はちよりうえ

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Fairy gone フェアリーゴーン 第14話「歯車が止まる城」感想

 

今回のサブタイ…歯車って誰の事だ?マーリヤとヴェロニカ、フリーとウルフランの再開が歯車のかみ合いで、話が通じなくて歯車が回らないとか、そう言った皮肉なのか?

 

今週の内容

カルオー領のツバルに戻るレイ・ドーン。彼は反逆者であるハイブランツ公 シュバルツ・ディーゼを討ち取った英雄のため、護衛せよとの命令を、ゴルバーン首相から受けているドロテアは、未だにハイブランツ領での暴動鎮圧を行っている局長、ネイン・アウラーの代わりに、フリー達第一部隊がその任を担い、同じ列車に乗り込むことになる。

故郷を焼き払ったレイを護衛するという立場に、複雑な面持ちのマーリヤ。レイも、護衛を入口に配した個室で、統一戦争後は使っていないと明言していたソロリアスに手を添え、硬い表情を浮かべていた。

レイに対し、故郷・スーナを滅ぼした報いを受けさせようと動くヴェロニカ。バイクで列車と並走し、隙を伺っていたヴェロニカは、橋が列車の通過直前で爆破され、数両が川へ落ちていくのを見て、レイはどの位置の車両に乗っていたのかと目を見張る。

突然の出来事に狼狽えるゼスキア兵たち。その中でフリーの指示で状況の確認を行うマーリヤ達は、橋から宙吊りの状態になっている車両から、レイと無事なカルオー領の兵を助け出す。

近くに街も駅も無い中、古城で夜を明かすことになった一行。レイはあてがわれた部屋で、急ごしらえにシーツを掛けられたベットに腰かけていた。

レイのいる部屋を訪れたミケル・コナーと、三大マフィアのアーケイムに所属するウルフラン・ロウは、レイに挨拶をしたのち、この状況の首謀者について思案するレイに、考えられる組織と人物を挙げ、アーケイムだろうと言う結論が出るのだった。

橋を爆破した敵が、追撃も無く引き下がるはずが無いと、他の兵士たちと共に警戒をするフリー達。しかし湖から静かに上がったヴェロニカは、レイを不意打ちで仕留めるべく、そのまま古城に侵入する。

古城の上部から、広域を見張っていたセルジュは、人工妖精を運ぶ車の音に気付き、クラーラに、彼女の妖精・トメリーズを出して相手の規模を確認するように指示を出す。クラーラが人工妖精の影を10体確認したところで、セルジュは自分の妖精・ブリンツテイルで狙撃を始める。

セルジュとクラーラの報告を受け、敵が攻めてきていることを知ったフリーとマーリヤも加わり、地上からも銃で応戦するが、車を止めることはできず、敵が城内に入ってしまう。

その様子を、レイのいる部屋から眺めていたミケルは、笑みを浮かべながら敵の到着を室内にいる二人に知らせる。ウルフランは、避難するように促してもなかなか動こうとしないレイに対し、大戦やシュヴァルツの反乱鎮圧の時のように、妖精武器を使って敵を返り討ちにするのかと問い、しぶしぶと言った様子ではあるもののレイ自身に避難することを選ばせたのだった。

フリー達が、地上で侵入してきた人工妖精と戦闘を開始した頃、城内に進入していたヴェロニカはウルフランと鉢合わせ、両者は妖精を出しての戦闘となる。その中でウルフランは、ヴェロニカの妖精を見て思うところがある様子なのだった。

城門付近で、人工妖精をすべて破壊したフリーは、アーケイムが製造している人工妖精であることを知る。マフィアの思惑を考える間もなく、城内から妖精の叫び声が聞こえたため、敵は既に仲間で入り込んでいると焦り、声を上げるマーリヤ。すぐにフリーとマーリヤで城内に向かうのだった。

ヴェロニカの妖精を見たウルフランは、彼女にレイを狙う理由を尋ね、ヴェロニカがスーナの生き残りだと知ると、すぐに彼女が妖精憑きだ看破し、納得がいったように笑い始める。ヴェロニカはすぐに再開された妖精同士の戦闘で、ウルフランの妖精・フィッチャーの攻撃の威力に押され始めるが、そんな彼女を助けるように、フィッチャーに銃弾が撃ち込まれ、マーリヤとフリーがその場に到着したのだった。

ウルフランとは因縁があったフリーは、すぐさま白兵戦を持ち掛け、ウルフラン自身もフリーが現れたことを不運だと口走る。ウルフランの攻撃の的がフリーに変わったため、この隙に城壁に空いた穴から、湖へと身を投げるヴェロニカ。彼女と幼馴染であったマーリヤは、ヴェロニカが一向に浮かんでこないことに気付き、戦闘はせずにヴェロニカを追う様に湖へ飛び込むのだった。

レイがスーナを焼き払い、滅ぼしててから、ダミアン・カルメに拾われたヴェロニカ。黒の妖精書の作者を先祖に持つダミアンは、素性を隠すために偽名を名乗っていると彼女に伝える。

そんなダミアンの元で、妖精原体を妖精視晶壁から出し、手に取って見せたヴェロニカは、弱弱しい妖精を手で包み、祈るようなしぐさで胸に当てていた。スーナの人間でも、妖精原体を肉眼で見ることができるのは、子供のうちくらいだと驚いていたダミアンは、ヴェロニカが手に取った妖精が、目の前で彼女の心臓に妖精器官を作り出したことにも驚かされることになるのだった。

湖から引き上げられ、焚火の当たるように横たえられていたヴェロニカは気が付き、マーリヤは大きなけがが無かったことに安心していた。

光りながら飛ぶ昆虫を見ながら、スーナで妖精原体を見た日の事を思い出す二人。しかしヴェロニカにとって、スーナの記憶はすべてレイが行った殺戮の記憶に結びついてしまい顔を歪めるのだった。

城内では、フリーとウルフランが戦闘を続けていた。ウルフランに何がしたいのかと問うフリーに対し、ウルフランは大勢に付いているフリーに何も見えていないと返すばかりだった。

マーリヤと違い、幸せだったスーナでの日々を思い出さないようにしていると話したベロニカ。彼女はマーリヤが妖精を扱えるようになったいきさつを聞き出すが、自分が妖精を手に入れたいきさつは話さなかった。マーリヤが話題をレイへの復讐へと切り替えると、仇のレイの警護をしているマーリヤを非難する口調になるヴェロニカ。マーリヤはヴェロニカの復讐心に理解を示しつつも、「復讐は何にもならない」、「自分はまだヴェロニカを失ってはいないから」と、マーリヤの手を振りほどき立ち去ろうとするベロニカを押し倒して彼女を引き留めようとする。

フリーは、ウルフランとの戦闘で押されつつも、軍を脱走した彼に何があったのかを問い続ける。しかしウルフランが家族を失っていることを知らないフリーは、家族についても触れてしまい、ウルフランを怒らせる結果となる。

引き時だとばかりに、城内の崩落に乗じて立ち去るウルフランは、フリーに何のために戦うのかと言う問いを投げかけ、仲間や国を守るために戦って何が残るのかと、言葉を残していく。

ヴェロニカを引き留めようと、仲間を持つことができ、失った悲しみも知ったマーリヤは「自分がいる」と訴えるが、その言葉を受けても、ヴェロニカは一瞬迷う様な表情を見せただけで、マーリヤを振り払って立ち去ってしまう。それでもマーリヤは、ヴェロニカを見つけ出し、復讐を思いとどまらせるという目的を諦めないと、泣きながらヴェロニカの去った方角へ叫ぶのだった。

 

今までに表示された年号と出来事 ※青字は今回追加分

統歴467年

レイ・ドーン 兄のユルゲンと共に故郷のスーナ近くの森で融合体の誕生を見る

統歴481年

サイダル王 ゴルバーン・ヘルワイズが皇帝の勅命が下ったとして隣国ティムーンに進軍を開始。

統一戦争開始

統歴486年

マーリヤ誕生 のちに母テレサ・ノエルが死亡する

イヴァン・ノエル スーナ近くの森で融合体の犠牲になり死亡する

統歴487年

レドラッド妖精兵研究施設で妖精器官の移植する手術を受けるフリー

レドラッドの開兵式場に参列するフリー、ウルフラン、ジェッドの三人。

統歴491年

マーリヤ、スーナのユルゲン・ゾーンの家で育てられる。

スーナの森で、ヴェロニカがマーリヤに声を掛け、仲良くなる。

レドラッドでユアン・ブリーズとの戦闘中に、フリーを庇ったジェッド・グレイブが戦死。

統歴493年

スーナがレイ・ドーンによって滅ぼされる。

マーリヤとヴェロニカが追手の兵士から逃れる途中で分かれる。

フザンで、路地に倒れるヴェロニカ〈意識あり〉

統歴494年

ファナチカで、人を避けて山に入り行き倒れたマーリヤをヴィクトルが保護する。

統歴495年

レドラッド。自宅があったブランハットで、ウルフランが妻子が戦闘に巻き込まれ死亡したことを知る。

統歴496年

統一戦争終了

レドラッドのロンダキア宮殿でサイダル王のゴルバーン・ヘルワイズがゼスキア皇帝に王位を返上し宰相となる。

マーリヤを育てたヴィクトルが病気にかかる。

統歴497年

ファナチカでマーリヤを育てた人物・ヴィクトルが死亡。

焼け落ちたスーナにマーリヤがヴェロニカを探しに戻る。

旧カルオー領ツバルで、ヴェロニカがレイ・ドーンを襲撃するが失敗。その数か月後、ヴェロニカを探しにマーリヤがツバルに到着。

元サイダル王のゴルバーン・ヘルワイズが統一ゼスキアの首相となる。

統歴498年

エディ・ロイドが統一ゼスキア軍人工妖精整備部門を依願退職。行方知れずとなる。

統歴503年

リトローク公 ウマル・ジュジュマンが処刑される。

統歴505年

マーリヤ、ドロテアに入隊。

終戦から10年目の記念式典開催

ハイブランツ公 シュヴァルツ・ディーゼが反逆を起こし、カルオー公 レイ・ドーンによって討ち取られる。

 

ここから感想

どうしてこうも、「過去に何があった」かでストーリーを続ける作品が多いのか不思議でならない。

今のところ、レイは「戦争反対」「世界平和」とか掲げているから未来志向ではあるけど、その後の世代でもあるヴェロニカとウルフランが、過去を引きずり、「復讐」または「社会へ恨み」を述べるだけ。それに合わせて、フリーとマーリヤも状況に対処するばかりで、「戦闘力の高い妖精兵として、この能力をどの組織で発揮すれば自分の目標に近づけるか」とか、せめて「自分の未来」に目を向けた「なりたい自分」に近づくための考え方を持っていてくれれば良いのだけど…この二人には特にそう言った未来志向が欠如しているんだよね。

特にフリーは、2クール目を突入しても、戦争等の時代背景や、統一ゼスキア誕生後の組織体系に従ってドロテアに入る等、自分なりの考えもないまま流される状況が続くばかりで、確かにこれではウルフランが話をしないのも理解できてしまう。

今でさえ、主人公たちのレベルが低い状況なのに、時間軸が過去にしか飛ばず、いきなり5年後とかに飛ばない本作品の成長スピードを考えると、作品全体の抱える妖精等の秘密が解き明かされても、キャラクターごとの課題は残されたまま、雰囲気だけで良い最終回を迎えるのだろう。作り手さんも、主軸が分からない作品に携わるのは大変だろうな。

 

 

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