はちよりうえ

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Fairy gone フェアリーゴーン 第11話「招かざる音楽隊」感想

今回のサブタイは、ビーヴィー・リスカーの傭兵部隊ってことで良いだろうけど、そもそもあの部隊って名称あるのだろうか?

 

今週の内容

ハイブランツ公領のハプシュタットでは、駐留大使館にハイブランツの兵士が押し入り、統一政府駐留大使が拘束される。同時に、大使館にハイブランツの旗を掲げ、人工妖精を乗せたトラックが数台入り込み、操者は人工妖精を起動させる。突然の事態に何が起こっているのか尋ねる大使に、兵士の一人は、ハイブランツは一つの国として独立すると答えるのだった。

ドロテア本部では、ハイブランツに反乱の兆しがあるとの知らせが入ったため、対応のために移動するネイン局長、リリィ部隊長そしてロバート。ロバートは事実かどうかをネインに確認するようなことを聞くが、今までのアーケイムの動きなどから、シュヴァルツが戦争を起こそうとしているのは明白だったため、愚問だったと取り消すのだった。

首相官邸では、ドロテアからネイン局長、妖精省からマルコ次官、軍部からブルーノ大臣が集まり、事態の対応について話すゴルバーン首相。終戦記念式典の人工妖精の誤作動の際に、首相を身を挺して庇っていたシュヴァルツが反逆したとあって、最初から裏切るつもりで、周到に用意された思惑に乗っていたのだと悔しがるゴルバーン。

しかし、既にゴルバーンも反逆時の制圧作戦を考えており、それを決行させるための準備を一両日中に済ませるようにブルーノへ命令を出す。そこで、その作戦の主戦力が人工妖精であることに、言葉を濁すブルーノに代わり、ネインが指摘する。統一政府が所有する人工妖精は、新型は割込み機で、旧型は強制制御が可能にされていれば誤作動が可能であることが終戦記念式典前からの事件で分かっており、状況確認の作業が完了しているのが、数が少ない新型のみであることが明かされる。この事についてもしてやられたと認めたゴルバーンは、万一に備えてネイン局長に妖精武器・アリアドラを帯同させ、鎮圧に向かう様に命令するのだった。ハイブランツの鎮圧について、一通り判断をし終えたゴルバーンは、統一の象徴と万民が居れば良い時代に代わったのだと漏らし、何故それが分からないのかと憤りを見せるのだった。

ロンダキア駅では、汽車に武器を積み込み、ロンダキア駅大通りはハイブランツ領の鎮圧に向かう兵士の隊列と、確認作業を終えた人工妖精を乗せたトラックが、民衆へのデモンストレーションとして披露される。その様子を見たビーヴィーの部隊の兵は少し笑い、路地裏へと移動する。

ロンダキア宮殿では、ハイブランツ公のシュヴァルツ・ディーゼが謀反を起こしたことを皇帝に知らせるゴルバーン。統一の象徴として存在している皇帝のキャスタル・ハロルは眉間にしわを寄せながら話を聞き、シュヴァルツのハイブランツ公の位の剥奪と、逆賊を討つようにと命令をもらうゴルバーンなのだった。

妖精省では、妖精武器・アドアリアの封印を解き、ネインは武器を手に取りながら、野心などくだらないとつぶやくのだった。

ロンダキアに戻る汽車の中で、マーリヤはフリーに言われた「逃げなくて良い」という言葉について、自分の今までの行動と共に考えていた。結局逃げ回っていたが、逃げたかったわけでもなく、ただ留まることができずに逃げていただけではと考えていたマーリヤ。

そんなマーリヤの思考は、クラーラがセルジュの膝を抱えた眠り方が気持ち悪いと、同意を求めてきたことで、中断される。客室の座席の上でも膝を抱えて眠るセルジュに、普段からああやって居眠りすることが多く、気持ち悪いと辛辣なクラーラに、そこまで言うなとセルジュを擁護するフリー。しかし、セルジュが眠りながら笑ったため、フリーも自然とマジ気持ち悪いと言ってしまうのだった。

途中の停車駅のルーゼットでハイブランツの反乱の事を聞いたフリー達は、ロンダキア駅に到着し、その物々しさにセルジュはうんざりする。ひとまずネインに会うためにドロテア本部に急いで向かうフリー達だったが、既にネイン、ロバート、リリィと第三部隊は鎮圧部隊第一陣として出発した後であり、現在ロンダキアにいるドロテアは、支援要員を除けばフリー達4人だけだと、エレノアに告げられる。この状況に加え、カルオー公であるレイ・ドーンから首相宛ての信書を預かっているため、首相に直接渡しに行くのは、自動的に第一部隊隊長代理のフリーとなった。

フリー1人で大丈夫かと心配するマーリヤに、どうせついて行っても、首相に会えるのは一人だけだとセルジュが話したため、それもそうかとテーブルに着くマーリヤ。セルジュは、フリーはやるときはやる人だと思うとマーリヤを励まし、クラーラも、誰かさんと違っていい加減では無いから大丈夫だと続ける。そんな中、マーリヤはフリーから言われた「誰かの所為ではなく、仲間のために」と言う言葉を思い出し、不安を払拭しようとする。

一方首相官邸では、ハイブランツの謀反と、その鎮圧のために各方面から首相に要件のある人々が面会の許可を待って集まっていた。そんな中を、マルコ次官と共に首相の部屋へと向かうフリー。急な要件という事で、マルコ次官を経由して首相に要件を伝える時間を取ってもらったフリーは、レイから預かった信書をゴルバーンに渡す事が出来たのだった。

ハイブランツ領では、先陣を切って敵の戦力を削いでいく、アイネデルンの魔女と呼ばれた七騎士のネイン。そして、いきなりの市街戦に対応しつつも、予想以上に脆い敵の戦力に違和感を覚えるロバート。敵を投降させ、人工妖精の動作停止をさせたネインも、手ごたえの無さに疑問を覚えるのだった。

信書の内容は、やはりハイブランツの謀反の情報と、ハイブランツ領内の挙兵は陽動に過ぎず、目的は別にあると警告する内容だった。ちょうどその目的について、ゴルバーンが信書に書かれていることを話そうとしたところで、ロンダキア宮殿が攻撃を受けているとの知らせが入る。

知らせを聞いたフリーは、ドロテア本部に一度戻り、マーリヤ達を連れて宮殿に向かう。同じ頃、イーストエンド基地からは残った兵と人工妖精が出発し、東門を攻撃していた敵に、ブルーノ軍部大臣式の元対応を開始する。

宮殿の三つある入口の内、東門はイーストエンド基地に近く、大天門は普段は閉鎖され、警備も厳しいとして、敵が狙うのは西門だと辺りを付けて向かうフリー達。

ビーヴィーの傭兵部隊は、徒歩で宮殿に向かう途中で、待ち伏せしていた統一軍の兵士を仕留めながら進んでいく。その実力は、各方面への発砲に適した隊列と、正確な射撃に、恐れて身を縮こませる統一軍兵士がいるほどだった。

それとは別に、人気のない路地を数名のハイブランツ兵と共に進むシュヴァルツとウルフラン。アーケイムは最後までこの決起に付き合うというウルフランの言葉に、妖精の独占をせずに発展と変革をもたらすつもりだと野心を語り、見返りは期待してよいと返すシュヴァルツ。

カルオー領のレイ・ドーンの屋敷では、終戦後一度も使用していないと言っていた妖精武器・ソロリアスの封印が解かれていた。

ロンダキア宮殿の西門近くに到着したフリー達は、燃えてはいるものの、中途半端な攻撃に疑問を持ちながらも、出くわした人工妖精を無力化する。その際に通常の銃では人工妖精に当たってもダメージを与えられず、フリーが帯同していた妖精武器・ヴェロスティールが活躍する。

宮殿内部へ向かうフリー達は、火炎弾によって道をふさがれ、その奥から銃で威嚇されると言う傭兵のやり口に、足止めを食らう。フリーは、相手はビーヴィーの傭兵部隊であると辺りを付けるのだった。

そのころ別の門に近づいていたビーヴィーは、正面からの一斉射撃にも回避行動をとらず、鉛球を食らわせたくば自分の額に銃口をねじ込めと笑みを浮かべながら威圧する。その覇気に怯えた統一軍兵士を見て、前座にしてもつまらないと、妖精武器を取り出し、構えるのだった。

宮殿内に入ったブルーノ軍部大臣は、東門をほぼ制圧し、西門も自軍が有利と聞いて満足そうに頷く。今後は西門と大天門の兵力を東門に投入して、敵勢力を一気に撃滅する作戦を提案されるが、ブルーノは各門の守備を固めて別部隊が背後から襲撃する作戦を考案し、部下から妙案と賞賛され、ますます上機嫌になる。しかしそこへ大天門にビーヴィーが現れた知らせが入り、ブルーノ思わずその名前を反芻するほどに驚くのだった。

足止めされていたフリー達は、敵が引いたため先を急ぐ。しかし、西門を攻めている途中で移動する敵に違和感を覚えるクラーラ。途中で倒れている統一軍兵士も、威嚇射撃で足止めをしていた者たちの犯行ではないと見切ったセルジュ。その判断材料から、フリーは相手の狙いは西門でもなく、警備が厳しいとされる大天門だと気づくのだった。

大天門広場では、鉄格子を破壊して侵入するビーヴィー達傭兵部隊に対し、建物の上部に兵を配置して構えるブルーノ。しかしそれを見たビーヴィーは、自分一人で行くとソフィアたちを手で制し、また前方からの射撃に対し真っ向から向かっていく。

ブルーノは、この城は統一戦争時代も落ちたためしがないと、歴史が強さを証明していると語るが、ビーヴィーはその歴史は陳腐だと笑い、自分の手で書き換えると妖精・アイゼンコップを出して建物に攻撃をさせるのだった。

 

今までに表示された年号と出来事 ※青字は今回追加分

統歴481年

統一戦争開始

統歴487年

レドラッド妖精兵研究施設で妖精器官の移植する手術を受けるフリー

レドラッドの開兵式場に参列するフリー、ウルフラン、ジェッドの三人。

統歴491年

マーリヤ、スーナのユルゲン・ゾーンの家で育てられる。

スーナの森で、ヴェロニカがマーリヤに声を掛け、仲良くなる。

レドラッドでユアン・ブリーズとの戦闘中に、フリーを庇ったジェッド・グレイブが戦死。

統歴493年

スーナがレイ・ドーンによって滅ぼされる。

マーリヤとヴェロニカが追手の兵士から逃れる途中で分かれる。

フザンで、路地に倒れるヴェロニカ〈意識あり〉

統歴494年

ファナチカで、人を避けて山に入り行き倒れたマーリヤをヴィクトルが保護する。

統歴495年

レドラッド。自宅があったブランハットで、ウルフランが妻子が戦闘に巻き込まれ死亡したことを知る。

統歴496年

統一戦争終了

レドラッドのロンダキア宮殿でサイダル王のゴルバーン・ヘルワイズがゼスキア皇帝に王位を返上し宰相となる。

マーリヤを育てたヴィクトルが病気にかかる。

統歴497年

ファナチカでマーリヤを育てた人物・ヴィクトルが死亡。

焼け落ちたスーナにマーリヤがヴェロニカを探しに戻る。

旧カルオー領ツバルで、ヴェロニカがレイ・ドーンを襲撃するが失敗。その数か月後、ヴェロニカを探しにマーリヤがツバルに到着。

元サイダル王のゴルバーン・ヘルワイズが統一ゼスキアの首相となる。

統歴498年

エディ・ロイドが統一ゼスキア軍人工妖精整備部門を依願退職。行方知れずとなる。

統歴503年

リトローク公 ウマル・ジュジュマンが処刑される。

統歴505年

マーリヤ、ドロテアに入隊。

終戦から10年目の記念式典開催

ハイブランツ公 シュヴァルツ・ディーゼが反逆を起こす。

 

ここから感想

マーリヤは相変わらず、フリーに言われたことをもう一回取り出して、その意味を考える作業を行っていて、これが「人を避けてきた弊害」の表現方法なのかとも考えたのだけど、それにしても緊張感に欠ける。もっと早い段階で、マーリヤの仲間意識の改革編は持ってこれなかったのかと思うくらいだ。それか、シュヴァルツの反逆を後半にもっていって、黒の四騒動をもう少し丁寧に描いていれば、前半の見せ場にはなったのではと思うよ。

この作品では、戦争体験者ばかりいる中に、二十歳前後の人間はマーリヤとクラーラだけという状況。なので、人間関係に逃げ腰なマーリヤが、まだ幼いと言う表現はぎりぎり理解できるとしても、周りの大人が命を預ける・命を這って助ける対象となる彼女に対して、成長を促さないで来たこの作品は、この部分を描かなかった時点で、命のやり取りと仲間を題材にするのは、現時点で積み上げてきた物語の構造として無理があると思う。

作品の根幹は、マーリヤがヴェロニカとの対話と和解を求めた点にあるのだから、ドロテアの仲間との関係はもっと軽く描いて、あとは仲間を得たマーリヤと、一人で行動しているヴェロニカ、ついでに好き勝手やっているビーヴィーやシュヴァルツなどの戦争を忘れられない大人との対比を、描いていくだけで済んだはずなのに、フリーの「仲間」発言一つで、マーリヤの考え方の方向まで変えさせるなんて、セリフ一つに影響力を持たせ過ぎたのでは?

前半の見せ場に突入してはいるものの、今のところヴェロニカの動きが見えないのと、レイにシュヴァルツの情報を流していたウルフランの思惑とアーケイムの考え。レイが何故妖精郷のスーナを焼いたのかと、シュヴァルツの言っていた、ほとんど残っていないと思われる妖精の使用の制限をなくす話。そしてマーリヤの妖精憑きの話と、どれもこれもまだすべての情報を吐きだしていない状態で、今後どうやって広げた風呂敷を畳むのだろうか。まだ1クールあると言っても、中二病発言が多い本作、できるだけ現実的なセリフで表現してほしいな。

 

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