はちよりうえ

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Fairy gone フェアリーゴーン 第17話「砂の上の天秤」感想

サブタイ、天秤に何かをかけているのは、ドロテアに正体を明かしたダミアンでも、情報を得て摘発に力を入れているネイン局長でもなく、黒の妖精書に書かれている事柄を解明するために、どう動くかを会思案している妖精省大臣ってことだろうな。

 

今週の内容

船島の管理棟を襲撃した犯人の逃走を封じるために、橋を封鎖したドロテア。交通が遮断されたために、商人たちは橋の検問所へ仕事ができないと文句を言っていた。

イージェイとの戦闘から引く際に、ダミアンたちと別れたスウィーティーとパトリシアは、船島に停泊中の船にいた。

スウィーティーが、グイ・カーリンの四大幹部を相手取ってでも黒の妖精書を手に入れようとするこの状況を見て、パトリシアはこだわる理由を尋ねる。するとスウィーティーは自分の父親がミッドエンドの探索をしていた話をし、父を通してミッドエンドにも思い入れがあることをパトリシアに伝える。これを聞いたパトリシアは、そのまま今後の話を続け、グイ・カーリンやドロテア等、敵の多いスウィーティーはゼスキアを離れて、ウェスタルドへ逃れることを提案し、面白そうだろうとパトリシアに笑い、パトリシアも同意するのだった。

襲撃され、焼けてしまった管理棟周辺では、ダミアンを連行するために車が用意され、マーリヤは住人を近づかない様に声を掛けて回っていた。ダミアンを車に乗せたフリーは、リリーからイージェイを発見できなかった報告を受け。船島へつながる橋の封鎖も明朝までが限度だと二人で話し合う。今回の成果はダミアンの身柄を確保した事かと、考えたフリーだが、アルバストラの末裔としてイージェイに狙われていたダミアンもまた、ドロテアに連行されることを良い方向に考えるのだった。

ダミアンと合流できなかったヴェロニカも、マーリヤが声を掛けている姿を確認し、自分一人でも成すべきことをするとつぶやき、その場を離れていく。

ロンダキアのドロテア本部に戻り、ネイン局長へ報告を上げるフリー。そして連行したダミアンから、局長へ話があると尋問室へと移動し、フリーとマーリヤがいる場では、妖精兵の生みの親とされるミッシェル・カルメの玄孫として、妖精学者のダミアン・カルメと名乗り、人払いを済ませた後にネインに話したのは、クルーチャ・アルバストラの末裔として、アルバストラの名を捨てた事と、黒の妖精書の内容を全て知っているという事だった。

執務室に戻り、チマをあやしていたマーリヤに、フリーは船島で見かけたヴェロニカの事を考えていたのかと声を掛けつつ、カップを渡す。

マーリヤは、統一ゼスキアがドロテアを使って黒の妖精書を収集するのは、機密文書の保管という目的があることを踏まえた上で、ではなぜマフィアや妖精学者が黒の妖精書を狙うのか、その理由について疑問に思っているのだとフリーに打ち明ける。

フリーは、妖精書の構成を説明し、原本と青赤白黒のそれぞれの妖精書をまとめたはずの定本に、黒の妖精書の部分だけが載っていなかたことを話す。さらに定本の著者であるアラン・バックは、所持していた黒の妖精書の複製を、暗号化し、九つに分割して隠し持っていたことから、黒の妖精書は定本が書かれたおおよそ200年前から狙われていたことを推測するマーリヤ。その憶測に同意しつつ、フリーは黒の妖精書が狙われる理由は、その内容自体に価値があるのか、又は他の要素があるのかまでは分からないと答えるのだった。

尋問室では、黒の妖精書の内容と、アルバストラ一族の目的についてを話すダミアンに、ネインは何故自分にだけ話すのかと疑問を投げかける。

ダミアンは、黒の妖精書自体を、アルバストラの一族は世に出す前に抹消しようと考えていたことを話し、ネインは定本の著者であるアラン・バックが複製を所持していたことから、その思惑が失敗したことを理解する。そして、その写本を集めて利用しようとする者たちの中に、グイ・カーリン以上の存在があることを打ち明けるダミアンなのだった。

フリーとマーリヤの話も、黒の妖精書の価値についてから、戦争への利用について話が及び、統一戦争での妖精兵や人工妖精の登場で、被害が拡大したことを思い出したフリーは、こめかみを押さえながら天井を仰ぎ、繰り返してはいけないのだと言うマーリヤの言葉に同意していた。

妖精省の大臣、マルコ・ベルウッドの元を朝早くに訪れたネイン。黒の妖精書の解読を行っていたマルコは、机上に並べられた妖精書を片付け、カーテンを開けてから彼女を部屋に入れる。

ネインから、船島で発見された黒の妖精書が黒の九であることと、強奪した組織はグイ・カーリンだと報告を受け、ドロテアがグイ・カーリンの摘発に踏み切る際の協力も承諾したマルコ。そんな彼に、部屋を出る間際になって黒の妖精書の解読と、滅びた国トゥファールについて言及するネイン。黒の妖精書の解読が進み、その技術を利用した末の滅びについて釘を刺された形のマルコだが、彼は顔色一つ変えずに、もし、黒の妖精書の内容がそう言った滅びをもたらすものであれば、人は知る必要は無いと言う、至極平和的な回答を行うのだった。

ロンダキアのあるバーで、物憂げにグラスを眺めていたスウィーティー。そこへ現れたフリーは、グイ・カーリンの情報と引き換えに彼女を逮捕しないと言う取引を持ち掛ける。それを聞いたスウィーティーは、真剣な表情になり、自分のグラスを差し出し、フリーが飲み干したら自分も交渉に乗ると条件を付ける。彼女の出した条件に、フリーは応じ、グラスを手に取って交渉について偽りがない事を証明するのだった。

スウィーティーから聞き出したグイ・カーリンの構成員のリストを、首相のゴルバーンに報告し、摘発の許可を得るネイン局長。リストの中には、事業家や政府の高官まで名を連ねており、ゴルバーンは事の重大さから、誤認であった場合の責任をネインが追うと聞いてから、ようやく許可を出すのだった。

グイ・カーリンを根絶やしにするため、動き出したドロテア。情報屋のバズにターゲットに近づくための手配を依頼したクラーラとセルジュのペア。クラーラを姐さんと呼んで、手抜かりが無いようにと部下へ指示を出すバズを見たセルジュは、彼の浮かれように過去に何があったのか気になっていた。

バズが、茶目っ気たっぷりのウインクと共に取り出した夜会用ドレスに、思わずひきつった笑みを浮かべたクラーラだが、エスクレクの夜会会場ではそのドレスを身にまとい、ターゲットの姿を確認、作戦を決行するのだった。クラーラの一言で、同行していたバズが合図を送り、配置された部下たちがそこここでまた違った動作で合図を送りあう。その様子を思わず目で追ってしまったセルジュは、思わずクラーラを姉御呼ばわりしてしまい、彼女に睨まれてしまうのだった。

外務省事務次官のニック・ライマーへは、局長のネインが赴き、逮捕に至る。

捕り物のためにフザンに向かったフリー達数名のドロテアは、身を隠すために違法オークションで使われていた会場を使っていた。廃墟と化したオークション会場は、フリーとマーリヤが出会った場所だったため、二人は倉庫やホールを回っていた。

ふと、フリーが今まで何をしていたのかを聞いたマーリヤに、統一戦争時代から戦っていたため、戦うこと以外は何も知らない状態になっていたと語るフリー。しかしマーリヤは、ヴェロニカを探していた自分に、ドロテアに入るよう手を差し伸べてくれたと、フリーの言葉を否定する。そんな彼女の言葉に、フリーはそうすることで、マーリヤを戦いに巻き込んだのだと言い返したため、マーリヤは自分が災いの子だから、身の回りの人間に良くないことが起こると思っていたことを、傲慢だったと話し、人はそれぞれの人生を生きているのだと語り、自分自身はドロテアに入って、仲間を得たからこそ戦えるのだと、フリーに笑顔を向ける。マーリヤの言葉を聞いたフリーは、思わず声ふぁふるえ、目元を手で覆いながら「それなら良かった」と返すのだった。

マーリヤの手を取り、任務に戻ったフリーは、北イースタルド運送での捕り物に奔走し、政府に多額の投資をしてきた実業家のブラン・ザカイアと、その愛人の確保に至った。

捕り物が続く中、省庁の建物内で顔を合わせたドロテアのネイン局長と、妖精省大臣のマルコ・ベルウッド。ドロテアの強引な手法では歪を生みかねないと言うマルコに対し、安寧と平和を理由に多少は致し方ない事を述べて、やり方は変えないことを示唆するネイン。マルコは、自分の忠告を無下にしたネインが去っていくのを見届けてもなお、口元の微笑みは絶やさずにいた。

ドロテア本部から、ダミアンを連れ出すフリーとマーリヤ。人がいない時間を狙っての移動に、どこへ連れていくのかと尋ねるダミアンに、ダミアン本人への因縁を理由に、彼を狙っていたイージェイの捕り物が大掛かりになる事と、その関係でロンダキアから離れることを告げるフリー。

ダミアンがいるこの場を利用して、マーリヤは彼に幼馴染のヴェロニカを利用するなと、個人的な話を持ち掛ける。しかしダミアンは、ヴェロニカには何も強制していない事や、彼女は一人でもレイ・ドーンへの復讐を成し遂げると返す。マーリヤはその言葉にいら立ちを隠せなかったのか、左手を足に打ち付け、ヴェロニカにはまだ自分がいるのだと怒鳴ってしまうのだった。

 

 

今までに表示された年号と出来事 ※青字は今回追加分

統歴467年

レイ・ドーン 兄のユルゲンと共に故郷のスーナ近くの森で融合体の誕生を見る

統歴481年

サイダル王 ゴルバーン・ヘルワイズが皇帝の勅命が下ったとして隣国ティムーンに進軍を開始。

統一戦争開始

統歴486年

マーリヤ誕生 のちに母テレサ・ノエルが死亡する

イヴァン・ノエル スーナ近くの森で融合体の犠牲になり死亡する

統歴487年

レドラッド妖精兵研究施設で妖精器官の移植する手術を受けるフリー

レドラッドの開兵式場に参列するフリー、ウルフラン、ジェッドの三人。

統歴491年

マーリヤ、スーナのユルゲン・ゾーンの家で育てられる。

スーナの森で、ヴェロニカがマーリヤに声を掛け、仲良くなる。

レドラッドでユアン・ブリーズとの戦闘中に、フリーを庇ったジェッド・グレイブが戦死。

統歴493年

スーナがレイ・ドーンによって滅ぼされる。

マーリヤとヴェロニカが追手の兵士から逃れる途中で分かれる。

フザンで、路地に倒れるヴェロニカ〈意識あり〉

統歴494年

ファナチカで、人を避けて山に入り行き倒れたマーリヤをヴィクトルが保護する。

統歴495年

レドラッド。レドラッド王・オルバニーが自害。これによりレドラッドは降伏宣言を出す。

レドラッド。自宅があったブランハットで、ウルフランが妻子が戦闘に巻き込まれ死亡したことを知る。

統歴496年

統一戦争終了

レドラッドのロンダキア宮殿でサイダル王のゴルバーン・ヘルワイズがゼスキア皇帝に王位を返上し宰相となる。

マーリヤを育てたヴィクトルが病気にかかる。

統歴497年

ファナチカでマーリヤを育てた人物・ヴィクトルが死亡。

焼け落ちたスーナにマーリヤがヴェロニカを探しに戻る。

旧カルオー領ツバルで、ヴェロニカがレイ・ドーンを襲撃するが失敗。その数か月後、ヴェロニカを探しにマーリヤがツバルに到着。

元サイダル王のゴルバーン・ヘルワイズが統一ゼスキアの首相となる。

統歴498年

エディ・ロイドが統一ゼスキア軍人工妖精整備部門を依願退職。行方知れずとなる。

統歴503年

リトローク公 ウマル・ジュジュマンが処刑される。

統歴505年

マーリヤ、ドロテアに入隊。

終戦から10年目の記念式典開催

ハイブランツ公 シュヴァルツ・ディーゼが反逆を起こし、カルオー公 レイ・ドーンによって討ち取られる。

 

ここから感想

あれだね、これでやっとマーリヤの「災いの子の呪い」は解けたってことで良いよね。ここまで言わせたなら、もう作り手さんもこの案件は終わったと考えているはず。18話以降にまたぶり返したりとかは、もう勘弁願いたい。

で、マーリヤが内面的に一歩進んだために、兵士しかやることが無いと言っているフリーを、彼女が救い上げると言う内容だったわけだが…やはり、フリーのエピソードは表現されていない半生や、感情の流れを追っていないことが多いためか、取ってつけた感じが拭えないな。。

黒の妖精書の内容がまとめ本に載っていなかったとか、まとめ本の作者が黒の妖精書のネタを持っていながら隠していたとか、そういう1クール目でやるべき設定の話よりも、主人公の一角を担っているフリーをもっと表現すべきだよ。

作中で表現されなければ、フリーのこれまでの人生を憶測だけで考えることになり、そうすると、働ける年代になった時にちょうど戦争が起こって、国のために妖精兵になり、国が負けて七騎士の剣を故人から託されて困りつつ過ごし、ドロテア発足時にネインに誘われて再就職しただけの、流されるだけのキャラが出来上がる。しかも現在敵対している元同僚のウルフランとは当時から仲が良かったわけではないう…この状況に、因縁とか宿命とかの物語性が無いからこそ、フリーに諭されても、悩まれても、エピソードが画面上だけで盛り上がることになるんだと思う。

ビーヴィー・リスカーや、ミケル・コナー、アクセル・ラブー等の癖の強いターゲットを残しつつ、ひとまずスウィーティーとの交渉を終わらせた主人公たち。おそらくダミアンの言う強大な敵は原子の妖精を祭っているあの集団の事だろうけど、この進み方なら、とりあえず捕り物としては終わりそう。あとは、ヴェロニカと黒の妖精書の関係、レイ・ドーンがどの範囲で知っているかによって、今後の展開が大きく変わるのだろうな。

 

 

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