はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

盾の勇者の成り上がり 第19話「四聖勇者」感想

どうしてあんなに高低差があって、距離も離れているのに会話が成り立つのかと疑問に思ったけど、魔法で音声を拾っているのかもと思いついたので、教皇が地獄耳とかでは無くて安心した。

今週の内容
突然の三勇教の攻撃を防ぎ切った尚文たち。さらに教皇が裁きを受けさせるとして手に取った剣から放たれた攻撃も、何とか尚文が憤怒の盾で防ぐことができた。しかし教皇は余裕の笑みで試し打ちはこれくらいだと言い、剣を槍に変形させるのだった。
教皇の武器が変形したのを見て、メルティは四聖武器の模倣品だと看破する。その昔に四聖勇者の武器の模倣品が作られ、それぞれの勇者の武器になり、力を発揮することができるものだったが、数百年前に紛失したとされていたと語るメルティ。その武器自体、国と三勇教の歴史を学ぶものなら誰でも知っている有名な物であるため、見つかったとなれば騒ぎになるはずがそうはなっていない事を踏まえると、紛失したこと自体が三勇教の仕業なのだろうと憶測するメルティに、四人の勇者の武器を兼ね備えている物が存在するなら、何故勇者を召喚したのかと苛立たしそうに聞く尚文に、メルティは模倣品の欠点が消費する魔力量だと話す。
メルティの考えと消費する魔力の話について、肯定する教皇。しかし膨大な魔力量は後ろに控える信者たちから供給されると明かし、信者たちに盾の悪魔と偽勇者を浄化する聖なる戦いだとして、神の武器に祈りを捧げるよう指示を出し、教皇の持つ槍に魔力の光が集まり始める。
その様子を見て、メルティに信者たちを眠らせる等の方法は無いのかと聞く尚文だが、メルティ自身が習得していないのと、魔力への抵抗力もあるだろうと見込まれるため、全員眠らせることは無理だと言われてしまう。仕方なく、他に策が無いか考えを巡らせるしかない尚文。
そうこうしているうちに、元康が声を挙げ、「身勝手な理由で騙し、都合が悪くなれば処分するのは悪の所業」だとして、勇者として教皇を倒すと宣言する。その様に冷たい視線を送るラフタリアとメルティ、そしてフィーロ。
元康の槍の攻撃や、マインとダンサー、魔導士との合体技も、流星槍すらも教皇を守る魔法障壁を破ることができず霧散してしまう。魔法障壁は鉄壁だから、悪魔の盾とは違うのだと誇らしげな教皇。メルティは、膨大な魔力を魔法障壁にしているのだと分析する。
今度はこちらから攻撃する番だと、教皇が槍を軽く振るうと、火炎が起こり、狭い足場の中で思わず構える尚文たち。確かにまともに攻撃され、連続で来られたら防ぎきれないと考える尚文は対処を考えるが、教皇が裁きを与えると槍を構えた時、剣と弓の攻撃が教皇を襲い、魔法障壁を破るのだった。
その攻撃の方向を見ると、そこには死んだと思われていた錬と樹が立っていたのだった。
尚文たちの元に向かうため、爆発で窪んだ地面を下ってくる錬と樹。生き返ったのかと間抜けな事を聞く元康に、勝手に殺すなと答えた錬は、そのままハンドレッドソード教皇に放ち、教皇は障壁でこれを無効化する。
障壁が破壊された際に教皇を案じて近づいた司祭に、教皇は魔法障壁に割く魔術師を全体の半分までに引き上げる様に指示をし、攻撃のための魔力供給に時間がかかる弱点も、盾の悪魔と偽勇者達が、自らの過ちに気付き裁きを受け入れる時間が必要だと、余裕のある構えで対応する。
樹の攻撃も教皇には通じなかったところを見つつ、元康が再び錬と樹が生きている事に疑問を投げかけたため、錬と樹は三勇教を調査していたこと、大聖堂の地下室で機密文書を発見し、四聖武器のレプリカがある祠まで赴いたところ、攻撃を受けたこと。間一髪のところで女王の直轄部隊・影に助けられたことを話す。
影が自分以外の勇者の動きも捕えていたのかと考えていた尚文の耳に、樹の報酬が横取りされたのも三勇教の所為だったのだろう、尚文は濡れ衣を着せられたのだと言う言葉が入り、勝手な思い込みで尚文が報酬を横取りしたのだと食って掛かったのは樹の方だっただろうと心内で突っ込む尚文。さらに尚文の肩を叩きながら、濡れ衣とはついていないと憐れむ元康にも、今まで錬と樹を仇だと思い込んで尚文を殺しにかかっていただろうと激しむ突っ込むことになるのだった。
錬と樹は示し合わせ、流星弓で教皇の魔法障壁をすべて破壊し、流星剣で教皇の槍の魔力を取り払うことに成功する。その様子に劣勢を感じ取り動揺する信者たち。さらに錬が女王の討伐軍が時期に到着することを伝えると、討伐という言葉に驚いた信者の動揺はさらに大きくなるのだった。
その信者の動揺も、教皇は神と悪魔の戦いのため苦難な道のりだが勝利は約束されているとの言葉で鎮められ、結束を高めた三勇教陣営。その様子に、正義はこちらだと憤慨する元康。その言葉に同意し、三勇教を倒す方向で共闘しようという樹と錬。しかし三人が結束しているうちに尚文はラフタリアに目配せをして、メルティやフィーロ達と作戦会議を始めるのだった。
四人で共闘しようという元康たちに対し、尚文は共闘する気は無いと言い放ち、生き残るために共闘しようと言う時に独自に動くのは勝手だと言う意見にも、自分たちだけで生き残ると返し、理不尽に罪を着せられたまま死ぬことは良いのかという元康に対して、ラフタリアから元康にだけは言われたくないと声があがる。
ここにきて、三勇教をのさばらせた原因となる錬、樹、元康に対する今までの怒りを語る尚文。元々の原因であるマインは一番悪いとしつつも、元康は自分の考えを持たず、錬はこの世界を現実だともっと認識したうえで行動すべきで、樹は勇者としての力だけを振るい、権威を示す等の後処理を行わなかったと語る。なら尚文は何をしていたのかという言い返す樹に、尻拭いをしていたのだとラフタリアとフィーロが返答し、それに乗っかるように錬と樹を責める元康。しかし尚文は、伝承のツル植物に侵略された村の話をあげ、伝承にもある危険な植物の種にもかかわらず、勇者である元康からであれば安心だと村人が受け取るほど、勇者が得る大きな信頼とそれに見合う責任が重い事を話す。現在、その責任を果たさずにいる三人に、先日の三回目の波でのソウルイーター戦で連携していれば難なく倒せていたのだと話し、教皇の言う通り、この状況であれば愛想をつかされても仕方がないと続ける尚文。
そんな話をさえぎって、教皇はこの期に及んでも仲間割れをしている勇者たちを嘆かわしいとあざけり、魔力をためる時間もたっぷりあったと、再度攻撃を始める。
その一撃を防いだ尚文は、それでも元康たちもあの教皇と同じだと話を続ける。自分勝手な理由で人を利用し陥れ、正義を振りかざし迷惑を顧みず力を振るい、それを悪いとも思わないお前たちはクズだと言い切るのだった。
同じ頃、尚文たちと別れてフィロリアルの聖域に戻ったフィトリアは、尚文が他の勇者たちと協力するという約束を思い返し、やるだけはやってみると言っていた尚文の言葉を信じ、約束が守られることを祈るのだった。
元康たちへの怒りの感情をだいぶ吐き出した尚文は、教皇を倒して生きて帰るまでという条件で、力を貸すと話を繋げる。その言葉に、ラフタリアも納得し、メルティとフィーロも賛成する。
教皇は盾の悪魔と共闘する意思を見せた三勇者も、徹底的に浄化しなければならないと判断し、信者たちの一斉の詠唱により、高等集団防御魔法・大聖堂を展開して、尚文たちを聖堂のような空間に閉じ込めるのだった。

ここから感想
確かに、国と宗教の歴史は上層階級が知っていて当然の教養だよな。さらに王族が精神系魔法を習得しないのは、信用に対する対価だという事も理解できる。こういうところはなるほどなと思えるのだけど、どうしても、後から来た弓を使う樹が、わざわざすり鉢状になった地形の真ん中に、自ら進んで入るのが納得いかない。いや、別にこれは攻撃系の人全員に言えるんだけど、普通は攻撃対象の全体が見えない位置に、わざわざ行かないし、留まったりしないよね?ここは場面展開上一塊になりたいのは分るけど、なら集団魔法の上部からの第一波攻撃でくぼ地にして、教皇の側部からの第二派攻撃でさらにすり鉢の片面をもっと削って、地形を変えておけば、尚文たちが樹たちに駆け寄る描写もおかしくなくなるのでは?と、ここまで考えたのだけど、これはこれで地形の変化の描写が面倒だし、尚文の「勝手に戦闘を始めた」という立場を作りづらいのか…もっといい案があればもっと突っ込むんだけどな。
今週もすり鉢のそこで騒いで終わってしまった。この作品の始まりともいえる冤罪を、この場である程度尚文とメルティが話してしまい、これまでの怒りを尚文が相手にぶつけることができたのは大きなことなのに、戦闘中だからなのか、こじんまりとまとめられてしまい、思ったほど「冤罪だった」と主張しなかったなと感じる。
あともう一点。せっかく宗教の理不尽な部分が際立って描写されているところなのだけれど、メルロマロク以外にも四聖勇者が召喚される可能性があったと分っているので、国外にも同じような宗教があるのかどうか、あればそこの国でもクーデターしているのかが少し気になった。出来れば、この教皇の暴走を後回しにして、尚文たちだけでメルロマロク以外の国を見て欲しかった。そこで、国は王政なのか、宗教はどのようなものかを描かれて、亜人の扱いや食事の質や自給量も分かれば、国力の差も分かるだろうし、今回の教皇戦もより緊張感をもって迎えられただろうな。
やはり、こじんまりとまとめて、次の話題が控えていると感じ取れてしまって残念。女王の討伐軍がもし来たとしても、作り出した大聖堂から抜け出さないと接触できないのだから、教皇戦は来週で終わるかどうかを考え始めてしまったよ。できれば来週半ばには決着つけてほしいな。