指し示し、裏側という意味を教える。地面が球体を成していることに驚く清明は、裏側の人は落ちてしまうのではと心配するが、琥珀は笑いながら、裏側にいる人間からしたら君が落ちないのかと思っていると、その状態でも問題は生じないことを説明する。琥珀の話は面白いと、さらに別の話をしてくれという清明に、裏側の国では星の配置が違う話を持ち出し、陰陽師の職業柄か、個人的に興味があるのか、身を乗り出して食いついて行く清明

そう言った話をしたと琥珀から聞いた新は、平安時代の人間に地球球体説を話したのかと呆れる。琥珀は、当時は星に興味があったみたいだから話したのだと反論し、さらに何かの話を続けようとしたが、新は出勤時間になっている事に気付き、急いで出勤していくのだった。その様子を、琥珀は慌ただしいと、ユキを抱きながら見送るのだった。

5月23日19時33分。ウェウェコヨトル(琥珀)は相変わらずかと榊に聞かれる新。ひとまず、害を及ぼす意志は感じられないため、災いの神を刺激するわけにもいかず、対応出来ることもなく、貴重なデータでもあるとセオも発言し、経過観察しかないと、手詰まり感が漂うのだった。

仙田が出勤し、新宿区春期特殊事案定点観測の報告書を、明日までに出すようにと、セオと榊に念押しし、もうそんな時期かと頭を抱えるセオ。しかし榊は「都内女子行方不明未解決事件」のファイルを手に取り、その事について何か思案している様子だった。

報告書の作成のため、外回りに出かける榊たち。すぐそこの歌舞伎町へと赴き、定住しているアナザー6体を定期的に観測し、問題が無いかをレポートする作業が、夜間地域交流課の伝統行事だと、新に説明するセオと榊。

第二号「猩々」歌舞伎町2丁目43付近。

第三号「ミネルヴァの梟」歌舞伎町1丁目16-5。

第㈣号「ドライアド」歌舞伎町1丁目2-13

第五号「馬頭」歌舞伎町1丁目21-1

第六号「ブルドゥンンギン」歌舞伎町2丁目21-13付近

第七号「小豆洗い」歌舞伎町2丁目39-5

セオの持っている端末で各アナザーの情報が表示され、名称、種類、視認サイズ、活動型、記録初年度、初年度観測地点、前年度観測地点と、位置情報付きの説明を受ける新。しかし、第一号が記録なしと表示されていることに気が付き、疑問に思うのだった。

5月23日20時16分、歌舞伎町公園。

まずはアレだなと、気乗りしない声で観測を始める榊とセオ。後からついて回る新は、周囲の酒臭さに鼻をつまみ、酒盛りをしている連中に何なんだとつぶやいてしまう。それを聞きつけたアナザーたちは、因縁を付けられたのかと勘違いして新たちに近づいてきたため、その姿がゴリラのようなものだったことに気付く新。彼らが観測対象の第二号「猩々」で、中国に古くから伝わる猿のアナザーだと解説するセオ。

新の嗅ぎなれない臭いに、新入りなのだと認識した猩々たちは、酒を飲んでいる事を止められるのかと、口々に絡んでくる。彼らの警察かという問いに対し、新宿区の公務員だと答えた新に、猩々たちは驚き、桃色の着物を着た猩々は砂の耳だと聞いたことがあると、興味を示すのだった。

権現さんが居なくなってから、同じメンツでの酒盛りに飽きてきていたところだからと、新を酒盛りに招き入れようと酒を飲ませようとする猩々。新も、猩々達の押しに屈して、出された酒に口を付けようとするが、榊に首根っこを掴まれその場から離れることに。どうしたのだと怪訝な様子の猩々達に、新は榊に引きずられながら仕事なのでと断りを入れ、それを聞いた黄色の着物の猩々は、それは大変や、頑張りやと見送るのだった。

アナザーの出したものに迂闊に手を付けるなと注意される新は、相手は好意でしてくれたことだからついと言い訳するが、セオはアナザーは好意も悪意も無いと断言し、さらに今回を例に挙げて、酒を飲ませることが捕食の前提行動だったらどうするのかと、アナザーのそう言った面での恐ろしさを新に伝えるのだった。

猩々達の様に、移動するアナザーの所在確認も仕事の内だと話す榊とセオ。その話を聞き、それにしても、猩々達が砂の耳の事を何故知っているのかと疑問に思う新なのだった。

5月23日21時12分、鬼王神社前交番。

外国人が、落とした財布が届けられていたことに感激を受け、羽黒巡査部長は日本語で受け取りのサインを書くように促し、中村巡査が書類の記入の手伝いを片言の英語で行う中、榊たちが交番を訪れる。

羽黒巡査部長は心得た様に三人を別室に案内し、地図を広げて観測対象のアナザーたちの居場所を教えるのだった。羽黒のフォローに感謝する榊は、机の上の羽黒の家族写真を見て、話題を変え、羽黒はあっという間に大きくなった子供たちは手がかかると嬉しそうに話し、榊は家族一緒なのは良い事だと、少し顔を伏せて返すのだった。

5月23日21時42分、歌舞伎町廃墟ビル。

羽黒はアナザーが見えるのかと確認する新に、肯定したうえでアナザーと話せる奴は聞いたことは無いと返す榊。目的の階に上がる前から聞こえる音に、少し緊張する新は、入った部屋の隅で、全裸で小豆を研ぐアナザーと目が合い、にやりと笑われてしまった事に大変驚くのだった。新が見て驚いたのは、第七号「小豆洗い」であり、害はないが時々引っ越すから面倒だとこともなげに話すセオ。

今日中にあと4体確認しなければと先を急ぐセオたちに、新は第一号は何も書いていなかったがどうしたのかと質問する。すると、戦前はこの辺の主みたいなアナザーがいたらしいと、セオは答えたのだった。

一方、羽黒と共に巡回に出ていた中村は、区の職員が何のようだったのかと刃具とに尋ねる。アナザーの事を見ることができない中村に、正直に話せない羽黒は、色々あるんだろうと答え、ふと神社の方向に視線を送り、靄のような物の中に目のような赤い光をみて、立ち止まってしまう。なんだありゃという羽黒の言葉を聞いた中村は、同じ方向を確認して、何も無いと先に進んでいってしまう。その様子に、中村が見えていないという事はアナザーかと考えた羽黒が視線を戻した時には、鬼の姿をしたアナザーは近くにまで迫っており、羽黒の自転車が倒れる音で中村が振り返った時には、羽黒の姿はなくなっているのだった。

5月23日22時31分、歌舞伎町量販店前。

第三号「ミネルヴァの梟」を確認。梟が動いたことに新は驚く。

5月23日23時14分、歌舞伎町区役所通り

第㈣号「ドライアド」を確認。根を生やして動かないから変化はないよなと、榊はコメントする。

5月24日0時10分、歌舞伎町映画館前広場。

第五号「馬頭」が競馬新聞に赤丸チェックを付けていると事を確認。

5月24日0時25分、歌舞伎町バッティングセンター

第六号「ブルドゥンンギン」を残すのみとなり、ゴミをあさっているところを発見する榊。その姿から野良犬かと勘違いする新に、正体はハイエナで、進駐軍と共に戦後の日本にやってきて住み着いたのだと、新宿にハイエナが居る経緯を話す榊。ブルドゥンンギンは新たちに近づき、新に砂の耳かと確認をしたうえで、面倒なことになるから気を付けろと、独特な口調で忠告し、後ろを見るよう促すのだった。

ブルドゥンンギンが言った通り後ろを見ると、アナザーに引きずられる警官の姿が。事態を察した榊たちはアナザーを追いかけ、セオはこれが俗にいう神隠しで、あのままでは引きずられている警官は、戻れなくなるのだと新に説明する。大柄のアナザーが進むたびに、街の明かりが遠ざかるように消えていく中、引きずられている警官が羽黒であることに気付く榊。アナザーが見える羽黒は、おそらく目が合ってしまい連れていかれているのだろうと推測するセオ。

経験から、羽黒を連れて行こうとしている自分のテリトリーに行こうとして、入るための手順を踏んでいるのだろうと推測するセオ。そうして後を追いかけてついた場所は鬼王稲荷だったため、神域を根城にするアナザーに驚く榊。

狛犬の陰に隠れて、アナザーの様子をうかがう新たち。セオは消えていた第一号のアナザーだと興奮気味に、しかしなぜ今になって現れたのかと疑問を口にするが、新は羽黒を助ける方法は無いのかと提案を求める。

羽黒のすぐ横に座り込み、あくびをするアナザーを見つつ、割と呑気に見えると、交渉するのかと言いたげに話す新に、目の前に座り込まれるとどうしようもないと、榊は隙を見て羽黒を救出する方法を考えている様子だった。

どうしようかと思案している間に、ピクシーが砂の耳を持っている新を見つけたと、羽黒を連れて生きたアナザー・鬼王権現に大声で知らせてしまい、三人が隠れていることがバレてしまうのだった。

アナザーが鬼王権現だと分かったことを榊とセオに伝えた新。相手が神様であることに困惑するセオ。仕方なく、三人そろって鬼王権現の前に正座するが、鬼王権現は新を見て清明だと思い込み、また会えたと挨拶してくる。

また清明と間違えられているため、面倒なことになったと思った新は、否定することはせず、要件を聞いてきた鬼王権現に、羽黒を返すようにお願いしてみる。

しかし鬼王権現は、悪酒をしてしまい寝込んでしまった自分が起きたからには、祭りが必要だと、羽黒に100年ほど酒に付き合ってもらうのだと話し、新はその期間の長さに驚くのだった。

アナザーの言葉が分からない榊とセオに、新がその内容を伝えると、榊の目が据わり、そのことに気付いた鬼王権現は、羽黒には家族がいるから返してほしいと懇願する新の言葉に悩んで見せ、その様子に悩むところなのかと苛立つ新の言葉も得て、なら、力づくで取り返してみるかと、喧嘩を買う立場で、戦うそぶりすら見せるのだった。

神であるアナザーを怒らせてどうするのかと焦るセオだったが、そこへ琥珀が現れ、勝負するなら飲み会にすれば良い、なんなら人数を多くして、この三人と飲み比べて、こちらが勝ったら羽黒を返すという条件はどうだと提案する。

勝手に決めるなと言う新に、琥珀はこういう時は皆助けて皆で生きて帰るのだろうと、戸山公園での新の言葉を持ち出し、状況を聞いた榊も他に手が無さそうだと、人が飲めるものでなら、羽黒を掛けた飲み比べ勝負を受けると判断するのだった。

そうやって飲み比べ勝負が開始され、体の大きさに合わせて升の大きさは異なっているものの、5敗目をようやっと飲み干した新に対し、鬼王権現はおいしそうに酒を飲み、そのペースが衰えないことに焦る榊。

とうとう4杯目を飲めずにセオが倒れ、形勢が不利な状態が明らかになる新たち。そんな彼らを外から応援する琥珀に、言い出しっぺであるお前も手伝えと新は怒鳴るが、自分が参加したらフェアじゃない返す琥珀。しかし鬼王権現は何院でも良いと、気持ちよさそうに酒を飲み続ける。

仕方が無いと、新に仙田さんに頼んで増援を呼んでもらう様に指示をだす榊。指示通りに、トイレにと苦しい言い訳をしながら現場から離れようとする新だが、鬼王権現には助っ人を呼びに行くのだとお見通しで、誰でも呼んだら良いと強気な発言をする。

鬼王権現の言葉に甘えて、ふらついた足取りで増援を頼みに神社を出る新。そしてその場を繋ぐために残った榊の飲みっぷりを、高く評価する鬼王権現だが、榊は相手にまだ余裕がありそうだと焦るのだった。

もう二十分近くも走っていると、また神社の前にいる新が鬼王権現のテリトリーから抜け出せない中、榊と鬼王権現の飲み比べは続き、限界が近い榊は、座っていてもなお上体を揺らしながら、アナザーへの文句を包み隠さず怒鳴り始めるが、その中で自分の事を話そうとした時に、二人の女性の顔の下半分を思い出し、今度は小さな声で俺はと繰り返し始めてしまう。

増援を呼びに、鬼王権現のテリトリーを抜け出そうと走る新の前に、酒が切れてしまいまだ飲み足らなそうな猩々たち5人組が通りかかる。

とうとう榊も限界を迎え、その様子に鬼王権現も良くやったが所詮は人の身だと、勝利を確信したところだったが、榊が嘔吐を我慢している間に猩々達が神社に到着し、鬼王権現に向かい酒なら誘ってくれたらよかったのにと、酒に飛びつき、自分の祭りを台無しにするなと怒る鬼王権現にも、酒を飲ませ始める猩々達の作る騒ぎに乗じて、セオと羽黒を連れてこの場を離れると新に指示を出す榊。

猩々に酒を飲まされ、どうでも良いかとバカ騒ぎを始める鬼王権現を見て、とうとう琥珀も酒盛りの仲間に入り込み、その騒ぎを背に、新たちはその場を後にするのだった。

5月24日5時33分。

新は羽黒を、榊はセオを運びながら歌舞伎町を移動し、榊は新に大丈夫かと問いかけ、新は家に帰って風呂に入りたいと、今の気持ちを素直に話すのだった。

榊が運んでいるセオが、報告書を書かなきゃとつぶやき続ける中、すれ違ったブルドゥンンギンに厄介だっただろうと言われ、新は本当にアナザーは厄介だと身にしみて感じるのだった。

 

ここから感想

せかっく蔵から出してあげたユキのキャラクターが、イマイチ生かされない話だった。この後は猫として以外に活躍する場があるのだろうか。せめて、蔵を守るように言った新のご先祖の話とかは、してほしいな。

今回も、新と榊のアナザーへの考え方が異なる状況が表現されたけど、新がアナザーの害とまではいかなくとも、迷惑な部分と、話が通じない部分を体験する中、課の中で次に若い榊が、全然アナザーについて寄り添おうとはしない点は、今後どうなっていくのだろう。特に今回の鬼王権現との一騎打ちの時なんかは、言葉が通じなくても、酒飲みとして何か通じるものがあったりするのかと思ったのだけど、榊は相手に絡みはしたが、酒に酔って過去を思い出し、落ち込んだだけで終わってしまった。いくら姉の事件があり、家族関係に問題があるのだろうと察せられ、その原因がアナザーにあるのだろうと推察できる榊であっても、アナザーとの意思疎通に対しての工夫が感じられないのは、かなり残念。

アナザーと話ができる新の登場で、この作品のアナザーとの交流の基礎が変わっているはずなのだけれど、今のところ作中でボディーランゲージでの意思疎通を試したとか、そう言った試みの話題が一切ないのは、この後に話題に上るからなのか、それとも作品上そう言った働き方をしない公務員設定なのか。この点で、今後の見ごたえ度合いが変わってきそうだ。

もし、後者のアナザー案件を担当する夜間地域交流課が、全国的に同じような対処法でしかアナザーの管理・後処理を行っていないのなら、これ以上公務員としての仕事の捉え方・考え方の違いの話題は無いものと判断でき、この作品は新を中心にした出来事でしか広がらないため、視野が狭いままで終了してしまうことになる。

前者なら、他の区のやり方の問題や、区市町村都道府県、国との連携などにも話を広げられ、さらには各地の文化も取り入れると、ものすごいボリュームのある作品に出来上がるのだけどな。ま、原作者一人の頭でそこまでやってくれとは言えない。でもせめて「何故公務員設定にしたのか」という一点だけは、明確に表現して作品を終わらせてほしいな。