はちよりうえ

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真夜中のオカルト公務員 第9話「幽霊団地の夢魔」感想

OutlookがOuttake、WordがWrite、ExcelがExseetって…Officeの言い換えのセンスもなかなか格好がつかないね。
6話でも、注意散漫な新が作った表紙と背表紙のタイトルがちぐはぐなファイルといい、細かいところの残念な頑張り具合が見れるのは結構好きだ。これも「ぱにぽにだっしゅ!」の黒板ネタを追いかけた名残だろうか。

今週の内容
夜の学校の中を走る相田亮。見つからない様にどこかに隠れなくてはと、トイレの個室の中に逃げ込み、早く起きなければとアイツに見つかると、便座に膝を抱えて怯えるのだった。が
追いかけてきた足音は、亮の隠れた便座の前で止まり、鍵がかかっていると分ると、扉を伝って上に上がり、天井と扉の間から、赤い頭巾をかぶった真っ黒な目が、亮をのぞき込むのだった。
亮が夢から覚める時に悲鳴を上げたため、二段ベットの上にいた兄の駆が起きてしまい、弟の様子を見ると、亮は見つかってしまったと目に涙をため、次で終わりだと言い出す。
10月8日 夜間地域交流課。仕事を順調に勧めている新に対し、セオは予算申請書が見当たらないと探していた。
セオが一週間かけて、他部署を回って局長まで回した書類だったため、新も京一も知ってはいたが、無いとなるとこの間の書類破棄の時に謝って捨てたのではないかと、可能性を話す京一。そんなことは考えたくないと、頭を抱えたセオを見かねて、自分も探すのを手伝うと言い出す新だったが、京一が急な案件があるため待ったをかける。
京一が言った急な案件とは、仙田からのメールで、庶務課の相田小春という職員の子どもが、悪夢を見て眠れていないという内容だった。悪夢で不眠というワードに、病院では無いかと口にする新だが、京一はウチの案件だと思ったから、わざわざ回してきたのだろうと返し、セオの書類探しもあったため、新一人でやってみる様に促す京一。
新は、少し不安もあったような顔をしつつも、案件を受け取り、依頼者の話を聞きに行く。
新が出て行った後、セオは同じような現象が前にも有ったと思い出し、京一もセオの言葉を肯定し、大田区練馬区の方が被害が大きかったのだと付け加える。前例があった方が対処がしやすいだろうという、京一の気遣いに気付いたセオは、ついでにアザゼルの時の新を使った件を持ち出し、京一にプレッシャーをかける。すると京一は、悪いと思っているし、実際後輩だから許してもらえるだろうという気持ちがあったため、「謝るな」と新に言われてしまい、借金を抱えたような気分だと白状する。なら、良い先輩でいて、借金を返済するしかないなと、セオに背中を叩かれるのだった。
依頼者の相田小春との待ち合わせ場所の喫茶店・らんぶるに到着した新。
小春の話を聞くと、二人いる息子のうち、下の子どもである亮について、小学校から居眠りが多いと言う注意を受けたため、亮に夜更かしをしないという約束だったはずだと話をした小春。しかし、亮の答えは、お化けに追いかけられる夢を見るから眠れないのだと理由を話し、三回捕まるとはっちゃんやよーくんみたいに食べられてしまうのだと、涙ながらに訴えたと言う。
小春は夢でケガをしても、現実に影響は無いと亮に話したが、その数日後に亮は目を覚まさず眠ったままになってしまい、医者に見せても異常が無いと言われてしまう。
亮の入院に付き添うため、しばらく仕事を休む等するから迷惑をかけると、仙田に話をした時、話を聞いた仙田から、夜間地域交流課の案件だと言われた小春は、どうしてもっと早く気づかなかったのかと、後悔した様子で頭を抱える。
小春に、「善処します」と言って戻ってきた新は、情報収集から始め、セオからアナザー検索システムのパスワードを貰い、夢魔のアナザーである可能性に行き当たる。
その作業を行っている最中に、仙田が戻り、新に交流会の持ち回りのため、都庁への出向を言い渡される。しかもそれが明日からだと言うので、いま抱えている案件の事を心配する新だが、それも共有するのが交流会の趣旨だから大丈夫だと流されてしまうのだった。
言われるまま、翌日から都庁に向かう新。中に入る前に、千代田区清水翔太に声を掛けられ、戸山公園の件で、狩野一茜と共に居た人物だと思い出す新。戸山公園の事件以降も大活躍で、色々な意味で有名だと力を込めて話された新は、少し引き気味に返事をする。そこへ都庁の夜間文化環境局の狩野一悟も加わり、狩野一という名字に茜の関係者かと聞く新に、従姉だと答え、握手をする二人なのだった。
10月9日17時12分 まずは夕食を三人でとる新達。そこで、新が今抱える「夢を見た子どもが眠ったまま目覚めない」案件を処理する話になり、驚く新に悟は、交流会の趣旨に合致することと、アナザーを処理できそうなら自分がやると申し出るのだった。
アナザーを処理するという悟の発現に、そこまでするのかと言いたげな新に、悟はそう言った装備は区にも配備されているだろうと、言葉を返す。
二人の空気が険悪になりかけた時、千代田区から出向していた翔太は、新が言っていた案件のアナザーは夢魔で間違いなく、しかも以前には練馬区でも発生していたものだと口を挟む。すると悟は、こういった事件は繰り返しあるのだと話し、使われなくなって、人のいなくなった建物で、主に子どもがいた場所に、探検や興味本位で子どもなどが入り込んで発生するのだと、おおよその原因まで判明している様子なのだった。
しかし、なぜ子どもなのだろうと箸を止めて考え込む新に、翔太はアナザー側の理由なんて考えて事は無かったと返し、悟は自分たちは砂の耳が無いし、ドブネズミの様に駆除できるか、できなければ自然災害だと割り切る事にしていると言う。
ドブネズミと同等にアナザーを扱う悟の言い方に、今まで出会ってきたアナザー達の事を思い出し、彼らなりの理由があり、上手く意思疎通できた者もいたと声を上げる新。しかし悟は、平行線のままだと話を切り上げ、当事者の家族に話を聞きに行こうと、席を立ってしまうのだった。
10月9日18時08分 新宿駅で被害にあった相田亮の兄・相田駆に話を聞く新たち。
最初は亮のクラスメイトが夢で鬼ごっこをしているのだと話しており、その子はもう二回も捕まって悔しいから、次は勝つぞと楽しそうに話していたのだと言う。しかしその子が学校に来なくなり、噂が広がり、二人目の被害者も二回捕まったのだ話した後に学校に来なくなったため、亮も三度捕まったら食べられてしまうのだと怯えていたのだと話す駆。
どうして同じ夢だと分るのかという新の問いに対し、駆はスタートがいつも同じ幽霊団地なのだと答える。
自分の弟はどうなってしまうのかと、暗い顔をする駆に、なんと声を掛けようかと言葉を選ぶ新に対し、悟は話に出てきた団地の場所を聞き、小学校の近くにあり、よく亮が友達と遊び場にしていたと駆が答えたため、子供が廃墟などに入り込んで発生する、夢魔の一連の事件の条件に合致すると整理していくのだった。
駆は弟をお願いしますと、改めて新たちに助けを求めたため、新は大丈夫だと笑顔で返し、そこでやっと、ホッとした表情を浮かべる駆。そして、団地の場所などを聞く新と駆のやり取りを、今度は黙って見守る悟なのだった。
駆に教えてもらった団地に到着した新たち。翔太も独特の雰囲気があると言わしめるほどに、封鎖された28号棟は荒れ果てていた。
新が内部の調査を、悟と翔太が外側に結界を張ることになり、結界テープも必要ないという悟に、翔太は単純にすごい人だと感心するのだった。
翔太から、何かあったら電話するようにと言われ、苦笑いする新。気を取り直し外側から団地を眺め、アナザーを探すと、新を覗いていた目を一対見つけ、さっそくその部屋の様子を見ることにする。
箱根山地下よりはマシかなと、部屋の中に入る新。すると玄関で覗いていた目の持ち主と鉢合わせ、そのまま鬼ごっこだと言うアナザーを追いかけ、逃げられを繰り返す新。
追いかけられながら、楽しそうにするアナザーは、現実だと自分の事が見えないから遊べないけれど、夢だと自分の好きにできると話し、三回自分が勝ったら仲間にして遊んでもらっていることが判明する。
新は、団地に人が居なくなったことが原因で、アナザーが寂しさから行った事であると理解し、自分も泉美と遊ぶ時間が減っていたことを最近実感したことを話し、友達はずっと一緒ではなく、離れたりするものだと諭し、無理やりにではなく、遊んでもらえる友達を探すようにアナザーに提案する新。
まずは自分が友達になろうと言う新に、喜ぶアナザー。そして、人がいないところが寂しいのなら、人がいっぱいいるところに移動すれば寂しくないだろうという新に、人がいっぱいいることで、自分が寂しくなくなると理解したアナザーは、それなら今までの子たちを開放するとまで言って喜び、もしそうでなかったら、新を夢に閉じ込めるといつものやり方で保険を掛ける。
しかし新は、言葉が通じるのだから、文句があれば直接自分に言えば良いし、友達とはそういうものだろうとアナザーのやり方は違うのだと話し、アナザーもそうだったと目で笑って見せるのだった。
屋外に出て、悟と翔太と合流する新。寂しさから子供を攫っていた様子だと、アナザー側の理由を二人に話す新。
連れてきたアナザーは、この二人は新の友達なのかと、新の周りを走りながら新に聞き、新の友達なら自分の友達だとはしゃいでいる。
その様子をしゃがんで笑顔で見ていた悟は、おもむろにクナイを取り出し、「ではやりますか」と一言掛け、アナザーの周りにクナイを投げて結界を張り、その行動を止めようと名前を呼ぶ新には耳を貸さず、アナザーを踏みつぶす動作で駆除してしまう。
翔太は手際の良さを興奮しながら褒め、悟もこの程度のアナザーならこんなものだと謙遜する。
しかし新は、アナザーは子供たちを解放すると言っていたのだと怒り、悟に食って掛かるが、悟は新は今現在の被害の事にしか考えが及んでいないことを指摘し、新もその通りだとは認めつつも、その考え方には納得できないのだと意見する。
それでも悟はアナザーは現象だと割り切り、アナザーは同じことを繰り返すため、自分たちはそれらを排除するしかないのだと語る。そして、悟の話は新自身にも向けられ、新が琥珀を呼ぶ、災いと混乱の神ウェウェコヨトルの僕として、社会を混乱に巻き込む様に砂の耳の通訳を行っているのではないかと、疑いを掛ける。
新は自分自身の立場を認識していなかったために、悟に言い負かされるままになってしまい、最終的には、悟から「この仕事には必要ない」とまで言われてしまうのだった。

ここから感想
やっと、新の特異性からくる弊害というか、アナザーとの意思疎通できる新を敵視している人物が現れてくれた。これで、アナザーと意思疎通を試みている人とか、悟氏のような「怖いから・災いだから全部駆除したい」派とか、全国レベルでの話をしてくれれば、近所のアナザーとの交流の話から一変、事が大きくなって視聴し甲斐が出てくるよね。猫や造形の可愛いアナザーを愛でる作品では無いのだから、もっと大勢を揺るがす話にならないと、お仕事として描いているのがもったいないと思うな。
で、だいぶ印象が悪く描かれている悟氏だけれども、単に狩野一家としてのプライドが、ぽっと出の砂の耳が、長いスパンで物事を考えずに動く事を許せないだけであって、言っていることは公務員らしくて良いと思うけどな。
あとは、今回のような小物ではなく、一話の天使と天狗みたいな集団とか、図体が大きいとかいう場合は、どう言いながら対処しているのか、ちょっと見てみたいな。あと、都庁の人、他にもいるはずだから出してほしいところだな。