はちよりうえ

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真夜中のオカルト公務員 第7話「喪失感と絶望の証明」感想

今回は、たまたま管轄内の範囲で済んで、しかも勤務時間内で救出ができたから、大手を振って仕事という事で報告書が書けるのかな。

今週の内容
その昔、アザゼルは人間の少女に恋をして、彼女からも花冠を貰うなどして愛し合い、幸せそうに笑っていた。しかし、人間の寿命は短く、少女の遺体を目の前に戸惑うアザゼルは、器さえあればまた蘇させることができ、また笑ってくれるだろうと考えるのだった。
7月24日20時12分、セオと榊と合流し、公用車に乗る新。琥珀の言った「女の子ばかり集める手癖の悪い悪魔がいる」という存在と、黒い砂を纏ったアナザーを同一の個体として考え、その悪魔が戸山公園で保護した女子高生や新の幼馴染、榊の姉を攫ったやつなのだろうと憶測するセオ。そして、榊がその悪魔の情報を新を利用して琥珀から聞き出そうとした。つまりアナザーと交渉をしようとしたと、状況を今一度整理する。
新はセオに、榊はアナザーとは交渉しないと言っていたと庇うが、セオは、榊が新を巻き込んだ時点でなりふり構わないつもりだったんだと声を荒げる。
セオに図星を突かれ、観念した榊も、腕の一本位はくれてやろうと思ったと本心を吐露する。その言葉に新は思わず驚きの声を上げ、さらにセオは苛立たし気に自分に話さなかったのは絶対に止められるからだと断言する。
榊は、17年間探し続けてやっとつかんだ手がかりだったため、絶対の逃すわけにはいかなかったのだと静かに答えるが、セオは車を急停車させ、それならばなおの事自分も巻き込めば、もっと別の形になるように協力できたと悔しそうに顔を伏せる。その様子に眼を見開いた榊に、今度は新がこんな形で本当の事を聞かされるのは気分が悪いと、本心を話し、榊に謝られるとお世話になっている分許してしまうため、借りという事にすると宣言し、榊もその意志を受け取るのだった。
7月24日20時37分 夜間地域交流課に戻り、地獄への入り口を探し始めるセオ。
今までにあった女子高生行方不明事件の現場を地図上に乗せ、さらにそこへ黒い砂が重力に影響を与えるため重力変動のデータを重ねて見せるセオ。そんなデータをいつ入手したのかという新の質問に、黒い砂について気になっていたのと、最近はずっと行方不明事件にかかりっきりで分析していたのだと返すセオに、彼が動いてくれていたことと、そんなセオに悪魔について相談しなかった事への感情が入り混じったような声を上げる榊。
ある程度集中している部分が見えてきたところで、古い事件のデータを順に消していくことを提案する榊。さらに新が相手が悪魔なら、苦手な物とかを避けるのではと提案に、協会と天使の生息している周辺のデータを除外すると、4か所まで絞れ、それがどの地点も女子高であることまで判明する。
琥珀が、悪魔の思惑は朝までには終わると言っていたと新から時間のリミットを伝えられた榊は、4か所なら全て回れると、全員で地獄への入り口を探しに、再び外へ出るのだった。
7月24日21時35分 東稲田女子高等学校。同日23時12分新宿アセト女子学園。7月25日2時47分新宿愛善院女子高等学校。同日3時15分、4か所目となる新宿宗林女子高等学校を調べる新達。イブングハジスプレーで入口を探そうとすると、琥珀が現れ、それで入口を見つけても入れないし、死にたいのかと止めに入る。その他人事のような物言いに、新は死なないかもしれない、決めつけるなと怒鳴り、その発想は無かったと考え込み、楽しみを見つけたと笑いながら新たちを地獄に続く入口に導くことにするのだった。
たくさんの扉がある空間を抜け、地獄に向かう道すがらに、女の子を集めているという悪魔がアザゼルだと知る新たち。セオと榊は大物中の大物の名前に声を上げ、基礎的な事を知らない新に、アザゼルは元は天使だったが、人間の少女に恋をするという禁忌を犯して悪魔となったという言い伝えを説明するセオ。琥珀は実際その通りだと肯定し、その永遠を誓った少女をずっと蘇らせているのだと、含みのある笑いを浮かべる。
泉美が目覚め、鳥かごの中にある光で照らされるアザゼルが視界に入ったため、誰かいるのかと声を出すと、すぐ隣にいた榊の姉・詩織が静かにするように止められる。
二人でアザゼルが何をしているのかを見ていると、泉美は自分の左手が動かないことに気が付く。
アザゼルは、泉美から奪った左手を動かすの力を横たわる少女に与え、これで四肢がそろったと満足そうにする。後は最後に入れる目を入れれば良いのだと、大丈夫だと自分に言い聞かせるように唱えながら、目を持つ詩織の元へ足を運ぶのだった。
琥珀から得たアザゼルの話をセオたちにも伝える新。女の子たちを攫っているのは、蘇らせる少女の器を作るためであり、拒絶反応があり上手くいかないのだと聞いたセオは、だから多数の少女を長期間に渡り攫う必要があったのかと納得する。しかも適合しなかったり部品を取った子については興味が無いため、琥珀に気前よく渡したという事も分かり、戸山公園で保護した子たちは、そう言う理由から戻ってきたのかと、これにもセオは納得するのだった。
そんな話の中、花が咲いていることに気付く新。それがトリカブトであったため、番犬の正体がケルベロスだと気づいたセオは絶望したように大声を上げ。琥珀や新たちの匂いに気付いたケルベロスも、久しぶりの肉と甘いお菓子の匂いだと姿を現し、その姿にビビる三人。しかしその状況を楽しみたかった琥珀は、不謹慎にも楽しそうに「上手く逃げてね」と新に声を掛けたため、そのことに怒った新の声で、ケルベロスに隠れていた場所が見つかってしまうのだった。
ケルベロスは甘いものが好きだと、知識で知っていたセオが、持っていた棒付きキャンディを投げてケルベロスの気をそらしているうちに走って逃げる新たち。しかしキャンディ一つでは、ケルベロスもすぐに三人を追いかけてきてしまい、あれだけでは足りないと、琥珀はあくまでも傍観する構えをとる。
アザゼルは、すべての部品がそろったとつぶやき、あとは目だと詩織の顔を鷲掴む。その行為をやめる様に泉美が動く右腕で止めに入るが、すぐに降り飛ばされてしまい、詩織の目は彼女の物だとアザゼルの指が迫るのだった。
ケルベロスから必死に逃げる様を、楽しそうに眺める琥珀に、走りながらも起こる新だが、琥珀が居る方向に出口らしきものを見つけ、潜り込もうと榊に声を掛ける。しかし、一番足が遅く、遅れていたセオが転んでしまい、とっさに閃光弾をケルベロスに投げつけるが、その行為に逆上した様子のケルベロス。それを見た新がセオを庇う様に立ち、榊がショットガンを構えるが、ケルベロスが新に食いつこうとするのが早く、新ももうだめかと目をつぶる。想像した衝撃が来ないため、恐る恐る目を開けてみる新は、琥珀がこれは自分のものだとケルベロスを睨みつけ、ケルベロスも、また琥珀の勝ちだと舌打ちしながら姿を消していくところを目撃する。
ケルベロスの脅威が去ったとホッとした新だが、琥珀はだから死ぬと言ったんだと怒り、これからは自分の忠告もちゃんと聞くようにと言い含められてしまう。そんな琥珀に、新は礼をいう日が来るとは思わなかったと一言添えてかた、ありがとうと伝え、琥珀は他はどうでも良いが、新は死なれたら困るのだと、まだ怒っている様子で先に出口をくぐってしまうのだった。
アザゼルのいる回廊に入った新たち。入ってすぐそばで新の幼馴染の泉美を見つけ、すぐにセオが気絶しているだけだと確認する。榊はアザゼルが居る寝台から、姉の詩織の顔が見えたことで、怒りの感情のままにショットガンをアザゼルに向けて発射する。しかしその弾が何かに弾かれてしまい、新たちは背後にいたペルフェゴールによって動きを封じられてしまうのだった。
ペルフェゴールは、大人しくしていれば開放すると一方的に約束し、そのことを榊達にも伝える新。
そうこうしているうちに、寝台に横たえた少女に、最後の目を入れるアザゼル
眼を開いた少女を嬉しそうにのぞき込むアザゼルだったが、その顔を認識した瞬間に暴れだし、「また起こしやがった」「これは私の身体じゃない、気持ち悪い」と苦しむ少女。その言葉をセオと榊が聞くことができなかったため、少女はアナザーだと知る新。その様子を見て、あんなやり方で蘇らせるから人間ではなくなると、楽しそうに言う琥珀
頭を抱えて苦しむ少女に、アザゼルは優しく笑い掛けながら初めて会った時の様に笑ってごらんと話しかけるが、少女はアザゼルを拒絶し、寝台から転げ落ちてもなお、何度も違う身体に入れられることや、眠らせてくれない事、解放してほしい等と絶叫する少女に、アザゼルは元の無表情な顔に戻り、「お前は誰だと」と少女の身体を自らの手で貫き、黒い砂に変えてしまう。
少女の身体が砂になってもなお、光るものが一つ残り、それを大事そうに鳥かごに戻しながら、アザゼルは何がいけなかったのだろうと考え始める。それを見て、普段無表情なアザゼルがあんなにも絶望した顔をしていると大笑いする琥珀
ペルフェゴールが約束通り、新たちの体の自由を戻し、もう用は無いから帰れと言っているペルフェゴールに、やはり感じた怒りをぶつけるためにショットガンを構えようとする榊。しかしこの場から全員で帰ることが優先だとセオに止められ、新を巻き込んでここまで来たことを指摘された榊は、銃を下ろし、ペルフェゴールの開けた出口から元の現実へ戻るのだった。
7月25日5時02分、おそらく新宿御苑にでた新たちは、まず榊の姉の詩織の意識をセオが回復させ、起き上がった詩織を幼少の頃の様に「お姉ちゃん」と呼んで支える榊。
目が見えないながらも、声から支えているのが弟であることを言い当てる詩織に、驚く榊。さらに父親の声にそっくりだと言われ、姉を探し続けた17年間の年月を実感し涙を流す榊。
心配をかけたと謝りながら、弟の顔を見たいと詩織がつぶやいた後、アザゼルが集めて作っていた少女の器の力が、ホタルの光の様に立ち上り、それぞれの持ち主の元へ静かに戻り始める。歌声を取られた柴裕子や、目の機能を撮られていた詩織も力を取り戻し、を左腕を動かせなくなっていた泉美も、いつの間にか動かせられるようになったとホッと胸をなでおろし、色々と分からないから後でと教えてよと、榊姉弟の再開に泣いていた新に声を掛けるのだった。
少女を蘇らせた回廊では、鳥かごの前で座り込み呆然とするアザゼルを楽しそうに干渉する琥珀とただ行動を見ているペルフェゴール。また、少女の器を作る素材集めに動き始めたアザゼルを見て、琥珀はこのままだと永遠に続くとペルフェゴールに話を振るが、ペルフェゴールは「人間の女との幸せな結婚は存在しない」という結論の証明となるからと、アザゼルが絶望する行為を止める気は無い様子なのだった。やがてアザゼルは、少女に容姿が似た人間を見つけ、思わず見つけたと笑みを浮かべるのだった。

ここから感想
神隠しに会った人間が、そのままの姿で戻ってくるのは分ったとして、取られたものまで戻ってくる今回の話は、生きている人に甘いなと思ってしまった。本当は「アナザーってそう生易しいものじゃない」って話だったよね。今回は、アザゼルが失敗作に興味が無いと言うだけで、体も機能も帰ってきたという話で済んだけど、もっと踏み込んで取られたものは戻ってこないから、厄介なんだという話にはならないものかね。
まぁ、今回のアナザーが厄介っていう点は、アザゼルの行動を倫理的に止める存在が居ないところなのかな。琥珀は完全に暇つぶしだし、ペルフェゴールは持論の証明をしてくれるから見ているだけ。他のアナザーも、たとえ見聞きしても興味が無いとか、そういう感じでアナザー同士の関係は希薄なのかな。ってところでいくと、天使と天狗はいがみ合っている分だけお互いに興味があるのか…1話の騒々しさが懐かしいな。
で、とうとう京一の姉が戻ってきたし、幼馴染の泉美も事件に巻き込まれ、さらにアザゼルを認識して飛びついた経験までしてしまった女子二人。もしかしてアナザーが見えるようになったのでは?と思っているのだけど、来週あたり、泉美への説明をどうしたのか、アナザーのユキが見えるようになっているのかとか、描いてくれることを祈る。