はちよりうえ

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Fairy gone フェアリーゴーン 第15話「裏町の草ひき」感想

 

今回のサブタイ、誰が草ひきかと考えると、大穴でシュヴァルツの戦いの後には何も残らないから、シュヴァルツ・ディーゼが草ひきって線を推したい。作品の構造上そう言ったどんでん返しがまだあれば、まだ良かったんだけどな…。ここは単にうまく立ち回って、証拠を隠滅していくアクセルなんだろうな。

 

今週の内容

ゼスキア統一戦争時代、レドラッドの兵士だったフリーとウルフラン。レドラッドの降伏宣言後、ふらりと戦場から立ち去るウルフランを止められなかったことを悔やむフリーは、本当の意味でウルフランを理解したことがあったかと振り返る。

ウルフランは軍を脱走後、妻子が住んでいる街に向かったが、既に家族は虐殺された後だったため、墓を作りその前でうなだれていた。そこへ、彼に近づき祈りをささげる者が現れ、妖精原体が描かれた紋章を、衣服に施されたその存在に、ウルフランは暗い目を向ける。

話は現在に戻り、酒場のカウンターに客を装って近づいたロバートは、ドロテアの捜査開始と共にウェイターを取り押さえる。アーケイムの構成員だったゲイル・ドープの身柄をロバートが押さえ、リリィは荷物で閉鎖された扉を開放して中を調べるが、中身は引き払われもぬけの空だった。

ドロテア本部の第一部隊の部屋へ入るマーリヤ達。疲れた様子の彼らを迎えたロバートに、フリーはいつハイブランツ領の鎮圧作戦から戻ったのかと尋ねる。つい一昨日だと答えたロバートは、フリーの傷の具合を心配するが、フリーは疲れた様子でも傷自体は大したことは無いと答えるのだった。

マーリヤがチマとの再会を喜んでいる横で、さらにロバートはカルオーであった出来事をフリーに尋ねるが、フリーはその質問に答えず、ウルフランの言葉を思い出しながら、今後の方針はアーケイムを潰すことだと呟くように返し、局長への報告へと向かうのだった。

局長との報告の中でも、ウルフランの名が上がり、ウルフランの存在が確認できるシュヴァルツ・ディーゼやアーケイム等の組織は、旗頭の死亡または壊滅的な状態に陥っており、さらに先日のカルオー公襲撃事件の現場にも彼がいたことを統合すると、局長のネイン・アウラーは、ウルフランの目的は個人の意思では無いだろうという憶測を持つ。それでも当面は、ウルフランやその後ろに控える組織を追う事よりも、反逆の意思を示したシュヴァルツ・ディーゼの一派の残党と、三大マフィアのアーケイムの殲滅を主に動くと定めるネイン局長。そこへ、フリーはマーリヤの幼馴染のヴェロニカがカルオー公のレイ・ドーンの命を狙っていることを報告したため、どこを見ても問題が山積している状態に、顔をしかめたのだった。

街の巡回に出たフリーは、同行しているマーリヤにアーケイムの特徴的な成り立ちをしていることを説明する。そんな話をしながらも、アーケイムに所属し、良く情報を引き出していたアクセルに似た後ろ姿の男を見つけたフリーは、その肩を威圧的に掴むが、振り返ったその顔は別人であり、気まずそうに謝るのだった。そうした後、顔は今の人の方がまともだったと、自分にに冗談めかして言うフリーを見て、マーリヤは元気そうで良かったと思うのだった。

夜になり、アクセルを確保したフリーは、先に確保していたゲイルのいる尋問室にアクセルを入れ、執務室へと戻っていく。

執務室では、既にソファーで眠っているセルジュを前に、フリーはロバートと、アクセルからアーケイムの情報を引き出せるかを話し合い、さすがに疲労も溜まっているため、今日のところは上がろうと切り上げる。マーリヤとクラーラは眠そうに執務室を後にし、既に寝ていたセルジュを起こすフリーだったが、駄々をこねてこのままでいいと言うセルジュに呆れることになるのだった。

本部の外に出たところで、チマがいないことに気付いたマーリヤだったが、チマは執務室から出るマーリヤにはついて行かず、先に上がると挨拶していたフリーがネイン局長の部屋から出る時に部屋に入り込み、ネインに懐いた様子ですり寄ってみせ、彼女が座ろうとしていた椅子に上って見せる。そんなチマを見たネインも、ふと笑みを浮かべるのだった。

朝になり、やはり疲れが抜けない顔のまま、食事をするために行き付けの店へ足を運ぶマーリヤとクラーラ、セルジュの三人。すると、いつもの常連三人組に加え、既にフリーも食事についていた。フリーと同じテーブルにつくマーリヤ達だったが、フリーは食事に手を付けないまま、入れ替わるように店を出て行ってしまった。傷の直りが遅いと言っていたフリーに、セルジュは医療技術部のエレノアに診てもらった方が良いと提案してみたが、それにしても覇気のないフリーに、ゴンザレスも何かあったのかと、店に残った三人に尋ねるほどなのだった。

尋問室に二人組で入れられたゲイルとアクセルだったが、扉を開けたフリーが外に出したのはアクセルだけであった。そのやり取りを聞いて、自分からアーケイムの情報をアクセルが聞きだし、それを全てフリーに流す魂胆だったことに気付いたゲイルは思わず立ち上がってアクセルを責めるが、責められた本人は、容量が良いのが取り柄なのだと、飄々とした態度でフリーについて行くのだった。

また別の日、ハイブランツの謀反に関わったとして、クリストフ・ラーンを確保するために屋敷を押さえるドロテア。最後のレドラッド王の子供であったクリストフは、王妃の子供では無い出自であっても、現統一ゼスキア体制下において、官僚の役職を与えられていると、ハイブランツ領(旧アイネデルン)の兵士だったネインに、説明する元レドラッド兵のフリー。クリストフは、王宮の隠し通路をシュヴァルツ一派に話した事が明らかになっており、その証拠がつかめればと屋敷を調査するが、それらしいものが見つからずにいた。身分としてはシュヴァルツ・ディーゼの次に高いため、身柄を押さえたいと考えていたネインは、自分の足元にすり寄ってきたチマを見て、仕事の表情こそ崩さなかったが、冗談でねぎらいの言葉を掛けるのだった。

街中で情報収集に当たるセルジュとクラーラ。セルジュがすぐに他人との距離を詰め、情報を聞き出す様子に、こういったところは尊敬できるとこっそりつぶやいてしまうクラーラ。

ロバートは、貧民街に足を運び情報屋を伴ってクリストフを探し始めていた。その様子を物陰から見ていたアクセルは、自分と同じ目の付け所を持つロバートを褒める言葉をつぶやくが、その笑みはいつもよりも違ったものを浮かべていた。

ラーン邸から押収した手紙の確認を行う作業を、フリーと二人で行うマーリヤ。ちょうど誰もいなかったためか、フリーにカルオー公襲撃の際にヴェロニカを追って単独行動を取ったことについて触れるマーリヤ。自分の行動をうまくごまかして報告してくれたフリーに礼を言いつつ、ヴェロニカを止められなかった事や、尻拭いをフリーにさせていること等、自分が関わるとろくなことが無いと話すマーリヤ。フリーは思わず同情してほしいのかと返してしまい、すぐに言い過ぎだったと首に手を当てて謝罪する。マーリヤも自分の方が悪かったと返し、二人の間の会話は途切れてしまう。

夜になり、酔いつぶれたライランとゴンザレスを背負ったスティーブが帰る中、いつもの店で夕食を取るマーリヤとクラーラ、セルジュの三人。

マーリヤが元気が無い理由を聞いたセルジュは、彼女の口癖である「自分が関わるとろくなことが無い」という言葉に、「自分の所為でどうにかなるなんて大物だ」と返し、クラーラの反感を買う。それでもセルジュは話を続け、マーリヤを庇って死んだオズも、誰であっても仲間のために身を挺したのだから、貰った命の分も楽しんで生きようと諭し、クラーラもその意見に賛同し、自分たちの事は信じられないかと尋ねる。そんな二人の言葉に、信じられないなんてことは無いと、涙ながらにかぶりを振ったマーリヤは、進まなかった食事に手を伸ばし、その味をおいしいと呟いた。

エレノアに診てもらったフリーは、エレノアのどこも良いところなんて無いと言う診断に文句で返していた。休めと言うエレノアに対し、フリーはおそらくいつもの言い訳で使っているだろう「全てが片付いたら休む」と言う言葉で返し、彼女に揚げ足を取られる。ちょうどそこへロバートが駆け込み、シャツを羽織っただけのフリーとエレノアの組み合わせに、気まずさを感じて口籠ったため、エレノアに何を勘ぐっているのかと怒られてしまうのだった。

貧民街で見つかったクリストフは、銃で撃たれた状態で死亡していた。現場に到着したフリーは、ロバートが組んでいた情報屋の他に、アクセルが居たため思わず声を掛ける。

暗くなり始めた頃に銃声が聞こえたという、近所の証言で時間帯が、さらに血痕のついた手で銃を握っている事から他殺と見たフリー達ドロテア。第一発見者のアクセルは、自分は殺していないし、通報したのはドロテアとの関係を大事にしているからだと言い訳を言い続けるが、ネインはアクセルの拘束を命じる。リリィによって連れていかれたアクセルを見つつ、フリーは損得勘定をするが、犯人ではないのではと考えるのだった。

ネインはクリストフの遺体を見下ろしながら、反逆の罪で討たれた、統一戦争時に上司であったシュヴァルツ・ディーゼの戦いは何も残らないと、消された王の血族と重ねて皮肉をこぼすのだった。

事件があった日の夕方。クリストフと会っていたアクセルは、クリストフが保身だけでなく野心のためにビーヴィー・リスカーとの繋がりを持ちたがっていることを知っており、自分がリスカーと繋がっている事も知っているクリストフを、口封じに消してしまおうとしたのだった。

 

今までに表示された年号と出来事 ※青字は今回追加分

統歴467年

レイ・ドーン 兄のユルゲンと共に故郷のスーナ近くの森で融合体の誕生を見る

統歴481年

サイダル王 ゴルバーン・ヘルワイズが皇帝の勅命が下ったとして隣国ティムーンに進軍を開始。

統一戦争開始

統歴486年

マーリヤ誕生 のちに母テレサ・ノエルが死亡する

イヴァン・ノエル スーナ近くの森で融合体の犠牲になり死亡する

統歴487年

レドラッド妖精兵研究施設で妖精器官の移植する手術を受けるフリー

レドラッドの開兵式場に参列するフリー、ウルフラン、ジェッドの三人。

統歴491年

マーリヤ、スーナのユルゲン・ゾーンの家で育てられる。

スーナの森で、ヴェロニカがマーリヤに声を掛け、仲良くなる。

レドラッドでユアン・ブリーズとの戦闘中に、フリーを庇ったジェッド・グレイブが戦死。

統歴493年

スーナがレイ・ドーンによって滅ぼされる。

マーリヤとヴェロニカが追手の兵士から逃れる途中で分かれる。

フザンで、路地に倒れるヴェロニカ〈意識あり〉

統歴494年

ファナチカで、人を避けて山に入り行き倒れたマーリヤをヴィクトルが保護する。

統歴495年

レドラッド。レドラッド王・オルバニーが自害。これによりレドラッドは降伏宣言を出す。

レドラッド。自宅があったブランハットで、ウルフランが妻子が戦闘に巻き込まれ死亡したことを知る。

統歴496年

統一戦争終了

レドラッドのロンダキア宮殿でサイダル王のゴルバーン・ヘルワイズがゼスキア皇帝に王位を返上し宰相となる。

マーリヤを育てたヴィクトルが病気にかかる。

統歴497年

ファナチカでマーリヤを育てた人物・ヴィクトルが死亡。

焼け落ちたスーナにマーリヤがヴェロニカを探しに戻る。

旧カルオー領ツバルで、ヴェロニカがレイ・ドーンを襲撃するが失敗。その数か月後、ヴェロニカを探しにマーリヤがツバルに到着。

元サイダル王のゴルバーン・ヘルワイズが統一ゼスキアの首相となる。

統歴498年

エディ・ロイドが統一ゼスキア軍人工妖精整備部門を依願退職。行方知れずとなる。

統歴503年

リトローク公 ウマル・ジュジュマンが処刑される。

統歴505年

マーリヤ、ドロテアに入隊。

終戦から10年目の記念式典開催

ハイブランツ公 シュヴァルツ・ディーゼが反逆を起こし、カルオー公 レイ・ドーンによって討ち取られる。

 

ここから感想

今回はあちらこちらで動くドロテアを描きつつ、疎かにしていたチマの様子も局長と一緒に見せる内容だった。

それにしてもさ、まだ「自分の所為で」とか言っているマーリヤはどうにかならんか。オズの一件以降、実家もどきのビャクレーに帰ったり、娘さんは僕が守ります儀式をして戻ってきているにもかかわらず、悪癖と言うのは抜けないという表現のつもりだろうか…。それにしては、今回の先輩方の対応は以前よりも冷ややかだったな…もしかして悪癖の更生シーンをやり直したいとかそう言う思惑ではないよね?

そして、フリーもウルフランの言葉に振り回され、本調子でないまま今週分が終了。どうしてこう、この主人公二人は成長の兆しすらないのか、歯がゆくてしかたがない。

 

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