はちよりうえ

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真夜中のオカルト公務員 第11話「砂の耳と新人の根性」感想

いや、たしかに天使と天狗はどうなったかなとか思っていたけど、こんな形で再登場するとは…。できれば、助っ人登場じゃなくて、メインの話で再登場してほしかったな。

今週の内容
公用車に向かいながら、競技場での繭の処理に当たっていた職員が全滅した話を聞く仙田。相手は都庁の職員の様で、今回の様な強硬な手段を取ったのだから、勝算があったのだろうと返し、そもそも都庁職員である狩野一悟から、新宿区職員の新は今回の作戦に来るなと言われており、今更砂の耳を貸し出すいわれも、都庁の作戦の尻拭いをする筋合いも無いと断る。
出来ることは無く、指揮権をくれるならと電話を切った仙田の携帯に、すぐに「緊急開戦♯0」から着信がかかるのだった。
御苑で清水からの連絡を受けた後の新達。妖精から、蚕神様が献上品を燃やされて怒っているのだと、妙な節回しで歌われ、こめかみを蹴られる新。その内容を通訳すると、セオは、やはり繭は神への献上品なのだと焦りだす。
仙田が乗ってきた公用車に乗り、移動する間に悪魔より厄介な神の一面について、新に説明する仙田達。今回、繭の親である蚕神を相当怒らせたため、祟られる前に怒りを鎮めるための儀式をするのが普通なのだが、手順が難しいその儀式をする時間もないため、新の砂の耳でコミュニケーションを取り、折り合いを付けろと言う状態にまで切迫している状況であった。
祟り神になりかかっているアナザー相手に交渉なんて、危険なことを、新にやらせるのかと、仙田の判断に反対するセオだったが、新は何が怖い事なのかが分かるから、出来る最善の事をすると申し出るのだった。
競技場では、燃やされた繭たちを呆然と見つめる蚕神に、くるまれた繭を結界石で割いて、またも攻撃を仕掛ける悟。この土地は人間のものだと主張し、蚕神に直接攻撃を加える悟だったが、到着した新が悟に体当たりをしてとどめの一投を阻止するのだった。
自分の仕事の邪魔をするなと、新を邪険にする悟だったが、新からも自分の仕事の邪魔をするなと返され、他にも新宿区の夜間地域交流課の職員が到着していることに気付く。ちょうどかかってきた緊急回線の着信にイラつきながらも、京一に促され出てみると、東京都条例夜間特例要項第0号により、都知事の判断で指揮権が新宿区夜間地域交流課に移っていることを仙田から知らされ、アナザーの対処は新たちに任せて、他の職員の救出に当たるように指示されるのだった。
悟に結界を解かせ、蚕神との話し合いを始める新。新を見て清明だと思った蚕神は懐かしいと言うが、状況はもう取り返しのつかないところまで来ているのだと、顔をしかめて、語り始める。
繭の中にいた蚕たちは、糸を吐いて繭になるだけでなく、自分の繭から極上の糸を紡ぐ紡ぎ手でもあった。現在、繭を焼かれたため、その半分を失った今、出雲の祭りに間に合う様に、夜明けまでに献上に必要な量の絹を作り出すことはできず、献上品が無いという事は、太陽の加護を受けられずに蚕神は冬に死んでしまうのだと説明される新。
その事態の重さを話した蚕神は、恨みを晴らさずにはいられない、燃やされた繭の数だけ人間を殺さなければ気が済まないと、この地に永遠に死の祟りをもたらそうとする。しかし新は、糸を紡いで蚕神を出雲の祭りへ連れていくと宣言し、蚕神も最初は笑って相手にしなかったが、この事態の原因である人間が献上品を用意するという事に考えが及んだらしく、出雲に行く夜明けまでにできていなければこの土地を祟ると言い渡し、自身は攻撃を受けた身体を直すためか、羽で体を覆い蓑虫状になるのだった。
繭から助け出した職員を使っても、糸を紡ぎだすには人手が足りないため、新は心当たりがあると言い残し、一人競技場を後にする。
仙田が都内の夜間地域交流課に呼びかけ、警察も使って人員・物資の搬入を行い、糸を紡ぎだす作業を開始する。夜明けは6時02分だと清水が到着した山城に伝えるが、それを聞いた山城は、あと30分かと時間を気にするのだった。
一方、さなぎ状になった蚕神を警戒するため、悟は照明設備を囲むように配置し、山岡達都庁職員に気を許すなと指示を出す。その姿をみたセオは、まだやっているのかともらし、京一は立場上仕方がないだろうと悟の考えに理解を示す。
さなぎが動き出したため、周囲に緊張が走り、夜明けにはまだ早い時間帯に蚕神が動き始めたことに、砂の耳での交渉はやはり役に立たないと口に出して批判する悟。しかしさなぎはそれ以上動かず、代わりに空から羽の音が聞こえだし、大量の天使と天狗が競技場に向かっていることに、競技場の職員たちは今度は何事かと騒ぎ出すのだった。
天使のアディエルに運んでもらった新は、アナザーに手伝ってもらうという前代未聞な状況に憤り、認めようとしない悟にバカなことだと言われるが、そこは京一が新が大丈夫だと言うなら大丈夫だと助け舟を出され、さっそく天使と天狗、そしてついてきたユキに糸の紡ぎだしを手伝ってもらう。
新の上司である仙田は、一応どういう経緯でこうなったのかを教える様にと、新に声を掛ける。
最初は御苑にいた天狗の太郎坊達に状況を話し、勝手な話だと重々承知の上で協力を申し込んだ新。他の天狗から、人間に災いをかぶってもらうのが筋だという意見も出たが、蚕神が祟り神になったら、ここにも住めなくなるという点でも困る天狗たち。一通り意見を言い終え、太郎坊は新に協力すると言い、奥に控えていた四谷不動坊と妙法山千仞坊にも確認を取り、他の天狗たちに人手を集める様に指示を出して、新を連れて天使たちにも協力を取り付けに向かうのだった。
天使の元へ向かうとき、太郎坊からはアディエルとの駆け落ち騒動の際には世話になったため、今回協力するのだと言われ、さらに今後助けてもらいたい事が出来たら、助けてほしいと頼まれた新は、快く引き受ける。しかしそのことを仙田達に話すと、セオはやはり条件を付けて来たかと警戒する。
それでも新は、砂の耳を持っていたからこそ交渉でき、そのせいで危険な目にも会い、何がどう危険なのかも経験で分かったと語る。人間と同じ様なアナザーが居る事に気付いた新は、砂の耳のおかげで話ができ、名前を知ることができたため、そう言ったアナザーと分かりあったり争いを失くしたりするのが、自分の仕事じゃないかと考えていたのだった。
作業の中で、焼かれていなかった繭から蚕が孵り、その
赤子の様子に、見ていた者たちは思わず笑みをこぼす。それ以外の場でも、人とアナザーが一緒に作業をする姿が見られ、こんな光景はすごいなと感心するセオ。そこへ、紡がれた糸を持ってきた悟は、新はもう立派な脅威じゃないかと棘のあることを言うが、仙田は既に新はアステカの災いの神に憑かれているため、何を今更と返され、悟の嫌みは通じないのだった。
太郎坊を含む天狗たちと話をする新を見ながら、セオは見方を変えて行かないといけないかなとつぶやくが、京一はすぐに見方は変えられないと話し、アナザーへの距離感や恐怖心を持ち、臆病でいなければどういう目に合うか分からない仕事だと語る。そう言った意味では、悟の仕事の仕方は理解できると、彼に話しかけるが、それでも新の仕事を見ると、今まで見たことのない景色を見ることができ、これは新にしかできない仕事なのだと、新の事を評価する。
天使たちが紡いだ糸を巻く作業に入り、何とか間に合いそうだとホッとする太郎坊。
夜明けを迎え、蚕神がさなぎの状態から動き出し、元の白い姿を現す。彼女は用意された糸をみて、歪だと一言言ってから、約束は果たされた事を新に伝え、今回、人間が犯したことは忘れないが、清明に免じて許そうと言って、出雲へと向かう蚕神と蚕たち。それらを見送った新は、自分は清明ではなく、宮古新だと静かに自己紹介するのだった。
新が、やっと終わったとホッとしようとした時、蚕神の糸で作った衣装を身にまとった琥珀が、衣装を見せびらかし、ユキを連れてこれから出雲に行ってくると慌ただしく告げて去っていく。その様子に、お前は日本の神様じゃないだろうとツッコミを入れる新。続いて、天狗たちも新に声を掛けつつ解散していく。
アナザーたちを見送った新に、悟は偶然解決できただけで、理想を追い続け、偶然ばかりで仕事をしているといつか足元をすくわれると警告をするが、新は自分だけではなく、新宿区夜間地域交流課は四人のチームなのだと返し、悟は鼻で笑って帰っていく。悟の幼馴染である茜は、新に礼をして、悟について行く。
仙田達の元へ新が戻ると、お疲れとねぎらわれ、仙田は頑張ったし、打ち上げにでも行こうかと言い出し、領収書は都庁の狩野一悟宛で良いかと、悪だくみを始めるのだった。

ここから感想
途中で、蚕神の事をましろ様と読んだりまなり様と呼んだりしていたけど、ましろ様は絹の神様だとして、まなり様って引いても出ないんだが、どういう意味合で使っているんだ?「まなり」って成りかけって意味で、祟り神なりかけって理解で良いんかい?ここの解説というか、セリフでの補てんはして欲しかった。なので内容部分は全部蚕神で統一した。
都庁のエリートとのやり取りの中で、新が自分の仕事のやり方を自覚したエピソードになったが、あれだよね、この作品って、過去のやらかし事案が一切ないからつまらないんだよな。八百万の神に祟られずに、今まで夜間地域交流課の仕事をするとなると、かなり注意事項のオンパレードだと思うんだが、今回の狩野一悟の暴走は止められないし、来年もまた競技場を養蚕場にされる可能性に誰も触れないしで、公務員物で無い方が、キャラクターも人間関係も、むしろ作り易かったのでは?と思うよ。
で、気になっていた「清水が何故一人だけ蚕神の襲撃から生き残ったのか」について、茜さんも山城課長も登場していたけど、一切お守りめいたものを渡していた話は無く、単に物陰にいたからだろうな、と言う憶測だけで終わらされてしまった。ここから察するに、蚕神は目視で攻撃していたと考えるけど、それはそれで神様の能力が大したものではない事になってしまわないか?生物の反応とか、虫型なりの目の構造とか、清水が繭を一つも燃やしていなかったとか、特別な設定があっても良かったと思うけどな。
この作品は、アナザーに強さの基準を設けていないのか、神と呼ばれるものでも、その影響力を考える情報が極端に無い。繭に躓いて転ぶ、糸が機材に引っかかって動作不能になる程度の事は想像して理解できるが、では蚕神が祟り神にならずに死んでしまったら、天狗がどう困るのか、一切触れないまま話が進んでしまったのは、非常に残念。単純な力の強さと、その影響力すら分からない異文化交流の話は魅力を感じないよ。

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