はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

真夜中のカルト公務員 第8話「老いたコヨーテと星降る庭」感想

とうとう他の区にまで影響を与え始めた新宿区夜間地域交流課職員。まあね、歩けない距離ではないよね。

今週の内容
9月12日20時37分 夜間地域交流課。行政書士の蒲田幸子の調べで、宮古家が安倍晴明の血筋であると断言される新。ではなぜ名前を宮古にしたのかという新に、セオは血筋を隠すためで、この業界ではよくある事だとこともなげに言う。
という事は、妙法山千仞法が自分を安倍晴明だと思って話しかけた事も、新が先祖返りだったためによく似ているのだろうと、仙田も納得する。しかしそれでも信じられないような面持ちの新たなのだった。
そんな話をしていると、先日のアザゼルの件で行方不明となっていた姉・詩織を取り戻した京一が、詩織の書類を鎌田に提出する。通常、神隠しに会った人間は、正規の生年月日の通り生きるために、家庭裁判所の失踪宣告を取り消すか、見た目の年齢に合わせて別の人間として生きるかを選択して、社会復帰することになるのだと、説明を受ける新。そして蒲田は、そう言ったことを代々サポートしているのだと明かす野だった。
9月13日11時15分 詩織の身の回りの物の買い物をする京一と新、そして泉美。最近の女子高生の服などが分からなかったと、京一は泉美に手伝ってもらえたことを感謝する。そして、女子高生二人は買い物を続ける中、新に改めて迷惑をかけたことに礼を言う京一。やっと姉を取り戻せても、この先どうなるか分からないと言う京一だが、今は姉孝行ができて嬉しいと話し、新は冬物にも付き合わないといけないと、次回の話をするのだった。
買い物を終え、家の前で分かれる新と泉美。もう腕は大丈夫なのかと確認する新に、泉美は自分が体験したような、危険がある仕事をしている新を心配する。しかし新は、頼りになる先輩もいるからと、心配いらないと安心させるように笑って返すのだった。
部屋に戻ると、猫又のユキがペット用ベッドで仰向けの状態で寝ていた。新も同じように自分のベットに仰向けになり、心配された事について考える。
新の様子がおかしいと感じたユキが声を掛け、さらに琥珀が暗い顔をしていると、新の上を浮遊しながら突然声を掛けるのだった。琥珀の登場に、泉美の事をアザゼルに教えた件について問いただす新だが、友達の為なら何でもやるという話になり、何かが見れるかもしれないと思い立った琥珀は、新とユキを抱えて出かけるのだった。
9月13日17時21分 文京区後楽。ユキは久々の新との散歩にご機嫌で、意外と琥珀は猫に優しいと新に話す。すると琥珀はバステトを怒らせると怖いからだと答え、偉い猫で、楽器は上手いのにすぐ怒るのだとバステトについて新に話す。
東京ドームから聞こえる歓声に誘われて、近くまできた琥珀は、ステージは広いし、音は大きいし、みんなノリが良いとしょっちゅう来ている様と話したため、新はちゃんとチケットを買っているのかと聞くが、アナザーに聞くだけ無駄かと自己完結するのだった。
泉美が店の前の掃き掃除を始め、詩織が始めてICカードを使って改札を通っていたころ、セオは休日にもかかわらず、中秋の名月だからと、マンドラゴラの生成を行っていた。そんなセオを見つけた仙田は、公休日にオフィスを使っているのが総務部にバレたら怒られるから、バレない様にやってくれと注意する。
仙田の方は、文京区から苦情の電話を受けたのだと話し、その内容が、アステカ神であるウェウェコヨトル・琥珀を連れて、新が文京区を散歩しているため、アナザーが騒いでいるというものだった。それを聞いたセオは、突然災いの神が来たら誰だった驚くに決まっていると怒り、新に連絡しようと自分の携帯を取り出すが、仙田はまたかかってきた電話に出るよりも先に、休日に若者を叱るのも野暮だと、しばらく様子を見ようと、セオを宥めるのだった。
9月13日20時28分 台東区上野。ユキと琥珀が水面上に立ち、水を蹴って騒いでいるのを見る新。その後ろには様子をうかがう様に顔だけ出す河童たちがいるのだった。
9月13日20時55分 台東区動物園前。パンダの看板を横目に見て飛ぶ琥珀だが、その看板は狸たちが集まって作り出していたのも出、琥珀の存在に驚いて狸たちは変化が解け、蜘蛛の子を散らすように逃げ出すのだった。
9時13分21時49分 台東区浅草。雷門前を通る琥珀。その姿を門の屋根からそっとうかがう風人と雷神。その他のアナザーも、震えるほど怖がっているのだった。
姉弟は家に着き、スマホを見ながら今度はここに行ってみたいとでも話しているのか、スカイツリーの写真を指差して、京一に話しかける詩織。
9月13日22時20分 墨田区押上。ユキがお腹すいたと訴え始め、新もどこまで行くのかと琥珀に尋ねるが、琥珀自身も東だとしか答えられず、感じが変わってしまって、どこまでだか分からないとつぶやくのを聞いて、声を上げる新。
スカイツリーを見て、あそこから見ればわかるかもしれないと、新とユキを引っ張って宙を浮く琥珀。しかしそこに、ここから先は主の領域だと、喧嘩腰に八咫烏が現れたのだった。
琥珀に連れてこられただけだと主張したユキに、デブ猫と罵倒し通るなと訴える八咫烏。デブという言葉に、少し自覚があったからか過剰に反応したユキは、巨大猫又の状態で八咫烏に挑み、やがて猫とカラスの喧嘩になる。しかしその様は朝方良く見る光景だと、新と琥珀は少し引いた見解を示すのだった。
他のカラスと一緒にするなと、清明に貰った名前を仰々しい由来の後に披露するクロ。これもまた何の捻りも無いと、冷めた新と琥珀に、クロは涙目になりながらつけてもらった唯一無二の名前だと訴えるが、はたと人間である新が、自分の言葉が分かることに気付き、声を掛ける。
新が八咫烏に話しかけようと屈んだため、鳥目のクロも新の顔を認識でき、清明だと思ったクロは気づかなかった事と、いずれ挨拶に向かうつもりでいたことを話し始めたため、自分は声明ではないと訂正する新。ついでに、そんなに似ているのかとクロに尋ねる新だが、クロは鳥目なので良く見えないと答え、清明に名前を貰った友達のカラスというところに目を付けた琥珀は、クロに清明の庭に連れて行ってくれと依頼するのだった。
琥珀を連れて新が移動しているために、殺到する苦情に対応する仙田とセオ。書類を作りながら、セオは新の立ち位置がおかしいと、先日の話を持ち出す。
仙田がルーマニアの海外出張から戻り、悪魔・アザゼルによる女子高生の誘拐が、事件の真相だと聞き、まずは課の全員に大きい案件を任せてしまってすまなかったと謝罪し、京一には、姉が戻ってきて良かったと、感慨深そうにする仙田。
そして、新にも砂の耳のおかげだと声を掛けようとする仙田だが、あまりにも暗い顔をしている新に、思わずどうしたのだと聞いてしまう。新は、蘇った少女の狂気の叫びと、アザゼルの失望の嘆きを、哀れで聞いていられなかったと話し、三人を絶句させる。とっさに京一が、幼馴染を攫われてもかと尋ねるが、それでも、あの声を聴いてしまったら誰だって同情すると、新の意見は揺らぐことが無かったのだった。
言葉が分かるという事は、共感能力が高いという事だと言う仙田に、命取りにならなければ良いと心配するセオなのだた。
クロは清明様をまたご案内できる、1020年待った甲斐があったと感激しながら先導し、新は琥珀清明が居なくなってからの長い時間、どこで何をしていたのかと尋ねながら橋を渡る。すると黄金色の稲穂の中にいることに気付き、気づけば目の前に建物がある、桜と紅葉、雪が舞う空間に足を踏み入れていたのだった。
清明の庭の美しさに、思わず見とれた新に、琥珀は先ほど新がした質問の答えを「居なかった」と話す。
意外な回答について行けない新に、名前を呼ぶ清明が居ない間、琥珀という者は存在せず、新にまた呼んでもらえるまではそれが続いていたのだと、言葉を変えてもう一度言う琥珀。そして、もし、新が自分に名前を付けるならどうするのかと聞いてみる琥珀に、新はやはり月と同じ濃い金色の目をした琥珀だと言うだろうと答える。
新の答えを聞き、満面の笑みで喜んで、勝手に先に帰っていく琥珀に、おいて行かれる形の新。気付けば清明の庭からも出ていたため、自分たちも帰ろうと、スマホ交通機関を調べ始めるのだった。
清明様をご案内するのが使命だと自負している、八咫烏・クロの情報で、最寄り駅が青戸駅で、終電は23時57分だったため、現時刻が0時過ぎで電車は使えず。さらにタクシーだと神楽坂まで深夜料金で6千円だと知り青ざめる新なのだった。
9月14日18時30分 夜間地域交流課に出勤する新。自身の6千円の出費にしょんぼりしていたところではあったが、さらに疲れ果てた仙田から、机の上に置かれている書類は、災いの神・ウェウェコヨトルを連れて歩いた結果に発生した、他の区からの苦情への始末書であるため、今日中に処理をするようにと言い渡され、その対応で忙しかった自分たちは寝ると、言い逃げされてしまう。
文京区の湯島のろくろ首が行方不明。台東区不忍池での河童による水害。同じく台東区の上野公園での狸衆によるごみの散乱。葛飾区では送り提灯の深夜の発光現象等々。電話が鳴りやまなかったというセオも、アイマスクをして疲れ切った状態で昨晩の話をする。
一晩中歩かされて、タクシー代を自腹で6千円を支払った挙句に始末書という状況に、全て災いの神の所為だと嘆く新なのだった。

ここから感想
良く言えば、琥珀に焦点を当てた回で、琥珀清明を大切な友人だと思っていたことは理解できた。
で、素直に言えば、出してほしい結果や状況の説明はされなかったので、今週は捨て話なんだなと理解した。
描いてほしかった点は、泉美は今後もアナザーを視認できるのか。琥珀は、新と清明を本当は別人だと認識していないか。琥珀が気まぐれなのはわかってきたが、その災いの度合いが分からないので、アナザーがパニックになったその度合いも、正直理解できなかった。
泉美の件は、きっと親からしてみれば、祭りから帰らず朝帰り扱いで、夜間地域交流課の扱いも、今は見えてないかをチェックして返した程度なんだろうな。描かれなかったけど。
琥珀についても、清明だった時の事を覚えていなくても、同じことを言ってくれる、清明の血筋の清明に似た新だから、それはもう清明でしょって認識なんだろうなと、こちらで勝手に考えている。
災いの神で大パニックっていうのも、言葉が通じない人間から見ただけの事で、避難時に押し合いへし合いして水を流したり、ゴミを散らかした程度の事なんだろうなと、今までの経験から予測してみた。
という事で、一見、詩織が帰ってきて幸せそうな京一とか、琥珀が新を改めて好きになったのだろう話とかがあり、良い話だと思いがちなのだけど、せかっく身内が事件に巻き込まれたのだから、夜間地域交流課の事後処理方法などの、お仕事場面の見せどころを、全て無視。
人間関係も、寿命の違う人間とアナザーの交流なのか、琥珀と新の個人的な想いを描く方向なのかを絞らずに、あらゆるアナザー事件を事案として紹介していくだけ。
砂の耳は新一人だけなのだから、いい加減的を絞った描き方にしないと、事件を解決していくだけの話になってしまい、特殊設定を活かさないまま終わりそうだ。
もうちょっとでも、作品の特徴を活かした描き方をすれば良いのにね。せっかくの公務員設定が台無しだよね。