はちよりうえ

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この音とまれ! 第20話「もう一度」 感想

 しかし、光太のリズム音痴を表現していた、一人演奏のメロディーのダメさ加減は、なかなかにダメな出来上がりで感動した。こういうのは「のだめカンタービレ」以来で、久しぶりだったな。

 

作品の内容

これ以上、さとわを陥れるために近くにいる事は出来ないと決めた晶は、職員室にいた筝曲部の顧問である滝浪に、指導の辞退を申し出る。どこかすっきりしたような笑顔で申し出てきた晶を見た滝浪は、顔色を変えることなく理由を尋ねるのだった。

晶は辞退する理由として自分の実力不足を挙げた。元々、さとわの居場所を奪うために、時瀬高校の筝曲部に指導を行いたい申し出た時から、滝浪は実力不足なら即やめてもらうと言っており、そのことを持ち出した形だった。

指導は無償で行われていたため、滝浪は晶の実力は認めていることを伝えつつも、引き留めることはせず、後任が決まるまでは指導を続けるようにと話をまとめた。

晶は、滝浪が言っていた部員の実力を伸ばしてくれたことへの感謝を、嫌みと捉えつつ部室へと向かい、部員たちが練習する音に部室入り口で立ち尽くしてしまう。

技術的に向上し、奏でる音までも変わった部員達に、何かあったのかと尋ねた晶に、部長の武蔵は、晶のコンクールでの演奏を聞いて、一音を大事にすることを理解したのだと明かす。

その調子で、晶を煙たがっていた光太と妃呂が成果を見せて嬉しそうにし、流れに乗ってみっつも自信ありげに声を掛けていく。

そんな部員達のやり取りを行っていく晶へ、さとわは恥ずかしそうにしながらも、合奏練習の教え方が分からないため、見て欲しいと申し出た。晶は、先ほどの昇降口でのやり取りで、さとわの才能に対し、自分は教えることは無いと突き放したことを思い出し、眉を下げるのだった。

合奏の状態をみた晶は、曲の構造を意識したうえでパート練習を行うことにする。

さとわの独奏と、十七弦の愛とサネのパート練習を始めた晶は、サネの十七弦がどうしても会わない状況に、パートの分け方を失敗したと後悔する。

才能ある人間に追いつかないと言う思いを知っていた晶は、サネが今感じているプレッシャーに考えを巡らせてしまう。指導者として、部員の意欲をそぐことなくこの状態を何とかしなければと焦る晶は、次の部分に行こうと言いかけるが、その言葉にかぶせるように愛がもう一回やると声を掛ける。結局、独奏のさとわも一緒に、サネが出来るまで同じところを繰り返し練習し、できた時のサネの喜びようを見た晶は、いつか兄が言っていた「出来るまでやったらできた」と言う言葉を思い出し、自分の中に築かれていた壁が霧散する印象を受け、思わず涙を流していた。

晶が急に泣き出したことに部員全員が大騒ぎし、誰ともなくティッシュやタオルを渡し始め、その量に晶がツッコめるくらいに落ち着いたころ、目にゴミが入ったという晶の苦しい言い訳を真に受け、さとわと妃呂、武蔵以外の部員はそれならよかったと気持ちよく練習に戻っていく。

晶が十七弦の独奏のパートを見ている間、1、2弦の練習をしていた武蔵たち。そこへ様子を見に来た滝浪は、リズム感の無い光太が、メトロノームの音に合わせられないと声を上げているのを見て、互いの音に合わせるためにメトロノーム禁止の指示を出す。

互いの音を聞いた合奏ということで、さとわと晶で合奏の手本を見せてもらおうと話を振る滝浪。さらにさとわからも弾いてみたいと申し出があり、晶は少しほほ笑むと手本でさとわと合奏することを了承する。

愛は、さとわが自分たち以外の弾き手と演奏するところを見たことが無いと気づき、相手が違うと、やはり音も変わるのだろうかと考えていた。

さとわと晶も、演奏中は互いの音を聞きながら、相手を知り、より高め合っていく感覚を覚える。演奏後に、お互いの顔を見合い、晶に笑いかけるさとわに対し、静かにほほ笑み返す晶。その演奏を聞いた部員達も号泣し、二人の演奏を凄いと言うが、滝浪は心に響く演奏ができるのは、お前たちの得意分野だと言葉を返し、自分の音の意味と役割を理解するようにと指示を出す。

滝浪は、やる気を出したみっつたちを練習に向かわせつつ、演奏を聴いた後、唯一沈んでいる愛を見て、これもまた曲と向き合う事だとでも言わんばかりに表情を和らげるのだった。

部活の時間が終わり、部活後練の話が話題に上ったのを聞いた晶は、近くにいた武蔵に尋ねる。朝、昼、部活後に練習していると聞いた晶は、琴が好きだからこそできることだと、自分には到底できないと眉を下げつつも感心する。しかし武蔵は、不思議そうな表情を浮かべ、晶も琴が好きだろうと、言葉を返すのだった。

家に戻った晶は、自分を出迎えた後、時瀬高校の筝曲部とさとわの事を悪く言う祖母に対し、反抗的な視線を向け、部活の様子などは話さずに、自分の部屋へと下がる許しを得るのだった。

叔母の家へと戻った愛は、レベルの高い弾き手と演奏するさとわの音に考えを巡らせ、ソファーに横になりながらも衣咲に、自分に足りないものは何かを訪ねていた。

翌日、指導の日でもなく、部活でもない時間帯に滝浪を訪ねた晶。廊下で滝浪を呼び止め、全国大会への意気込みを確認する。晶には、普段様子を見に来ない滝浪の態度が、適当に見えていたが、滝浪が晶に生徒を預けたのは、琴と曲に向き合い、結果を出した人物として認めていたためであり、その理由を知った晶は、あの苦しさを覚えた二年間は無駄では無かったと思い、再び部活の指導を自分に任せて欲しいと申し出て、滝浪からの了承を得ることができたのだった。

そのころ、晶の祖母は朝早くに出かけた晶が、自分の思惑から離れていることを察し、対策を打たなければと遠くを眺めるのだった。

 

ここから感想

とうとう晶の中で、色々な物に決着がつき、きっと彼女がこの調子で指導をしていけば、愛たちも教え方が上手い、真面目な外部指導の先生を、受け入れられるようになるだろうと匂わせて、今週分は終わりか。あとは、堂島の婆さんとさとわの母親を、閉塞感あるあの空気から引き出せれば、今期のやるところは終わってしまうのかな。

晶の前進と、さとわの実力を引き出せていない愛の悩みと…相変わらず一つの物事で終わらせない本作は、その分展開が早く感じのだけど、今期で大会が始まったとしても、全国出場までは決まらないだろうし、そもそも全国一位を取ることが目標なため、やはり二期があるのだろうかと、先の事を考えてしまう。

でも、全国大会に行くという事は、仁科楽器の婆さんが言っていた通り、学年が一つ繰り上がるから、後輩が入ってくるって話になり、ますます「ちはやふる」に先を越されている感じがしてならないね。

 

 

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