はちよりうえ

見たアニメについて感想などをメモる。※ネタばれあり

フルーツバスケット 第21話「売られた電波は買わなくちゃ」感想

 

今週の内容

暗雲立ち込める墓場の中にそびえる洋館、そこを訪れた皆川素子は、扉を開けた瞬間に飛び出ていった蝙蝠に屈することなく、洋館の中へと足を進める。扉が閉まる音に驚きながらも進んでいくと、突然素子の足元に魔法陣とその一部で得あるかのように火のついた蝋燭が出現する。これには足を止めてしまう素子に、黒いドレスを着た洋館の主・花島咲は、エントランスホールへと伸びた階段を降りつつ、カラスを従えて素子を出迎えたのだった。

というところで、素子は叫び声をあげながら夢から覚め、階下の母親から怒鳴られる朝を迎えたのだった。

学校でありさと共に移動教室から戻ってきた透は、咲が木之下南と連れの山岸美緒と話しているのを目撃する。咲が嫌いなタイプとしているこの二人と話していたのは、どういった内容だったからなのかと、興味を持ったありさが聞いたところ、「学校新聞で電波の特集をする」という理由で、取材がてら咲の家に行きたいと言う申し出だったらしく、咲はよからぬ企みを察知しつつも、了承していたのだった。面白そうだからと、ありさはさっそく学校の帰りに咲の家に行くと言い出し、透は咲が心配だから行きたいと思いつつも、バイトがあり、その後は草摩杞紗と燈路が紫呉の家に来る予定だったため、あえなく断念するのだった。咲も、透の予定を聞き、少し残念そうなそぶりを見せたのだった。

空き教室から由希を眺めていた素子は、南と美緒

から咲の家に潜入できるとの報告を受け、今一度事を起こす目的を再確認する。

本田透駆除政策」と呼ばれたそれは、海原高校の女子生徒の半数以上が加入している由希のファンクラブ「プリンス・ユキ」が掲げる、様々な規律に違反し続ける、もはや邪魔な存在と認識された透を、由希から遠ざけようと言うものだった。しかしその透を排除するためには、まずは「電波」を操りる咲の弱みを握らなければならないのであった。

実際に、透達がまだ1年生だった頃のマラソン大会で、由希と親しげに話していた透に制裁を加えた木之下南は、この毒電波にあてられ、一週間寝込むという経験をしている。

これらの経緯から、咲の家に潜入して弱みを握ろうと言う作戦に出たプリユキ。各学年の代表の素子、南、美緒の三人で、作戦の成功を願って空き教室で気勢を上げたのだった。

放課後、咲に案内されて花島家に向かうプリ・ユキの三人。しかし、咲が振り返るたびに毒電波が怖くてたじろいでしまう南と美緒。そんな二人をフォローするように必死に咲に話題を振る素子なのだった。

想像した墓場の中にある洋館などでは無く、普通の一軒家に案内され、ホッとする三人。しかし、玄関を入ってすぐに、咲に「本名を語らない方が身のため」と忠告を受け、その意味も分からずにただ心中で突っ込むだけにとどめてしまったのだった。

咲がお茶を淹れている間に、彼女の部屋に入っているように言われた素子たちは、さっそく部屋も黒いものが多いが、一般的だと分りホッとする。プリ・ユキの構成員だけという気安さからか、お茶を飲みたくないと言う下級生二人を、気合で対処しましょうと宥め、目的の弱点探しを始める三人。衣服も化粧道具なども黒く、クローゼットや引き出しを開けるたびに黒いとツッコんでしまう素子と美緒。唯一黒色では無い中身の少女漫画を発見した南も、弱点としてはインパクトに欠けると苦笑いするのだった。

日記、写真、ポエム、いざとなれば下着でも良いと、南と美緒にとにかく探すように急かす素子は、自らも手を動かしふすまを開けたところ、その向こうにいた男の子に気付き思わずそのまま閉めてしまう。ちょうど咲がお茶をもって来たため、素子はここでやっと驚く事ができ、ふすまの向こうに誰かいたと咲に尋ねるのだった。

ふすまの向こうにいた少年は、咲の弟の恵であり、姉に促されてもふすまを隔てたまま挨拶するなど、姉以上に行動が独特な少年であった。

恵は、客が透とありさでは無かったため、咲の新しい友人かと訪ねるが、咲にあっさりと他人だと返される。素子も咲の言い方には嫌みを感じるほどなのだった。

毒電波を飛ばせる咲に加え、そんな姉によく似た弟までテーブルを囲んでいる状況に、緊張のあまり話を切り出せない南と美緒。素子は、何とか恵をダシに会話をたどたどしく続け、恵は毒電波こそ飛ばせないが、相手の名前が分かれば呪うことができると言う情報を得る。

不利な状況を認識した三人は、要件を聞いてすぐに帰ろうと決めるが、精神的に耐えられなかった一年生代表の美緒は、目的である「花島先輩の弱点ってありますか」と率直な質問を投げかけてしまったのだった。しかも、その問いに「ある」と答えた咲に、それは何かと三人で食いついたため、自宅まで来た目論見を悟った咲は、「透が気にくわないから、まずは邪魔な自分の弱みを握りに来た」のだと、確認するように三人を問い詰めるのだった。

目論見がバレたならと、本田透を排除したいのだと自ら明かして、咲に透にこれ以上由希に近づくなと説得するよう依頼する素子。しかし、咲は当人たちの問題だと相手にせず、嫉妬からくる行動は醜いと一言付け加えるのだった。

結局言い合いが始まり、とうとう友人である透を愚弄された咲は、「由希ごとき」と発言してしまい、由希を愚弄したと素子たちも怒りに身体を震わせる。そんな中、素子は透が由希の傍にいて笑いあっていることが、どれだけの人間の気持ちを踏みにじっているか分かるかと、目に涙を溜めて力説し始める。しかしそれを遮ったのは恵であり、一方的に高ぶった感情をぶつけると、相手の重荷になり、しまいには嫌われてしまうと話した彼は、それでもと何か言いかけようとした南から順に、三人の名前を一人ずつ確認するように呼んでいく。

恵に名前を知られたため、呪われると考えた素子たちは、脱兎のごとく花島家を後にする。通りすがりの小学生も、思わず振り返る女子高生三人による全力疾走なのだった。

玄関では、見送りに出ていた咲と恵だけが残り、咲は恵にいつあの三人の名前を知ったのかと問うと、お茶を淹れている間に呼び合っていたと恵は還し、彼が三人の行動をずっとふすまの向こうから見ていたことが判明する。

先ほどの恵の言葉で、自分も草摩の人間に嫉妬していたと自覚した咲は、あの三人は反面教師だと、思いを改めるのだった。

そう言ったやり取りをしていると、玄関のチャイムが鳴ったためドアを開ける咲。すると、学校帰りによると言っていたありさだけでなく、透も一緒に花島家を訪れていたのだった。

ありさから、透は咲の事を心配して、バイトの時間を遅らせまで来てくれたのだと知った咲は、やはり自分の弱点はいつだって透なのだと、他人を大切に思う事で「幸せだと思える時」を享受するのだった。

身体が動かない状態で、生贄の様に魔法陣に横たわっていた素子。魔法陣の外周と重なるように、何本もの蝋燭が周りを照らす中、咲と恵が黒いローブを纏って現れ、無言で素子の左右に分かれ、魔法陣に手をかざして呪文を唱え出す。その不気味さに恐れおののいた素子は、止めるように叫ぶが、二人の呪文は泊ることが無いのだった

と言うところで、叫びながら夢から覚めた素子は、またもや階下から母親に怒鳴られる朝を迎えたのだった。

学校に出て、花島家を訪問した三人でげっそりしていたところ、変な夢を見たと言う共通点があった事が、素子のつぶやきで明らかになり、青ざめる三人。さらにそこへ透と咲が現れたため、怖がりながらも「これからも屈しない」と透と咲に宣言する素子。何の話かつかめていない透を他所に、咲からは「ご自由に」との回答を得たため、格好よく立ち去ろうとするプリ・ユキの三人だったが、恵のかけた呪について、掛けられたかどうかも含めて三日後には分かると言う咲に、素子は心身ともに魔王だと、思わず言ってしまうのだった。

その後、プリ・ユキとの口論の際に「由希ごとき」と言ってしまった件について、由希本人に謝る咲。しかし急に謝られた由希は、何のことかさっぱり分からないのであった。

 

ここから感想

うん、モゲ太のテーマ曲は欲しいと先週分の感想にも書いたけれど、劇中内の小学生に歌わせるのはこれじゃ無い感があるので、ED差し替えの方向で、音楽も一緒に、もう一回お願いします。

で、前作は楽しかったこのエピソードも、今回はどうして間延びして見えてしまったのかを考えて、思い至ったよ。素子さんのお部屋が和室の洋風アレンジ感が無かったところと、ポエムしている素子さんが皆無であった事、そしてそのポエムからの素子さんのお母様との言い合い&ご実家が八百屋っていう設定を明かしてはくれなかった点が非常に大きいかな。

まぁこの点を取り入れても、それだけじゃ間延びせず乗り切れないだろうけど。

リメイクを作っている方々は、どうやらこの自分に浸ってポエムを読んでしまうというキャラの演出を取り払っていくようで、綾女、竹井元生徒会長、素子さんと、三人ともスピード感重視のキャラが、いずれも全力で駆け抜けていない印象しか残らないのが残念。今後も、妄想の言い合いも、雰囲気が変わると子供の遊戯の「はないちもんめ」みたいなやり取りに終わっちゃうんだろうな。あの勢いがあって、そこからの先輩方の思いとどまる様を、一読者として彼らの成長として受け取っていただけに、これが無いと、特に竹井元生徒会長は、ただのダメな先輩になってしまう。そうなると残念だ。

そして、来週はどうやら花島咲の過去話となる様子。このエピソードは、原作ではだいぶ後半に明かされていたので、今回の話と繋げてだと、「電波で心を読むなんて」っていう批判が殺到しそう。でも、咲の立場はこのエピソードを経てはっきりとさせられるので、この「透の苦しみをダイレクトに感じられる咲」という効果を、作り手さん方はどう「視聴者は知っている」という点を意識しつつ、今後の原作と違った表現を行うのか、これはだいぶ視点改変になりえるのでこのエピソード後の方が楽しみだな。

 

 

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