はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

フルーツバスケット 第7話「春になりますね」感想

 

この辺のはとりと紫呉の意見の相違については、そのまま二人の慊人への好意の度合いにも繋がっているから、透が分かるはずも、気を付けられるはずもないんだよね。

人の関係と対人対応の考え方の違いって、人それぞれだから複雑だよねっていうのがこの作品の根本なだけに、この違いをこのアニメが初見な人は、どれだけ分かるんだろうと思った。この辺の感覚が分からなくなるから、原作既読なのは損だよね。

 

今週の内容

透がまた家を出ていったと、居間にいる紫呉たちに慌てて言う夾。しかし友達の家に行くと事前に言っていたと由希に言われ、人の話を聞いていなかった事に恥ずかしそうに珍しく出かける透が悪いとあらぬ方向にもっていく夾。そんな二人の話を聞きながら、紫呉は透が居る事が当たり前になるほど、この家になじんでいる事を喜び、今はどこにいるのだろうかと考えを巡らせるのだった。

はとりに呼び出され、紫呉たちには内緒で草摩家へ来た透。あまりに大きな門に圧倒され、内緒で来たことも後ろ暗く感じていた時、突然紅葉に声を掛けられた事と、彼がまた通用口の屋根という高い場所に上っていることに、驚きと、その場所は危険だと慌てる透。

紅葉に門を開けてもらい、さらに続く道を案内される透だが、人が住んでいないのではと思うほどの静けさに緊張が増し、はとりの家に到着する頃には緊張図彼が出るほどだった。

部屋に通され、紅葉がお茶を入れている間に、机の上に女性の写真が飾ってある事に気付く透。今までのやり取りの中で、はとりは厳しそうで、言葉の端々から怒っているような印象を持っていたために、意外だと考えていた透だが、そう言えば自分がここに呼ばれた理由をまだ知らされておらず、厳しそう・怒っているというワードから、自分の至らない点を叱られるのではないかと思い至り、さらにその様子を「具合が悪い」と勘違いした紅葉にはとりに診てもらうかと聞かれてしまい、慌てるのだった。

紅葉が淹れてくれたお茶を飲み、落ち着いた透は、部屋に戻ってきたはとりに仕事の時間にお邪魔しているが大丈夫なのかと尋ね、はとりが草摩の人間しか診ない事を知る。ついでにその仕事内容の半分が、特技がすぐ病気になる事な当主・慊人の世話だとぼやくはとり。

さらに今日は草摩家にとって一大イベントの正月の準備で、草摩の外・中問わず忙しいため、診察には誰も来ないと付け加える紅葉。しかし透は草摩の外・中の違いが分からなかったため、中が本家で十二支の家族やその秘密を知る人で構成され、20人ほど。外がそれ以外の人で100人ほどいるのだと説明され、自分が今まで通ってきた並木道の周辺に住んでいるのが外の人だと知った透は、その規模の大きさに目を回す。紅葉は、透の知っている人間では、紫呉や由希も昔は中に住んでいて、夾は外に住んでいたのだと分り易く説明する。

はとりは、その中と外の話から自分が透にしたかった話に切り替え、草摩の人間でも一部の者しか知らない十二支の秘密を、赤の他人である透が知っている事の意味と、本来とるべき記憶隠ぺいの措置も取らずに、同居まで許している慊人は透を利用しようとしているのだと話し、今は紫呉の家での生活が楽しくとも、草摩の家が抱える問題は、危険で陰湿で呪われているのだと、後悔することになる前に早く出ていく様に勧めるのだった。

インターホンが鳴り、はとりが対応のために席を外したところで、紅葉ははとりに草摩佳菜という恋人がいたことや、結婚の約束もしていたこと。二人の結婚を慊人が許さず、怒って暴れた時に発生した事故で、はとりはが左目に怪我を負った事。怪我が治っても左目が殆ど見えず、はとりが怪我をしたのは自分の所為だと佳菜が自分自身を責めて心を病み、彼女を救うためにはとりは愛し合っていた記憶を佳菜から消し、その後佳菜は出て行ってしまい、はとりは泣いていたのだと話す。しかしはとりは慊人を一切攻めなかったのだと、それが呪いだと紅葉は語り、おそらく透に出ていく様に話したのは、佳菜の様になってほしくないからだと自分の考えを話す紅葉に、透ははとりがあまりにも優しいと、それでも後悔はしないと泣きながら利用されていることに対してもありがとうと言いたいとまで言って見せるのだった。

透が泣いているのを見て、はとりの家を訪れた紫呉は、利用なんてしていないと声を掛け、はとりの言い方が大げさなうえに、心配性が過ぎるのだと、今の状況は怖がるような事では無いと、はとりをいじりながら透を引き留める側に回るのだった。

単に正月の準備の様子を見に来て、たまたま顔を見せた紫呉の登場で、泣き止み、はとりの思いを受けても紫呉の家に居たいのだと自分の意志を伝えようとする透に、はとりは忘れないうちにと文化祭で由希と夾のツーショットを撮ったカメラを渡す。話が見えずにいる透に、最初から透が来ればカメラを渡す約束だったというはとりだが、電話口では「来なければどうなるか分るな」とだけしか聞いておらず、様々な憶測が混じって緊張していた透は、はとりも紫呉と同じで我が道を行っているのだと理解するのだった。

まだ慊人に合わせていなかったと言うはとりに、気にしないでほしいと返す透。それよりもはとりが十二支の何の物の怪憑きなのかが気になった透は質問するが、質問に笑いながら答えようとした紫呉を、幼少期からの付き合いを利用した、恥ずかしい話題を人質に阻止するはとり。はとりが何年の物の怪憑きなのかは結局答えなかったが、呼び出した上に怖がらせ、泣かせてしまった事を透に謝罪するはとりなのだった。

はとりの要件は済み、紫呉は正月準備の様子を見に、紅葉は舞の練習に行くため、はとりが透を送ることになる。

紫呉の真面目な顔からでるアホな発言には反応も返さずに歩き始めるはとりに続き、紅葉に挨拶をしながら帰る透。二人だけになり、沈黙に耐えられなかった透は、紫呉とマブダチなことを聞いてみるが、どうやら触れてほしくなかった話題の様で、腐れ縁なのだと返されてしまう。嫌なのだろうかと考えていた透は、足元の階段に気付かず踏み外してしまい、思わず抱きとめてしまったはとりが変身してしまう事態になる。

はとりが変身したのが、想像もしなかったタツノオトシゴだったために、用意するのは海水なのか水なのか分からず、慌てふためき変身したはとりとはとりの衣服をまとめて走り出す透。その反応が佳菜の者と同じだったため、彼女と過ごした日々を思い出すはとり。

助手としてはとりの元を訪れた佳菜は、同じ一族にもかかわらず、話した事が無いなんておかしいと笑いながら話し掛け、さっそく仕事の話をしようとするはとりに、雪が降ってきたために、雪が解けたら何になるかと質問する自由奔放な佳菜。答えは「春になる」と言うもので、まさに春を彷彿とさせる佳菜の人柄に、自然とはとりも惹かれていくが、十二支の呪いの所為もあって一定の距離を取ってしまっていた。

はとりが十二支の物の怪憑きであることがある日佳菜にバレ、慌てた末に変身したはとりを風呂に投げ入れた佳菜に、本物のタツノオトシゴを風呂に入れたら死ぬぞとズレたことを言うはとり。そんな彼の頭をタオルで拭きつつ、佳菜はどうして抱きしめてくれなかったのか、その理由が分かり、怖いと思う気持ちを汲みつつ、それでも自分を拒絶しないでくれと、はとりに寄り添うのだった。その言葉に救われたはとりは、その後数カ月を佳菜と幸せに過ごし、そして結婚の許しを請いに慊人にあった日に、その幸せが終わってしまうのだった。

呪も解けないくせにと佳菜に手を上げる慊人に、紫呉とはとりで止めに入るが、慊人に突き飛ばされたはとりが部屋にあった鏡に当たり、破片で左目に怪我を負った事を自分の所為だと攻め続け、佳菜は病んでいってしまう。

どう言っても、何をやっても泣き崩れてしまう彼女に、はとりも打つ手が無くなった頃、慊人は他の人間ならすぐにやっていただろうと、記憶の隠蔽処理を施して、はとりから解放してあげれば良いと囁き、はとり自身も、傷つけようが泣かれようが、命令だからと記憶を剥奪してきた自分への報いだと、「守ってあげられなくてごめんと」泣く佳菜の記憶を、自分と愛し合っていた事柄を隠蔽するのだった。

佳菜に記憶の隠蔽処理を施した時に、彼女が幸せになれることを祈り、代償に自分は草摩の檻の中で冷たい雪として死んでいっても構わないと神に願ったはとり。

目を覚ますと、敷地内の東屋のベンチに寝かされており、例のごとく衣類が脱げていたために寒いと一言発するはとり。透に自分の変身した姿を見られたことに落ち込みつつ、服を着なおしてみると靴が無く、透はさっきの階段の場所にあるだろうと取りに走っていく。

はとり一人で東屋に座り透を待っていた時、その近くを白木繭子ともう一人の友人ともに結婚を祝われながら佳菜が通り過ぎる。二年ぶりにみた佳菜が、自分と幸せに過ごしていた時の様に笑っているのを見たはとりは、自分の願いは成就されたことを知り、密かにおめでとうと言葉を贈る。

佳菜が幸せになった事で、自分はこのまま草摩の家の中で、冷たい雪の様に死のう思うはとりだが、靴を持って帰ってきた透が、雪が降り出したとはしゃぐ声を聴いて、雪が解ければ春になるという佳菜の言葉を思い出し、透に佳菜が自分にした「雪が解けたらなんになるか」という質問をしてみるはとり。透は少し考え「春になります」と嬉しそうに答え、どんなに寒くても春は必ず来るのは不思議ですねと続ける透に、はとりも聞きたかった言葉が返ってきたために、そうだなと納得するのだった。

草摩家の入り口までたどり着いた時に、紫呉と出会ったはとりと透。もっと早くに敷地から出ているはずの二人がまだいることに、セクハラでもしたのかと軽口をたたく紫呉に、はとりは言葉を返さず、踵を返し帰っていく彼に挨拶する透。

はとりが急に呼び出して迷惑をかけたと、改めて従兄兼マブダチのはとりの事で謝罪する紫呉に、透ははとりが印象と違ってやさしいという事が分かったと答える。その間に透の目の前を過ぎ、草摩に入っていく車から、冷たい視線を自分に送る人物がいることに気付いた透は、紫呉に草摩の呪いについて、自分は何かしなくて良いのかと改めて真面目な質問をしてみるのだった。

紫呉も、透の様子に真剣に「透が透であることだ」と答え、まだ呪いについては話せる時期では無いと答えないのだった。

草摩について、分かったような分からなかったような気持ちを抱えつつ、紫呉の家に帰宅した透。そこでは居間のこたつに入って寝ている由希と夾の姿があり、普段の中の悪さとはかけ離れた光景に、紫呉と二人でこたつの力に感心するのだった。

 

ここから感想

今週は心理描写を集中して描くエピソードだったし、特に場面が変わることもないので前回ほど違和感ばかりでは無かったので、クールダウン。

前半に書いた通り、呪いが当主・慊人を決定的に拒絶できない事である最低ラインから、どれだけこの人に好意を持っているかによって、心配する視点や対象も、信頼する視点や対象も変わってくるから、ココを抑えながら確認しつつ見ていこうと思っていたのだと再認識。

にしてもこのエピソード。もう少し涙腺に訴えかける話だったと思うのだが、まだはとりの中の人に慣れていないからなのか、感情に訴えかけるものが無かったな。今までもこの作品では緊張感や時間帯を感じ取ることができなかったことがあるから、やはり作り方なのだろうか。だとすると、やはり初見の人にはどう見えているのか気になるな。