はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

Fairy gone フェアリーゴーン 第12話「無力な兵隊」感想

 今回のサブタイは…まぁ最後の勝った気がしなさそうな宮殿前で、日の出を迎えたのドロテア四人組の事だろうな

 

今週の内容

大天門を先行したビーヴィー・リスカーがアイゼンコップの怪力で突破し、その威力に銃撃を辞めてしまう守備隊。しかし守備隊長がいち早く持ち直し、ブルーノ・ボーメ軍部省大臣に迎撃の指示を求めたため、ボーメも史上初、大天門を突破されたショックから立ち直り、逆賊は皆殺しにするように声を張るのだった。

首相官邸では、ゴルバーン・ヘルワイズ首相がシュヴァルツ・ディーゼ元ハイブランツ公のやり口を見て、自分の猿真似をするつもりかと、苛立たし気に自分自身が対処すると、今までやってきた通りに現場に向かうのだった。

現在ロンダキアにいるドロテア戦闘員の4人となるフリー達は、大天門に到着し、突破されていることに一度足を止める。

そのころ、リスカー率いる傭兵部隊は内門を通ろうとし、またもリスカーが一人で内部の人間を殺戮し、大剣型の妖精武器・ガドファックスで人を薙ぎ払う様に怯える統一軍兵士を、「意思無き者」と呼び、愚かだと見下すのだった。

リスカーが通った後を追いかけるように進むフリー達。統一兵が皆殺しに会っている状態を見て、相手の人数と戦力がかみ合わないと言いたげなクラーラに、フリーは本物の妖精兵は冗談ではなく一騎当千だと思えと注意する。そんなフリーに、セルジュはフリー自身も統一戦争を経験している本物だろうと言葉を返すが、フリーは苦い顔をして、局長が居ない以上、自分がリスカーを止めると改めて覚悟したように言う。そうこうしている間に、フリー達がいる通路の前方の壁から、ボーメ率いる統一兵士が隠し通路から出現し、ドロテアが来たことを知ると、さっそく自分たちに付いてくれば、リスカー傭兵部隊の前に回り込めると、フリー達を指揮下に入れようとするボーメ大臣。その偉そうな物言いに、従わない方が良いのではと、小声でフリーに話すセルジュだったが、フリーは何かを決心したように声を上げる。

元レドラッド王侯貴族のクリストフ・ラーンから聞いた、秘密の通路をたどるシュヴァルツ率いるハイブランツ勢。行動を共にするアーケイムのウルフラン・ロウに、シュヴァルツは先の大戦で、サイダル王だったゴルバーンが皇帝の勅命を理由に隣国ティムーンに進軍を開始した行動と、その後サイダルの騎士だったガーラン・バトルが、レドラッド国の管理下にあった帝都マズリッドより、ゼスキア皇帝を連れ去った事件で、皇帝を操っていたレドラッド国とその片棒を担いでいたアイネデルン国の覇権が崩れたことを話す。しかも、統一後も簒奪による恨みなどを恐れたゴルバーンが、皇帝の座につかなかったことを、シュヴァルツは鼻で笑うのだった。

宮殿内に入ったリスカー率いる傭兵部隊は、妖精を操るリスカーを戦闘に隊列を組み進んでいく。妖精に恐怖しながら銃を構える統一兵を「平和で腐った人間」と笑いながら銃を構えるディッパー。戦況は最初こそ傭兵部隊が有利だったが、部隊側面に統一ゼスキアが所有する人工妖精部隊が到着し銃撃を開始ししたため、ディッパーはすぐに一度引くように指示を出すのだった。

ボーメ軍部大臣に宮殿内の隠し通路を先導してもらうフリーとクラーラ。クラーラが隠し通路に素直に驚いていると、ボーメは得意げに全て把握している者は一人もいないとされているのだと話す。やがて戦闘の音が聞こえてきたため、ボーメは読み通りだと満足そうにし、さらに近くを通った伝令から、首相率いる援軍が到着したことを知らされるのだった。

一度は部屋まで引いたリスカー部隊だが、ここで仕留めると息巻いて銃を撃ち続ける統一兵に対し、弾の無駄だと見下しながら、銃撃が止むのを待っていた。この状態を、統一戦争時代は日常茶飯事だったと懐かしがるリスカーが、ソフィーの「この状況を楽しまれますか」という問いに焚きつけられ、またもや単身で銃を構えている統一兵たちを薙ぎ払いながら攻撃を開始するのだった。

フリー達とは別れて、セルジュと宮殿内を走っていたマーリヤは、そこここで殺害されて倒れている統一兵たちを見ながら、改めてここまでして戦う理由がない事と、戦うのは怖いのだと考える。しかし、目的の場所に着いたためセルジュと別れた後、マーリヤが思い出したのは、自分を庇ってリスカーにとどめを刺されたオズの事であり、リスカーは許せないのだと、目に力を込めて戦う決意をする。

宮殿内の広間を占拠したリスカー部隊に、トメリーズからの視覚共有によってタイミング良く突入の合図を出したクラーラ。これによりリスカー部隊はまたも迎え撃つ体制を取ることになり、さらにそこへヴェロスティールを帯びたフリーも飛び込み、傭兵部隊の主力であるリスカーとの一騎打ちに持ち込む。

フリーとリスカーの戦いの最中、マーリヤはリスカーをサポートするソフィーの動きを止めるべく、対人相手でも容赦なく照準を合わせて打ち込み、リスカーはフリーの実力に戦う相手として満足している様子で戦っている。戦闘中に外に出たリスカーを追って、フリーも外に出て、レッドフットの咆哮の攻撃を出す等、建物に配慮しない戦い方に変更し、リスカーの顔面に刃先をかすらせるまでに至る。そんなフリーを、ますます高く評価するリスカーだが、まだ七騎士の一人で、ヴェロスティールの元持ち主だったジェッド・グレイブには及ばないと焚きつけ、フリーとの一対一の戦いを楽しんでいたが、そこへマーリヤの妖精アッシュクラッドがアイゼンコップの首を掴んで焼く攻撃を始め、さらにセルジュのブリンツテイルによる砲撃を受けるリスカー。驚いていた彼に、フリーはジェッドに実力が及ばないことは良く分かっており、自分たちは個人ではなく、ドロテアであり、任務を遂行しているのだとリスカーとは違ったチームワークを見せる。

宮殿の秘密通路を進んでいたシュヴァルツは、そろそろ出口に着くと、通路の構造を理解している口ぶりでウルフランに案内する。そんな彼にウルフランは、通路の情報源であるクリストフ・ラーンと良く通じることができたと話すが、それだけの協力者がいるという事は、現体制に不満がありながらも、ゴルバーンのやり口に表向きは従っている勢力も、自分が事を成せば、統一体制からその多くが離反するだろうと語って返すシュヴァルツ。そんなシュヴァルツの語りの最中にも、ウルフランは周囲をうかがいつつ、頃合いだろうと考えているのだった。

フリー達三人がかりの攻撃により、リスカーの左腕を使用不能にまで追い込むことができたが、当の本人は窮地に立たされた状態での戦闘に生きがいを感じていた。その様子に激怒するマーリヤは、アッシュクラッドでアイゼンコップへの攻撃を続けたため、フリーとリスカーの剣での打ち合いになるが、負傷した左手も容赦なく剣先に出すリスカーの戦いぶりに、剣を一本手放してしまうフリー。そこへ人工妖精の攻撃に押され始めた傭兵部隊は、ディッパーを筆頭に撤退の指示をリスカーに仰いだため、リスカーもフリーの剣を踏み折りながら、撤退を指示する。

ソフィーが投げた煙幕の影響で、リスカーを見失ったマーリヤは、オズの仇を逃すまいと一人で追撃を始めるのだった。

秘密の通路から出たシュヴァルツは、被っていたフードを取り、堂々と宮殿内を進み、出くわした統一兵を殺害しながら皇帝のいる部屋を目指す。とうとう皇帝の周囲の護衛も射殺し終えたところで、ウルフランが姿を消していることに気付き、傍にいた兵士に尋ねるが、その問いにウルフランは役目を終えて去っていったのだと答えたのはカルオー公のレイ・ドーンだった。ここにいるはずの無いレイの登場と、ウルフランを知っている口ぶりから、ウルフランが情報をレイに流していたことを知るシュヴァルツは、忌々し気に武器を構えるが、レイの妖精・スローンテイカーによって銃は錆びてしまい、さらに「時を知らない」とレイに言われてしまうのだった。

援軍として、宮殿を取り返すべく集まっていた統一兵が、宮殿入口から逃げ出てくるのを見たゴルバーンは、その原因がリスカーの妖精アイゼンコップに追い立てられていた事を知り、自分の身の危険も感じたため撤退を指示する。

そのころ、皇帝の目の前でレイのもつ妖精武器・ソロリアスによって致命傷を負わされたシュヴァルツは、レイが力を隠していた事、それほどの力がありながらゴルバーンの敷いた統一の体制に背かなかった事など、恨みごとを言い、レイはそんなシュヴァルツを浅はかで正直過ぎたため、嫌いだったと返し、罪人としてとどめを刺しシュヴァルツを絶命させるのだった。

宮殿から撤退していったリスカー達を、マーリヤは尚も追いかけようとしたため、フリーは彼女の腕をつかんで止める。オズの仇を取るのではなく、ドロテアとして、宮殿内の敵を撃退した任務は成功したのだと諭すフリーに、感情的にそれでいいのかと声を上げたマーリヤだったが、落ち着きを取り戻し、自分たちは勝ったのかとフリーに尋ねる。フリーからは、力強く自分たちは勝ったのだと返答を貰ったマーリヤは、顔を上げて昇る朝日を見るが、周囲は攻撃によって破壊されており、勝ったとはいいがたい爪痕を残しており、マーリヤは自分の制服にあるドロテアのエンブレムを思わず掴むのだった。

 

今までに表示された年号と出来事 ※青字は今回追加分

統歴481年

サイダル王 ゴルバーン・ヘルワイズが皇帝の勅命が下ったとして隣国ティムーンに進軍を開始。

統一戦争開始

統歴487年

レドラッド妖精兵研究施設で妖精器官の移植する手術を受けるフリー

レドラッドの開兵式場に参列するフリー、ウルフラン、ジェッドの三人。

統歴491年

マーリヤ、スーナのユルゲン・ゾーンの家で育てられる。

スーナの森で、ヴェロニカがマーリヤに声を掛け、仲良くなる。

レドラッドでユアン・ブリーズとの戦闘中に、フリーを庇ったジェッド・グレイブが戦死。

統歴493年

スーナがレイ・ドーンによって滅ぼされる。

マーリヤとヴェロニカが追手の兵士から逃れる途中で分かれる。

フザンで、路地に倒れるヴェロニカ〈意識あり〉

統歴494年

ファナチカで、人を避けて山に入り行き倒れたマーリヤをヴィクトルが保護する。

統歴495年

レドラッド。自宅があったブランハットで、ウルフランが妻子が戦闘に巻き込まれ死亡したことを知る。

統歴496年

統一戦争終了

レドラッドのロンダキア宮殿でサイダル王のゴルバーン・ヘルワイズがゼスキア皇帝に王位を返上し宰相となる。

マーリヤを育てたヴィクトルが病気にかかる。

統歴497年

ファナチカでマーリヤを育てた人物・ヴィクトルが死亡。

焼け落ちたスーナにマーリヤがヴェロニカを探しに戻る。

旧カルオー領ツバルで、ヴェロニカがレイ・ドーンを襲撃するが失敗。その数か月後、ヴェロニカを探しにマーリヤがツバルに到着。

元サイダル王のゴルバーン・ヘルワイズが統一ゼスキアの首相となる。

統歴498年

エディ・ロイドが統一ゼスキア軍人工妖精整備部門を依願退職。行方知れずとなる。

統歴503年

リトローク公 ウマル・ジュジュマンが処刑される。

統歴505年

マーリヤ、ドロテアに入隊。

終戦から10年目の記念式典開催

ハイブランツ公 シュヴァルツ・ディーゼが反逆を起こし、カルオー公 レイ・ドーンによって討ち取られる。

 

ここから感想

さすがに戦闘中だったため、マーリヤの仲間意識改革については要素少なめでまとめられていた。まぁ、単純にオズの仇が目の前にいるからね。そりゃ「仲間ってこういうときはどうするのかな」なんて、呑気に咀嚼して消化してはいられないのは、理解する。だから前回も書いたけど、もっと早く手を付ければ良かったんだよ。

で、最終回でシュヴァルツが討ち取られ、残るのはゴルバーンとレイだけなので、後半は「戦争で失ったものが大きすぎて先に進めない人」代表の、ウルフランが統一体制への挑戦。ヴェロニカが仇への挑戦って感じなんだろうな。

その他第二クールで行うべき話題が、レイがなぜ妖精郷・スーナを焼き払ったのかという疑問の解決と、「どうしてもジェットに追いつけない」と、何かと二の足を踏んでいるフリーの自己肯定感を育てること。スウィーティーが目指している事柄の正体を明らかにすること。最終的に妖精との共生なのか搾取し尽すのかを、マーリヤの妖精憑きの体質と合わせて明らかにする事。と、側面を変えればまだまだ出てくるので、案外後半もやることが多いよな。という事は、前半では特に重要な部分はマーリヤの仲間意識改革以外は、特に解決しないという事か…随分とゆっくりな構成だな。

で、何かと理解しがたいセリフ回しで、毎週内容を書くのに苦慮した作品になったのだけど、やはり第一クールの最後まで辛かった。特にリスカーと率いている傭兵部隊は痛い。どうして大の大人が揃いも揃って、自己顕示欲を開放しながら、自分の世界に酔ったままつるんでいるのか。しかもそれを描いたからと言って、作品に何か大きな影響があるわけでもなく、単なる戦争狂いの表現方法の一つだろうと思われるから性質が悪い。これで、第二クールでは「終戦後も戦いに囚われた戦争狂いが、人々の中にはいるんだよ」と表現する役目も終えて、単にフリーに自信を持たせるきっかけとして戦って死なせるだけだとしたら、痛いうえにこの2話は時間の無駄だと思える。そうなるくらいなら、フリーは最初からもっと成長した人間として作ればよかったんじゃね?と思えてならない。本当に、フリーの成長部分を描くくらいなら、歩きながら昔話をして、この作品内の世界史を視聴者に教える事態にならない様に工夫をしてほしかった。説明をセリフでするのは近年特に増えてきてるけど、この作品の場合なら、あのアバンの過去の話の間にでも入れておけよと思う。アバンでの歴史振り返りコーナーをやってもなお、描けないことがあるのなら、それは表現する事柄の分量と、表現する力のバランスが悪いんだよ。ここは作り手側が分量を見て諦めてくれれば済む話なんだけどな。

自分の所為で人が死ぬと自意識過剰、アイツの様にはなれないと自己肯定感の欠如、時代が変わっても自分は不変であると思う全能感。(ここまでくれば、ダミアンの「人間はどうしようもない」発言も、単にリスカーと同じ全能感の部類かな?)どれも中二病の特徴とされるけど、これを中高生の年代でなく、オッサンまでもが陥っているのがこの作品を視聴するうえで辛いところだ。さらに地名もアイテムも単に多いだけで、設定が凝っているのではなく、話を進めるうえで必要だからと説明してしまうという残念さ。この二つが合わさって、何とも言えない状況なのだけれど、10月から始まる第二クールの感想を、書くかどうか検討中。たぶん感想を書かないのなら、視聴すらしないな。

 

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