はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

フルーツバスケット 第11話「とってもステキなお宿です」感想

料理長と女将のダブル暴走は、前作アニメのオリジナルだったか…見れると思っていただけに、物足りない。

今週の内容
期末テストが終わり、由希に勉強を教えてもらっていた透はいつもより多く答えを掛けたと手ごたえを感じていた。そんな透をやればできると褒めるありさと咲。由希に分り易く丁寧に教えてもらったおかげだと、お礼を言う透に、由希はオーバーだと笑うのだった。
そんな、由希が可愛く笑う光景があるにもかかわらず、咲の毒電波が怖くて近づけないプリンス・由希のメンバーの木之下南と岩田舞。彼女たちが悔しそうに遠くから様子をうかがう中、含むところの無いひろしとゆうすけは、咲は電波もあって知的な雰囲気だから、成績が良さそうだと、中間テストの点数はどうだったのかと興味本位で質問するのだった。
意外にも、咲は電波ではカバーできないほど自分の頭がバカであるのだと明かし、軽い気持ちで質問したひろしとゆうすけは、聞いてはいけない事だったと返答に困る。そこで、ありさは咲に、上を行く馬鹿がいるから安心しろと夾を引き合いに出し、本人からそんなに成績は悪くないと否定される。最近自室にこもっていたのは、勉強していた為だったのかと気づいた透は、夾の勉強する姿を想像し、微笑ましく思い笑う。
そんなやり取りをしていた中、透は担任の白木繭子に呼び出され、何やら必死に誤っている様子だったので気にする由希。しかし透は、バイトをがんばりますとはぐらかし、結局何だったのかは分からないままであった。
バイト先で、紅葉と話しながら掃除をする透。紅葉が紫呉の家に泊まるのだと話し、自分からプレゼントがあるのだと話したため、楽しみにする透。
紅葉が来たことで、彼のテンションが癇に障ると、こめかみをぐりぐりするいじわるをして、自分に絡むなと言いたげな夾。ひとまず全員が居間のテーブルに着き、お茶もお茶菓子も出たところで、紅葉は紫呉に促されて、明日のホワイトデーに温泉旅行を透にプレゼントするのだと発表する。題して「ボクと透のぶらり温泉ゆけむり旅情」なのだった。
草摩の経営する温泉だという紅葉に、知っているのかあそこかとつぶやく由希は、自分のカバンに入った包みを気にする。
話を聞いた透は、温泉旅行が高級ではないのかという不安に駆られてしまい、母を差し置いて自分が言っても良いのかとつぶやいたため、紅葉が説得に入ることに。「母親は透が嬉しいならうれしいはず。」「透は嬉しくないか?」と紅葉に聞かれたため、透は素直に嬉しいのだと応え、ようやく連れて行きたかった透からのOKを貰えた紅葉。由希と夾も一緒だと、気を遣う透を安心させようと話を進める紅葉だが、ここでも由希が行くなら夾はいかないと言い出し、収拾がつかない状態になるのだった。
そんな、いつも通りの夾の由希嫌いの説得には加わらず、紫呉は話は変わると前置きして、透に先月の修学旅行の積立金が支払われていなかったと、担任の繭子から連絡を受けた透の祖父から、夕方に電話があったのだと話を振る。「なんなら支払っておく」と言っていた祖父の伝言を聞いた透は、先月はいろいろあったから、今月のバイト代で払えると、担任にも伝えてあると状況を話し、迷惑をかけてしまって申し訳ないと謝る。この話を聞いた由希は、学校で透が担任に謝っていたのはこの件だったのかと納得するのだった。
理由と、対処できることを聞いた紫呉は、それにしても、ちゃんとバイトをしていたのに、どうして先月は足りなかったのだろうと口に出しながら、バレンタインデーのチョコ代が原因だと気付き、話の流れから同時に由希と夾も同じ結論に至り、三人で凍り付くのだった。
他人への贈り物で、透自身が困る結果に陥っていたことに腹を立てた夾だが、怒りを抑え、透に風呂を勧めて彼女をその場から移動させるだけにとどめる。
紫呉は夾が怒りを抑えたことを褒め、透がくれたチョコは、彼女が自腹を切ったに決まっていると、気づかなかったことを反省する。由希も何故気づかなかったのかと後悔するが、夾はへらへらと渡っているからだと怒りを噴出させ、人生の七割がた損して生きると怒るのだった。
そんな中、紅葉はクラス会での出来事を話し始め、笑える話全集の中の、世界一バカな旅人の話をし始める。その話は、人の好い旅人が、旅をする中で人や魔物から困っているのだと騙され、自分の持ち物や体を取られていく話だった。重要なところは、旅人が相手の幸せを願って自分のものを差し出しているところであり、最後には、魔物がバカと書いた紙を贈り物だと言って置いて行った事に、初めての贈り物だと泣くところにあった。そんな旅人を馬鹿だと笑うクラスメイトの中で、紅葉は旅人を愛おしいと思い、その旅人を透に置き換え、由希や夾も思うとことは同じなのだった。
翌朝、夾は透に、ホワイトデーのお返しを用意していないため、由希を我慢して一緒に温泉に行くことにすると話し、透は共に行けることを、目に涙を浮かべて喜び、夾はそんな透をしょうがないなと優しい目で見つめるのだった。そんな夾を見て、透は何かに気付くが、紅葉が夾が透に萌えていると茶化したため、騒がしくなり、由希もベランダに寝ぼけ眼の状態で出てきたため、透と夾の間にあった空気は壊れ、由希も夾が温泉へ一緒に行くことになったのを、仕方が無いかと思うのだった。
送迎バスで草摩温泉に着いた透達。透は入口が立派だとテンションが上がり、まるでお姫様になったようだと喜んでいた。
ホラー映画のゾンビの様な、女将の登場と大声でのあいさつに驚いた透は、部屋に案内されながら女将も草摩の人で、体が弱いから療養を兼ねてここに住んでいると紅葉から聞く。〆切が二本重なった紫呉も来て欲しかったと、知り合いである話の内容に、十二支の事を知っているのか、十二支本人なのかと考える。
部屋に着いたため、さっそく中に入る透達。透の部屋は隣で、案内されたのは紅葉と由希、夾が止まる部屋であった。ここでまた夾が由希と同室であることに文句を言ったため、紅葉が透と一緒に寝たいのだろうと適当なことを言い出したため、女将は大声で、夾がたとえ猫でも素直な子だと信じていたのに、いつからそんなに淫乱な子になったのかと叱り、代わりに自分が世界中に謝ろうとまくしたてたため、夾は由希と同室で良いと折れるほかないのだった。
落ち着いたところで、お風呂に入ろうという事になり、ちゃっかり透と一緒に入ろうとする紅葉を止める夾。しかしそれでも、透と一緒がいいとごねる紅葉に、透は紅葉はまだ小さいから良いのではないかと助け船を出す。
しまいには泣き出した紅葉に、今度は由希が、透を困らせるために来たのではないだろうと説得し、分かったと返事をする紅葉。だがすぐに、夜は一緒に寝ようと透に言ったため、やはり分かっていないと、由希と夾の気持ちは一つになるのだった。
人生初の露天風呂に感動する透。母親の遺影もジップ付きの袋に入れて、一緒にお風呂に入っていたところ、女将もお風呂に来たため、女二人でのおしゃべりとなる。
女将は、先ほど言い忘れたことで、自分の子どもが猿の物の怪に憑かれているのだと話し、実は草摩以外の人間が十二支の事を知っていると、人づてに聞いた時は、自分の子どもも含め、十二支たちの心の傷を広げることにならないかと、不安に思った事を明かす。しかし今回、実際に透に会って、そう思っていたことを詫びたいと続け、猿の物の怪憑きである若が子に会った時には、由希達と同じく仲良くしてやって欲しいと話す。
女将の子どもとは、どのような人物かが気になった透は、うかつにも女将に質問したため、世間から見たらあのような子どもではあるが、自分にとってはたった一人の心優しい子なのだと畳みかけられ、さらには代わりに自分が謝ると続いたため、透は謝りながらもう聞きませんと、女将の勢いを止めるのに苦労するのだった。
湯上りに卓球をする由希と夾の横で、猿の物の怪憑きの人について紅葉に話す透。すると紅葉は猿の物の怪憑きの人は「りっちゃん」と呼んでおり、透は「りっちゃんさん」と言うのかとインプットするのだった。
そして、由希と夾の卓球勝負は、由希相手だと力み過ぎてワンバウンドができない夾がぼろ負けしていた。イライラが募った夾は、卓球台をひっくり返さんばかりの勢いでゲームを投げ出し、拳で勝負しやがれといつものパターンで勝負内容を変更しようとする。
ヒートアップした夾を宥めながら、透が自分と勝負しようと申し出たため、夾も勢いを殺されたのか、透と勝負することになる。
今度はしっかりと、ワンバウンドをさせてボールを透に渡す夾だったが、気合を入れてラケットを振った透は勢いよく空振り、勝負は一瞬で終わってしまう。透の事を下手だとおちょくる夾に、紅葉が夾には言われたくないよねと言ったため、今度は夾と紅葉の卓球対決となる。
二人の対決が始まる前、由希が一人で部屋を出ていったのを見た透は、具合でも悪いのかと心配になり、後を追いかけ、庭の橋にいる由希に声を掛ける。しかし由希は単に、透が勢いよく空ぶったのを大笑いするために場所を外しただけであり、その場で笑っても良かったのにと言う透に、親の前でもこんなに笑っていないのに、夾の前でなんて嫌だと、さらりと棘のあることを言われてしまうのだった。
一通り笑い終えた由希は、透にホワイトデーのお返しという事で、以前から気に掛けていた包を差し出す。中には水色のリボンが入っており、由希は何にするか迷ったがそれが一番似合うかと思ったと言ったため、透はその場でつけて見せる。すると由希は「お気に召しましたか、姫」と王子様の様にリボンを手に取り聞いたため、透は照れながらなんとか「はいとても」と返すのだった。
由希が茶目っ気で「光栄の至り」と言いつつ、リボンを口元に持っていったため、とうとう透は真っ赤になってしまう。
由希と透は、卓球をしていた部屋へ戻り、その後紅葉と布団を並べて今日の出来事を思い浮かべた透は、草摩にはカッコ良くて、可愛らしくて、優しい王子様がいて、一緒に過ごせることを嬉しく思うと、母・今日子へ報告するのだった。
翌日帰る透達に、女将も夾に寄りかかりながらも見送りに出てくれ、挨拶を交わすのだった。しかし、送迎バスがまだ来なかったため、透は紅葉との別れを惜しみ、今度の春で紅葉は何年生になるのかと聞き、実は紅葉は今度は高校一年生になり、初春と一緒に透達の通う高校に入学することになったのだと聞かされる。
紅葉を小学生だと思っていた透は、実は実年齢よりも大人っぽいと思っていた初春と、同い年であると分った辺りから混乱しており、何から驚いていいやらと慌てふためくのだった。

ここから感想
女将さんのごめんなさいの威力が、原作の吹き出しから得る印象よりも落ちている。やっぱりアニメ第一作の、あの逃げ場所のない謝罪の圧力感を知っていると、あの上を行くのは難しいかなとは思っていただけに、今回の演出はかなり残念。りっちゃんさんの時はもっと演出を頑張ってくれないかな。
このアニメが初見な人は、女将になんで謝られているのか、意味不明ではないだろうか。原作とアニメ第一作を見ていると、こういった初見の感覚が分からなくて困る。でも、女将の自身の無さとか、不安のあまりまくしたて始める流れとかが一切なく、カットごとに淡々と「原作のコマを動かしているだけ」と感じるので、イマイチ気持ちの流れが繋がらない・伝わってこない状況がずっと続いているんだよな。これは結果を知っているからというものでは無いから、どうにか作り手さんには気付いてほしいな。