はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

ちはやふる3 第12話「はなさそふあらしのにはのゆきならで」

東西挑戦者決定戦が始まったから、太一の影が薄くなった。むしろ原田先生の常識外れな作戦を理解して教えてくれる坪口兄さんの方が、なんか頼りになるなと思うくらいスポット当たらなくなると地味になるよね太一って。

 

作品の内容

東西挑戦者決定戦がいよいよ始まると言う中で、千早は修学旅行を優先して選手として参加していなかった事の悔しさがこみ上げ、胃痛がしてきていた。

千早はふと、西の挑戦者の新を視界に入れる。新は原田が来るのを待っている間、あわせを正したり、肩をつまんだりして手が出る具合を確かめたりして過ごしており、その様子を見た他の見学者からも、新個人に対する印象や、大物新人とベテランの試合に対への期待がささやかれる。

今度は隣にいる太一を横目に見た千早は、小学生の頃の自分ならこうするだろうとイメージするが、そうしない今の自分について考える。しかしその思考は太一とは逆隣に座っていた翠北会の北野の声で中断されてしまう。白波会の原田とは犬猿の中である北野の事は知っていた千早だが、何故仲が悪いのか疑問に感じ、自分の後ろにいた西田に小声で質問するが、聞かれた西田も具体的な事までは知らない様子なのだった。

原田が負けるのなら、南雲会の新も応援する北野。そんな彼の傍に立ったのは、太宰府かるた会に所属する、選任読手の牧野美登里六段であった。少し照れながらも声を掛けた北野に、おばさんらしく背中を強めに叩いた牧野は、3試合目の読手だと親しげに答えていた。しかし原田の負けを願っていることは牧野も北野と同じで、2試合目で新が勝利するだろうと言う北野の言い分に、冷たい笑みを浮かべてそうなると良いなどと答えていたのだった。

原田が会場に顔を出し、挑戦者たちは札を混ぜ始める。その間に原田は、新の祖父を知り、小学生の時の新を知っているからこそ、対戦することになった事は嬉しいと語って見せ、全力で臨むと、自分の話に手を止めて聞いていた新に宣言する。クイーン位決定戦では、がんばれめぐむと書かれたハチマキを巻き始めた逢坂を見てしまった猪熊。ハチマキの文字を読んでしまい、視界に入る度にその文字に気を取られてしまうと確信して、集中力を欠いてしまいそうだと困るのだった。

第1試合の読手は、芹沢恭治六段で、正確なピッチが持ち味だと嬉しそうにする奏。序歌が読まれ始め、挑戦者も見学者も緊張を高める中、序歌の下の句を読む前に原田が手をあげて中断を要求し、近くに立っていた係員に空調を消すように依頼する。

音を読み取る競技かるたで、空調を消すことは珍しくもないはずだが、序歌が読まれ始めてから指摘した点は、試合の流れを自分に寄せようとする原田の作戦であると、付き合いの長い北野や坪口、そしてその他古参のかるた関係者は気づき、その中でも北野はマナー違反だと腕を振り上げて小声ではあるが文句を言っていたのだった。

芹沢読手は、原田によって流れを崩されても動じることなく、再度序歌を読みだし、今度は試合が開始される。

原田は身体ごと前へせり出して、新を威圧し、空札にも大きな素振りをして見せるなど、若手の選手たちから怖いと思わせる攻めの姿勢を見せる。

原田に連取され、やりづらさを感じた新は自陣の札を動かし、さらに6字決まりの大山札を、左右両方にある札をそれぞれ取る渡り手で素早く取ってみせる。

新も、原田に対して東京で白波会を訪れた時に抱きしめて歓迎してくれた感謝の気持ちがあり、さらに強い選手としても尊敬の念がある事も自覚していた。それでも勝つのは自分だと、読手が読み始める音よりも早く札を払い、その札は見学者の女性のバックに当たるほど勢いがあるもので、新の研究を原田と共に行ってきた白波会の会員たちは、その速さに舌を巻いていた。

その後も新は札を取り進め、原田が狙っている自陣の右側の札を左へと移し、原田川の敵陣と自陣の左は必ず取りに行くスタンスを確立していた。

原田の劣勢を見た北野は、このまま原田を勝たせるなとほくそ笑み、牧野もまた北野のつぶやきに深くうなずいていた。彼らが原田を根深く恨んでいる理由は、32年前の吉野会大会の北野と原田の決勝戦において、名人戦を視野に入れた原田が、読手が河合、のちの牧野であることを知るや否や、耳の調子を崩すことが嫌で決勝戦を譲った事にあった。この一件で牧野への恋も終わってしまった北野は、かるた面でも恋愛面でも原田への恨みを募らせており、読み手としての技量を否定された河合、後の牧野も、悔しさから猛勉強をして選任読手になったと言う経緯があった。

クイーン位挑戦者決定戦では、猪熊は逢坂のハチマキに集中力を切らされ、さらに読手との相性が良い彼女に押されていた。周囲からはクイーンの復活への期待よりも、若者には勝てないのかと言う空気が伝わり、猪熊自身も自分の時代が終わっているのかと感じてしまうのだった。

名人位挑戦者決定戦では、新が有利に試合を進め、南雲会の栗山も新の1字決まり対策は万全だと太鼓判を押していた。さらに自陣の札を柔軟に動かして見せる新に、それを見ていた千早は、原田には逆の事を教わったと思い返す。

体幹で敵陣を取るように動きつつ、手は最小限に目的の札まで動かすという、年を取った者ならではのかるたの取り方をする原田に、得意な札以外で札を取られる新。思うように差を開けることができず、第1試合は、原田が白波会の先生として、弟子たちの指導をしたとおりのかるたを取り勝利する。

原田の勝利を受け、猪熊も逢坂の陣地にある札を取り、クイーン位挑戦者戦は猪熊が勝利し、名人位・クイーン位挑戦者決定戦の第一試合は、ベテラン勢の勝利となる。しかしこのことは対戦していた若手の二人にも火をつけることになるのだった。

北野は応援こそしないと決めていたものの、原田の気力と体力は内心認め始めていた。そんな中、2試合目を譲ると宣言した原田に、会場内は驚き、本人はいたってマイペースに3試合目の時間に戻ってくると、審判たちに頭を下げている。

2試合目を棄権すると言う原田に、どういうつもりかと言う視線を送っていた牧野は、視線に気づいた原田に今の牧野の読みは好きだと言われ、32年前に受けた雪辱よりも、認められたことに思わず涙ぐみ、そんな様子を見ていた北野は、時がたっても牧野を振り回す原田の自分勝手さに、かるたの実力は認めつつも怒りを感じるのだった。

南雲会の栗山と村尾も、原田の棄権の意味を測りかねていたが、対戦者として勝ちを譲られた新にとって、原田の棄権は屈辱でしかなく、顔が青ざめるほどの怒りを感じていた。そこへ千早が新の腕をつかみ、何事か耳打ちするのを、太一は見ていたのだった。

 

ここから感想

原田が名人になりたいと言うキャラなのは、以前からよく伝えられていたし、白波会のメンバーもそれは分かっていると言う内容だったことは覚えている。ただ、なぜそこまでしてと言う部分が、やはり見えてこなくて原田を応援できない。今の挑戦者決定戦を見る上で辛いのは、こういうところが原因かな。

しかし、先週は猪熊さんの方が印象に残ったが、その分を補うように原田の回だった。2試合目を譲ったのは身体が限界なんだろうけど、新に火をつけたことはちゃんと計算に入っているだろうか、新の感情コントロール力が覚醒するとか、そういうイレギュラーが起こらないか少し心配。でも、次回は猪熊さんか恵夢ちゃんの回になるんだろうな…恵夢が何故、ハチマキを表向きに巻いたのか、明かされるかな。

 

にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ